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第九章
闘いは続く
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リリーシャは、戦場の後方で全部隊に指揮を執っていた。
部隊長に直接声を飛ばす召喚獣、地図に魔獣の位置や味方の位置を表示させるサポート型召喚獣の力を借り、的確な指示で味方を動かし戦況を有利に運ぶ。
自身が戦うことはまだない。リリーシャの戦力は後半戦に温存しておく。
「第五、第七部隊は後方へ移動。穴埋めに第八部隊を前進。負傷者は第九部隊が運びだせ!! いいか、アースガルズ王国内に入れるなよ!!」
リリーシャの声は、部隊長に届いている。
地図を見ると、部隊を表すコマが動いた。
リリーシャの部下たちは思う。
「さすが隊長だ……!」
「ああ。これほどまでに的確な指示……」
「いける。いけるぞ」
部下たちは盛り上がっている。
リリーシャは、認められていた。
戦力ではない、指揮官として。だが、そんなことは関係ない。リリーシャは、持てる全ての力を使い、この戦いを勝利に導くことしか考えていない。
問題は、この戦いの先だ。
リリーシャは、アルフェンが勝利することを前提に考えていた。アルフェンは間違いなく最強の召喚師。アルフェンがニュクスを倒せば、アルフェンは英雄としてあがめられる。
本人はそんな功績などどうでもいい、そういうだろう。
だったら、その功績はリリーシャがいただく。
姉として、弟の功績をもらい、アースガルズ王国に盤石の地位を築く。そして、リグヴェータ家を継ぎ領地を改革……楽しみが増える。
「…………」
リリーシャはニヤリと笑う。
アルフェンを認め、その力を利用してのし上がる。
本当に、よくできた弟だと、感謝すらしていた。
「さぁ、一気に行くぞ……!!」
リリーシャは、持てる戦略全てを使い、戦いを加熱させていく。
◇◇◇◇◇◇
「ふぅむ。やはり全力を出すのはいい、若返ったようだよ」
口ひげをいじりながら優雅に答えたのは、『太陽』ガウェインだった。
騎士の制服にはいくつもの勲章が縫い付けられ、手には細身の剣を持っている。
彼は、封印を解かれ戦場で戦う英雄の一人だった。
ガウェインの周りには、ボロボロに傷ついた魔獣が何匹も転がっている。
「ふふふ。リリーシャもやりおる。ガブリエルの手駒かと思いきや……ただの手駒では終わらず、自らの意志で戦おうとしておる。やはり、若者はいい」
ピッ……と剣を振ると、ガウェインが従える召喚獣が動きだす。
ガウェインの召喚獣は『騎士』だった。
ただの騎士ではない。『騎士団』だ。
総勢二百名の『騎士団』が、ガウェインの命令で魔獣を屠っていた。
最強の軍勢型召喚獣、『フィアナ・キャバルリィ』が、魔獣を蹂躙していたのだ。
「やはり、戦場はいい……どうせなら、こういう場所で死にたいものだ」
英雄の戦いは、誰にも邪魔することができなかった。
◇◇◇◇◇◇
この戦いに参加しているのは、国に仕える殆どの召喚師たち。
そこには、召喚学園の生徒たちもいる。卒業した者や、四期以降も学園に残り学んでいる者と大勢だ。
生徒たちは、負傷しつつも戦っている。
相棒型に指示を出し、装備型を振るい、自然型を使役……全員が、必死だった。
「負けるな!! このまま押せぇーっ!!」
「おぉぉーっ!! 相棒、負けるなよ!!」
「だりゃぁぁぁっ!!」
部隊長が指示を出し、襲ってくる魔獣を相手にする。
そんな中───部隊に所属する一人の少女が、魔獣オークの棍棒に吹き飛ばされた。
「きゃぁぁぁぁっ!?」
「くっ……下がれ!!」
部隊長が命令するが、負傷した少女は動けない。
オークの棍棒が振り下ろされ、少女は目を閉じた……が。
「そこまでじゃ」
『!?』
振り下ろされたオークの棍棒を、枯れ枝のような老人が受け止めた。
「え……?」
「ほれ、今のうちに下がって」
「あ……はい」
その老人は、メテオール校長だった。
オークの棍棒を片手で受け止め、にっこり笑っていた。
そして、棍棒を軽く押す……それだけで、オークはひっくり返った。
