13 / 57
初めての入学式
しおりを挟む
桜が散る校門前。
「おお!これで私も晴れて学生になるのかぁ……」
少し前までお祈り、お勤めで気がつけば1日が終わっていた日々から野に放たれて、ついハメを外しすぎてしまったけど友達と通う学園かぁ……また一つ夢が叶った。
隣にいるエマ達を見て笑顔になる。
聖国にいた時は、大聖堂から治癒院まで目隠しされ手錠をはめられ、馬車に乗せられていた。
そんな馬車の中から学校へ通う同年代の子達の声を毎日のように聞いていた。
自分もいつか……と思っていて、やっと自分も憧れていた世界にこられた。
「あ!受付あったよ!」
「おお。本当だ。校舎でやるんだな」
校門正面にある体育館の横に受付が設置されて試験の時に見かけた試験官がちらほら。
「早く行って受付済ませちゃおう」
私たちは校門をくぐり受付へ。
「……ん?」
そんな時、
「ちょっと来いよ!」
「やめてよ!」
「やめてよ!って、女かよこいつ」
「うぜぇ」
と、体育館裏へと消えていく4人の男子が見えた。
「おおー不穏な空気だったねー」
さっきまで寝ていたシルフィが目を覚ます。
気持ちよさそうにねやがって……誰に似たんだろな。
「あの連れられていった男子は確か……」
どこかで見たことあるような特徴的な眼鏡男子……
「ああ!試験の日に困ってた私にお金をくれたいいメガネだ!」
「おおーずいぶん都合のいい記憶になってるねー」
すかさずシルフィにつっこまれてしまった。
いやいや。バレてないからセーフでしょ。
それにしてもいろんな奴に絡まれる奴だな。
「しょうがねぇな……」
受付をしているエマ達に
「ごめん!ちょっと稼いでくるー!」
と、一言伝えてから体育館裏へと走る。
「がっぽりなー!」
「入学式にはちゃんと来なよー」
2人に背を向けたまま手を振り、颯爽と体育館裏へ。
やったぜ!臨時収入!
角に到着した所で停止。
そっと顔を出して状況確認。
「俺たち、ちょっとお金に困ってんだよ」
「大商会の跡取り息子なら結構もらってんだろ?」
「悪いけど……有金。全部よこせ」
メガネくんは3人のいかつい男子達に詰め寄られていた。
こいつらバカだな。私ならもっと上手くやるの……ぐふん!
咳払いを一つして、3人の男子の服を確認する。
「仕立ての良い服だな。良いところの坊ちゃん達が調子に乗ってるってところか……よし!」
私は隠れるのをやめて姿を晒す。
「お前達!そいつは私の財布だ!金を奪いたいなら私に断ってからにしろ!」
この後のお決まりの返しを待っていてやるほど暇ではないので手っ取り早く殺気をぶつける。
大気がうねり肌を指す空気と圧迫感が3人の男子を襲う。
「ひ!」
「あ、あわ!」
「な、なんだよ。このプレッシャー!」
お!やるな!この位の殺気なら耐えるか……なら、もう少し強くしよう……とう!
「ひっ!」
「あっ!」
3人の男子のうちリーダー格の男の腰巾着と思われる2人の意識が事切れる。
「くっ……あぶねぇ!」
リーダー格と思われる男子だけはなんとか耐える。
よし!予定通りだ!
思い通りに行っている状況に飛び跳ねながら嬉しさ全開で近づく。
「く、くんじゃねぇ!化け物!」
「ふっふっふっ……やーだよ!」
顔を近づけてやる。
よし!サービスだ!
