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緑龍の村・夏祭り
第591話、夏祭りの終わり
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その日、俺はラクシュミと出店を回った。
ラクシュミはずっと目を輝かせていた。特に、ディミトリの出店している魔道具店に興味を持ち、手で持てる小型扇風機や、瞬間湯沸かし器、先の先まで照らせるランプなどに興奮していた。
ラクシュミの夢は、魔道具職人。いい刺激になったと思う。
出店を満喫し、夜になった。
夜は、兄さんたちやガーランド王、ジーグベッグさんたちと合流。華緋大会を楽しむことに。
ちなみに……ちょっとだけ村長特権。華緋を見るため、専用のスペース作っちゃいました。ちょっとだけ罪悪感あったけど、誰も気にしていない。というか、俺が村長としての権利を全く使わないから、逆にこういう場所ではバンバン使って欲しいとのことだ。
村長スペースには、俺の関係者が大勢きた。
「アシュト」
「あ、兄さん」
「よ、アシュト」
「ヒュンケル兄も」
村長スペースは広く、椅子テーブルはもちろん飲み物、軽食も用意してある。
兄さんとヒュンケル兄、少し飲んでるみたいだ。
「いやー、祭りって最高だぜ。見ろよこれ……国宝みたいな女神像が、ダイコン五本分の値段で買えちまったぞ」
「それ、アウグストさんのだよね。あの人たち、ちょっとしたものでも国宝級になっちゃう腕だからね」
「実はオレも買った。母上なんて、ブラックモール族の宝石店で目を輝かせていたぞ」
鉱山で取れた原石を加工したアクセサリーだよな。しかも、一個一個の値段がニンジン一本分くらいの……あれも普通に考えたらおかしい。
母上、昔みたいに着飾ることはないみたいだけど、やっぱり宝石とか美しいモノは好きみたいだ。
「子供たちも喜んでいた。アシュト、招待してくれてありがとう」
「いやいや」
子供たちを見ると、ミュアちゃんやライラちゃんたち、マンドレイクとアルラウネたちと遊んでいた。
ルナマリア義姉さんはミュディやデーモンオーガ一家とお酒飲んでるし。
「じゃ、あっちで飲んでるからよ」
「うん、わかった」
「ん? おいヒュンケル、アシュトを誘わないのか?」
「アホ。アシュトは挨拶とかあるだろ、な?」
そう言って、ヒュンケル兄は兄さんと肩を組んで、父上とアウグストさんの元へ。父上もアウグストさんたちと談笑しながらお酒を飲んでいる。
すると、エルミナがジーグベッグさんと一緒に来た。
「アシュト村長、お久しぶりです」
「ジーグベッグさん、お久しぶりです」
ガシッと握手。
ジーグベッグさんはニコニコしていた。
「こんなに楽しい祭りは何万年ぶりでしょうか。いやぁ、実に楽しい!」
「それはよかった……何万年」
ギャグみたいな数字だが、この人数百万年生きてるんだよな……精神状態とか大丈夫なのかな。
すると、エルミナが酒瓶片手に言う。
「いやーはっはっは! 毎日お祭りでもいいわねぇ~!」
「お前、酔ってるだろ……」
「そりゃ酔うわよ。今日はお祭りだもん! ね、おじいちゃん!」
「はぁ……アシュト村長、孫がすみません」
「いえいえ。これでこそエルミナですよ」
「ちょっと、どういう意味よ!」
エルミナは空っぽの酒瓶をテーブルに置き、他の酒を探しに行った。
すると、カレラさんのテーブルにアイスワインが置いてあるのを見つけ、カレラさんに絡みだす。
ジーグベッグさんも、ため息を吐きながらエルミナの元へ。
今度は、シェリーとラクシュミが来た。
「やっほ、お兄ちゃん」
「やっほ~♪」
「シェリー、ラクシュミ。相変わらず仲いいな。まるで姉妹みたいだ」
二人とも、綺麗な銀髪だしな。
ラクシュミの生家であるプリメーラ家の特徴だっけ。
すると、ラクシュミは言う。
「姉妹かぁ。じゃあ、わたしがお姉さんかな~♪」
「はぁ? 歳はあたしのが上でしょ」
「そうだけど~……えいっ!」
「うきゃぁっ!?」
なんと、シェリーの後ろに回り込んだラクシュミが、シェリーの胸を揉む。
両手でがっしりと……いや、何やってんの?