いきなり校長が登場し、生徒たちは動揺する。
「こ、校長先生……?」
「うむ。わしも戦おう、大事な未来を守るためにのぉ」
戦う。
だが、よぼよぼの腰が曲がった老人に何ができるというのか。
すると、メテオールは杖を投げ捨て、ローブの袖をまくり両手を突き出す。
「猛り狂え……『ギガンティック・メテオ』」
すると、両腕に巨大な籠手が装備された。
さらに、生徒たちの目の前で、あり得ない変化が起こる。
「ふぅぅ~~~……」
「「「「「え……」」」」」
めきめき、めきめき、めきめき……と、枯れ枝のようだったメテオールの身体が、内側から膨張していく。真っ白な髪が黒くなり、ローブが破れ……立派な筋肉に覆われた上半身が現れた。さらに、しわくちゃだった皮膚に張りが生まれ、顔つきも……そう、若返っていた。
現れたのは、二十代前半の……あまりにもワイルドなイケメンだった。
「さァて……やってやるぜェ!!」
青年は、両腕を思い切り突きあげて地面に叩きつけた。
「『メテオインパクト』!!」
地面に亀裂が入り、大地が揺れた。
青年は爆発するようなダッシュで魔獣に接近、強烈なブローを叩きこむ。それだけで魔獣は吹き飛び、血を吐いて消滅した。
「『ガッツァブロウ』!!」
ただの拳が、魔獣を即死させる。
目の前のこれは誰だ? ……それが、生徒たちの感想だ。
すると、ダモクレスが現れ歓喜する。
「がーっはっはっは!! 久しいのぉメテオール!! ワシら二十一人最強の戦士よ!!」
「ダモクレス!! いい気分だ、暴れようぜ!!」
「応っ!!」
ダモクレスは『融合』を発動。メテオールと大暴れをする。
メテオールの装備型召喚獣『ギガンティック・メテオ』の能力は『ドライブ』だ。常に最盛期の肉体を再現し、トップギアの状態を保つことができる。
今のメテオールは、大昔のままだ。今のような穏やかな老人ではなく、ただひたすら暴れ『剛力』の称号を与えられた戦いの権化。
「ガキども!! 付いてくんならさっさと来い!! 大暴れしようじゃねぇか!!」
「「「「「お、おおぉぉーっ!!」」」」」
戦いは、まだまだ終わらない。
部隊長に直接声を飛ばす召喚獣、地図に魔獣の位置や味方の位置を表示させるサポート型召喚獣の力を借り、的確な指示で味方を動かし戦況を有利に運ぶ。
自身が戦うことはまだない。リリーシャの戦力は後半戦に温存しておく。
「第五、第七部隊は後方へ移動。穴埋めに第八部隊を前進。負傷者は第九部隊が運びだせ!! いいか、アースガルズ王国内に入れるなよ!!」
リリーシャの声は、部隊長に届いている。
地図を見ると、部隊を表すコマが動いた。
リリーシャの部下たちは思う。
「さすが隊長だ……!」
「ああ。これほどまでに的確な指示……」
「いける。いけるぞ」
部下たちは盛り上がっている。
リリーシャは、認められていた。
戦力ではない、指揮官として。だが、そんなことは関係ない。リリーシャは、持てる全ての力を使い、この戦いを勝利に導くことしか考えていない。
問題は、この戦いの先だ。
リリーシャは、アルフェンが勝利することを前提に考えていた。アルフェンは間違いなく最強の召喚師。アルフェンがニュクスを倒せば、アルフェンは英雄としてあがめられる。
本人はそんな功績などどうでもいい、そういうだろう。
だったら、その功績はリリーシャがいただく。
姉として、弟の功績をもらい、アースガルズ王国に盤石の地位を築く。そして、リグヴェータ家を継ぎ領地を改革……楽しみが増える。
「…………」
リリーシャはニヤリと笑う。
アルフェンを認め、その力を利用してのし上がる。
本当に、よくできた弟だと、感謝すらしていた。
「さぁ、一気に行くぞ……!!」
リリーシャは、持てる戦略全てを使い、戦いを加熱させていく。
◇◇◇◇◇◇
「ふぅむ。やはり全力を出すのはいい、若返ったようだよ」
口ひげをいじりながら優雅に答えたのは、『太陽』ガウェインだった。
騎士の制服にはいくつもの勲章が縫い付けられ、手には細身の剣を持っている。
彼は、封印を解かれ戦場で戦う英雄の一人だった。
ガウェインの周りには、ボロボロに傷ついた魔獣が何匹も転がっている。