可愛いウインクをキメる。
「ひっ!」
なぜかわからないけど私のウインクを受けて倒れるリーダー格の男。
「……おい!なんでウインクで気を失うんだよ!さすがにクズな私でも傷つくぞ!」
激しく揺さぶる。
が、泡を吹き始めた。
だめだ、こりゃ。
その場に捨てる。
「よ!久しぶり!メガネくん!」
呆然と立ち尽くしているメガネくんに挨拶しておく。
その間に気絶してる男子達の懐から財布を取り出す。
「お!結構持ってんじゃん!これだけあんならかつあげなんてする必要ねえじゃん!バカなのかこいつら……」
3人の財布の中には金貨十枚、銀貨二十枚入っていた。
そのうち、数枚の金貨を取り出してメガネくんに渡す。
「これは私からのお礼……君が絡まれてくれたおかげで稼げたから……もちろんこのことは秘密で頼むな♡」
サービスで可愛くウインクしてやる。
「……ひっ!」
しばらくしたらメガネくんは気絶して倒れる。
「おい!一体、私のウインクに何があるって言うんだよ!後日、実はハートを射抜かれすぎた反動で気を失いました!好きです!って言ってきても相手にしてやんねぇからな!」
気を失う4人を放置して式会場へと向かう。
全く!これでも治療するときにはウインクを求められたこともあった程の美少女だと言うのによ!
「悪魔のウインクー4人撃沈ー」
「うるさいな!これでも傷ついてんだからね!少しは励ましをくれ!」
「おーおー眠いねーzzz」
「くぅ!マイペース!」
一応、肩で寝かせておくのも可哀想なので亜空間に放り込んでおく。
まあ、目が覚めたら勝手に出てくるから良いでしょ。
「……まーて」
玄関から校舎へ入ろうとした私の肩を誰かが掴む。
なに!戦闘力53万の私に気配を感じさせずに接近しただと!
振り返る。
「……ってリサかよ!」
「おい。リサじゃないだろ。理事長と呼べ!ギャンブル酔いどれ聖女」
デコピンを喰らわされてしまった。
むう……なぜ私がギャンブルにハマっていることがバレているんだ。内通者でもいたのか?
「内通者なんかいるわけないだろ。この街の情報ならなんでも入ってくるだけだ。朝帰り二日酔い聖女」
「ちょっと言い過ぎじゃないか!独身理事長!」
なぜかリサと睨み合う。
「……と!こんなことしてる場合じゃなかった!」
いすまいを正すリサ。
「お前!さすがにやりすぎてるから自重してくれ!たまに苦情が私のところまで来てるからな!」
人差し指を向けて本当に怒っているときにしか見せない顔で怒鳴る。
「頼むぞ!守銭奴聖女!……それから「洗礼」には気をつけろよ!」
それだけ言い残すと校舎の中へと歩いていった。
「……おかしいな。そんなに悪いことしたか?……覚えがないぞ」
首を傾げながら私もリサの後を追いかけて式会場へと向かう。
「苦情が来るほどのこと……わからん」
「おお!これで私も晴れて学生になるのかぁ……」
少し前までお祈り、お勤めで気がつけば1日が終わっていた日々から野に放たれて、ついハメを外しすぎてしまったけど友達と通う学園かぁ……また一つ夢が叶った。
隣にいるエマ達を見て笑顔になる。
聖国にいた時は、大聖堂から治癒院まで目隠しされ手錠をはめられ、馬車に乗せられていた。
そんな馬車の中から学校へ通う同年代の子達の声を毎日のように聞いていた。
自分もいつか……と思っていて、やっと自分も憧れていた世界にこられた。
「あ!受付あったよ!」
「おお。本当だ。校舎でやるんだな」
校門正面にある体育館の横に受付が設置されて試験の時に見かけた試験官がちらほら。
「早く行って受付済ませちゃおう」
私たちは校門をくぐり受付へ。
「……ん?」
そんな時、
「ちょっと来いよ!」
「やめてよ!」
「やめてよ!って、女かよこいつ」
「うぜぇ」
と、体育館裏へと消えていく4人の男子が見えた。
「おおー不穏な空気だったねー」
さっきまで寝ていたシルフィが目を覚ます。
気持ちよさそうにねやがって……誰に似たんだろな。
「あの連れられていった男子は確か……」
どこかで見たことあるような特徴的な眼鏡男子……
「ああ!試験の日に困ってた私にお金をくれたいいメガネだ!」
「おおーずいぶん都合のいい記憶になってるねー」
すかさずシルフィにつっこまれてしまった。
いやいや。バレてないからセーフでしょ。
それにしてもいろんな奴に絡まれる奴だな。
「しょうがねぇな……」
受付をしているエマ達に
「ごめん!ちょっと稼いでくるー!」
と、一言伝えてから体育館裏へと走る。
「がっぽりなー!」
「入学式にはちゃんと来なよー」
2人に背を向けたまま手を振り、颯爽と体育館裏へ。
やったぜ!臨時収入!
