楽しくて異世界☆ワタシのチート生活は本と共に強くなる☆そんな私はモンスターと一緒に養蜂場をやってます。

夏カボチャ

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3章 素敵なハニーフォレスト

大切なものです1

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 私達は他のマドラッドの兵隊達と共にペンネの待つマドラッドへと向かう。

 その間、レナクル王国からの追撃が無いかを警戒して進むもサンデアは約束を守り、追撃や追っては差し向けては来なかったわ。

 順調に船は進み、マドラッドが肉眼で確認できる程の距離に迫ると私はデンキチに乗り先にマドラッドを目指す。

『みんなと一緒じゃなくていいの、カミル?』

 不思議そうに尋ねるデンキチ。

「いいのよ。それに私はペンネと向き合って話さないといけないのよ、分かったら全速力で行って頂戴!」

『ハーイ』と返事をするデンキチ。

 私を背中に乗せると一気に海を進みマドラッドの海岸を目指して直進する。

 海岸には既に第二陣と思われる大部隊と、指示を出すペンネの姿があったわ。

「ペンネェェェェッ! アンタって子は何をやってるのよぉぉぉぉ!」

 私の背後で巨大化するデンキチが雷を作りだし、怒り狂う私の姿は小さな悪魔に見えたことだろう……

「な! か、カミル! 何故に御主が此処に、まだ早いぞ、もう少しで此処の海域一帯の制圧が終わるのだ……か、カミル?」

 嬉しそうに語るペンネは私の顔を見て直ぐに悟った様子だったわ。

「ペンネ、レナクルの女王と話したわ、戦いは終わりよ。今からは話し合いになるわ! いいわね?」

 ペンネはその言葉に拳を握り震わせる。

「何故じゃ……あと少しで、あと少しで! レナクルもマドラッドの支配下になるのじゃぞ! そうなれば、カミルの夢は更に近くなるのじゃぞ」

 ペンネは私に訴えた……私の蜂蜜を全世界が認めるには、まだまだ時間が掛かる事を、そして……人間の寿命は短く、叶う頃にはどれ程の時間が過ぎているやも知れないと、涙ながらに私に訴えたの。

「わかるか、妾はカミルの夢を叶えたいのじゃ! 笑っている姿が見たいのじゃ……何時か来る別れを考えれば当然ではないか……違うのかカミル!」

 私はペンネの側まで歩き、目の前で立ち止まる。

 私より少し身長の高いペンネを両手で抱き締めると私は「ありがとう」と一言呟いた。

 そして、ペンネを更に強く抱き締めていく。

「か、カミル? 痛い、痛いのじゃ! 本当に痛いのじゃ!」

「当たり前でしょ? 私は感謝はするわ……でもね。戦争してまで蜂蜜を売ろうなんて考えないわよ! 私の為にありがとうペンネ。でも、お仕置きよ!」

 私の強烈な締め付けにより、ペンネが沈黙するとマドラッド軍は無言のまま立ち尽くしていたわ。

「アンタ達ッ! 良く聞きなさい。ペンネの遣ろうとした事は私にとっては良いことよ、でも、他の人の幸せをないがしろにして得る幸せなんて有っちゃいけないの! わかった!」

『『『…………』』』

 黙ったまま動けないマドラッド軍。

「わかったら返事をする! わかったの!」

『『『ハイ!』』』

 その瞬間、マドラッドとレナクル王国の戦争は事実上の終わりを迎えたわ。

 その日、マドラッドで一夜を明かすことになった私達の元にメルリが戻り、ザカメレアからの一報を伝えたの。

「お嬢様、ザカメレア王からは一言、「全て任せる」との言葉を頂きました。今回は単なる海賊の仕業と言う事で一件落着、更にお嬢様の部下にすると言う名目で海賊達の処分は保留となりました」

 そう、私が託した手紙には、ザカメレア王へのメッセージ脅迫が多く書き記してあった。

 【ザカメレア王へ、私、ミルシュ=カミルは海賊達を部下にする予定です。人数も把握しており、一時的にお預かり頂けた事を感謝致します。
 全てが解決しだい引き取りに行き、全員の確認が済みましたら速やかにザカメレア王国より移動致します。
 一人でも逃げたり居なくなっていた際には、街を引っくり返しても捕まえる考えです。
 海賊が港に与えた被害は全て私、ミルシュ=カミルが弁償致しますので、御安心下さい。ミルシュ=カミル】

 まあ、ザカメレア王は私の力を知ってるし、手紙を読んで、海賊を処罰しようとは思わないでしょうね。

「あと、お嬢様。カルメロ様からも伝言が、「海賊の身の安全は保証する」との事です」

「全て上手くいったわね。助かったわメルリ」

 そう言うとメルリは私に頭を下げた後に私の膝を指差し叫び出したわ。

「お嬢様……さっきから気になっていたのですが! 何故ペンネがお嬢様に膝枕をされているのですか! 私へのお仕置きなのですか……私の頑張りが足りないと言う、無言の圧力なのですか!」

 そう、私の膝には気絶したペンネが魘されながら眠っている。
 【特急強化ハイアップ】により、疲れない為、意識が戻らないペンネを気絶させてからずっと寝かせていたの。

「違うわよ、少し強く抱きしめ過ぎちゃったのよ。気絶させた以上仕方ないじゃない?」

 “抱きしめて気絶した”と言う言葉に真っ青になるメルリ。

「私は……私は……お嬢様になら絞め殺されても悔いはありません! お嬢様ぁぁぁ! 私にもご褒美を下さい」

 突然、私に飛び付くとメルリはペンネの頭を少し移動させ、無理矢理膝枕を実行する。

 私の小さな膝には私より大きな女の子が二人寝ている。不思議な光景だけど、私の為に頑張ってくれた二人の為なら悪くないわね。

 明日はレナクル王国へ向かわないと、ペンネとサンデアの話し合いの席に同席もしないといけないし、まだまだ疲れそうだわ。
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