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緑龍の村・夏祭り
第580話、夏祭りの準備
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ある日。俺は役場で手紙を書いていた。
あて先は、ハイエルフの里や人狼族の村、ダークエルフの里やマーメイド族の村、他にも取引先には全て書く。
内容は、『夏祭りを開催します。ぜひ見に来てください』という内容だ。
同じような内容の手紙を何通も書くのはけっこうめんどくさいな。
俺は、なぜか役場の村長執務室にいるルミナに聞く。
「なぁルミナ、手紙書くの手伝ってくれよ」
「やだ」
あっさり断られた。
ルミナは分厚い本を読んでいる。
龍医師のドナルドさんに聞いた話では、知識量だけなら獣医と呼んで問題ない。でも、経験が少ないからまだまだ獣医を名乗るのは許さない、という感じ。
本来なら、研修ということで、経験豊富な獣医に弟子入りしたりするんだけど……ここには獣医はいない。龍医師のドナルドも獣医を兼任しているけど、やはりドラゴンがメインなので、なかなかルミナの面倒を見るのが難しいそうだ。龍医師って激務らしいからな。
そんなわけで、ルミナはひたすら勉強。村の動物たちの世話をよく手伝っている。
「みゃう。そんなことより撫でろ」
「そんなことって……まぁいいか」
ルミナは本を閉じ、俺の太腿に座った。
手紙を書くのに邪魔だな。
俺は、ルミナを背後から抱え、頭を撫でたりネコミミを揉む。
「みゃう~」
「まったく、まだまだ甘えん坊だな」
「うるさい」
可愛い奴め。
ルミナに手伝ってもらうのを諦め、俺は手紙を書き続ける。
そして、何通目かの手紙の宛先を書いていると、ルミナが言う。
「それ、あの人狼……フレキに送るのか?」
「ああ。フレキくんとは手紙でやり取りしてるけど、毎日大変みたいだ」
フレキくんの手紙には、人狼族の村で起きた怪我や病気、病状の質問や処方箋の調合、新薬に関する質問などが書いてある。たまにエンジュからも手紙が届くけど……あいつの手紙、フレキくんとの日常ばかりなんだよな。しかも生々しい内容の時もあるし……新婚め。
そういえば、フレキくんに新婚旅行で天使の国にある別荘を貸したら喜んでたっけ。
「ルミナも、フレキくんに会いたいだろ? なんだかんだで、ずっと一緒に仕事してたし」
「べつに」
「まったく、素直じゃないな。なでなで」
「ごろごろ……」
ルミナの喉が鳴る。
喉が渇いたので、ルミナをどかして冷茶を淹れた。
窓を開けると、夏の熱気が入ってくる。
『ミーンミンミンミンミー、ミーンミンミンミンミ~……』
「あっつ……常夏セミの鳴き声、すごいな」
『にゃあっ』
「おっ」
窓のすぐ下にネコがいた。部屋に入り、ソファの上で丸くなる。
ルミナがネコに話しかける。
「外、暑いだろ」
『にゃぁぅ~』
「うん。家の中に冷たいシートがあるけど、ここより家のがいいぞ」
『にゃぁぁ』
「わかった。送ってく」
ルミナはネコを抱っこし、家に戻った。
そういや、シェリーが冷気の魔力を魔石に流し、その魔石を細かく砕いて水に溶かして、キングシープの羊毛を浸した『冷たい糸』で編んだカーペットが家にある。そのカーペットに魔力を流せば、半日くらいはひんやり気持ちいいんだよな。
今は、大量のネコが陣取ってるけどね……作るの大変とかで、まだ一枚しかない。
「あー……なんか、暑いな」
窓を開けたせいか、熱気が部屋の中に入ってきた。
俺は流れてきた汗を拭い、さっさと招待状を書くことにした。
◇◇◇◇◇◇
招待状を書き終わり、俺は役場を出た。
後はディアーナたち文官たちに任せよう。文官たち、こういうイベントを開催するまでの準備とか好きみたいで、みんな楽しそうに仕事してるんだよなぁ。
