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獣王国の家庭教師
第541話、思い出の城下町
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夕方になると、ミュアちゃんとペルシャちゃんが起きた。
二人とも、お腹が空いたようだ。
ラビリンさんが宿に迎えに来て、トーロウくんと合流。やってきたのは、大衆食堂といえばいいのか、広いホールに大量の丸テーブル、椅子が並んでる店だった。
ラビリンさんは、俺に言う。
「ここ、雑多なところだけどすごく好きなお店なの。先生、期待していいよ!」
「うん。ありがとう。ミュアちゃんたち、大丈夫かな?」
「にゃあ。お腹へったー」
「わたくしもペコペコですの」
『では……お、ちょうど隅の席が空いてますね』
トーロウくんが見つけた席へ。
丸テーブルを三つ合わせ、全員で座った。
グリフレッドとユーウェインは同席に困っていたが、俺が肩を叩いて頷くと苦笑しつつ席に座る。
あ、そういえば。ちゃんと紹介してないな。
「ラビリンさん、トーロウくん。こちらはグリフレッドとユーウェイン、俺たちの護衛を務めている。こちらはミュアちゃんとシルメリアさん。うちで働く侍女……」
と、ペルシャちゃんを見て思った。
ど、どうやって紹介しよう?
そういえば、知り合いに何ていえばいいんだ? 『俺が教えてる王族の子。ちょっと城を抜け出して遊んでる最中なんだ』って言えばいいのか?……なんかヤバい気がする。
汗を流す俺を見て、ペルシャちゃんは言う。
「わたくし、侍女見習いの……ぺ、ペルシャですの」
「ペルシャ……王女様と同じ名前だね! ふふ、かわいい」
『……同じ名前。それに猫族……縁起担ぎ、というものでしょうか?』
「さて自己紹介も終わり! ささ、俺が奢るから好きなの頼みなよ!!」
ちょっとデカい声でペルシャちゃんの話を打ち切り、料理を注文した。
グリフレッドとユーウェインには酒を勧め、俺も酒を注文した。残りは全員、冷えた果実水を注文。
料理は、ラビリンさんおススメの砂漠料理。
砂漠で育ったブタや牛肉を香辛料で味付けした物。さっぱりしたサラダ。オアシスで養殖している巨大魚の丸焼きなど、どれも豪快な料理ばかりだった。
乾杯し、料理に舌鼓を打ち、いろんな話をした。
「二人とも、勉強はどう?」
「んー、あたしはまぁまぁかな。あ、今度試験受けるんだ! 薬学の試験!」
『ボクは薬学は取りましたので、次は本命の医師試験を受けます』
「おお、頑張ってるんだね」
『ハイ。アシュト先生と肩を並べられるように、毎日勉強です!』
トーロウくんは、下顎の牙をキシキシ鳴らして笑った。
ラビリンさんは、ペルシャちゃんの口を拭きながら言う。
「ほらほら、ソース付いてる」
「にゃぶぶ……ありがとうございます」
「ん、綺麗になった。ふふ、うちにも妹いるからさ、可愛いよねぇ」
「にゃあ……」
ラビリンさんは、ペルシャちゃんの頭を撫でた。
くすぐったそうにはにかむペルシャちゃんは、どこか嬉しそうに見えた。
◇◇◇◇◇◇
食事が終わり、ラビリンさんたちと別れた。
「先生、またねー!」
『お元気で。また会いましょう!』
久しぶりに顔を見たけど、頑張ってるようでうれしかった。
二人とも、きっと自分の道を進んでいけるだろう。
俺たちは、腹ごなしに散歩をしながら宿へ向かっていた。
「アシュト先生……」
「ん、どうしたの?」
「わたくし、すっごく楽しかったです。この国の町を見ることができて、本当に勉強になりました。わたくし、本では得られないサファリのことが知れて、すごくうれしかったですの。にゃう」
