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金の亡者式!恋愛強化プログラム!目指せ!恋愛力53万!②
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「なんで相談しただけで銀貨一枚も取られなきゃいけないんですかぁ」
冒険者コース一階にあるC組と私達D組の間にある談話スペースにて椅子に腰掛けて悲しそうな顔をするマイク。
「私たちに頼ってお金を使ってる暇があるならその金で好きな子をデートに誘えってこと」
「そうだよ。だから、本格的に相談が始まる前に簡単に払えない金額を提示してるの」
「後は、マイクのような奴がそれなりの数押しかけてきて私たちも困ってるから」
と疲れた顔でマイクに話すクミ達。
ただ金を巻き上げたいんだこの人達……と思っていたらちゃんとした理由があったことにマイクは驚く。
「大変なんですね……」
静かになる4人。しかし、そんな空気を壊す者が現れる……
「ふははは!俺は2年C組を仕切ってるパークってもんだ!てめぇ…えっと…いいんだ!あいつって意味だから合ってるぜぇ!てめえが噂のクミって女だろ?殺しに来てやったぜぇぇ!」
なんか無理に不良がんばってます!と言う感じの奴が絡んできた。
根はいいやつそう。
そんなパークさんが私に向かって剣を振り上げた瞬間……
「パーク!やめるんだ!」
男性教師が慌てた様子で駆けつけてきた。
その声にうんざりするような表情のパーク。
「うるせーな!俺はやるんだよ!俺は不良になるって決めたんだよ!だから……先生は黙って俺の勇姿を見ていてください!」
パークは剣を下ろして先生に向かって頭を下げる。
「パーク……あんなに無気力だったお前にやりたい事が見つかったのか……よし!見届けてやる!思う存分やりなさい!」
感動のあまりに目に浮かぶ涙をハンカチで拭う男性教師。
「はい!後輩をいたぶる俺の勇姿を見ていてください!」
「おお!見させてもらうぞ!お前の勇姿!」
いや!教師なら止めろよ!何いい雰囲気出してんだよ!
「テレポートーーーー風拳!」
いつかの大聖堂の鉄扉を吹き飛ばした時みたく、パークと男性教師には丁重に2階へとお帰りいただく。
私が人をめり込ませない時はそれなりに怒っている時。
「……さて、まずは好きな子は誰?」
モブ掃除を終えた私はマイクに紙とペンを渡す。
ヨハネスの経験から他の者達には聞かれたくないだろうから紙にマイクの思い人の特徴や名前を書いてもらう。
紙に好きな子の情報を書き終わったマイクは私たちに内容を見せる。
「……ああ」
「やっぱりか」
「本当に人気なんだね」
その内容を見た私たちはやっぱりと頷く。
ここ数日、マイクと同じ性格の奴ばかりが相談にきた。
そして、必ずと言っていいほど、そ奴らが挙げていた名前をマイクも紙に記載していた。
「ツツジ」と。
その名前の子は、私たちと同じ冒険者コース一年D組で、私達はツツジとはお昼を食べたりする間柄。
お嬢様然とした品と格好、10歳くらいの女の子と変わらない身長、クリクリした可愛い目、特徴的なパステルピンクの長い髪をツインテールにした子。
しかし、凛としたカッコ良さもある。
私たちからしても魅力的な友達。
「でも、いいのか?ツツジって……」
「いいんです!愛の元には関係ありません!」
私に言い切るマイク。
「わかったよ……とにかく男らしい見た目の人が好みだって言ってたからそっち路線で行く?」
「そうだね……よし!ツツジの好みなら私が知ってるから任せて!でもいいの?他の相談者は男らしいって聞いただけで、俺には無理だって帰って行ったけど……それに今の仲のいい関係のままがいいなら後悔するよ?」
ユリはマイクに覚悟があるのか問う。
「っ……やる!やります!僕はツツジさんと付き合いたい!」
少し言い淀むも力強い目を私たちに向けるマイク。
「わかったよ!なら、金の亡者式!恋愛強化プログラム!ツツジVer!いくよ!」
張り切るユリによってプログラム開始……
ステップ1……刈り上げ
まずはもっさいキノコ頭を
「いっくよーうごくなよー間違って首をはねたくないから」
「うええ!!」
「返事は?」
「は、はい!ありがとうございます!」
エマの2本のダガーによって刈り上げます。
緊張の糸がほつれ途中で前のめりに動きそうになるマイクに私が殺気を当てて動きを止める連携プレイ。
ステップ2……モヒカン
「よーし!後は頭の真ん中に残った長い髪を立ち上げて……完成!」
「おお!見事なお手前!」
「うんうん!いいよ!男らしくなってきたよ!」
刈り上げモヒカンとなり、隠れていた目や耳が出現したことで根暗な印象から一気にワイルドになったマイク。
おお!元は悪くねえ整った顔してんじゃねえか!