「ふふふ。こっちの大きさはわたしが上! つまり、わたしがお姉さん!」
「うひゃっ!? ちょ、ラクシュミ! こんなところでやめなさいってば!」
「む?……ん~、ちょっと大きくなった?」
「やめろバカ!!」
なんとも楽しそうだ。仲良し姉妹って感じ。
すると、シェリーたちの後ろに母上が。
「ラクシュミ、何をしているのかしら?」
「ひっ、お、叔母さま」
「まったく、あなたは……こんな場所でじゃれ合うなんて、淑女として恥ずかしいと思わないのかしら。そうね、少し教育が必要ね」
「そうだそうだ! お母さん、もっと言ってやって!」
「シェリー、あなたもですよ」
「え」
「あなたも、久しぶりにどうかしら? 私と一緒にお勉強」
「「ひっ」」
「アシュト、二人をお借りするわね」
「どうぞどうぞ」
触らぬ神に祟りなし……俺は二人から離れた。
母上に引きずられる二人を見送ると、背中に衝撃が。
「お兄ちゃんっ!」
「うおっと! おお、クララベル」
「えへへ。明日はお兄ちゃんと一緒にいられるよ!」
「え、店は?」
「お店、明日のぶんの食材も全部使っちゃったの。なので、今日でお店はおしまい! 明日はパパとママ、姉さまとわたしとお兄ちゃんで遊ぼうね!」
「いいけど、兄さんたちとも約束してるから、ちょっとだけでいいか?」
「うん! やったー!」
素直で可愛いな。
いつの間にかローレライ、ガーランド王、アルメリア王妃もいるし。
ガーランド王は、俺の肩にバシッと手を載せる。
「やあやぁ!! アシュトくん、楽しい祭りだねぇ!!」
「うぐおぉっ!?」
肩に手を置かれた衝撃で地面に亀裂が入る。
アルメリア王妃がガーランド王を押しのけ、俺を助けてくれた。
「ごめんなさいね、ガーランド!! もう少し力を加減しなさい!!」
「す、すみませぇぇんっ!!」
ガーランド王は、アルメリア王妃に怒られていた。
ローレライは苦笑しながら俺に言う。
「ごめんなさいね、大丈夫?」
「ああ、なんとか……あの力で殴られたら死ぬな」
「ふふ、そうね」
ローレライたちと談笑したあと、俺はミュディの元へ。
ミュディは一人で空を見上げていた。
「ミュディ」
「あ、アシュト」
「もうすぐで始まるな。お前の華緋」
「うん。といっても、魔法は妖狐族さんたちがだいぶ改良したから、もうわたしの魔法じゃないんだけどね」
「そんなことないって」
「そうそう。ミュディちゃんの魔法、すっごく素敵よ~♪」
「きゃぁっ!?」
と、いきなりシエラ様が現れ、ミュディに抱き着く。
今回は俺じゃなかった。よかったような、残念なような。
シエラ様は、浴衣を着ていた。森のような緑色で、髪の毛も上げている。
いつもと違う雰囲気に、俺はちょっとドキドキしていた。
「あら? ふふふ、見惚れちゃった?」
「い、いや……あはは」
「ふふ、アシュトくん。素敵なお祭りね」
「え?」
「オーベルシュタインがこんなに賑やかになったの、いつぶりかしら……これも、アシュトくんのおかげかしらね」
「いや、俺はただ……」
「謙遜しないの。ほら、始まるわよ~?」
と、ここで魔法による放送が。
『これより、華緋大会が始まります。会場の皆様、上空をご覧ください』
空を見上げると、虹色の華緋が花開く。
綺麗な七色の光が空を彩り、この場にいる全員の眼を奪う。
綺麗だった。本当に……綺麗だった。
「綺麗だな……」
夏祭りの華緋は、夜の空を明るく彩っていた。
