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ビッグバロッグ祭り
第645話、ネコたちとお祭り
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さてさて、現在俺たちはのんびりと『故商業区』を歩いている。
俺の隣にはルミナ。そして、目の前にはミュアちゃん。ミュアちゃんと手を繋ぐルリ、メノウの姉妹。俺の後ろにフレキくん、ウッド、そしてルミナが連れて来た黒い柴犬の子供だ。
一応、ルリとメノウは夜に屋敷へ返す予定なんだが……。
「にゃあ。今日は一緒に寝ようね」
「にゃ」「にゃあ。ごろごろ」
ミュアちゃんと手を繋ぎ、喉をゴロゴロ鳴らしながら甘えている二人。
うーん……夜にはエクレールとスサノオが戻ってくるんだよな。帰さないとまずいんだけど、こりゃ帰りたくないとか言うかも。ミュアちゃんの部屋に三人でと言ったのは、あくまで休憩のためということなんだがなぁ。
すると、フレキくんが。
「師匠。すごくいい匂いしますね!!」
「匂い? ええと……」
匂い。
いろんな匂いが混ざり合ってよくわからん。
祭りなだけあり、いろんな店が開いている。中にはすごい呼び込みもあるんだが、俺たちはその呼び込みの傍を通らずに歩いていた。
すると今度はルミナが言う。
「あっち」
「え?」
「あっちに何かある。いくぞ」
「お、おい。ミュアちゃんたち、こっちに行くよ!」
「にゃ?」
ルミナに手を引かれて向かったのは、路上の店。
薬草の束、骨、鶏みたいな動物の足や、しなびた皮……「なんじゃこりゃ?」みたいな物ばかりだが、俺とフレキくんとルミナは気付いた。
これ、宝の山だ。
「す、すごい!! これはヤシャ草、こっちは……スカラベ草、この骨はセイヨウナンコツだ」
「師匠、これすごいですよ!! 師匠が『なかなか見つからない』って言った素材ばかりです!!」
「ああ。宝の山だ。ルミナ、よく気付いたな」
「みゃう。お前が持ってた素材の瓶に入ってたのと同じ匂いした」
「よしよし、ありがとうな。備蓄用に買って行こう」
「ごろろ……もっと撫でろ」
ルミナを撫で、俺は迷わず素材を全購入した。
素材屋のおじさんは「ヒヒヒ」と笑う。
「兄ちゃん、薬師かい? どうだい、ビッグバロッグ祭は」
「いやぁ~……すごいですね。これだけ多くの露店が並んで、こんな希少素材が売ってるなんて」
「うちなんて序の口。他にも貴重な素材や、他国でしか作れない薬品とか多くあるぜ。まぁ、目ん玉飛び出るくらい高いけどなぁ」
周りを見渡すと、怪しげな露店が数多くあった。
よくわからない肉を焼いていたり、この店と同じような素材を並べていたり、とにかく古そうな本が本棚にぎっしり詰まっていたり……もう、ワクワクしかない。
「にゃあ」
「あ、ああ。ごめん……そろそろ行こうか」
ミュアちゃんに袖を引かれた。
いかんいかん。俺はこの子たちの保護者でもあるんだ。
自分だけ楽しむわけにもいかん。
「ルリちゃん、メノウちゃん。どこか行きたいところとか、食べたいもの、あるかい?」
「にゃ……のどかわいた」
「にゃあう」
「よし。じゃあ、甘い果実水でも買おうか。俺が買ってあげる」
「「にゃうー」」
可愛い。
二人は猫みたいに耳をピコピコさせた。
◇◇◇◇◇◇
飲み物を買うと、子供たちはみんな美味しそうに飲んでいた。
さて、これからどうしようか。
「みんな、どんなものが見たい?」
「みゃう。おかし」
「にゃあ。おかしー」
「にゃ、あまいの」
「にゃああ、おいしいの」
ネコたちは「甘いお菓子」だな。
フレキくんは「やっぱり、オーベルシュタインにない珍しい薬草とか薬ですかね」と言い、ウッドは『エイヨウドリンク!』と言い、柴犬は『ワン!』と吠えた。
とりあえず、甘いお菓子を中心に店を周ろうとすると。
「おお? アシュトくんではありませんか」
