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第六章
真実という名の正義
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アルフェンたちを乗せた馬車は、ようやくアースガルズ王国に帰ってきた。
馬車が城下町の中心を走り、王城へ向かって進んでいく。
オズワルドとの会話からほとんど喋らなくなったメルが言った。
「A級召喚士やフェニアたちはすでに到着してるわね。まずはお父様に謁見するわ。わたしたちの帰還に合わせて謁見の手配がしてあるから、このまま行くわよ」
城門にいた兵士にフェニアたちへの連絡を頼んだので、すぐに王城に集まるだろう。
アルフェンは、なんとなくオズワルドを見た。
「なにかね?」
「……別に」
「ふ、そうか。ならこちらを見ないでくれないか? きみに見られていると思うと怖気がする」
オズワルドはにこやかだったが、アルフェンへの嫌悪を隠さなくなっていた。
少し腹が立ったので、アルフェンは聞こえるようにつぶやく。
「やっぱり、あの時に殺せばよかったな」
「……何か言ったかね?」
「別に。模擬戦の時に殺せばよかった、なーんて思ってないですよ」
「減らず口を……だがまぁ、別にいい。もう貴様などどうでもいいからな。私は私のいるべき場所で、私の理想を実現しよう」
「小物くせぇやつ……」
アルフェンはボソッと言う。
もう、こんなクズに関わりたいとは欠片も思わなかった。
なので、窓を開けて王城を眺める。
「はぁ……ウィルのやつ、大丈夫かな」
「大丈夫でしょ。あいつが殺しても死なないのはあなたが一番よく知っているはずよ」
「……うん」
「今は魔人の報告が先。ウィルのことはその後で考えましょ」
アルフェンは答えずぼんやり外を眺め───気付く。
「なんか、様子がおかしいな」
「え?」
「いや……人がなんか、騒いでる? それに、やけに新聞が落ちてるな」
「……新聞?」
城下町の大通りでは、いろんな仕事をしている人が集まっている。
露店は数多く並び、パフォーマンスをしている旅人や吟遊詩人、子供たちがボールを蹴って遊んだり、おばさんたちが井戸端会議をしている。
だが、大人たちの多くが新聞を片手に持っていた。それを見てガヤガヤと騒いでいる。
「なんか、おかしいな……何かあったのか?」
「確かに……」
オズワルドも気になるのか、チラリと窓の外を見る。
アルフェンは、新聞売りの少年がすぐ先で新聞を売っているのを見つけた。右手に金貨を持ち少年に向かって伸ばす。
「もらうぞ!!」
「え、わぁぁっ!?」
「お釣りはとっとけ!!」
コインを少年に押し付け新聞を一部抜きとる。馬車は走ったままなので驚いたことだろう。
メルは「驚かせないでよ……」と言ったが、アルフェンは笑った。たまにはこんないたずらもいい。
さっそく新聞を開き───。
「───……な、はぁ? ……おい、嘘だろ」
「どうしたの?」
「…………」
「ん、どれ……え」
アルフェンとメルは、新聞記事を読み驚愕。
オズワルドはチラリと二人を見て、二人が自分を凝視していることに気付いた。
「なにかな?」
「……あんた、マジかよ」
「?」
「……これは、真偽を確かめないとね」
「?……何を言っている?」
アルフェンは新聞をオズワルドに放る。
オズワルドは首を傾げ、新聞を広げた。
『アースガルズ王国召喚学園教師オズワルドの裏の顔!! アルフヘイム王国の住人を見殺しにし自身の利益のためだけに奔走!! その真実は!!』
その記事は、オズワルドがアルフヘイム王国の王子を逃がしたこと、住人を囮に逃げたこと、魔人討伐自体がオズワルドの手のひらの上だったことなどが、詳細に書かれていた。