俺は薬院へ。ココロが一人でいるし、手伝いに行かねば。
道中、屋台の準備をしているサラマンダー族と、アウグストさんたちエルダードワーフに会った。
「叔父貴。お疲れっス!!」
「「「「「お疲れーっス!!」」」」」
「お、お疲れ様です」
サラマンダー族のバオブゥさんだ。そして、バオブゥさんたちの『兵隊』であるサラマンダーたち……よくわかんないけど、部下のことを『兵隊』とか『テッポウダマ』とかいろいろ呼び方あるらしい。
サラマンダーたちは全員、中腰になり両手を膝の上に乗せて頭を下げる。
すると、アウグストさんが金槌片手に出てきた。
「よぉ村長。毎日クソ暑いな」
「ええ。でも、エルダードワーフの穴倉に比べたらまだまだですよ」
「カッカッカ!! そりゃ違いねぇ」
笑いながら、俺は視線をアウグストさんの背後へ。
そこには、木造りの屋台があった。
「屋台ですね」
「ああ。いつでも使えるように、女子供でも組み立てられるように作ってる。できるだけ場所も取らねぇように、折り畳み式にして、倉庫に積んでおけるようにな」
「さすが……」
屋台は、簡素な作りだ。
どこにでもある祭り用の屋台。折り畳み式で軽い。
アウグストさんたちエルダードワーフが木台を切って加工。サラマンダーたちが組み立ててチェックし折り畳む。それの繰り返しで、五十以上の屋台が完成していた。
アウグストさんは、長い顎髭を弄りながら言う。
「にしても、祭りか。オレらがここに来て三年くれぇか? 自分らで開拓、建築してナンだが……ここまで広くなるとはなぁ」
「俺も驚いてますよ。小屋を建てて、温室や畑をやりながらのんびり暮らそうと思ってたのに」
「カッカッカ。ま、よかったじゃねぇか。ここでは美味い酒も飲めるし、いい温泉もある。毎日が楽しいぜ?」
「俺も同じです。本当に、楽しいですよ」
祭りの準備は順調に進んでいる。
緑龍の村、初めての夏祭り……絶対に成功させてやるぞ!
あて先は、ハイエルフの里や人狼族の村、ダークエルフの里やマーメイド族の村、他にも取引先には全て書く。
内容は、『夏祭りを開催します。ぜひ見に来てください』という内容だ。
同じような内容の手紙を何通も書くのはけっこうめんどくさいな。
俺は、なぜか役場の村長執務室にいるルミナに聞く。
「なぁルミナ、手紙書くの手伝ってくれよ」
「やだ」
あっさり断られた。
ルミナは分厚い本を読んでいる。
龍医師のドナルドさんに聞いた話では、知識量だけなら獣医と呼んで問題ない。でも、経験が少ないからまだまだ獣医を名乗るのは許さない、という感じ。
本来なら、研修ということで、経験豊富な獣医に弟子入りしたりするんだけど……ここには獣医はいない。龍医師のドナルドも獣医を兼任しているけど、やはりドラゴンがメインなので、なかなかルミナの面倒を見るのが難しいそうだ。龍医師って激務らしいからな。
そんなわけで、ルミナはひたすら勉強。村の動物たちの世話をよく手伝っている。
「みゃう。そんなことより撫でろ」
「そんなことって……まぁいいか」
ルミナは本を閉じ、俺の太腿に座った。
手紙を書くのに邪魔だな。
俺は、ルミナを背後から抱え、頭を撫でたりネコミミを揉む。
「みゃう~」
「まったく、まだまだ甘えん坊だな」
「うるさい」
可愛い奴め。
ルミナに手伝ってもらうのを諦め、俺は手紙を書き続ける。
そして、何通目かの手紙の宛先を書いていると、ルミナが言う。
「それ、あの人狼……フレキに送るのか?」
「ああ。フレキくんとは手紙でやり取りしてるけど、毎日大変みたいだ」
フレキくんの手紙には、人狼族の村で起きた怪我や病気、病状の質問や処方箋の調合、新薬に関する質問などが書いてある。たまにエンジュからも手紙が届くけど……あいつの手紙、フレキくんとの日常ばかりなんだよな。しかも生々しい内容の時もあるし……新婚め。