「え? あ、しゃ、シャヘル先生!?」
なんと、紙袋を抱えたシャヘル先生と出会った。
まさかの出会いに驚く。シャヘル先生とは明日、フレキくんを交えた三人で薬草関係のエリアを周ることになっているからな。
「おやおや、可愛い子供たちですね。ルミナさんも、お久しぶりです」
「みゃうー」
シャヘル先生に撫でられ、ルミナはご機嫌だ。
フレキくんは緊張しているのか何度も頭を下げているし。
「先生、今日は買い物ですか?」
「ええ。アシュトくんとの約束は明日ですが、どうも堪えきれずにね……珍しい他国の苗や種、薬や薬草などが、大量に入ってきてますから」
「その気持ち、すっごくわかります……!!」
「ふふ。ところで、アシュトくんはこれからどちらへ?」
「えーと、子供たちと、お菓子を買おうかと」
「なら……ここから東の区画に行くといいでしょう。あちらに、他国のお菓子が山ほどありましたよ」
「おお。それはありがたい。ありがとうございます」
「いえいえ。では、また明日」
シャヘル先生は行ってしまった。
というわけで、子供たちを連れて東の区画へ。
区画に近づくにつれ、子供連れが多くなった。それに、甘い匂いもすごい。
到着すると……そこは、お菓子の楽園だった。
「「「にゃあぁ……!!」」」
「みゃう!! お菓子いっぱいあるぞ!!」
「っと、待った待った、みんな、迷子に───……」
子供たちが飛び出した。が……みんなで食べた『オモモギの実』の効果で、子供たちがどこにいるのかすぐにわかった……なにこれすっごい便利。位置だけじゃなくて、何をしているのかまでなんとなくわかる。
ミュアちゃんは飴玉を見て、ルリとメノウはその隣でクッキーを見ている。ルミナは……お、パン屋をジーっと見てるぞ。
「師匠。この区画はそんなに広くないし、オモモギの実の効果もありますし、子供たちだけで自由に買い物させるのもいいんじゃないでしょうか」
「だよね。せっかくだ。外の世界で一人でお買い物も、経験させるべきかな」
「はい!! あの~……ボクも、お菓子を」
「あはは。いいよ、いってらっしゃい。エンジュやマカミちゃんにお土産買わないとな」
「はい!!」
フレキくんは行ってしまった。
さて、残ったのは俺とウッド。
『アシュト、ドウスルノ?』
「せっかくだ。子供たちがちゃんと買い物できるか、観察してみよう」
俺はウッドを連れ、まずはルミナの元へ向かった。
◇◇◇◇◇◇
「みゃう。これくれ」
「はいよ。あら可愛いネコちゃんだねぇ? ワンコも連れてるのかい?」
「ん。こいつも食える?」
「もちろん。うちのクッキーは、獣王国サファリ原産のトロピカルフルーツがいっぱい使われてるフルーツクッキーだ。おいしいよ」
「みゃ……二十枚くれ」
そう言い、ルミナは普通に支払いして、出店の隣にあるベンチに座り、普通にモグモグ食べていた。いくつかを砕き、黒い柴犬の子供に食べさせている。
そして、「のどかわいた」と言い、同じ店で果実水も買って飲んでいた。
「ありゃ心配ないな……たくましい」
『タクマシイ!』
ルミナは大丈夫そうだ。
次は……お、ミュアちゃんが何か買ってるな。様子を見るか。
ミュアちゃんがいるのは飴屋。
「あめ、おいしそうー」
「ははは。お嬢ちゃん、うちの飴は氷魔法で作った飴でね、口の中がキンキンに冷えてす~っごくヒンヤリおいしいぞ!!」
「にゃうー」
ヒンヤリ美味しいってなんだろうか。
屋台に並ぶのは、棒付きキャンディーのお店だ。だが、飴が全て青い氷の結晶みたいな物ばかり。魔法師にはわかる……あの飴、魔力が付与されている。
まぁ、危険なものじゃない。あの店主が言うように、魔力で作った飴だろう。
「えーと……七本ください!」
「はいよ。誰かにあげるのかい?」
「にゃあ。ルリと、メノウと、ルミナと、フレキと、ウッドと、わたし。それとご主人さま!」
「はっはっは。じゃあ、一本おまけで八本だ。持てるかい?」