「うむ……」
私は、マイクの刈り上げて短くなった側頭部を触る。
じょりじょりして良き手触りだ。これならツツジも毎日触りたいと喜んでくれることだろう。
「あのぅ……お三方が楽しんでいるだけではないですよね?」
マイクは恐る恐る尋ねてくる。
「え?仕事だよ?なんで楽しむ必要があるの?」
そんなマイクに私は曇りなき眼(まなこ)を向ける。
「ごめんなさい。曇っていたのは僕でした」
と、マイクが謝ってくる。
「気にすんな……さあ!次!」
ステップ3……肩パッド
「うん!やっぱり恋愛力53万になるには肩パッドと全身タイツ、伸縮防具が一番!」
クミ達の前には、青の全身タイツ、とんがった肩パッド、恋愛戦闘民族のエリート王子が身に着ける伸縮性の防具を身に纏ったマイクの姿……手足には白の手袋と靴。
「ふははは!汚ねぇ花火だぜ」
ワイルドなセリフを放つマイク。
これを身につければどんな弱き男子でもワイルドな男に変身する優れ物……
「……これで良いですか?」
と言うわけではなくワイルドな男に成り切る為の衣装。
「うん!完璧!もう言うことはないよ!後はクミがツツジの元まで投げ込むから頑張りなよ!ちゃんと後悔のないように気持ちは伝えること!いい?」
「ふははは!誰に言ってやがる!恋愛戦闘民族のエリート王子のこの俺様に不可能はない!」
ワイルドな男に成り切るマイク。
「なら、いくぞ」
談話室の窓を開け放ち、マイクを右手で持ち上げて振りかぶる。
「索敵(サーチ)」
索敵スキルにより目標を捕捉。
「方角、演舞場……距離、300m……」
私は両腕を組み、指揮官然と立つユリに視線を向ける。
こくりと頷くユリ。
「了解……マイク砲!……発射!」
校庭の横にある演舞場に向かってレーザービームの如く飛んでいくマイク。
「告白が成功したら学園内の水族館に案内するといいよー!ツツジが好きだって言ってたからぁ!」
「ふははは!了解だぁ!」
マイクはサムズアップして演舞場の中へと消えていった。
「後は、お前次第だ!マイク!」
「大丈夫だよ。やれることはやったからさ」
「そうだぜ。それにそろそろ晩ご飯の時間になっちまう」
エマに言われて時計を見る。
「うお!18時じゃん!叱られる!」
「やばいじゃん!」
「だろ!早く帰るぞ!門限だぁ!」
私達は慌てて荷物を詰め込んで家路につく。
その後……
「3人ともありがとう!こんなに素敵な彼氏ができたよ!もう理想的な見た目!」
「ふははは!マイハニー!汚ねぇ花火だぜぇ!俺はまだまだこんなもんじゃおわらねぇぜぇ」
キャラブレブレのマイクに
「きゃあ!ダサかっこいい!」
と、抱きつく男の娘「ツツジ」さん
「お、おう……よかったね」
そんな2人のテンションについていけない私たち3人はとりあえず
「「「おめでとう……」」」
と、祝辞を送っておいた。
冒険者コース一階にあるC組と私達D組の間にある談話スペースにて椅子に腰掛けて悲しそうな顔をするマイク。
「私たちに頼ってお金を使ってる暇があるならその金で好きな子をデートに誘えってこと」
「そうだよ。だから、本格的に相談が始まる前に簡単に払えない金額を提示してるの」
「後は、マイクのような奴がそれなりの数押しかけてきて私たちも困ってるから」
と疲れた顔でマイクに話すクミ達。
ただ金を巻き上げたいんだこの人達……と思っていたらちゃんとした理由があったことにマイクは驚く。
「大変なんですね……」
静かになる4人。しかし、そんな空気を壊す者が現れる……
「ふははは!俺は2年C組を仕切ってるパークってもんだ!てめぇ…えっと…いいんだ!あいつって意味だから合ってるぜぇ!てめえが噂のクミって女だろ?殺しに来てやったぜぇぇ!」
なんか無理に不良がんばってます!と言う感じの奴が絡んできた。
根はいいやつそう。
そんなパークさんが私に向かって剣を振り上げた瞬間……
「パーク!やめるんだ!」
男性教師が慌てた様子で駆けつけてきた。
その声にうんざりするような表情のパーク。
「うるせーな!俺はやるんだよ!俺は不良になるって決めたんだよ!だから……先生は黙って俺の勇姿を見ていてください!」
パークは剣を下ろして先生に向かって頭を下げる。
「パーク……あんなに無気力だったお前にやりたい事が見つかったのか……よし!見届けてやる!思う存分やりなさい!」
感動のあまりに目に浮かぶ涙をハンカチで拭う男性教師。
「はい!後輩をいたぶる俺の勇姿を見ていてください!」
「おお!見させてもらうぞ!お前の勇姿!」
いや!教師なら止めろよ!何いい雰囲気出してんだよ!