ラクシュミはずっと目を輝かせていた。特に、ディミトリの出店している魔道具店に興味を持ち、手で持てる小型扇風機や、瞬間湯沸かし器、先の先まで照らせるランプなどに興奮していた。
ラクシュミの夢は、魔道具職人。いい刺激になったと思う。
出店を満喫し、夜になった。
夜は、兄さんたちやガーランド王、ジーグベッグさんたちと合流。華緋大会を楽しむことに。
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「アシュト」
「あ、兄さん」
「よ、アシュト」
「ヒュンケル兄も」
村長スペースは広く、椅子テーブルはもちろん飲み物、軽食も用意してある。
兄さんとヒュンケル兄、少し飲んでるみたいだ。
「いやー、祭りって最高だぜ。見ろよこれ……国宝みたいな女神像が、ダイコン五本分の値段で買えちまったぞ」
「それ、アウグストさんのだよね。あの人たち、ちょっとしたものでも国宝級になっちゃう腕だからね」
「実はオレも買った。母上なんて、ブラックモール族の宝石店で目を輝かせていたぞ」
鉱山で取れた原石を加工したアクセサリーだよな。しかも、一個一個の値段がニンジン一本分くらいの……あれも普通に考えたらおかしい。
母上、昔みたいに着飾ることはないみたいだけど、やっぱり宝石とか美しいモノは好きみたいだ。
「子供たちも喜んでいた。アシュト、招待してくれてありがとう」
「いやいや」
子供たちを見ると、ミュアちゃんやライラちゃんたち、マンドレイクとアルラウネたちと遊んでいた。
ルナマリア義姉さんはミュディやデーモンオーガ一家とお酒飲んでるし。
「じゃ、あっちで飲んでるからよ」
「うん、わかった」
「ん? おいヒュンケル、アシュトを誘わないのか?」
「アホ。アシュトは挨拶とかあるだろ、な?」
そう言って、ヒュンケル兄は兄さんと肩を組んで、父上とアウグストさんの元へ。父上もアウグストさんたちと談笑しながらお酒を飲んでいる。
すると、エルミナがジーグベッグさんと一緒に来た。
「アシュト村長、お久しぶりです」
「ジーグベッグさん、お久しぶりです」
ガシッと握手。
ジーグベッグさんはニコニコしていた。
「こんなに楽しい祭りは何万年ぶりでしょうか。いやぁ、実に楽しい!」
「それはよかった……何万年」
ギャグみたいな数字だが、この人数百万年生きてるんだよな……精神状態とか大丈夫なのかな。
すると、エルミナが酒瓶片手に言う。
「いやーはっはっは! 毎日お祭りでもいいわねぇ~!」
「お前、酔ってるだろ……」
「そりゃ酔うわよ。今日はお祭りだもん! ね、おじいちゃん!」
「はぁ……アシュト村長、孫がすみません」
「いえいえ。これでこそエルミナですよ」
「ちょっと、どういう意味よ!」
エルミナは空っぽの酒瓶をテーブルに置き、他の酒を探しに行った。
すると、カレラさんのテーブルにアイスワインが置いてあるのを見つけ、カレラさんに絡みだす。
ジーグベッグさんも、ため息を吐きながらエルミナの元へ。
今度は、シェリーとラクシュミが来た。
「やっほ、お兄ちゃん」
「やっほ~♪」
「シェリー、ラクシュミ。相変わらず仲いいな。まるで姉妹みたいだ」
二人とも、綺麗な銀髪だしな。
ラクシュミの生家であるプリメーラ家の特徴だっけ。
すると、ラクシュミは言う。
「姉妹かぁ。じゃあ、わたしがお姉さんかな~♪」
「はぁ? 歳はあたしのが上でしょ」
「そうだけど~……えいっ!」
「うきゃぁっ!?」
なんと、シェリーの後ろに回り込んだラクシュミが、シェリーの胸を揉む。
両手でがっしりと……いや、何やってんの?