「にゃあ」
ミュアちゃんはネコ財布からお金を出して支払い、飴の包みを大事そうに受け取った。
みんなの分か……うれしいな、あとで俺もお返ししよう。
『アメ、オイシソウ……ゴクリ』
「ははは。あとでミュアちゃんがくれると思うぞ。さて、残りはネコ姉妹か」
気配でわかった。
ウロウロ移動している。そして、ぬいぐるみの店に入っていくのがわかった。
俺も後を追うと……いた。ネコのぬいぐるみを抱いている。
「にゃ……ほしい」
「だめ。メノウ、お金たりない……おかし、食べすぎた」
「にゃああ、ほしい」
「だめ。お金ないの。お金ないと買えないの」
「にゃぅぅ」
あらら……どうやら、買い食いしすぎてお金足りなくなったみたい。
姉のルリが、ネコのぬいぐるみを話さないメノウをなだめている。店主もちょっと困ってるな。
まぁ、好きに言えばいいさ……俺は甘い、って。
俺は二人に近づいた。
「や、二人とも」
「にゃ……」
「あ……ごめんなさい。すぐに」
ルリが、メノウからぬいぐるみを取ろうとするが、俺は止める。
そして、メノウの頭を撫でた。
「そのぬいぐるみ、欲しいの?」
「にゃう……」
「よし。俺が買ってあげる。ルリちゃんも、好きなぬいぐるみを選んでいいよ」
「にゃ……でも、おこづかい」
「これは、俺のプレゼントだ。だから二人とも、喧嘩はダメだよ」
「にゃあ。おねえちゃん……」
「……にゃ」
ルリは、トラネコのぬいぐるみを持ってきた。
メノウが抱いているのは青毛のネコ。
俺は支払いを済ませ、二人に渡す。
「はい、これから仲良くしてあげてね」
「「にゃあ!」」
二人はぬいぐるみを抱きしめ、俺にすり寄って来た。
喉をゴロゴロ鳴らし、俺に抱きついて甘えてくる……ちょっと距離があったけど、ようやく打ち解けてくれたような気がした。
「さて、そろそろみんなと合流しようか」
「にゃああ。おてて繋いで」
「わたしも」
『ボクモ!』
「いいぞ。ウッドは背中にくっついてくれ。腕は二本しかないからな」
『ヤッター!』
さて、みんなと合流して飯でも食いに行きますかね。
俺の隣にはルミナ。そして、目の前にはミュアちゃん。ミュアちゃんと手を繋ぐルリ、メノウの姉妹。俺の後ろにフレキくん、ウッド、そしてルミナが連れて来た黒い柴犬の子供だ。
一応、ルリとメノウは夜に屋敷へ返す予定なんだが……。
「にゃあ。今日は一緒に寝ようね」
「にゃ」「にゃあ。ごろごろ」
ミュアちゃんと手を繋ぎ、喉をゴロゴロ鳴らしながら甘えている二人。
うーん……夜にはエクレールとスサノオが戻ってくるんだよな。帰さないとまずいんだけど、こりゃ帰りたくないとか言うかも。ミュアちゃんの部屋に三人でと言ったのは、あくまで休憩のためということなんだがなぁ。
すると、フレキくんが。
「師匠。すごくいい匂いしますね!!」
「匂い? ええと……」
匂い。
いろんな匂いが混ざり合ってよくわからん。
祭りなだけあり、いろんな店が開いている。中にはすごい呼び込みもあるんだが、俺たちはその呼び込みの傍を通らずに歩いていた。
すると今度はルミナが言う。
「あっち」
「え?」
「あっちに何かある。いくぞ」
「お、おい。ミュアちゃんたち、こっちに行くよ!」
「にゃ?」
ルミナに手を引かれて向かったのは、路上の店。
薬草の束、骨、鶏みたいな動物の足や、しなびた皮……「なんじゃこりゃ?」みたいな物ばかりだが、俺とフレキくんとルミナは気付いた。
これ、宝の山だ。
「す、すごい!! これはヤシャ草、こっちは……スカラベ草、この骨はセイヨウナンコツだ」
「師匠、これすごいですよ!! 師匠が『なかなか見つからない』って言った素材ばかりです!!」
「ああ。宝の山だ。ルミナ、よく気付いたな」
「みゃう。お前が持ってた素材の瓶に入ってたのと同じ匂いした」
「よしよし、ありがとうな。備蓄用に買って行こう」
「ごろろ……もっと撫でろ」
ルミナを撫で、俺は迷わず素材を全購入した。
