421 / 474
竜騎士の新人
第615話、新人竜騎士の苦悩⑤
しおりを挟む
ディミトリから情報を得た翌日。
俺、シロ、ウッド、アシェルとゼブルン、二人のドラゴン、護衛のベヨーテを連れ、早朝からディミトリ商会へ。
ディミトリ商会の地下にある魔法陣の前で、リザベルとディミトリ、数人の悪魔族がいた。
ディミトリは一礼する。
「おはようございます。皆さん、『塩の山』へ向かう準備はできたようで……」
相変わらず芝居がかってるな。
俺は頷き、改めて今回の目的を説明する。
「これから向かうのは『塩の山』で、目的はそこにある希少鉱石『ピンキースター』だ。掌サイズで、目標は七個。みんな、わかってるな」
「「はい」」
『マカセロー!』
『きゃんきゃん!』
『フ……ゴエイハマカセナ』
そしてディミトリへ。
「ディミトリ。換金の用意、頼んだぞ」
「かしこまりました。では……魔法陣の上へ。ああ、彼らは魔法陣の護衛をする者たちです。塩の山へは同行しませんので」
「わかってる」
塩の山、かなり危険な場所らしい。
護衛にベヨーテがいるけど、大丈夫だろうか。
『アシュト、シンパイスンナ。テキハオレガウツカラヨ』
「ああ、ありがとう。じゃあディミトリ、頼んだぞ」
「はい。では───……転移」
すると、魔法陣が光り、一瞬の浮遊感……そして到着。
アシェルは、ポツリと呟いた。
「ここが、塩の山……ま、真っ白ですね」
「すごいな、雪みたいだ……」
「あ、あの。アシュト様。これ……お塩みたいです」
ゼブルンがしゃがみ、真っ白な地面を指ですくって舐める。
辺り一面、雪山みたいな場所だ。カチカチに固まった塩の山で、木々は一切生えていない。
と───ここで気付いた。
「あ!? や、やばい。こんな塩の大地じゃ、植物魔法が使えないぞ!?」
しまったぁ……俺、いきなり役立たずじゃん。
◇◇◇◇◇
というわけで……俺はディミトリからもらった羊皮紙を読む。
「えーっと……ピンキースターは、高密度な塩の結晶。塩の中を探せば、ごくまれに見つかる、か」
「あの、アシュト様……塩の中、というのは」
「………」
俺は、見渡す限り塩しかない周りを眺め、曖昧に笑う。
アシェルも「あ、あはは」と笑った。
そしてゼブルン、彼女はすでに動いていた。
手にスコップを持ち、砂の地面をザックザックと掘り返している。
「ピンキースター、ピンキースター、ピンキースター!!」
「ぜ、ゼブルン……?」
「見つけないと。先輩たちの、お給料を!!」
「……そうだね。よし、オレもやるぞ」
アシェルもスコップ片手に、地面を掘り返す。
相棒のドラゴンは、地面をペロペロ舐めていた。いやしょっぱいだろ……別にいいけど。
さて、俺もやるか。
「シロ、ウッド」
『きゃんきゃん!』
『サガスー!』
「ああ。シロ、ピンキースターの匂い、わかるか?」
『くぅん……きゃぅぅん』
『スグニハワカンナイッテー』
「そっか。じゃあ、ゆっくりでいいから探してくれ。ここでは、お前の鼻が頼りだ」
ちなみに……普通の犬では、塩の匂いに耐えられないらしい。
だが、シロはフェンリルだ。この程度の塩、なんてことはない。
さっそく、シロは地面をクンクン嗅ぐ。
「うーん。こんな塩の大地じゃ、植物魔法は使えないし……って、待て待て」
ふと、俺は思った。
そういえば『緑龍の知識書』には、神話七龍の力が付与されたんだっけ……俺、植物魔法しか使ってなかったけど、もしかしたら他の魔法も使えたりなんか……。
そう思い、本をめくってみた。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
探知魔法・最上級
〇夜鷹の眼
探し物を見つけるにはもってこいの眼。
この魔法を使うと、この世の全てを見通せる。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
あった。ハイ・ホークアイかぁ……そういえば戦闘魔法に《鷹の眼》っていうのがあったな。使うと長距離まで見えるとかいう、遠距離狙撃用の眼。
これはその最上位版ってわけか。
さっそく、杖を取り出し自分の目元をなぞりながら使ってみた。
「探せ、『夜鷹の眼』」
目に魔力が集まり───……視界が一気に開けた。
「うわ、なんだこれ!?」
世界がキラキラ光り出した。
違う。このキラキラ……地面の至る所が、光っている?