さらに、新聞にはオズワルドと部下のやり取り、さらに写真まで掲載されている。記事には『オズワルド氏と部下のやり取りの『音声』入手! ユグドラシル放送局にて公開!』などと書かれていた。
「な……な……ななな、なん、なんだこれはははは!?」
「……その焦り、図星みたいね」
オズワルドはガタガタ震え、真っ蒼になり大汗を流していた。
新聞の日付は今朝。そして今の時刻はお昼すぎ。情報はすでに国中に広がっていた。
メルは、追い打ちをかける。
「どうやら、新聞記者が張り付いてたみたいね。あなた、気付かなかったの?」
「ふふふふざけるな!! こんな記事、でた、出鱈目だぁぁぁ!!」
「その割にはすごい汗よ? 焦点も定まってないし、この写真はどう説明するの? それに『音声』だって……」
「そんな、そんなの知るか!! わわ、私が住人を見殺しにしただと!?」
「ええ。そう書いてあるわね……これ、アルフヘイム王国に知れたら国家間の問題になるわね」
「ひ、ひ、そそ、そんな、そんなの」
「動揺しすぎ。はぁ~……帰ってきて早々、頭が痛くなるわ。怒るべきなんだろうけど。アルフェンはどう?」
アルフェンは頭にきていた。
まさか、オズワルドは戦いの裏でこんなくだらないことをしていたとは。
みんな必死で魔人や魔獣と戦っていたのに、こいつは何もしていなかったのだ。
「メル、こいつは」
「待って───……馬車を止めて」
馬車が止まり、窓を全部開けた。
すると、どこからか声が聞こえてきた。
すぐ近くにあるユグドラシル新聞社から聞こえてきたのは。
『えー、本日お昼の放送です。本日はなんと、アースガルズ王国召喚学園教師の知られざる裏の顔についてご紹介!!』
お昼の放送だった。
ユグドラシル新聞社は、自社の周りに召喚獣の力を使って『音』を飛ばしている。何気ない雑談だったり、有名人の声を聞かせたり、歌を流したりと、国民から愛されている放送だ。
オズワルドは顔を上げた。
「まさか……」
『えー、今一番ホットなネタは、話題のS級召喚士!! そのS級たちがA級召喚士と一緒に、王国外の魔人討伐に向かったのだ。その引率であるA級召喚士オズワルドはなんと……』
「や、やめ」
『なんと、とんでもない裏の顔を持っていた!!』
「やめ、ろぉぉぉぉぉぉぉぉぉーーーーーーっ!!」
放送は止まらなかった。
アルフェンは、こっそり馬車のドアを硬化させ出られないようにした。
オズワルドは必死で馬車から出ようとするが出られない。
『フン。その通り……ついでに、村の住人たちも微小だが救えた。S級たちは魔人と戦い、住人たちを死なせたとでも報告すれば、奴らの評価は下がるだろう。ククク、使えない住人をわざと魔人のいる方向へ誘導したなどわかるまい』
『ええ。預言の通りでしたね。『魔人は二体襲来する』と』
『ああ……実に面白かった』
オズワルドと部下の会話が流れている。
メルはため息を吐き、アルフェンはオズワルドを睨む。
新聞社前には、大勢の人が集まっていた。
「オズワルド、あなたはもう終わりね。あの会話が何よりの証拠よ……王城に着いたら、あなたを拘束させてもらうわ」
「ふ、ふひひ……あ、あはは……」
「アルフェン、抵抗したら両足をへし折りなさい」
「了解……はは、オズワルド、こんな最後とはなぁ」
「とりあえず、この記事を書いた記者にお礼しないとね」
馬車は再び走り出した。
燃え尽きたオズワルドは、がっくり項垂れていた。
さらに、新聞社前ではオズワルドに対する恨みの声が上がり、アースガルズ王国召喚学園前でも同様にオズワルドに対する不満の声が上がり始めていた。