素材屋のおじさんは「ヒヒヒ」と笑う。
「兄ちゃん、薬師かい? どうだい、ビッグバロッグ祭は」
「いやぁ~……すごいですね。これだけ多くの露店が並んで、こんな希少素材が売ってるなんて」
「うちなんて序の口。他にも貴重な素材や、他国でしか作れない薬品とか多くあるぜ。まぁ、目ん玉飛び出るくらい高いけどなぁ」
周りを見渡すと、怪しげな露店が数多くあった。
よくわからない肉を焼いていたり、この店と同じような素材を並べていたり、とにかく古そうな本が本棚にぎっしり詰まっていたり……もう、ワクワクしかない。
「にゃあ」
「あ、ああ。ごめん……そろそろ行こうか」
ミュアちゃんに袖を引かれた。
いかんいかん。俺はこの子たちの保護者でもあるんだ。
自分だけ楽しむわけにもいかん。
「ルリちゃん、メノウちゃん。どこか行きたいところとか、食べたいもの、あるかい?」
「にゃ……のどかわいた」
「にゃあう」
「よし。じゃあ、甘い果実水でも買おうか。俺が買ってあげる」
「「にゃうー」」
可愛い。
二人は猫みたいに耳をピコピコさせた。
◇◇◇◇◇◇
飲み物を買うと、子供たちはみんな美味しそうに飲んでいた。
さて、これからどうしようか。
「みんな、どんなものが見たい?」
「みゃう。おかし」
「にゃあ。おかしー」
「にゃ、あまいの」
「にゃああ、おいしいの」
ネコたちは「甘いお菓子」だな。
フレキくんは「やっぱり、オーベルシュタインにない珍しい薬草とか薬ですかね」と言い、ウッドは『エイヨウドリンク!』と言い、柴犬は『ワン!』と吠えた。
とりあえず、甘いお菓子を中心に店を周ろうとすると。
「おお? アシュトくんではありませんか」
「え? あ、しゃ、シャヘル先生!?」
なんと、紙袋を抱えたシャヘル先生と出会った。
まさかの出会いに驚く。シャヘル先生とは明日、フレキくんを交えた三人で薬草関係のエリアを周ることになっているからな。
「おやおや、可愛い子供たちですね。ルミナさんも、お久しぶりです」
「みゃうー」
シャヘル先生に撫でられ、ルミナはご機嫌だ。
フレキくんは緊張しているのか何度も頭を下げているし。
「先生、今日は買い物ですか?」
「ええ。アシュトくんとの約束は明日ですが、どうも堪えきれずにね……珍しい他国の苗や種、薬や薬草などが、大量に入ってきてますから」
「その気持ち、すっごくわかります……!!」
「ふふ。ところで、アシュトくんはこれからどちらへ?」
「えーと、子供たちと、お菓子を買おうかと」
「なら……ここから東の区画に行くといいでしょう。あちらに、他国のお菓子が山ほどありましたよ」
「おお。それはありがたい。ありがとうございます」
「いえいえ。では、また明日」
シャヘル先生は行ってしまった。
というわけで、子供たちを連れて東の区画へ。
区画に近づくにつれ、子供連れが多くなった。それに、甘い匂いもすごい。
到着すると……そこは、お菓子の楽園だった。
「「「にゃあぁ……!!」」」
「みゃう!! お菓子いっぱいあるぞ!!」
「っと、待った待った、みんな、迷子に───……」
子供たちが飛び出した。が……みんなで食べた『オモモギの実』の効果で、子供たちがどこにいるのかすぐにわかった……なにこれすっごい便利。位置だけじゃなくて、何をしているのかまでなんとなくわかる。
ミュアちゃんは飴玉を見て、ルリとメノウはその隣でクッキーを見ている。ルミナは……お、パン屋をジーっと見てるぞ。
「師匠。この区画はそんなに広くないし、オモモギの実の効果もありますし、子供たちだけで自由に買い物させるのもいいんじゃないでしょうか」
「だよね。せっかくだ。外の世界で一人でお買い物も、経験させるべきかな」
「はい!! あの~……ボクも、お菓子を」
「あはは。いいよ、いってらっしゃい。エンジュやマカミちゃんにお土産買わないとな」
「はい!!」
フレキくんは行ってしまった。