キラキラの数はそんなに多くない。光の大きさも、指先程度のモノばかりだ。
試してみるか。
「ウッド、ここを掘ってくれ」
『ワカッタ!』
試しに、小さなキラキラ部分をウッドに掘ってもらった。
すると……出た。指先以下の大きさの『ピンキースター』だ。
小さすぎて駄目だろうけど、やはり予想は当たった。
「なるほどな。地面の光る部分に、お宝が埋まっているのか」
「あ、アシュト様!? め、目が光ってますけど!?」
「だ、大丈夫ですか!?」
「あ、いや。これは魔法の光なんだ」
どうやら、今の俺の眼は光ってるらしい。
なんか恥ずかしいし、さっさと探した方がよさそうだ。
「ウッド、シロ、アシェル、ゼブルン。これから俺の指示に従って、周りを掘ってくれ。ベヨーテは引き続き護衛を頼む」
さーて……この反則的な魔法の力で、ピンキースターを探そうじゃないか。
◇◇◇◇◇
「「「…………」」」
『くぅーん』
『イッパイ、イッパイ!!』
えー……やりすぎましたね。
現在、俺たちの目の前に、ピンキースターの原石が四十個ほどあった。
アシェルはやや青ざめている。
「あ、あの……な、なかなか見つからない鉱石、なんですよね」
「あ、ああ」
「あ、アシュト様の指示した場所を掘っただけなのに、こんなに……」
ゼブルンは、鉱石の一つを手に取って眺める。
加工前の石はピンク色のザラザラした石だ。これを加工すると、透き通った桃色の宝石になる。
「とりあえず、必要な分だけ持って行くか。残りは……村に置いておこう」
「「はい!」」
『オイオイ、オレノデバンハナシカヨ……?』
結局、魔獣に遭遇せずあっさりピンキースターの原石を確保できた。
ベヨーテには悪いけど、魔獣に遭遇しないのが一番だ。
ディミトリ商会の人たちの元へ向かい、転移魔法を発動してもらった。
到着したのは、緑龍の村にあるディミトリ商会の地下。
すると、地下の隅っこでお茶を飲んでいるディミトリとリザベルがいた。
「「えっ」」
「ただいま。いやー……疲れたな」
「ああ、アシュト村長? も、もう戻ったのですか?」
「まぁね。ほれ、いっぱい」
「「!?」」
アシェルが背負っていた籠を下ろし、中に入っている鉱石を見せる。
ディミトリとリザベルは仰天していた。
「こここ、こんなにぃ!? あ、アシュト村長、なな、何をしたんですか!?」
「いや、普通に探したら見つかっただけ」
「オォォ!? す、素晴らしい……!! アシュト村長、こちら、全て買い取らせていただきたい!!」
「別にいいけど」
「ウッホォォォ!! ありがとうございます!!」
換金し、給与分を分けてアシェルとゼブルンへ渡す。
二人は、俺に向かって勢いよく頭を下げた。
「「アシュト様。本当にありがとうございました!!」」
「いいよ。それより、見つからないようにコッソリ戻せるか?」
「はい。なんとかやってみます」
「うん。じゃあ、後は大丈夫だな?」
「「はい!!」」
こうして、またまた困っている竜騎士を助けた俺だった。
その日の夜。
俺はアシェルとゼブルンをバーに呼び、こっそり話をした。
屋敷に併設されてるバーなら邪魔は入らない。銀猫のミリアリアも口は堅いしな。
俺は軽く酒。二人は果実水を飲んでいる。
おつまみは、魚の切り身だ。これがエルミナの作った清酒とよく合うんだ。
「で、お金は戻したのか?」
「はい。こっそりと……本当に、いろいろありがとうございました」
「アシュト様がいなかったら、あたし……」
「いやいや、気にしなくていいって」
困った竜騎士を救うのも俺の仕事……なわけないけどな。
とにかく、問題にならなくてよかったよ。
「あの、アシュト様。何かお礼を」
「いいって。それより、もうお金を落とさないようにしろよ」
「はい!!」
ゼブルンは力強い返事をした。
うんうん。いいことをした後はお酒がおいしい。
◇◇◇◇◇◇
そして迎えた竜騎士の給料日。
ちょっと気になったので、竜騎士の宿舎へ向かい、窓からこっそり様子を見た。
中では、それぞれ騎士たちに、ランスローとゴーヴァンが給料を渡している。
怪しまれている様子もないし、問題ないようだ。
「よかった、もう安心だな」
「お兄ちゃん、何してるの?」
「うおっ!?」
びっくりして声が出てしまう。
俺の後ろのいたのは、ローレライとクララベルだ。
さらに、声が出たことで宿舎内の騎士も俺のいる窓を見る。やばい、目立ってしまった。
ローレライは、首を傾げて言う。
「あなたがここに来るのは珍しいわね。何かあったの?」
「あ、いや。今日が給料日だって知ってさ……その、どんな風に渡すのかなーって」
「……ふぅん」
「お兄ちゃん、お給料欲しいの?」
「い、いや」
うう、ローレライが怪しんでる。
アシェルとゼブルンも何か冷や汗掻き始めたし!!