角に到着した所で停止。
そっと顔を出して状況確認。
「俺たち、ちょっとお金に困ってんだよ」
「大商会の跡取り息子なら結構もらってんだろ?」
「悪いけど……有金。全部よこせ」
メガネくんは3人のいかつい男子達に詰め寄られていた。
こいつらバカだな。私ならもっと上手くやるの……ぐふん!
咳払いを一つして、3人の男子の服を確認する。
「仕立ての良い服だな。良いところの坊ちゃん達が調子に乗ってるってところか……よし!」
私は隠れるのをやめて姿を晒す。
「お前達!そいつは私の財布だ!金を奪いたいなら私に断ってからにしろ!」
この後のお決まりの返しを待っていてやるほど暇ではないので手っ取り早く殺気をぶつける。
大気がうねり肌を指す空気と圧迫感が3人の男子を襲う。
「ひ!」
「あ、あわ!」
「な、なんだよ。このプレッシャー!」
お!やるな!この位の殺気なら耐えるか……なら、もう少し強くしよう……とう!
「ひっ!」
「あっ!」
3人の男子のうちリーダー格の男の腰巾着と思われる2人の意識が事切れる。
「くっ……あぶねぇ!」
リーダー格と思われる男子だけはなんとか耐える。
よし!予定通りだ!
思い通りに行っている状況に飛び跳ねながら嬉しさ全開で近づく。
「く、くんじゃねぇ!化け物!」
「ふっふっふっ……やーだよ!」
顔を近づけてやる。
よし!サービスだ!
可愛いウインクをキメる。
「ひっ!」
なぜかわからないけど私のウインクを受けて倒れるリーダー格の男。
「……おい!なんでウインクで気を失うんだよ!さすがにクズな私でも傷つくぞ!」
激しく揺さぶる。
が、泡を吹き始めた。
だめだ、こりゃ。
その場に捨てる。
「よ!久しぶり!メガネくん!」
呆然と立ち尽くしているメガネくんに挨拶しておく。
その間に気絶してる男子達の懐から財布を取り出す。
「お!結構持ってんじゃん!これだけあんならかつあげなんてする必要ねえじゃん!バカなのかこいつら……」
3人の財布の中には金貨十枚、銀貨二十枚入っていた。
そのうち、数枚の金貨を取り出してメガネくんに渡す。
「これは私からのお礼……君が絡まれてくれたおかげで稼げたから……もちろんこのことは秘密で頼むな♡」
サービスで可愛くウインクしてやる。
「……ひっ!」
しばらくしたらメガネくんは気絶して倒れる。
「おい!一体、私のウインクに何があるって言うんだよ!後日、実はハートを射抜かれすぎた反動で気を失いました!好きです!って言ってきても相手にしてやんねぇからな!」
気を失う4人を放置して式会場へと向かう。
全く!これでも治療するときにはウインクを求められたこともあった程の美少女だと言うのによ!
「悪魔のウインクー4人撃沈ー」
「うるさいな!これでも傷ついてんだからね!少しは励ましをくれ!」
「おーおー眠いねーzzz」
「くぅ!マイペース!」
一応、肩で寝かせておくのも可哀想なので亜空間に放り込んでおく。
まあ、目が覚めたら勝手に出てくるから良いでしょ。
「……まーて」
玄関から校舎へ入ろうとした私の肩を誰かが掴む。
なに!戦闘力53万の私に気配を感じさせずに接近しただと!
振り返る。
「……ってリサかよ!」
「おい。リサじゃないだろ。理事長と呼べ!ギャンブル酔いどれ聖女」
デコピンを喰らわされてしまった。
むう……なぜ私がギャンブルにハマっていることがバレているんだ。内通者でもいたのか?