「そっか。じゃあ……この息抜きも無駄じゃなかったね」
「はい。わたくし、もっと頑張れそうです!」
ペルシャちゃんは、ネコミミと尻尾を動かしまくって喜びを表現していた。
それから、宿に到着すると、ミュアちゃんと一緒に寝てしまった。
あとの世話をシルメリアさんに任せ、俺とグリフレッドとユーウェインは、宿近くの酒場で軽く飲みなおすことにした。
「いやぁ、さっすが旦那! 獣王国サファリのホットエール、美味いっすよね!」
「ユーウェイン、お前は飲みすぎだ。申し訳ございません、アシュト様」
「いいよ。ほらほら、もっと飲め飲め」
俺は、ペルシャちゃんの話を聞いて嬉しかった。
あんな小さな子が、あんなにも喜んでくれた。
『擬態の木』のおかげで、いい経験をさせてやれたと思う。
「それにしても……あの擬態の木って魔法、ほんとすごいっすね」
「え?」
「擬態魔法はあるけど、魔法で別人を本人に見せかけるくらいじゃないっスか。ちょっとした刺激で魔法は解除されちまうし、魔法を使った本人にしか擬態できないし。でも、旦那の使った魔法は『完全な本人』ですし、誰でも簡単に擬態できる……この魔法が広まったら、とんでもないことになりますぜ」
「まぁ確かに。でも、たぶん無理だぞ」
「え、なんでです?」
俺は、テーブルに付着した水滴を杖でなぞる。
「この魔法。消費魔力が尋常じゃないんだよ。一般的な魔法師の魔力が100として、擬態の木を発動させるのに魔力を700消費。擬態の木を維持するのに、一秒間で500くらい魔力を消費する。つまり、魔法を発動させた瞬間に魔力を使い果たして気を失う」
「「…………」」
「俺はシエラ様と契約してるから、魔力は無尽蔵なんだよ。今もガンガン魔力を消費してるぞ」
「だ、大丈夫なんすか?」
「ああ。全く問題ない。永遠にこのままでも平気かもな」
「旦那、やっぱすげぇわ……」
ユーウェインは眉をピクピクさせ、ホットエールを飲み干した。
グリフレッドは、つまみの串焼きを食べる。
「アシュト様。明日の予定は?」
「明日は、オアシスで遊ぼうかと思ってる。ペルシャちゃん、泳いだことなさそうだし」
「お、いいっすね。へへ、シルメリアさんのミズギ姿拝めるぜ」
「でもお前、無視されてなかったっけ? グリフレッドにはちゃんと挨拶してたよな」
「どうも、下心があると思われているようですな。シルメリア殿は紳士がお好きなようだぞ」
「うっせ!」
男同士で飲むのも悪くない。
そう思い、俺はホットエールを飲み干した。
二人とも、お腹が空いたようだ。
ラビリンさんが宿に迎えに来て、トーロウくんと合流。やってきたのは、大衆食堂といえばいいのか、広いホールに大量の丸テーブル、椅子が並んでる店だった。
ラビリンさんは、俺に言う。
「ここ、雑多なところだけどすごく好きなお店なの。先生、期待していいよ!」
「うん。ありがとう。ミュアちゃんたち、大丈夫かな?」
「にゃあ。お腹へったー」
「わたくしもペコペコですの」
『では……お、ちょうど隅の席が空いてますね』
トーロウくんが見つけた席へ。
丸テーブルを三つ合わせ、全員で座った。
グリフレッドとユーウェインは同席に困っていたが、俺が肩を叩いて頷くと苦笑しつつ席に座る。
あ、そういえば。ちゃんと紹介してないな。
「ラビリンさん、トーロウくん。こちらはグリフレッドとユーウェイン、俺たちの護衛を務めている。こちらはミュアちゃんとシルメリアさん。うちで働く侍女……」
と、ペルシャちゃんを見て思った。
ど、どうやって紹介しよう?
