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オーベルシュタイン、二度目の冬
第422話、緑龍の村・雪合戦大会と鍋会!(後編2)
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雪合戦大会が終了し、一時解散。
汗を流した後に宴会場で鍋会となるため、エルミナたちと合流して家に戻った。
女性たちは入浴に向かい、俺はバルギルドさんとディアムドさんの治療をするため薬院へ。
薬院のドアを開け、薬の準備をしようと薬品棚へ向かうと……。
「あらら、こんなところに……」
部屋の隅にあるこたつに、なんとも可愛らしい光景が。
「にゃぅぅ……」
「みゃう……はむはむ」
「くぅぅ……」
ミュアちゃんとルミナが並んで眠り、ルミナがミュアちゃんのネコミミをはむはむしてる。その隣ではライラちゃんが眠り、マンドレイクとアルラウネも一緒に手をつないで寝ていた。
外でフンババと遊んでいたはずだけど……たぶん、ルミナのところで休んでいるうちに寝ちゃったんだろうな。
今夜は鍋会だし、先に風呂に入れないと。
俺はミュアちゃんたちを起こすべく近づき、まずはミュアちゃんのネコミミをはむはむしてるルミナを撫でた。
「ルミナ、ルミナ。そろそろ晩ご飯だぞ」
「みゃう……んん? ん~……」
「おっと……ほら、寝ぼけないで起きろよ」
ルミナは俺に抱き着きごろごろ鳴く。
すると、ミュアちゃんたちも一斉に起きた。
「ふにゃぁぁぅぅ~~……よく寝たー」
「ぐるるぅ……わぅぅんn」
「まんどれーいく……」
「あるらうねー……」
「みんな起きたな。よし、お風呂に入ってさっぱりしたら晩ご飯だよ。行っておいで」
「にゃうー……」
「はーい。お兄ちゃん」
「まんどれーいく」
「あるらうねー」
女湯に行けば、先に行ってるミュディたちが面倒を見てくれるだろう。
ルミナも俺から離れ、眠そうなミュアちゃんたちは薬院から出ていった。
その後、バルギルドさんとディアムドさんの治療をして俺も風呂に入り、みんなより一足早く宴会場に入る。
すると、会場内は今まで見たことがないような光景になっていた。
「おお……こたつ、こたつ、こたつ……すごいな」
会場内はこたつだらけだった。
円卓のようなこたつが会場内いっぱいに準備され、こたつ一卓の上には大きな土鍋と魔道コンロ(ディミトリ商会で用意してくれた)が五個ずつ準備されている。
宴会場は銀猫たちがせっせと動き回り準備を進めている。
ちなみに、今日の雪合戦大会は銀猫たちがほぼ不参加だった。その理由が、鍋会の準備をするためだからである。
俺が宴会場に入ると、銀猫たちが一斉に頭を下げた。
「「「「「お疲れ様です。ご主人様」」」」」
「みんなもお疲れ様。いい匂いだね」
すると、雪合戦大会に参加したシルメリアさんの代わりに鍋会の準備を指揮していたオードリーが傍に。
「ご主人様。準備は間もなく完了します」
「お疲れ様。いやはや、準備万端って感じだね」
「はい。お鍋はもちろん、お酒も大量に準備してあります」
宴会場の一角には、今日のために用意した酒がこれでもかと準備してある。
ディアーナがベルゼブブで買い付けた物や、ディミトリ商会とアドナエルカンパニーからの贈り物、この村で仕込んだワインや清酒などがいっぱいだ。
オードリーは、ステージ近くにあるこたつを差す。
「あちらがご主人様のお席です」
「おお、ありがとう」
こたつの上では、すでにいい感じで鍋が煮えている……って、なんか変だな。
俺の鍋とほかのこたつの鍋を見比べると、具材が違った。
「あれ、なんかデカいカニが入ってるな……」
「はい。実は、マーメイド族から送られてきた『ガーネットクラブ』という超高級蟹です。三匹送られてきまして、ご主人様と今回の優勝チームにだけ振舞う予定です。Aクラスは優勝チームなしでしたので……」