「あ、あー……そうだ。二人は何しにここへ?」
「お給料日だしね。労いの言葉をかけに来たのよ」
「みんな、わたしたちの騎士だしね」
「そ、そうか。じゃあ頑張ってくれよ。じゃあな!!」
俺はダッシュでその場を離脱した。やばいやばい、あまり追及されるとボロ出しちゃうかも。
とりあえず、『竜騎士給料事件』は胸の奥にしまって、忘れることにするか。
俺、シロ、ウッド、アシェルとゼブルン、二人のドラゴン、護衛のベヨーテを連れ、早朝からディミトリ商会へ。
ディミトリ商会の地下にある魔法陣の前で、リザベルとディミトリ、数人の悪魔族がいた。
ディミトリは一礼する。
「おはようございます。皆さん、『塩の山』へ向かう準備はできたようで……」
相変わらず芝居がかってるな。
俺は頷き、改めて今回の目的を説明する。
「これから向かうのは『塩の山』で、目的はそこにある希少鉱石『ピンキースター』だ。掌サイズで、目標は七個。みんな、わかってるな」
「「はい」」
『マカセロー!』
『きゃんきゃん!』
『フ……ゴエイハマカセナ』
そしてディミトリへ。
「ディミトリ。換金の用意、頼んだぞ」
「かしこまりました。では……魔法陣の上へ。ああ、彼らは魔法陣の護衛をする者たちです。塩の山へは同行しませんので」
「わかってる」
塩の山、かなり危険な場所らしい。
護衛にベヨーテがいるけど、大丈夫だろうか。
『アシュト、シンパイスンナ。テキハオレガウツカラヨ』
「ああ、ありがとう。じゃあディミトリ、頼んだぞ」
「はい。では───……転移」
すると、魔法陣が光り、一瞬の浮遊感……そして到着。
アシェルは、ポツリと呟いた。
「ここが、塩の山……ま、真っ白ですね」
「すごいな、雪みたいだ……」
「あ、あの。アシュト様。これ……お塩みたいです」
ゼブルンがしゃがみ、真っ白な地面を指ですくって舐める。
辺り一面、雪山みたいな場所だ。カチカチに固まった塩の山で、木々は一切生えていない。
と───ここで気付いた。
「あ!? や、やばい。こんな塩の大地じゃ、植物魔法が使えないぞ!?」
しまったぁ……俺、いきなり役立たずじゃん。
◇◇◇◇◇
というわけで……俺はディミトリからもらった羊皮紙を読む。
「えーっと……ピンキースターは、高密度な塩の結晶。塩の中を探せば、ごくまれに見つかる、か」
「あの、アシュト様……塩の中、というのは」
「………」
俺は、見渡す限り塩しかない周りを眺め、曖昧に笑う。
アシェルも「あ、あはは」と笑った。
そしてゼブルン、彼女はすでに動いていた。
手にスコップを持ち、砂の地面をザックザックと掘り返している。
「ピンキースター、ピンキースター、ピンキースター!!」
「ぜ、ゼブルン……?」
「見つけないと。先輩たちの、お給料を!!」
「……そうだね。よし、オレもやるぞ」
アシェルもスコップ片手に、地面を掘り返す。
相棒のドラゴンは、地面をペロペロ舐めていた。いやしょっぱいだろ……別にいいけど。
さて、俺もやるか。
「シロ、ウッド」
『きゃんきゃん!』
『サガスー!』
「ああ。シロ、ピンキースターの匂い、わかるか?」
『くぅん……きゃぅぅん』
『スグニハワカンナイッテー』
「そっか。じゃあ、ゆっくりでいいから探してくれ。ここでは、お前の鼻が頼りだ」
ちなみに……普通の犬では、塩の匂いに耐えられないらしい。
だが、シロはフェンリルだ。この程度の塩、なんてことはない。
さっそく、シロは地面をクンクン嗅ぐ。
「うーん。こんな塩の大地じゃ、植物魔法は使えないし……って、待て待て」
ふと、俺は思った。
そういえば『緑龍の知識書』には、神話七龍の力が付与されたんだっけ……俺、植物魔法しか使ってなかったけど、もしかしたら他の魔法も使えたりなんか……。
そう思い、本をめくってみた。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
探知魔法・最上級
〇夜鷹の眼
探し物を見つけるにはもってこいの眼。
この魔法を使うと、この世の全てを見通せる。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
あった。ハイ・ホークアイかぁ……そういえば戦闘魔法に《鷹の眼》っていうのがあったな。使うと長距離まで見えるとかいう、遠距離狙撃用の眼。
これはその最上位版ってわけか。
さっそく、杖を取り出し自分の目元をなぞりながら使ってみた。
「探せ、『夜鷹の眼』」
目に魔力が集まり───……視界が一気に開けた。
「うわ、なんだこれ!?」
世界がキラキラ光り出した。
違う。このキラキラ……地面の至る所が、光っている?