そういえば、知り合いに何ていえばいいんだ? 『俺が教えてる王族の子。ちょっと城を抜け出して遊んでる最中なんだ』って言えばいいのか?……なんかヤバい気がする。
汗を流す俺を見て、ペルシャちゃんは言う。
「わたくし、侍女見習いの……ぺ、ペルシャですの」
「ペルシャ……王女様と同じ名前だね! ふふ、かわいい」
『……同じ名前。それに猫族……縁起担ぎ、というものでしょうか?』
「さて自己紹介も終わり! ささ、俺が奢るから好きなの頼みなよ!!」
ちょっとデカい声でペルシャちゃんの話を打ち切り、料理を注文した。
グリフレッドとユーウェインには酒を勧め、俺も酒を注文した。残りは全員、冷えた果実水を注文。
料理は、ラビリンさんおススメの砂漠料理。
砂漠で育ったブタや牛肉を香辛料で味付けした物。さっぱりしたサラダ。オアシスで養殖している巨大魚の丸焼きなど、どれも豪快な料理ばかりだった。
乾杯し、料理に舌鼓を打ち、いろんな話をした。
「二人とも、勉強はどう?」
「んー、あたしはまぁまぁかな。あ、今度試験受けるんだ! 薬学の試験!」
『ボクは薬学は取りましたので、次は本命の医師試験を受けます』
「おお、頑張ってるんだね」
『ハイ。アシュト先生と肩を並べられるように、毎日勉強です!』
トーロウくんは、下顎の牙をキシキシ鳴らして笑った。
ラビリンさんは、ペルシャちゃんの口を拭きながら言う。
「ほらほら、ソース付いてる」
「にゃぶぶ……ありがとうございます」
「ん、綺麗になった。ふふ、うちにも妹いるからさ、可愛いよねぇ」
「にゃあ……」
ラビリンさんは、ペルシャちゃんの頭を撫でた。
くすぐったそうにはにかむペルシャちゃんは、どこか嬉しそうに見えた。
◇◇◇◇◇◇
食事が終わり、ラビリンさんたちと別れた。
「先生、またねー!」
『お元気で。また会いましょう!』
久しぶりに顔を見たけど、頑張ってるようでうれしかった。
二人とも、きっと自分の道を進んでいけるだろう。
俺たちは、腹ごなしに散歩をしながら宿へ向かっていた。
「アシュト先生……」
「ん、どうしたの?」
「わたくし、すっごく楽しかったです。この国の町を見ることができて、本当に勉強になりました。わたくし、本では得られないサファリのことが知れて、すごくうれしかったですの。にゃう」
「そっか。じゃあ……この息抜きも無駄じゃなかったね」
「はい。わたくし、もっと頑張れそうです!」
ペルシャちゃんは、ネコミミと尻尾を動かしまくって喜びを表現していた。
それから、宿に到着すると、ミュアちゃんと一緒に寝てしまった。
あとの世話をシルメリアさんに任せ、俺とグリフレッドとユーウェインは、宿近くの酒場で軽く飲みなおすことにした。
「いやぁ、さっすが旦那! 獣王国サファリのホットエール、美味いっすよね!」
「ユーウェイン、お前は飲みすぎだ。申し訳ございません、アシュト様」
「いいよ。ほらほら、もっと飲め飲め」
俺は、ペルシャちゃんの話を聞いて嬉しかった。
あんな小さな子が、あんなにも喜んでくれた。
『擬態の木』のおかげで、いい経験をさせてやれたと思う。
「それにしても……あの擬態の木って魔法、ほんとすごいっすね」
「え?」
「擬態魔法はあるけど、魔法で別人を本人に見せかけるくらいじゃないっスか。ちょっとした刺激で魔法は解除されちまうし、魔法を使った本人にしか擬態できないし。でも、旦那の使った魔法は『完全な本人』ですし、誰でも簡単に擬態できる……この魔法が広まったら、とんでもないことになりますぜ」
「まぁ確かに。でも、たぶん無理だぞ」
「え、なんでです?」
俺は、テーブルに付着した水滴を杖でなぞる。
「この魔法。消費魔力が尋常じゃないんだよ。一般的な魔法師の魔力が100として、擬態の木を発動させるのに魔力を700消費。擬態の木を維持するのに、一秒間で500くらい魔力を消費する。つまり、魔法を発動させた瞬間に魔力を使い果たして気を失う」
「「…………」」
「俺はシエラ様と契約してるから、魔力は無尽蔵なんだよ。今もガンガン魔力を消費してるぞ」
「だ、大丈夫なんすか?」
「ああ。全く問題ない。永遠にこのままでも平気かもな」
「旦那、やっぱすげぇわ……」
ユーウェインは眉をピクピクさせ、ホットエールを飲み干した。
グリフレッドは、つまみの串焼きを食べる。
「アシュト様。明日の予定は?」
「明日は、オアシスで遊ぼうかと思ってる。ペルシャちゃん、泳いだことなさそうだし」
「お、いいっすね。へへ、シルメリアさんのミズギ姿拝めるぜ」
「でもお前、無視されてなかったっけ? グリフレッドにはちゃんと挨拶してたよな」
「どうも、下心があると思われているようですな。シルメリア殿は紳士がお好きなようだぞ」
「うっせ!」
男同士で飲むのも悪くない。
そう思い、俺はホットエールを飲み干した。
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