この放送は大きな話題となり、繰り返し放送され、あっという間に拡散……オズワルドは民衆たちから顰蹙を買ってしまった。
馬車が王城に着くと同時にオズワルドは逮捕……そのまま牢屋に収監された。
馬車が城下町の中心を走り、王城へ向かって進んでいく。
オズワルドとの会話からほとんど喋らなくなったメルが言った。
「A級召喚士やフェニアたちはすでに到着してるわね。まずはお父様に謁見するわ。わたしたちの帰還に合わせて謁見の手配がしてあるから、このまま行くわよ」
城門にいた兵士にフェニアたちへの連絡を頼んだので、すぐに王城に集まるだろう。
アルフェンは、なんとなくオズワルドを見た。
「なにかね?」
「……別に」
「ふ、そうか。ならこちらを見ないでくれないか? きみに見られていると思うと怖気がする」
オズワルドはにこやかだったが、アルフェンへの嫌悪を隠さなくなっていた。
少し腹が立ったので、アルフェンは聞こえるようにつぶやく。
「やっぱり、あの時に殺せばよかったな」
「……何か言ったかね?」
「別に。模擬戦の時に殺せばよかった、なーんて思ってないですよ」
「減らず口を……だがまぁ、別にいい。もう貴様などどうでもいいからな。私は私のいるべき場所で、私の理想を実現しよう」
「小物くせぇやつ……」
アルフェンはボソッと言う。
もう、こんなクズに関わりたいとは欠片も思わなかった。
なので、窓を開けて王城を眺める。
「はぁ……ウィルのやつ、大丈夫かな」
「大丈夫でしょ。あいつが殺しても死なないのはあなたが一番よく知っているはずよ」
「……うん」
「今は魔人の報告が先。ウィルのことはその後で考えましょ」
アルフェンは答えずぼんやり外を眺め───気付く。
「なんか、様子がおかしいな」
「え?」
「いや……人がなんか、騒いでる? それに、やけに新聞が落ちてるな」
「……新聞?」
城下町の大通りでは、いろんな仕事をしている人が集まっている。
露店は数多く並び、パフォーマンスをしている旅人や吟遊詩人、子供たちがボールを蹴って遊んだり、おばさんたちが井戸端会議をしている。
だが、大人たちの多くが新聞を片手に持っていた。それを見てガヤガヤと騒いでいる。
「なんか、おかしいな……何かあったのか?」
「確かに……」
オズワルドも気になるのか、チラリと窓の外を見る。
アルフェンは、新聞売りの少年がすぐ先で新聞を売っているのを見つけた。右手に金貨を持ち少年に向かって伸ばす。
「もらうぞ!!」
「え、わぁぁっ!?」
「お釣りはとっとけ!!」
コインを少年に押し付け新聞を一部抜きとる。馬車は走ったままなので驚いたことだろう。
メルは「驚かせないでよ……」と言ったが、アルフェンは笑った。たまにはこんないたずらもいい。
さっそく新聞を開き───。
「───……な、はぁ? ……おい、嘘だろ」
「どうしたの?」
「…………」
「ん、どれ……え」
アルフェンとメルは、新聞記事を読み驚愕。
オズワルドはチラリと二人を見て、二人が自分を凝視していることに気付いた。
「なにかな?」
「……あんた、マジかよ」
「?」
「……これは、真偽を確かめないとね」
「?……何を言っている?」
アルフェンは新聞をオズワルドに放る。
オズワルドは首を傾げ、新聞を広げた。
『アースガルズ王国召喚学園教師オズワルドの裏の顔!! アルフヘイム王国の住人を見殺しにし自身の利益のためだけに奔走!! その真実は!!』
その記事は、オズワルドがアルフヘイム王国の王子を逃がしたこと、住人を囮に逃げたこと、魔人討伐自体がオズワルドの手のひらの上だったことなどが、詳細に書かれていた。
さらに、新聞にはオズワルドと部下のやり取り、さらに写真まで掲載されている。記事には『オズワルド氏と部下のやり取りの『音声』入手! ユグドラシル放送局にて公開!』などと書かれていた。