キラキラの数はそんなに多くない。光の大きさも、指先程度のモノばかりだ。
試してみるか。
「ウッド、ここを掘ってくれ」
『ワカッタ!』
試しに、小さなキラキラ部分をウッドに掘ってもらった。
すると……出た。指先以下の大きさの『ピンキースター』だ。
小さすぎて駄目だろうけど、やはり予想は当たった。
「なるほどな。地面の光る部分に、お宝が埋まっているのか」
「あ、アシュト様!? め、目が光ってますけど!?」
「だ、大丈夫ですか!?」
「あ、いや。これは魔法の光なんだ」
どうやら、今の俺の眼は光ってるらしい。
なんか恥ずかしいし、さっさと探した方がよさそうだ。
「ウッド、シロ、アシェル、ゼブルン。これから俺の指示に従って、周りを掘ってくれ。ベヨーテは引き続き護衛を頼む」
さーて……この反則的な魔法の力で、ピンキースターを探そうじゃないか。
◇◇◇◇◇
「「「…………」」」
『くぅーん』
『イッパイ、イッパイ!!』
えー……やりすぎましたね。
現在、俺たちの目の前に、ピンキースターの原石が四十個ほどあった。
アシェルはやや青ざめている。
「あ、あの……な、なかなか見つからない鉱石、なんですよね」
「あ、ああ」
「あ、アシュト様の指示した場所を掘っただけなのに、こんなに……」
ゼブルンは、鉱石の一つを手に取って眺める。
加工前の石はピンク色のザラザラした石だ。これを加工すると、透き通った桃色の宝石になる。
「とりあえず、必要な分だけ持って行くか。残りは……村に置いておこう」
「「はい!」」
『オイオイ、オレノデバンハナシカヨ……?』
結局、魔獣に遭遇せずあっさりピンキースターの原石を確保できた。
ベヨーテには悪いけど、魔獣に遭遇しないのが一番だ。
ディミトリ商会の人たちの元へ向かい、転移魔法を発動してもらった。
到着したのは、緑龍の村にあるディミトリ商会の地下。
すると、地下の隅っこでお茶を飲んでいるディミトリとリザベルがいた。
「「えっ」」
「ただいま。いやー……疲れたな」
「ああ、アシュト村長? も、もう戻ったのですか?」
「まぁね。ほれ、いっぱい」
「「!?」」
アシェルが背負っていた籠を下ろし、中に入っている鉱石を見せる。
ディミトリとリザベルは仰天していた。
「こここ、こんなにぃ!? あ、アシュト村長、なな、何をしたんですか!?」
「いや、普通に探したら見つかっただけ」
「オォォ!? す、素晴らしい……!! アシュト村長、こちら、全て買い取らせていただきたい!!」
「別にいいけど」
「ウッホォォォ!! ありがとうございます!!」
換金し、給与分を分けてアシェルとゼブルンへ渡す。
二人は、俺に向かって勢いよく頭を下げた。
「「アシュト様。本当にありがとうございました!!」」
「いいよ。それより、見つからないようにコッソリ戻せるか?」
「はい。なんとかやってみます」
「うん。じゃあ、後は大丈夫だな?」
「「はい!!」」
こうして、またまた困っている竜騎士を助けた俺だった。
その日の夜。
俺はアシェルとゼブルンをバーに呼び、こっそり話をした。
屋敷に併設されてるバーなら邪魔は入らない。銀猫のミリアリアも口は堅いしな。
俺は軽く酒。二人は果実水を飲んでいる。
おつまみは、魚の切り身だ。これがエルミナの作った清酒とよく合うんだ。
「で、お金は戻したのか?」
「はい。こっそりと……本当に、いろいろありがとうございました」
「アシュト様がいなかったら、あたし……」
「いやいや、気にしなくていいって」
困った竜騎士を救うのも俺の仕事……なわけないけどな。
とにかく、問題にならなくてよかったよ。
「あの、アシュト様。何かお礼を」
「いいって。それより、もうお金を落とさないようにしろよ」
「はい!!」
ゼブルンは力強い返事をした。
うんうん。いいことをした後はお酒がおいしい。
