聖女やめます……タダ働きは嫌!友達作ります!冒険者なります!お金稼ぎます!ちゃっかり世界も救います!

さくしゃ

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合格発表とお祝い

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 3月23日……とうとう来てしまった。運命の合格発表の日!

 「うへぇ……気持ちわる!」
 「うえ!……同じく!」

 下水清掃のクエストを達成した私たちは、無事にランクがF級からE級に上がり、溜まったお金で昨日の夜は飲みに行った。

 久しぶりのギャンブル。
 銅貨3枚と掛け金が少ないけど何かあったのか?と心配されたが、そんなことは気にせずに無事に一発逆転!金貨十枚を稼いで豪快に使ってきたぜ!

 所持金は金貨五枚。

 「やった!金貨十枚!」

 人生初のギャンブルで大勝ちしたユリはホクホク顔で学園へ続く山道を歩く。
 
 私とエマも大勝ちしてホクホクなんだけど、さっきまで飲んでいて、酔いが覚めてきて気持ち悪くなってきた所。

 青い顔で学園への山道を歩く。

 「おーおーゾンビが2体だねー」

 私とエマの周りを漂うシルフィ。

 お前も二日酔いを体験すればわかるよー

 そうこうしていると校門に到着。
 いつかのおじさんが脇に立っている。

 「ひ!化け物!」

 私を見た瞬間にいつの間にか修理の終わった壁の内側に隠れる。

 どうでもいいや……

 「やったーー!合格してる!」
 「くそー!今年も落ちた!」

 校門のすぐ向こうでは合格者の番号が張り出された掲示板の前に群がる受験生達。

 合格を喜び抱き合うもの。番号がなくて青い顔しているものと様々。
 
 「ああ。どうでもいいから早く帰って寝てぇ」

 友達を作る為に通おうと思っていたが、通う前に友達ができてしまったので、落ちていても私はどちらでもいい。

 エマもユリもサキさんに

「冒険者になるならちゃんと知識を勉強してからの方がいい!」

 と言われて受けただけで本当はどちらでもいいらしい。
 
 「まあ、授業料とか全部無料だし通えるなら」

 それが3人の認識。

 「と、確か90番だっけ?」
 「えーと。確か30番だったような」

 青い顔の私とエマは受験票を持ってきたのだが、無くしてしまい番号を思い出せない。

 「しっかりしてよ!91番と31番!えっと92番……あ!あった!やったー!」

 パーティーのしっかり者、ユリは飛び跳ねて喜び抱きついてくる。

 やめてくれぇ!揺らさないでくれ!うえ!気持ち悪っ……

 「やめてくれぇ……」

 消え入りそうな声のエマ。

 わかるぞぅ……うえっ……

 「31番ー91番ーごうーかくー」

 シルフィが教えてくれる。

 「合格してるってよ……早く帰ろうぉ」
 「ぞ、ぞう"だな"……」

 お腹を抱えて人の群れから脱出する。

 ユリは……いいか……

 いまだに喜んでいるユリは放って校門へ向かう。

 「くそ!なんでてめえみたいなのが!」
 
 青い顔で帰ろうとすると5人の男達に囲まれた。

 「試験の時もふざけたようなことばっかりやってるテメェが受かって!なんで俺たちが落ちなきゃならねぇんだよ!」
 
 よくよく見ると魔力検査で水晶玉を割った時に私の噂を言っていた男連中だった。
 剣を構えているのでかなりご立腹の様子。

 「ひ!」

 門兵のおじさんは私を見るなり隠れる始末。

 おーい、出番ですよー

 「はぁ」
 「何ため息なんてついてんだよ!こっちは真面目に勉強してきたのに!そんな俺たちが落ちて、お前みたいなふざけたやつが……」

 大将らしき男が剣先を顔を向けてくる。

 「……あ?」

 二日酔いもあってかついイラッと来てしまい強めの殺気を当ててしまった。

 「あ……ぁ」

 私に剣先を当ててきた男は泡を吹いて倒れ、周りにいた取り巻き達は尻餅をつき股を濡らしていた。

 ヤベェ……やりすぎたな。

 「……まあ、いいや。さーて、帰るかぁ」
 
 何事もなかったように歩き出す。

 「おら!慰謝料として有金全部よこせ!」

 歩み出した私の後ろでは、急に元気になったエマがちゃっかり男達から金を巻き上げていた。

 くそ!やられた!

 「へへ!毎度あり!」

 エマの清々しいまでの笑顔が眩しかった。

 さすがは「金の亡者」パーティーメンバーだ!


 *****



 「おお!合格したか!やったな!」
 
 元気の家に帰るとサキさんが待っていてくれて大いに喜んでくれた。
 
 「見てみて!昨日はこんなに稼いだよ!」

 私にものすごく懐いてくれているクルミが抱きついてきた。

 おーおー!今日もかわいいなぁ!くるしゅうないわ

 「銀貨一枚も稼いだのか!えらい!君も立派な守銭奴だ!」
 「うん!私も金の亡者になるー!」
 「よしよし!その意気だよ!」

 クルミの頭を撫でる。

 それにしてもエルフっていつでもサラサラした髪してていいなぁ。

 「おい!そうじゃないだろ!」

 いつの間にか帰ってきていたユリにツッコまれた。

 そして、その日の夜もど派手な宴となった。 
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