「ふふふ。こっちの大きさはわたしが上! つまり、わたしがお姉さん!」
「うひゃっ!? ちょ、ラクシュミ! こんなところでやめなさいってば!」
「む?……ん~、ちょっと大きくなった?」
「やめろバカ!!」
なんとも楽しそうだ。仲良し姉妹って感じ。
すると、シェリーたちの後ろに母上が。
「ラクシュミ、何をしているのかしら?」
「ひっ、お、叔母さま」
「まったく、あなたは……こんな場所でじゃれ合うなんて、淑女として恥ずかしいと思わないのかしら。そうね、少し教育が必要ね」
「そうだそうだ! お母さん、もっと言ってやって!」
「シェリー、あなたもですよ」
「え」
「あなたも、久しぶりにどうかしら? 私と一緒にお勉強」
「「ひっ」」
「アシュト、二人をお借りするわね」
「どうぞどうぞ」
触らぬ神に祟りなし……俺は二人から離れた。
母上に引きずられる二人を見送ると、背中に衝撃が。
「お兄ちゃんっ!」
「うおっと! おお、クララベル」
「えへへ。明日はお兄ちゃんと一緒にいられるよ!」
「え、店は?」
「お店、明日のぶんの食材も全部使っちゃったの。なので、今日でお店はおしまい! 明日はパパとママ、姉さまとわたしとお兄ちゃんで遊ぼうね!」
「いいけど、兄さんたちとも約束してるから、ちょっとだけでいいか?」
「うん! やったー!」
素直で可愛いな。
いつの間にかローレライ、ガーランド王、アルメリア王妃もいるし。
ガーランド王は、俺の肩にバシッと手を載せる。
「やあやぁ!! アシュトくん、楽しい祭りだねぇ!!」
「うぐおぉっ!?」
肩に手を置かれた衝撃で地面に亀裂が入る。
アルメリア王妃がガーランド王を押しのけ、俺を助けてくれた。
「ごめんなさいね、ガーランド!! もう少し力を加減しなさい!!」
「す、すみませぇぇんっ!!」
ガーランド王は、アルメリア王妃に怒られていた。
ローレライは苦笑しながら俺に言う。
「ごめんなさいね、大丈夫?」
「ああ、なんとか……あの力で殴られたら死ぬな」
「ふふ、そうね」
ローレライたちと談笑したあと、俺はミュディの元へ。
ミュディは一人で空を見上げていた。
「ミュディ」
「あ、アシュト」
「もうすぐで始まるな。お前の華緋」
「うん。といっても、魔法は妖狐族さんたちがだいぶ改良したから、もうわたしの魔法じゃないんだけどね」
「そんなことないって」
「そうそう。ミュディちゃんの魔法、すっごく素敵よ~♪」
「きゃぁっ!?」
と、いきなりシエラ様が現れ、ミュディに抱き着く。
今回は俺じゃなかった。よかったような、残念なような。
シエラ様は、浴衣を着ていた。森のような緑色で、髪の毛も上げている。
いつもと違う雰囲気に、俺はちょっとドキドキしていた。
「あら? ふふふ、見惚れちゃった?」
「い、いや……あはは」
「ふふ、アシュトくん。素敵なお祭りね」
「え?」
「オーベルシュタインがこんなに賑やかになったの、いつぶりかしら……これも、アシュトくんのおかげかしらね」
「いや、俺はただ……」
「謙遜しないの。ほら、始まるわよ~?」
と、ここで魔法による放送が。
『これより、華緋大会が始まります。会場の皆様、上空をご覧ください』
空を見上げると、虹色の華緋が花開く。
綺麗な七色の光が空を彩り、この場にいる全員の眼を奪う。
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