継母の心得 〜 番外編 〜

トール

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番外編 〜ノア5歳〜 〜

番外編 〜 こんにちは、赤ちゃん 〜 ノア5歳 ノア視点

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ノア視点


かわいい、かわいい、あかちゃん。
ちいさくて、ぷにぷにのおてて、ぷっくりふくれたほっぺ。
あまくて、おいしそおなにおい、するの。

おかぁさま、わたしのおてても、ほっぺも、ちいさくてかわいいっていうけど、あかちゃん、もっとちいさくて、かわいいのよ。

スフレパンケーキみたいに、ふわふわなの!

「ふに……」
「あっ、しゃべった!」

あかちゃんね、ちいさなこえで、ぷぅ、ふに、ぅぶ、って、おしゃべりしてるの!

「フフッ、お兄ちゃんは赤ちゃんに夢中ね」

おかぁさまが、わたしをなでなでしてくれるの、だぁいすき! わたしも、あかちゃん、なでなでしてあげるのよ。
おかぁさまみたいに、やさーしくよ。

「よしよし。いいこね」

おめめのそばは、なでちゃだめ。あぶないの。

「ぅ…ぶぁぅ」
「おかぁさま、あかちゃん、なんていってるの?」

しゃべってるけど、わたしには、あかちゃんのおはなし、わからないの。

「お兄ちゃん、なでなでしてくれてありがとうって言ってるのよ」

おかぁさますごい。あかちゃんのことば、わかるのね!

「ふふっ、わたし、おにぃちゃん!」
「そうよ。とっても優しいお兄ちゃん」

でもね、

「ふぇっ、ふぇ……っ」
「あかちゃん、ないちゃった!」

あかちゃん、かなしくなっちゃった?

「あら、お腹が空いちゃったのかしら」
「あかちゃん、おなかすいた? おやつ、いる?」

わたしのおやつ、わけてあるげるのよ。

「赤ちゃんは、まだノアの食べてるおやつは食べられないの」

わたしのおやつ、あかちゃんたべないって。じゃあ、なにたべる?

「あかちゃんは、お乳を飲むのよ」
「おちち?」
「そうよ。今からおかぁさまが、赤ちゃんにお乳をあげるから、見ていたら良いわ」

おちち、なぁに?

「奥様、いくら幼いとはいえ、ノア様は男の子ですよ!?」
「あら、カミラ。赤ちゃんがどうやってごはんを食べるのか、幼いうちにきちんと知識をつけてあげるべきですわ」
「ですが……」

カミラ、どおしたの?

「私も奥様の意見に賛成でございます。幼い頃にきちんと子育ての知識を学ぶことは、将来ノア様のお役に立つ事でしょう」
「マディソン侍女長……。お二人がそう仰るのでしたら……」

ないてるあかちゃん、おかぁさまがだっこして、おようふくから、おむね、だしたのよ。おきがえかしら??

そしたらね、あかちゃん、おむねパクって、たべちゃったの!

「おかぁさま! あかちゃん、おむね、たべてるのよ!?」

あかちゃんのごはん、おかぁさま!? イヤッ、おかぁさまが、たべられちゃうの!!

「あかちゃん、ダメなのよ! わたしのおかぁさま、たべないで!!」
「あらあら、ノア、赤ちゃんは、お母様のお胸から出てくるミルクを吸っているのよ」

おかぁさま、あかちゃんからまもろうとしたの。そしたら、あかちゃんたべてるの、おかぁさまじゃなかったのよ。

「おかぁさま、おむねから、ミルクでる?」
「そうよ。赤ちゃんを生んだらね、赤ちゃんの為に出るようになるのよ」
「!? おとぅさま、でる?」
「まぁっ! フフッ、お乳が出るようになるのは、赤ちゃんを生んだ女の人だけですわよ」

カミラも、までぃそんも、ニコニコわらってる……。しってたなら、おしえて!

「あかちゃん……、おいしそおね」
「そうね。お腹ペコペコだったたのね」
「いっしょお、けんめえ、かわいいの」

ずっとみていたら、おねむになってきたの。

「ノア? ……おねむかしら。カミラ、わたくしの横に寝かせてあげてくれる?」
「はい。奥様───……」


◇◇◇


「───私の孫たちは可愛いねぇ」
「お父様、二人が起きてしまいますわ。しーですわよ」
「あぁっ、ごめんねイザベル。でも、報せを聞いて慌ててやって来た甲斐があったよ」
「良いタイミングでしたわ。兄弟並んで眠っているんですもの」
「ああ。可愛い天使たちのお昼寝だね」

……おかぁさまと……おじぃさまのおこえ……。

おっきしなきゃ……、でも……おめめ、あかないの……。
も、ちょっとおねむ、しゃせて、ね。おっきしたら、ちゃんとごあいさつ、しゅるか、ら───……。

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