◇◇◇◇◇◇
そして迎えた竜騎士の給料日。
ちょっと気になったので、竜騎士の宿舎へ向かい、窓からこっそり様子を見た。
中では、それぞれ騎士たちに、ランスローとゴーヴァンが給料を渡している。
怪しまれている様子もないし、問題ないようだ。
「よかった、もう安心だな」
「お兄ちゃん、何してるの?」
「うおっ!?」
びっくりして声が出てしまう。
俺の後ろのいたのは、ローレライとクララベルだ。
さらに、声が出たことで宿舎内の騎士も俺のいる窓を見る。やばい、目立ってしまった。
ローレライは、首を傾げて言う。
「あなたがここに来るのは珍しいわね。何かあったの?」
「あ、いや。今日が給料日だって知ってさ……その、どんな風に渡すのかなーって」
「……ふぅん」
「お兄ちゃん、お給料欲しいの?」
「い、いや」
うう、ローレライが怪しんでる。
アシェルとゼブルンも何か冷や汗掻き始めたし!!
「あ、あー……そうだ。二人は何しにここへ?」
「お給料日だしね。労いの言葉をかけに来たのよ」
「みんな、わたしたちの騎士だしね」
「そ、そうか。じゃあ頑張ってくれよ。じゃあな!!」
俺はダッシュでその場を離脱した。やばいやばい、あまり追及されるとボロ出しちゃうかも。
とりあえず、『竜騎士給料事件』は胸の奥にしまって、忘れることにするか。
115
あなたにおすすめの小説
腹違いの妹にすべてを奪われた薄幸の令嬢が、義理の母に殴られた瞬間、前世のインテリヤクザなおっさんがぶちギレた場合。
灯乃
ファンタジー
十二歳のときに母が病で亡くなった途端、父は後妻と一歳年下の妹を新たな『家族』として迎え入れた。
彼らの築く『家族』の輪から弾き出されたアニエスは、ある日義母の私室に呼び出され――。
タイトル通りのおっさんコメディーです。
猫を拾ったら聖獣で犬を拾ったら神獣で最強すぎて困る
マーラッシュ
ファンタジー
旧題:狙って勇者パーティーを追放されて猫を拾ったら聖獣で犬を拾ったら神獣だった。そして人間を拾ったら・・・
何かを拾う度にトラブルに巻き込まれるけど、結果成り上がってしまう。
異世界転生者のユートは、バルトフェル帝国の山奥に一人で住んでいた。
ある日、盗賊に襲われている公爵令嬢を助けたことによって、勇者パーティーに推薦されることになる。
断ると角が立つと思い仕方なしに引き受けるが、このパーティーが最悪だった。
勇者ギアベルは皇帝の息子でやりたい放題。活躍すれば咎められ、上手く行かなければユートのせいにされ、パーティーに入った初日から後悔するのだった。そして他の仲間達は全て女性で、ギアベルに絶対服従していたため、味方は誰もいない。
ユートはすぐにでもパーティーを抜けるため、情報屋に金を払い噂を流すことにした。
勇者パーティーはユートがいなければ何も出来ない集団だという内容でだ。
プライドが高いギアベルは、噂を聞いてすぐに「貴様のような役立たずは勇者パーティーには必要ない!」と公衆の面前で追放してくれた。
しかし晴れて自由の身になったが、一つだけ誤算があった。
それはギアベルの怒りを買いすぎたせいで、帝国を追放されてしまったのだ。
そしてユートは荷物を取りに行くため自宅に戻ると、そこには腹をすかした猫が、道端には怪我をした犬が、さらに船の中には女の子が倒れていたが、それぞれの正体はとんでもないものであった。
これは自重できない異世界転生者が色々なものを拾った結果、トラブルに巻き込まれ解決していき成り上がり、幸せな異世界ライフを満喫する物語である。
異世界に転移したら、孤児院でごはん係になりました
雪月夜狐
ファンタジー
ある日突然、異世界に転移してしまったユウ。
気がつけば、そこは辺境にある小さな孤児院だった。
剣も魔法も使えないユウにできるのは、
子供たちのごはんを作り、洗濯をして、寝かしつけをすることだけ。