「テレポートーーーー風拳!」
いつかの大聖堂の鉄扉を吹き飛ばした時みたく、パークと男性教師には丁重に2階へとお帰りいただく。
私が人をめり込ませない時はそれなりに怒っている時。
「……さて、まずは好きな子は誰?」
モブ掃除を終えた私はマイクに紙とペンを渡す。
ヨハネスの経験から他の者達には聞かれたくないだろうから紙にマイクの思い人の特徴や名前を書いてもらう。
紙に好きな子の情報を書き終わったマイクは私たちに内容を見せる。
「……ああ」
「やっぱりか」
「本当に人気なんだね」
その内容を見た私たちはやっぱりと頷く。
ここ数日、マイクと同じ性格の奴ばかりが相談にきた。
そして、必ずと言っていいほど、そ奴らが挙げていた名前をマイクも紙に記載していた。
「ツツジ」と。
その名前の子は、私たちと同じ冒険者コース一年D組で、私達はツツジとはお昼を食べたりする間柄。
お嬢様然とした品と格好、10歳くらいの女の子と変わらない身長、クリクリした可愛い目、特徴的なパステルピンクの長い髪をツインテールにした子。
しかし、凛としたカッコ良さもある。
私たちからしても魅力的な友達。
「でも、いいのか?ツツジって……」
「いいんです!愛の元には関係ありません!」
私に言い切るマイク。
「わかったよ……とにかく男らしい見た目の人が好みだって言ってたからそっち路線で行く?」
「そうだね……よし!ツツジの好みなら私が知ってるから任せて!でもいいの?他の相談者は男らしいって聞いただけで、俺には無理だって帰って行ったけど……それに今の仲のいい関係のままがいいなら後悔するよ?」
ユリはマイクに覚悟があるのか問う。
「っ……やる!やります!僕はツツジさんと付き合いたい!」
少し言い淀むも力強い目を私たちに向けるマイク。
「わかったよ!なら、金の亡者式!恋愛強化プログラム!ツツジVer!いくよ!」
張り切るユリによってプログラム開始……
ステップ1……刈り上げ
まずはもっさいキノコ頭を
「いっくよーうごくなよー間違って首をはねたくないから」
「うええ!!」
「返事は?」
「は、はい!ありがとうございます!」
エマの2本のダガーによって刈り上げます。
緊張の糸がほつれ途中で前のめりに動きそうになるマイクに私が殺気を当てて動きを止める連携プレイ。
ステップ2……モヒカン
「よーし!後は頭の真ん中に残った長い髪を立ち上げて……完成!」
「おお!見事なお手前!」
「うんうん!いいよ!男らしくなってきたよ!」
刈り上げモヒカンとなり、隠れていた目や耳が出現したことで根暗な印象から一気にワイルドになったマイク。
おお!元は悪くねえ整った顔してんじゃねえか!
「うむ……」
私は、マイクの刈り上げて短くなった側頭部を触る。
じょりじょりして良き手触りだ。これならツツジも毎日触りたいと喜んでくれることだろう。
「あのぅ……お三方が楽しんでいるだけではないですよね?」
マイクは恐る恐る尋ねてくる。
「え?仕事だよ?なんで楽しむ必要があるの?」
そんなマイクに私は曇りなき眼(まなこ)を向ける。
「ごめんなさい。曇っていたのは僕でした」
と、マイクが謝ってくる。
「気にすんな……さあ!次!」
ステップ3……肩パッド
「うん!やっぱり恋愛力53万になるには肩パッドと全身タイツ、伸縮防具が一番!」
クミ達の前には、青の全身タイツ、とんがった肩パッド、恋愛戦闘民族のエリート王子が身に着ける伸縮性の防具を身に纏ったマイクの姿……手足には白の手袋と靴。
「ふははは!汚ねぇ花火だぜ」
ワイルドなセリフを放つマイク。
これを身につければどんな弱き男子でもワイルドな男に変身する優れ物……
「……これで良いですか?」
と言うわけではなくワイルドな男に成り切る為の衣装。
「うん!完璧!もう言うことはないよ!後はクミがツツジの元まで投げ込むから頑張りなよ!ちゃんと後悔のないように気持ちは伝えること!いい?」
「ふははは!誰に言ってやがる!恋愛戦闘民族のエリート王子のこの俺様に不可能はない!」
ワイルドな男に成り切るマイク。
「なら、いくぞ」
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「方角、演舞場……距離、300m……」
私は両腕を組み、指揮官然と立つユリに視線を向ける。
こくりと頷くユリ。
「了解……マイク砲!……発射!」
校庭の横にある演舞場に向かってレーザービームの如く飛んでいくマイク。
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「ふははは!了解だぁ!」
マイクはサムズアップして演舞場の中へと消えていった。
「後は、お前次第だ!マイク!」
「大丈夫だよ。やれることはやったからさ」
「そうだぜ。それにそろそろ晩ご飯の時間になっちまう」
エマに言われて時計を見る。
「うお!18時じゃん!叱られる!」
「やばいじゃん!」
「だろ!早く帰るぞ!門限だぁ!」
私達は慌てて荷物を詰め込んで家路につく。
その後……
「3人ともありがとう!こんなに素敵な彼氏ができたよ!もう理想的な見た目!」
「ふははは!マイハニー!汚ねぇ花火だぜぇ!俺はまだまだこんなもんじゃおわらねぇぜぇ」
キャラブレブレのマイクに
「きゃあ!ダサかっこいい!」
と、抱きつく男の娘「ツツジ」さん
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