「じゃあ、銀猫たちで食べなよ。銀猫宿舎で食べちゃえ」
「え……で、ですが」
「いいからいいから。みんな朝から鍋の準備してくれたんだし、そのくらいいいよ」
「ご主人様……ありがとうございます!」
というわけで、ガーネットクラブは俺と父上チームの鍋の具材となった。
それから間もなく、雪合戦参加チームがぞろぞろ会場内へ。
席はチーム毎で、俺の席だけ俺とミュディが座った。すると、マンドレイクとアルラウネ、ルミナとライラちゃんが座り、ミュアちゃんはシルメリアさんが連れていこうとした。
「にゃあ! ご主人さまと一緒がいいー!」
「わがままはダメです。銀猫とあろう者が……」
「ふしゃーっ!」
「全く、いい加減に」
暴れるミュアちゃん。
いやはや、俺ってば本当に甘い。
「シルメリアさん。ミュアちゃんはこっちでお願いします。子供たちもいますし」
「ご主人様……わかりました」
「にゃうー! ありがとうご主人様さま!」
ミュアちゃんは俺の隣に座り、ルミナも隣に座った。
ミュディの隣にはマンドレイクとアルラウネが座り、ライラちゃんはその中間に座っている。
全員揃ったので、俺は乾杯用の清酒グラスを持ってステージ上へ……こういう時、挨拶するのは俺の仕事だけど、なんだかんだで慣れてきた自分がいる。
魔法で杖に拡声効果を付け、杖を口元へ。
『えー、みなさん。本日は雪合戦大会、まことにお疲れ様でした。Aクラスはまさかの優勝なし、Bクラスは父上……じゃなくて、チームアイゼンが優勝。どのチームの戦いも素晴らしく、白熱したと思います』
見てないけどね。
結果だけ見せてもらったから、今度は観客席を設けて見れるようにしたい。
『そして、待ちに待った鍋会です! お鍋のおかわりはもちろん、お酒も山ほど準備してあります。まだまだ長く続く冬の寒さを吹き飛ばすくらい、楽しくいきましょう!』
俺はグラスを掲げる。
こたつに座った住人たちもグラスを掲げた。
『では……かんぱーい!!』
「「「「「カンパーイ!!」」」」」
こうして、待ちに待った鍋会が始まった。
◇◇◇◇◇◇
さっそく宴会場は騒がしくなった。
何度も繰り返される乾杯、会場内いっぱいに広がる鍋の匂い、出歩き酌をする住人達……俺のところにもいっぱい人が来てお酌してくれた。
俺もお返しにと、アウグストさんたちやバルギルドさんたちにお酌する。
エルミナのところへ行くと、なぜか父上がいた。
「おおアシュト。お前ものめのめ」
「ち、父上? あの……」
「アシュトアシュト、あんたのお父さんめっちゃいい人ねぇ~……優勝賞品の高級酒、みんな飲ませてくれるってぇ~……うぃっく」
「おま、もう酔ってんのかよ」
父上はエルミナと飲んでいた。
二人とも酒好きだし気が合いそうな気はしてたけど、案の定だ。
飲みすぎるかもしれない。二日酔いの薬いっぱい準備しておこう。
シェリーたちのところに行くと、こっちには母上がいた。
「はぁ……この清酒、おいしいわね」
「でしょ! エルミナが作ったんだけど、すっごくまろやかでおいしいの」
シェリーは母上と清酒を飲んでいた。
さっそく徳利を掴んでお酌する。
「どうぞ、母上。でも、あんまり飲みすぎないでくださいね」
「わかっているわ。アシュト、あなたも飲みなさいな。エルミナさんとアイゼンはだいぶ仲良くなったみたいね」
「エルミナ、優勝賞品のお酒に惹かれただけだと思うけどねー……あ、お兄ちゃん。あたしにもちょうだい」
「はいよ。お前も飲みすぎるなよ」
「わかってますー」
続いて、ローレライとクララベルのところへ。
「アシュト。今日は楽しかったわ……それと、ドラゴンチェス大会の二回目はいつ?」
「い、いきなりだな……まぁ、冬の間にもう一回くらいは」
「楽しみにしてるわ。ふふ……」
「お兄ちゃん、果実酒のもっ!」
「はいよ。じゃあお隣失礼」
クララベルの隣に座り、一緒に果実酒を飲んだ。
しばし談笑し、自分のこたつに戻る。すると、ガーネットクラブがいい感じになっていた。