……のはずが、なぜか料理や家事といった
日常のことだけが、やたらとうまくいく。
無口な男の子、甘えん坊の女の子、元気いっぱいな年長組。
個性豊かな子供たちに囲まれて、
ユウは孤児院の「ごはん係」として、毎日を過ごしていく。
やがて、かつてこの孤児院で育った冒険者や商人たちも顔を出し、
孤児院は少しずつ、人が集まる場所になっていく。
戦わない、争わない。
ただ、ごはんを作って、今日をちゃんと暮らすだけ。
ほんわか天然な世話係と子供たちの日常を描く、
やさしい異世界孤児院ファンタジー。
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
家族転生 ~父、勇者 母、大魔導師 兄、宰相 姉、公爵夫人 弟、S級暗殺者 妹、宮廷薬師 ……俺、門番~
北条新九郎
ファンタジー
三好家は一家揃って全滅し、そして一家揃って異世界転生を果たしていた。
父は勇者として、母は大魔導師として異世界で名声を博し、現地人の期待に応えて魔王討伐に旅立つ。またその子供たちも兄は宰相、姉は公爵夫人、弟はS級暗殺者、妹は宮廷薬師として異世界を謳歌していた。
ただ、三好家第三子の神太郎だけは異世界において冴えない立場だった。
彼の職業は………………ただの門番である。
そして、そんな彼の目的はスローライフを送りつつ、異世界ハーレムを作ることだった。
お気に入り・感想、宜しくお願いします。
転生したら領主の息子だったので快適な暮らしのために知識チートを実践しました
SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
不摂生が祟ったのか浴槽で溺死したブラック企業務めの社畜は、ステップド騎士家の長男エルに転生する。
不便な異世界で生活環境を改善するためにエルは知恵を絞る。
14万文字執筆済み。2025年8月25日~9月30日まで毎日7:10、12:10の一日二回更新。
転生貴族の領地経営〜現代日本の知識で異世界を豊かにする
初
ファンタジー
ローラシア王国の北のエルラント辺境伯家には天才的な少年、リーゼンしかしその少年は現代日本から転生してきた転生者だった。
リーゼンが洗礼をしたさい、圧倒的な量の加護やスキルが与えられた。その力を見込んだ父の辺境伯は12歳のリーゼンを辺境伯家の領地の北を治める代官とした。
これはそんなリーゼンが異世界の領地を経営し、豊かにしていく物語である。
【完結】辺境に飛ばされた子爵令嬢、前世の経営知識で大商会を作ったら王都がひれ伏したし、隣国のハイスペ王子とも結婚できました
いっぺいちゃん
ファンタジー
婚約破棄、そして辺境送り――。
子爵令嬢マリエールの運命は、結婚式直前に無惨にも断ち切られた。
「辺境の館で余生を送れ。もうお前は必要ない」
冷酷に告げた婚約者により、社交界から追放された彼女。
しかし、マリエールには秘密があった。
――前世の彼女は、一流企業で辣腕を振るった経営コンサルタント。
未開拓の農産物、眠る鉱山資源、誠実で働き者の人々。
「必要ない」と切り捨てられた辺境には、未来を切り拓く力があった。
物流網を整え、作物をブランド化し、やがて「大商会」を設立!
数年で辺境は“商業帝国”と呼ばれるまでに発展していく。
さらに隣国の完璧王子から熱烈な求婚を受け、愛も手に入れるマリエール。
一方で、税収激減に苦しむ王都は彼女に救いを求めて――
「必要ないとおっしゃったのは、そちらでしょう?」
これは、追放令嬢が“経営知識”で国を動かし、
ざまぁと恋と繁栄を手に入れる逆転サクセスストーリー!
※表紙のイラストは画像生成AIによって作られたものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。