「ふふふ。リリーシャもやりおる。ガブリエルの手駒かと思いきや……ただの手駒では終わらず、自らの意志で戦おうとしておる。やはり、若者はいい」
ピッ……と剣を振ると、ガウェインが従える召喚獣が動きだす。
ガウェインの召喚獣は『騎士』だった。
ただの騎士ではない。『騎士団』だ。
総勢二百名の『騎士団』が、ガウェインの命令で魔獣を屠っていた。
最強の軍勢型召喚獣、『フィアナ・キャバルリィ』が、魔獣を蹂躙していたのだ。
「やはり、戦場はいい……どうせなら、こういう場所で死にたいものだ」
英雄の戦いは、誰にも邪魔することができなかった。
◇◇◇◇◇◇
この戦いに参加しているのは、国に仕える殆どの召喚師たち。
そこには、召喚学園の生徒たちもいる。卒業した者や、四期以降も学園に残り学んでいる者と大勢だ。
生徒たちは、負傷しつつも戦っている。
相棒型に指示を出し、装備型を振るい、自然型を使役……全員が、必死だった。
「負けるな!! このまま押せぇーっ!!」
「おぉぉーっ!! 相棒、負けるなよ!!」
「だりゃぁぁぁっ!!」
部隊長が指示を出し、襲ってくる魔獣を相手にする。
そんな中───部隊に所属する一人の少女が、魔獣オークの棍棒に吹き飛ばされた。
「きゃぁぁぁぁっ!?」
「くっ……下がれ!!」
部隊長が命令するが、負傷した少女は動けない。
オークの棍棒が振り下ろされ、少女は目を閉じた……が。
「そこまでじゃ」
『!?』
振り下ろされたオークの棍棒を、枯れ枝のような老人が受け止めた。
「え……?」
「ほれ、今のうちに下がって」
「あ……はい」
その老人は、メテオール校長だった。
オークの棍棒を片手で受け止め、にっこり笑っていた。
そして、棍棒を軽く押す……それだけで、オークはひっくり返った。
いきなり校長が登場し、生徒たちは動揺する。
「こ、校長先生……?」
「うむ。わしも戦おう、大事な未来を守るためにのぉ」
戦う。
だが、よぼよぼの腰が曲がった老人に何ができるというのか。
すると、メテオールは杖を投げ捨て、ローブの袖をまくり両手を突き出す。
「猛り狂え……『ギガンティック・メテオ』」
すると、両腕に巨大な籠手が装備された。
さらに、生徒たちの目の前で、あり得ない変化が起こる。
「ふぅぅ~~~……」
「「「「「え……」」」」」
めきめき、めきめき、めきめき……と、枯れ枝のようだったメテオールの身体が、内側から膨張していく。真っ白な髪が黒くなり、ローブが破れ……立派な筋肉に覆われた上半身が現れた。さらに、しわくちゃだった皮膚に張りが生まれ、顔つきも……そう、若返っていた。
現れたのは、二十代前半の……あまりにもワイルドなイケメンだった。
「さァて……やってやるぜェ!!」
青年は、両腕を思い切り突きあげて地面に叩きつけた。
「『メテオインパクト』!!」
地面に亀裂が入り、大地が揺れた。
青年は爆発するようなダッシュで魔獣に接近、強烈なブローを叩きこむ。それだけで魔獣は吹き飛び、血を吐いて消滅した。
「『ガッツァブロウ』!!」
ただの拳が、魔獣を即死させる。
目の前のこれは誰だ? ……それが、生徒たちの感想だ。
すると、ダモクレスが現れ歓喜する。
「がーっはっはっは!! 久しいのぉメテオール!! ワシら二十一人最強の戦士よ!!」
「ダモクレス!! いい気分だ、暴れようぜ!!」
「応っ!!」
ダモクレスは『融合』を発動。メテオールと大暴れをする。
メテオールの装備型召喚獣『ギガンティック・メテオ』の能力は『ドライブ』だ。常に最盛期の肉体を再現し、トップギアの状態を保つことができる。
今のメテオールは、大昔のままだ。今のような穏やかな老人ではなく、ただひたすら暴れ『剛力』の称号を与えられた戦いの権化。
「ガキども!! 付いてくんならさっさと来い!! 大暴れしようじゃねぇか!!」
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戦いは、まだまだ終わらない。
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