というか、どうやって食えばいいんだ。
「関節の部分を素手でパキッて折って、中身を引き出すみたい」
「ミュディ、知ってるのか?」
「うん。オードリーに教えてもらったの……じゃあ、やってみるね」
ミュディはガーネットクラブを鍋蓋の上に乗せ、脚の一本をぱきっと折った。そして、関節部分をゆっくり引っ張ると……なんともぷりっとしたカニ肉が。
「こんな感じ。はいどうぞ」
「まんどれーいく」
「あるらうねー」
自分で食べず、左右に座るマンドレイクとアルラウネに渡すのがミュディらしい。
俺の真似し、ミュアちゃんとルミナに渡す。
「にゃあ。ありがとー!」
「む……うまいぞ」
ルミナはさっそくカニ脚を食べ、ミュアちゃんも食べる。
ライラちゃんにカニ脚を渡した後、俺とミュディはカニのハサミの部分を折って肉を食べてみた。
「……う、うまい」
「美味しい……美味しいよアシュト!」
「おお。カニってこんな味なのか……肉が繊維みたいにほぐれて、それでいて肉厚もあるし、味も濃厚だ」
「あ、そうだ。甲羅を開けるとカニ味噌っていうのがあるんだって。それをお出汁で溶かして、カニ肉を付けて食べると……」
ミュディはガーネットクラブの甲羅をパカッと開けた。
中にはこのカニの脳?があり、それをお出汁で溶かすと茶色い汁になる。そこにカニ脚肉をちょんちょん付けて食べると……いやはや、味と風味が増しました!
「うんまぁ……これ、清酒に合うわ」
「確かに……ふふ、飲みすぎちゃいそう」
カニだけでなく、肉や野菜もたっぷり入ったお鍋は最高だ。
お酒も進み、時間が経過するに連れてこたつで横になって寝る人も。
ミュアちゃんたちもいつの間にか寝てしまい、俺もだいぶ眠くなってきた……しかし、立ち上がる気にはなれないし、風呂に入ったのでこのままここで寝てしまいたいという欲求も強くなる。
そして、ミュディがいつの間にかマンドレイクとアルラウネに挟まれて寝ているのを見て、俺も諦めた。
この日、鍋会に参加した住人のほとんどが、こたつで一夜を過ごしたとさ。
鍋会は大成功だけど……すっごく眠くなっちゃうね!
汗を流した後に宴会場で鍋会となるため、エルミナたちと合流して家に戻った。
女性たちは入浴に向かい、俺はバルギルドさんとディアムドさんの治療をするため薬院へ。
薬院のドアを開け、薬の準備をしようと薬品棚へ向かうと……。
「あらら、こんなところに……」
部屋の隅にあるこたつに、なんとも可愛らしい光景が。
「にゃぅぅ……」
「みゃう……はむはむ」
「くぅぅ……」
ミュアちゃんとルミナが並んで眠り、ルミナがミュアちゃんのネコミミをはむはむしてる。その隣ではライラちゃんが眠り、マンドレイクとアルラウネも一緒に手をつないで寝ていた。
外でフンババと遊んでいたはずだけど……たぶん、ルミナのところで休んでいるうちに寝ちゃったんだろうな。
今夜は鍋会だし、先に風呂に入れないと。
俺はミュアちゃんたちを起こすべく近づき、まずはミュアちゃんのネコミミをはむはむしてるルミナを撫でた。
「ルミナ、ルミナ。そろそろ晩ご飯だぞ」
「みゃう……んん? ん~……」
「おっと……ほら、寝ぼけないで起きろよ」
ルミナは俺に抱き着きごろごろ鳴く。
すると、ミュアちゃんたちも一斉に起きた。
「ふにゃぁぁぅぅ~~……よく寝たー」
「ぐるるぅ……わぅぅんn」
「まんどれーいく……」
「あるらうねー……」
「みんな起きたな。よし、お風呂に入ってさっぱりしたら晩ご飯だよ。行っておいで」
「にゃうー……」
「はーい。お兄ちゃん」
「まんどれーいく」
「あるらうねー」
女湯に行けば、先に行ってるミュディたちが面倒を見てくれるだろう。
ルミナも俺から離れ、眠そうなミュアちゃんたちは薬院から出ていった。
その後、バルギルドさんとディアムドさんの治療をして俺も風呂に入り、みんなより一足早く宴会場に入る。
すると、会場内は今まで見たことがないような光景になっていた。
