最強スキル『忍術』で始めるアサシン教団生活

さとう

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第三章 黄昏旅団所属『死神』のラムエルテ

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 深夜。
 ゲルニカは一人、どこかの部屋で羊皮紙を手に読んでいた。
 すると、音もなく背後に立つ一人の女。

「これはこれは、『女教皇ハイプリエステス』」
「……『死神デス』、それともゲルニカ? それともラムエルテ?」

 ゲルニカの後ろにいたのは、マドカだった。
 壁に寄りかかり、どこか退屈そうにゲルニカの背中を見ている。
 隙だらけに見え、まるで隙が無い。

「ゲルニカは学園教師の名、ラムエルテは暗殺者の名……どうぞ、お好きな方で」
「ふん、いくつも偽名持ってるくせに」
「ところで、何か? この部屋は私の隠れ家の中でも、特に見つからない場所だったのですが」

 振り返り、ニコニコするゲルニカ。
 マドカは、一枚の羊皮紙をゲルニカに渡す。

「『世界ザワールド』からの指令よ。『風魔七忍ふうましちにん』を語る謎のアサシン教団を探して始末しろとのこと……」
「ほほう、興味深い……『世界ザワールド』はどこまで知っているのですか?」
「……何を?」
「あなたもですよ、マドカ」

 いつの間にか、ゲルニカはマドカの背後にいた。
 ありえない。何故なら、まだ目の前に・・・・・・ゲルニカはいる・・・・・・・
 マドカは動揺を見せず、肩に置かれた手を払う。

「どういう意味?」
「ハンゾウ。あの愚かなる師が残した弟子……」
「……あの人に弟子がいるとでも? 弟子はあなたたち、旅団最初の七忍でしょう?」
「そうですね。ですが私はどうも引っかかる……あのハンゾウが、病に侵されたからと言って、捨て駒の称号である『ストレングス』如きに追い詰められるでしょうか? 特に、あのパワーズは私の弟子でも出来損ないだった」
「…………」
「私はね、パワーズと相打ち、あなたがとどめを刺したというのも疑っているんです……ねえ、マドカ。私はね、あなたが、師であり父であるハンゾウを殺したとは思えないんです」
「…………はっ」

 マドカは、ゲルニカを見て笑った。

「空想が趣味なので。だからなに?」
「フフ……まあ、はっきりさせますよ。私の勘ですが……風魔七忍は、子供です」
「…………」
「少なくとも二人。そのうち、一人は女子……」
「……それで?」
「今回、動くのは私だけですか?」
「さあね。他の連中は知らないわ」
「まあいいでしょう。生徒の中……新入生の中に二人いると仮定し、面白い実験をしようと思います」
「実験?」

 マドカが訝しむと、ゲルニカは嬉しそうにほほ笑んだ。

「『魔術師マジシャン』……私の弟子の一人が、面白い手駒を育てていまして。それを使い、実験をしてみようと思います」

 ◇◇◇◇◇◇

 シャドウは、ヒナタから全てを聞いた。

「やっぱり、あいつが」
「はい……正直、私では勝てません。近づくことすら困難かと。ですが、正体はバレていません……私が『女』ということは知られてしまいましたが」
「だ、大丈夫なの?」
「……はい」

 ルクレはヒナタを心配している。まだ新入りだが、仲間意識は芽生えていた。
 シャドウは、息を整える。

「……よし。目標はゲルニカだ。ここからは俺の仕事だな」
「シャドウ様……どうか、お気を付けて」
「ああ。ヒナタ、お前はもう関わるな。いち生徒として過ごすように」
「はい。ルクレ様、どうかご協力を」
「う、うん……わたし、何をすればいいの?」
「私のご友人としてお過ごしください。あくまで、一般生徒として振舞うように」
「……わ、わかった!! できること、精一杯やるよ!!」

 ルクレはヒナタの手を掴みウンウン頷く。
 シャドウは話題を変えた。

「ところで、明日って何かあったっけ……授業抜け出して暗殺とかはしたくないな」
「明日は……身体測定と体力測定がありますね」
「……そんなの意味あるのか?」
「心技体。魔法を使うのに身体は重要ですからね」
「男女に分かれてやるんだっけ……うう、運動苦手だしやだなあ」
「とりあえず、今日はもう休むか……」

 こうして、最初の暗殺目標をゲルニカに設定。
 シャドウの『暗殺者アサシン』としての仕事が始まった。
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