さて、残ったのは俺とウッド。
『アシュト、ドウスルノ?』
「せっかくだ。子供たちがちゃんと買い物できるか、観察してみよう」
俺はウッドを連れ、まずはルミナの元へ向かった。
◇◇◇◇◇◇
「みゃう。これくれ」
「はいよ。あら可愛いネコちゃんだねぇ? ワンコも連れてるのかい?」
「ん。こいつも食える?」
「もちろん。うちのクッキーは、獣王国サファリ原産のトロピカルフルーツがいっぱい使われてるフルーツクッキーだ。おいしいよ」
「みゃ……二十枚くれ」
そう言い、ルミナは普通に支払いして、出店の隣にあるベンチに座り、普通にモグモグ食べていた。いくつかを砕き、黒い柴犬の子供に食べさせている。
そして、「のどかわいた」と言い、同じ店で果実水も買って飲んでいた。
「ありゃ心配ないな……たくましい」
『タクマシイ!』
ルミナは大丈夫そうだ。
次は……お、ミュアちゃんが何か買ってるな。様子を見るか。
ミュアちゃんがいるのは飴屋。
「あめ、おいしそうー」
「ははは。お嬢ちゃん、うちの飴は氷魔法で作った飴でね、口の中がキンキンに冷えてす~っごくヒンヤリおいしいぞ!!」
「にゃうー」
ヒンヤリ美味しいってなんだろうか。
屋台に並ぶのは、棒付きキャンディーのお店だ。だが、飴が全て青い氷の結晶みたいな物ばかり。魔法師にはわかる……あの飴、魔力が付与されている。
まぁ、危険なものじゃない。あの店主が言うように、魔力で作った飴だろう。
「えーと……七本ください!」
「はいよ。誰かにあげるのかい?」
「にゃあ。ルリと、メノウと、ルミナと、フレキと、ウッドと、わたし。それとご主人さま!」
「はっはっは。じゃあ、一本おまけで八本だ。持てるかい?」
「にゃあ」
ミュアちゃんはネコ財布からお金を出して支払い、飴の包みを大事そうに受け取った。
みんなの分か……うれしいな、あとで俺もお返ししよう。
『アメ、オイシソウ……ゴクリ』
「ははは。あとでミュアちゃんがくれると思うぞ。さて、残りはネコ姉妹か」
気配でわかった。
ウロウロ移動している。そして、ぬいぐるみの店に入っていくのがわかった。
俺も後を追うと……いた。ネコのぬいぐるみを抱いている。
「にゃ……ほしい」
「だめ。メノウ、お金たりない……おかし、食べすぎた」
「にゃああ、ほしい」
「だめ。お金ないの。お金ないと買えないの」
「にゃぅぅ」
あらら……どうやら、買い食いしすぎてお金足りなくなったみたい。
姉のルリが、ネコのぬいぐるみを話さないメノウをなだめている。店主もちょっと困ってるな。
まぁ、好きに言えばいいさ……俺は甘い、って。
俺は二人に近づいた。
「や、二人とも」
「にゃ……」
「あ……ごめんなさい。すぐに」
ルリが、メノウからぬいぐるみを取ろうとするが、俺は止める。
そして、メノウの頭を撫でた。
「そのぬいぐるみ、欲しいの?」
「にゃう……」
「よし。俺が買ってあげる。ルリちゃんも、好きなぬいぐるみを選んでいいよ」
「にゃ……でも、おこづかい」
「これは、俺のプレゼントだ。だから二人とも、喧嘩はダメだよ」
「にゃあ。おねえちゃん……」
「……にゃ」
ルリは、トラネコのぬいぐるみを持ってきた。
メノウが抱いているのは青毛のネコ。
俺は支払いを済ませ、二人に渡す。
「はい、これから仲良くしてあげてね」
「「にゃあ!」」
二人はぬいぐるみを抱きしめ、俺にすり寄って来た。
喉をゴロゴロ鳴らし、俺に抱きついて甘えてくる……ちょっと距離があったけど、ようやく打ち解けてくれたような気がした。
「さて、そろそろみんなと合流しようか」
「にゃああ。おてて繋いで」
「わたしも」
『ボクモ!』
「いいぞ。ウッドは背中にくっついてくれ。腕は二本しかないからな」
『ヤッター!』
さて、みんなと合流して飯でも食いに行きますかね。
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