「おお……こたつ、こたつ、こたつ……すごいな」
会場内はこたつだらけだった。
円卓のようなこたつが会場内いっぱいに準備され、こたつ一卓の上には大きな土鍋と魔道コンロ(ディミトリ商会で用意してくれた)が五個ずつ準備されている。
宴会場は銀猫たちがせっせと動き回り準備を進めている。
ちなみに、今日の雪合戦大会は銀猫たちがほぼ不参加だった。その理由が、鍋会の準備をするためだからである。
俺が宴会場に入ると、銀猫たちが一斉に頭を下げた。
「「「「「お疲れ様です。ご主人様」」」」」
「みんなもお疲れ様。いい匂いだね」
すると、雪合戦大会に参加したシルメリアさんの代わりに鍋会の準備を指揮していたオードリーが傍に。
「ご主人様。準備は間もなく完了します」
「お疲れ様。いやはや、準備万端って感じだね」
「はい。お鍋はもちろん、お酒も大量に準備してあります」
宴会場の一角には、今日のために用意した酒がこれでもかと準備してある。
ディアーナがベルゼブブで買い付けた物や、ディミトリ商会とアドナエルカンパニーからの贈り物、この村で仕込んだワインや清酒などがいっぱいだ。
オードリーは、ステージ近くにあるこたつを差す。
「あちらがご主人様のお席です」
「おお、ありがとう」
こたつの上では、すでにいい感じで鍋が煮えている……って、なんか変だな。
俺の鍋とほかのこたつの鍋を見比べると、具材が違った。
「あれ、なんかデカいカニが入ってるな……」
「はい。実は、マーメイド族から送られてきた『ガーネットクラブ』という超高級蟹です。三匹送られてきまして、ご主人様と今回の優勝チームにだけ振舞う予定です。Aクラスは優勝チームなしでしたので……」
「じゃあ、銀猫たちで食べなよ。銀猫宿舎で食べちゃえ」
「え……で、ですが」
「いいからいいから。みんな朝から鍋の準備してくれたんだし、そのくらいいいよ」
「ご主人様……ありがとうございます!」
というわけで、ガーネットクラブは俺と父上チームの鍋の具材となった。
それから間もなく、雪合戦参加チームがぞろぞろ会場内へ。
席はチーム毎で、俺の席だけ俺とミュディが座った。すると、マンドレイクとアルラウネ、ルミナとライラちゃんが座り、ミュアちゃんはシルメリアさんが連れていこうとした。
「にゃあ! ご主人さまと一緒がいいー!」
「わがままはダメです。銀猫とあろう者が……」
「ふしゃーっ!」
「全く、いい加減に」
暴れるミュアちゃん。
いやはや、俺ってば本当に甘い。
「シルメリアさん。ミュアちゃんはこっちでお願いします。子供たちもいますし」
「ご主人様……わかりました」
「にゃうー! ありがとうご主人様さま!」
ミュアちゃんは俺の隣に座り、ルミナも隣に座った。
ミュディの隣にはマンドレイクとアルラウネが座り、ライラちゃんはその中間に座っている。
全員揃ったので、俺は乾杯用の清酒グラスを持ってステージ上へ……こういう時、挨拶するのは俺の仕事だけど、なんだかんだで慣れてきた自分がいる。
魔法で杖に拡声効果を付け、杖を口元へ。
『えー、みなさん。本日は雪合戦大会、まことにお疲れ様でした。Aクラスはまさかの優勝なし、Bクラスは父上……じゃなくて、チームアイゼンが優勝。どのチームの戦いも素晴らしく、白熱したと思います』
見てないけどね。
結果だけ見せてもらったから、今度は観客席を設けて見れるようにしたい。
『そして、待ちに待った鍋会です! お鍋のおかわりはもちろん、お酒も山ほど準備してあります。まだまだ長く続く冬の寒さを吹き飛ばすくらい、楽しくいきましょう!』
俺はグラスを掲げる。
こたつに座った住人たちもグラスを掲げた。
『では……かんぱーい!!』
「「「「「カンパーイ!!」」」」」
こうして、待ちに待った鍋会が始まった。
◇◇◇◇◇◇
さっそく宴会場は騒がしくなった。
何度も繰り返される乾杯、会場内いっぱいに広がる鍋の匂い、出歩き酌をする住人達……俺のところにもいっぱい人が来てお酌してくれた。