そういえば、フレキくんに新婚旅行で天使の国にある別荘を貸したら喜んでたっけ。
「ルミナも、フレキくんに会いたいだろ? なんだかんだで、ずっと一緒に仕事してたし」
「べつに」
「まったく、素直じゃないな。なでなで」
「ごろごろ……」
ルミナの喉が鳴る。
喉が渇いたので、ルミナをどかして冷茶を淹れた。
窓を開けると、夏の熱気が入ってくる。
『ミーンミンミンミンミー、ミーンミンミンミンミ~……』
「あっつ……常夏セミの鳴き声、すごいな」
『にゃあっ』
「おっ」
窓のすぐ下にネコがいた。部屋に入り、ソファの上で丸くなる。
ルミナがネコに話しかける。
「外、暑いだろ」
『にゃぁぅ~』
「うん。家の中に冷たいシートがあるけど、ここより家のがいいぞ」
『にゃぁぁ』
「わかった。送ってく」
ルミナはネコを抱っこし、家に戻った。
そういや、シェリーが冷気の魔力を魔石に流し、その魔石を細かく砕いて水に溶かして、キングシープの羊毛を浸した『冷たい糸』で編んだカーペットが家にある。そのカーペットに魔力を流せば、半日くらいはひんやり気持ちいいんだよな。
今は、大量のネコが陣取ってるけどね……作るの大変とかで、まだ一枚しかない。
「あー……なんか、暑いな」
窓を開けたせいか、熱気が部屋の中に入ってきた。
俺は流れてきた汗を拭い、さっさと招待状を書くことにした。
◇◇◇◇◇◇
招待状を書き終わり、俺は役場を出た。
後はディアーナたち文官たちに任せよう。文官たち、こういうイベントを開催するまでの準備とか好きみたいで、みんな楽しそうに仕事してるんだよなぁ。
俺は薬院へ。ココロが一人でいるし、手伝いに行かねば。
道中、屋台の準備をしているサラマンダー族と、アウグストさんたちエルダードワーフに会った。
「叔父貴。お疲れっス!!」
「「「「「お疲れーっス!!」」」」」
「お、お疲れ様です」
サラマンダー族のバオブゥさんだ。そして、バオブゥさんたちの『兵隊』であるサラマンダーたち……よくわかんないけど、部下のことを『兵隊』とか『テッポウダマ』とかいろいろ呼び方あるらしい。
サラマンダーたちは全員、中腰になり両手を膝の上に乗せて頭を下げる。
すると、アウグストさんが金槌片手に出てきた。
「よぉ村長。毎日クソ暑いな」
「ええ。でも、エルダードワーフの穴倉に比べたらまだまだですよ」
「カッカッカ!! そりゃ違いねぇ」
笑いながら、俺は視線をアウグストさんの背後へ。
そこには、木造りの屋台があった。
「屋台ですね」
「ああ。いつでも使えるように、女子供でも組み立てられるように作ってる。できるだけ場所も取らねぇように、折り畳み式にして、倉庫に積んでおけるようにな」
「さすが……」
屋台は、簡素な作りだ。
どこにでもある祭り用の屋台。折り畳み式で軽い。
アウグストさんたちエルダードワーフが木台を切って加工。サラマンダーたちが組み立ててチェックし折り畳む。それの繰り返しで、五十以上の屋台が完成していた。
アウグストさんは、長い顎髭を弄りながら言う。
「にしても、祭りか。オレらがここに来て三年くれぇか? 自分らで開拓、建築してナンだが……ここまで広くなるとはなぁ」
「俺も驚いてますよ。小屋を建てて、温室や畑をやりながらのんびり暮らそうと思ってたのに」
「カッカッカ。ま、よかったじゃねぇか。ここでは美味い酒も飲めるし、いい温泉もある。毎日が楽しいぜ?」
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緑龍の村、初めての夏祭り……絶対に成功させてやるぞ!
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