「内通者なんかいるわけないだろ。この街の情報ならなんでも入ってくるだけだ。朝帰り二日酔い聖女」
「ちょっと言い過ぎじゃないか!独身理事長!」
なぜかリサと睨み合う。
「……と!こんなことしてる場合じゃなかった!」
いすまいを正すリサ。
「お前!さすがにやりすぎてるから自重してくれ!たまに苦情が私のところまで来てるからな!」
人差し指を向けて本当に怒っているときにしか見せない顔で怒鳴る。
「頼むぞ!守銭奴聖女!……それから「洗礼」には気をつけろよ!」
それだけ言い残すと校舎の中へと歩いていった。
「……おかしいな。そんなに悪いことしたか?……覚えがないぞ」
首を傾げながら私もリサの後を追いかけて式会場へと向かう。
「苦情が来るほどのこと……わからん」
29
あなたにおすすめの小説
【完結】人々に魔女と呼ばれていた私が実は聖女でした。聖女様治療して下さい?誰がんな事すっかバーカ!
隣のカキ
ファンタジー
私は魔法が使える。そのせいで故郷の村では魔女と迫害され、悲しい思いをたくさんした。でも、村を出てからは聖女となり活躍しています。私の唯一の味方であったお母さん。またすぐに会いに行きますからね。あと村人、テメぇらはブッ叩く。
※三章からバトル多めです。
【完結】婚約者と仕事を失いましたが、すべて隣国でバージョンアップするようです。
鋼雅 暁
ファンタジー
聖女として働いていたアリサ。ある日突然、王子から婚約破棄を告げられる。
さらに、偽聖女と決めつけられる始末。
しかし、これ幸いと王都を出たアリサは辺境の地でのんびり暮らすことに。しかしアリサは自覚のない「魔力の塊」であったらしく、それに気付かずアリサを放り出した王国は傾き、アリサの魔力に気付いた隣国は皇太子を派遣し……捨てる国あれば拾う国あり!?
他サイトにも重複掲載中です。
【完結】聖女召喚に巻き込まれたバリキャリですが、追い出されそうになったのでお金と魔獣をもらって出て行きます!
チャらら森山
恋愛
二十七歳バリバリキャリアウーマンの鎌本博美(かまもとひろみ)が、交差点で後ろから背中を押された。死んだと思った博美だが、突如、異世界へ召喚される。召喚された博美が発した言葉を誤解したハロルド王子の前に、もうひとりの女性が現れた。博美の方が、聖女召喚に巻き込まれた一般人だと決めつけ、追い出されそうになる。しかし、バリキャリの博美は、そのまま追い出されることを拒否し、彼らに慰謝料を要求する。
お金を受け取るまで、博美は屋敷で暮らすことになり、数々の騒動に巻き込まれながら地下で暮らす魔獣と交流を深めていく。
【完結】追放された生活錬金術師は好きなようにブランド運営します!
加藤伊織
ファンタジー
(全151話予定)世界からは魔法が消えていっており、錬金術師も賢者の石や金を作ることは不可能になっている。そんな中で、生活に必要な細々とした物を作る生活錬金術は「小さな錬金術」と呼ばれていた。
カモミールは師であるロクサーヌから勧められて「小さな錬金術」の道を歩み、ロクサーヌと共に化粧品のブランドを立ち上げて成功していた。しかし、ロクサーヌの突然の死により、その息子で兄弟子であるガストンから住み込んで働いていた家を追い出される。
落ち込みはしたが幼馴染みのヴァージルや友人のタマラに励まされ、独立して工房を持つことにしたカモミールだったが、師と共に運営してきたブランドは名義がガストンに引き継がれており、全て一から出直しという状況に。
そんな中、格安で見つけた恐ろしく古い工房を買い取ることができ、カモミールはその工房で新たなスタートを切ることにした。
器具付き・格安・ただし狭くてボロい……そんな訳あり物件だったが、更におまけが付いていた。据えられた錬金釜が1000年の時を経て精霊となり、人の姿を取ってカモミールの前に現れたのだ。
失われた栄光の過去を懐かしみ、賢者の石やホムンクルスの作成に挑ませようとする錬金釜の精霊・テオ。それに対して全く興味が無い日常指向のカモミール。
過保護な幼馴染みも隣に引っ越してきて、予想外に騒がしい日常が彼女を待っていた。
これは、ポーションも作れないし冒険もしない、ささやかな錬金術師の物語である。