俺もお返しにと、アウグストさんたちやバルギルドさんたちにお酌する。
エルミナのところへ行くと、なぜか父上がいた。
「おおアシュト。お前ものめのめ」
「ち、父上? あの……」
「アシュトアシュト、あんたのお父さんめっちゃいい人ねぇ~……優勝賞品の高級酒、みんな飲ませてくれるってぇ~……うぃっく」
「おま、もう酔ってんのかよ」
父上はエルミナと飲んでいた。
二人とも酒好きだし気が合いそうな気はしてたけど、案の定だ。
飲みすぎるかもしれない。二日酔いの薬いっぱい準備しておこう。
シェリーたちのところに行くと、こっちには母上がいた。
「はぁ……この清酒、おいしいわね」
「でしょ! エルミナが作ったんだけど、すっごくまろやかでおいしいの」
シェリーは母上と清酒を飲んでいた。
さっそく徳利を掴んでお酌する。
「どうぞ、母上。でも、あんまり飲みすぎないでくださいね」
「わかっているわ。アシュト、あなたも飲みなさいな。エルミナさんとアイゼンはだいぶ仲良くなったみたいね」
「エルミナ、優勝賞品のお酒に惹かれただけだと思うけどねー……あ、お兄ちゃん。あたしにもちょうだい」
「はいよ。お前も飲みすぎるなよ」
「わかってますー」
続いて、ローレライとクララベルのところへ。
「アシュト。今日は楽しかったわ……それと、ドラゴンチェス大会の二回目はいつ?」
「い、いきなりだな……まぁ、冬の間にもう一回くらいは」
「楽しみにしてるわ。ふふ……」
「お兄ちゃん、果実酒のもっ!」
「はいよ。じゃあお隣失礼」
クララベルの隣に座り、一緒に果実酒を飲んだ。
しばし談笑し、自分のこたつに戻る。すると、ガーネットクラブがいい感じになっていた。
というか、どうやって食えばいいんだ。
「関節の部分を素手でパキッて折って、中身を引き出すみたい」
「ミュディ、知ってるのか?」
「うん。オードリーに教えてもらったの……じゃあ、やってみるね」
ミュディはガーネットクラブを鍋蓋の上に乗せ、脚の一本をぱきっと折った。そして、関節部分をゆっくり引っ張ると……なんともぷりっとしたカニ肉が。
「こんな感じ。はいどうぞ」
「まんどれーいく」
「あるらうねー」
自分で食べず、左右に座るマンドレイクとアルラウネに渡すのがミュディらしい。
俺の真似し、ミュアちゃんとルミナに渡す。
「にゃあ。ありがとー!」
「む……うまいぞ」
ルミナはさっそくカニ脚を食べ、ミュアちゃんも食べる。
ライラちゃんにカニ脚を渡した後、俺とミュディはカニのハサミの部分を折って肉を食べてみた。
「……う、うまい」
「美味しい……美味しいよアシュト!」
「おお。カニってこんな味なのか……肉が繊維みたいにほぐれて、それでいて肉厚もあるし、味も濃厚だ」
「あ、そうだ。甲羅を開けるとカニ味噌っていうのがあるんだって。それをお出汁で溶かして、カニ肉を付けて食べると……」
ミュディはガーネットクラブの甲羅をパカッと開けた。
中にはこのカニの脳?があり、それをお出汁で溶かすと茶色い汁になる。そこにカニ脚肉をちょんちょん付けて食べると……いやはや、味と風味が増しました!
「うんまぁ……これ、清酒に合うわ」
「確かに……ふふ、飲みすぎちゃいそう」
カニだけでなく、肉や野菜もたっぷり入ったお鍋は最高だ。
お酒も進み、時間が経過するに連れてこたつで横になって寝る人も。
ミュアちゃんたちもいつの間にか寝てしまい、俺もだいぶ眠くなってきた……しかし、立ち上がる気にはなれないし、風呂に入ったのでこのままここで寝てしまいたいという欲求も強くなる。
そして、ミュディがいつの間にかマンドレイクとアルラウネに挟まれて寝ているのを見て、俺も諦めた。
この日、鍋会に参加した住人のほとんどが、こたつで一夜を過ごしたとさ。
鍋会は大成功だけど……すっごく眠くなっちゃうね!
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