「な……な……ななな、なん、なんだこれはははは!?」
「……その焦り、図星みたいね」
オズワルドはガタガタ震え、真っ蒼になり大汗を流していた。
新聞の日付は今朝。そして今の時刻はお昼すぎ。情報はすでに国中に広がっていた。
メルは、追い打ちをかける。
「どうやら、新聞記者が張り付いてたみたいね。あなた、気付かなかったの?」
「ふふふふざけるな!! こんな記事、でた、出鱈目だぁぁぁ!!」
「その割にはすごい汗よ? 焦点も定まってないし、この写真はどう説明するの? それに『音声』だって……」
「そんな、そんなの知るか!! わわ、私が住人を見殺しにしただと!?」
「ええ。そう書いてあるわね……これ、アルフヘイム王国に知れたら国家間の問題になるわね」
「ひ、ひ、そそ、そんな、そんなの」
「動揺しすぎ。はぁ~……帰ってきて早々、頭が痛くなるわ。怒るべきなんだろうけど。アルフェンはどう?」
アルフェンは頭にきていた。
まさか、オズワルドは戦いの裏でこんなくだらないことをしていたとは。
みんな必死で魔人や魔獣と戦っていたのに、こいつは何もしていなかったのだ。
「メル、こいつは」
「待って───……馬車を止めて」
馬車が止まり、窓を全部開けた。
すると、どこからか声が聞こえてきた。
すぐ近くにあるユグドラシル新聞社から聞こえてきたのは。
『えー、本日お昼の放送です。本日はなんと、アースガルズ王国召喚学園教師の知られざる裏の顔についてご紹介!!』
お昼の放送だった。
ユグドラシル新聞社は、自社の周りに召喚獣の力を使って『音』を飛ばしている。何気ない雑談だったり、有名人の声を聞かせたり、歌を流したりと、国民から愛されている放送だ。
オズワルドは顔を上げた。
「まさか……」
『えー、今一番ホットなネタは、話題のS級召喚士!! そのS級たちがA級召喚士と一緒に、王国外の魔人討伐に向かったのだ。その引率であるA級召喚士オズワルドはなんと……』
「や、やめ」
『なんと、とんでもない裏の顔を持っていた!!』
「やめ、ろぉぉぉぉぉぉぉぉぉーーーーーーっ!!」
放送は止まらなかった。
アルフェンは、こっそり馬車のドアを硬化させ出られないようにした。
オズワルドは必死で馬車から出ようとするが出られない。
『フン。その通り……ついでに、村の住人たちも微小だが救えた。S級たちは魔人と戦い、住人たちを死なせたとでも報告すれば、奴らの評価は下がるだろう。ククク、使えない住人をわざと魔人のいる方向へ誘導したなどわかるまい』
『ええ。預言の通りでしたね。『魔人は二体襲来する』と』
『ああ……実に面白かった』
オズワルドと部下の会話が流れている。
メルはため息を吐き、アルフェンはオズワルドを睨む。
新聞社前には、大勢の人が集まっていた。
「オズワルド、あなたはもう終わりね。あの会話が何よりの証拠よ……王城に着いたら、あなたを拘束させてもらうわ」
「ふ、ふひひ……あ、あはは……」
「アルフェン、抵抗したら両足をへし折りなさい」
「了解……はは、オズワルド、こんな最後とはなぁ」
「とりあえず、この記事を書いた記者にお礼しないとね」
馬車は再び走り出した。
燃え尽きたオズワルドは、がっくり項垂れていた。
さらに、新聞社前ではオズワルドに対する恨みの声が上がり、アースガルズ王国召喚学園前でも同様にオズワルドに対する不満の声が上がり始めていた。
この放送は大きな話題となり、繰り返し放送され、あっという間に拡散……オズワルドは民衆たちから顰蹙を買ってしまった。
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