彼女は化粧品や石けんを作り、「ささやかな小市民」でいたつもりなのだが、品質の良い化粧品を作る彼女を周囲が放っておく訳はなく――。
毎日15:10に1話ずつ更新です。
この作品は小説家になろう様・カクヨム様・ノベルアッププラス様にも掲載しています。
地味令嬢を見下した元婚約者へ──あなたの国、今日滅びますわよ
タマ マコト
ファンタジー
王都の片隅にある古びた礼拝堂で、静かに祈りと針仕事を続ける地味な令嬢イザベラ・レーン。
灰色の瞳、色褪せたドレス、目立たない声――誰もが彼女を“無害な聖女気取り”と笑った。
だが彼女の指先は、ただ布を縫っていたのではない。祈りの糸に、前世の記憶と古代詠唱を縫い込んでいた。
ある夜、王都の大広間で開かれた舞踏会。
婚約者アルトゥールは、人々の前で冷たく告げる――「君には何の価値もない」。
嘲笑の中で、イザベラはただ微笑んでいた。
その瞳の奥で、何かが静かに目覚めたことを、誰も気づかないまま。
翌朝、追放の命が下る。
砂埃舞う道を進みながら、彼女は古びた巻物の一節を指でなぞる。
――“真実を映す者、偽りを滅ぼす”
彼女は祈る。けれど、その祈りはもう神へのものではなかった。
地味令嬢と呼ばれた女が、国そのものに裁きを下す最初の一歩を踏み出す。
姉の陰謀で国を追放された第二王女は、隣国を発展させる聖女となる【完結】
小平ニコ
ファンタジー
幼少期から魔法の才能に溢れ、百年に一度の天才と呼ばれたリーリエル。だが、その才能を妬んだ姉により、無実の罪を着せられ、隣国へと追放されてしまう。
しかしリーリエルはくじけなかった。持ち前の根性と、常識を遥かに超えた魔法能力で、まともな建物すら存在しなかった隣国を、たちまちのうちに強国へと成長させる。
そして、リーリエルは戻って来た。
政治の実権を握り、やりたい放題の振る舞いで国を乱す姉を打ち倒すために……
本物の聖女じゃないと追放されたので、隣国で竜の巫女をします。私は聖女の上位存在、神巫だったようですがそちらは大丈夫ですか?
今川幸乃
ファンタジー
ネクスタ王国の聖女だったシンシアは突然、バルク王子に「お前は本物の聖女じゃない」と言われ追放されてしまう。
バルクはアリエラという聖女の加護を受けた女を聖女にしたが、シンシアの加護である神巫(かんなぎ)は聖女の上位存在であった。
追放されたシンシアはたまたま隣国エルドラン王国で竜の巫女を探していたハリス王子にその力を見抜かれ、巫女候補として招かれる。そこでシンシアは神巫の力は神や竜など人外の存在の意志をほぼ全て理解するという恐るべきものだということを知るのだった。
シンシアがいなくなったバルクはアリエラとやりたい放題するが、すぐに神の怒りに触れてしまう。
「平民が聖女になれただけでも感謝しろ」とやりがい搾取されたのでやめることにします。
木山楽斗
恋愛
平民であるフェルーナは、類稀なる魔法使いとしての才を持っており、聖女に就任することになった。
しかしそんな彼女に待っていたのは、冷遇の日々だった。平民が聖女になることを許せない者達によって、彼女は虐げられていたのだ。
さらにフェルーナには、本来聖女が受け取るはずの報酬がほとんど与えられていなかった。
聖女としての忙しさと責任に見合わないような給与には、流石のフェルーナも抗議せざるを得なかった。
しかし抗議に対しては、「平民が聖女になれただけでも感謝しろ」といった心無い言葉が返ってくるだけだった。
それを受けて、フェルーナは聖女をやめることにした。元々歓迎されていなかった彼女を止める者はおらず、それは受け入れられたのだった。
だがその後、王国は大きく傾くことになった。
フェルーナが優秀な聖女であったため、その代わりが務まる者はいなかったのだ。
さらにはフェルーナへの仕打ちも流出して、結果として多くの国民から反感を招く状況になっていた。
これを重く見た王族達は、フェルーナに再び聖女に就任するように頼み込んだ。
しかしフェルーナは、それを受け入れなかった。これまでひどい仕打ちをしてきた者達を助ける気には、ならなかったのである。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる