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命の価値・・・1
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「ごめんなさいね。この世界にはエゴなんて言葉はなかったわね。早い話が自分の正しい、正義、何てのを押し付けて自分だけの正しいを相手にも強要する事かしら?」
「グッ……こんなもの」
必死に起き上がろうとするイオルに対して、ホーネットが背中に勢いよくジャンプすると背骨に全身の体重をのせるように降下する。
「ぐあっ!」と言う、イオルの声に対して、冷めた瞳を向ける。
「調子にのんなよ? ご主人様が優しく手加減するように言ってるから、ボク達はお前等にも手を抜いてあげてるんだよ? 無い頭で理解しろよ~」
イオルが踏みつけられる姿に苦しんでいたメンバーの一人、レンジャーのガドが自身の首に身につけていた水晶のついたネックレスをちぎり取る。
それは一瞬だったわ、本当にびっくりするくらい、素早い行動だったわ。
ガドは、ちぎった水晶部分を地面に突き立てたの。
まぁ地面と言うより、レイコのお腹ね。
その瞬間、最強状態で痛覚がない筈のレイコに異変が起きたの。
「痛い、痛い、うわぁぁぁ! パンドラ様……」
レイコが突然、意識を失うように倒れたの。
それと同時に、イオルの背中に飛び乗っていたホーネットも、まるで弾かれるようにイオルの背中から私達の方に飛ばされてきたわ。
私はその光景に苛立ちを隠さず、イオル達を睨みつけた。
「なにしたの……私の家族に……何をしたッ!」
今までに無い程の殺気と威圧を私は全身から放つ。
その姿に、イオルの仲間である黒魔道士のシアと白魔道士のリアが恐怖で顔を歪めた。
そんな中、冷静だったのは、シーフのラムロだったわ。
「ガドッ! 煙幕! シア、リア、緊急の2番だ!」
そう叫ぶとラムロは、無数のナイフを室内に投げ放つ、普通では有り得ない威力のナイフが壁に次々と打ち込まれていく。
ナイフにはワイヤーが結ばれていて、身動きを封じる為の物だと直ぐに理解出来た。
そのイオル達、【狼の牙】の行動に対して、クイーン、ラクネが私の側へと即座に移動する。
クイーンが私を守るべく魔法防御のシールドである魔力防壁を発動し、ラクネが物理防壁を発動させる。
2人とは別に、ホーネットが周囲の索敵と敵の居場所を調べる。
私は怒りを露にしながらも、冷静に次の行動に移る。
幸い、レイコは気絶しているが魔力等に乱れはなく、一時的に意識を失うなにかが起こった事実しか、私は理解出来ていない。
私が冷静な理由、それは私達がまだレイコの体内にいる事実にある。
レイコの許可無く、外に出られないと言う誓約があるのだから、イオル達もまた、この空間から逃げる事は出来ないのだ。
「私の大切な者、大切な家族、大切な仲間、私の大切な私の物を傷つけたんだから……絶対に赦さないんだから……自分達がした愚かさを後悔させてやるわ」
「主様、直ぐに追いますか?」
クイーンの質問に対して、私は首を横に振る。
「もっといい事を思いついたわ。イオルは忠義や信頼なんかに熱い男なのよ。その忠義や信頼をぶち壊すわ」
二つの防壁を解除させ、イオル達を追おうと考えたが、それ以上の事を考えついたわ。
私は意識を失ったままのレイコにリンクを繋ぎ、私の聴いた物、視界に入る物を総てレイコ内部に反映するようにすると私自身がレイコの体外に移動する。
クイーン達は許可されていないが、私は自由に出入りできるよう、レイコから永久許可を得ている。
向かった先は当然、防壁の外、イオル達を斥候として使ったケストア軍の本隊に対してだ。
当たり前の様に、水路から姿を現し、ケストア軍を見つめる。
突然の事にざわめく声が飛び交うが、私からすれば、耳障りな事この上ない。
一人の男が私に対して、怒号のような声で問い掛ける。
「我が名はケストア軍、大将バロ・ネトラの副官にして、この大部隊の指揮官であるバスコ・オルディであるッ!」
私は軽く聞き流すと、要件だけを口にする事にする。
「今すぐに、敗北を認めるチャンスをあげるわ、捨て駒として向かわせた者達、あとこの場に居る全ての命を捧げるなら貴方だけは見逃してあげるわ」
私は一人を助ける代わりに、全てのモノを犠牲にするように提案する。
その為、軽くその場に居る複数に対して少し残念な選択をする事になる。
「とりあえず、三発、先ずは勝手に攻撃してきた分、私の家族を傷つけた分、謝らなかった分の三発かしら? いくわ、よく見なさい!」
両手に魔力を集中させてから二つを重ねるように両手を重ねる。
私の手の中に創り出された魔力の塊が回転しながら、禍々しい黒い渦のようになる。
その渦を収縮し、三つに分かれさせる。
小さな三つの渦が私の周りを回転する。
その姿にバスコ・オルディが声をあげる。
「あの小娘を殺せ! 殺した者には金貨100枚を約束してやる! かかれぇぇッ!」
勢い良く、ケストア軍が一斉に動き出すと私目掛けて、無数の弓矢が撃ち放たれた。
私は身体の一部を影と一体化する事で矢を全て回避する。
命中せずに通り抜けていく様に、正面から苛立ちを露にした騎馬隊が槍を握り締めて駆け出してくる。
「うぉぉぉッ! 行くぞ──ッ!」
その瞬間、私は相手側の声を聞いてニヤリと笑みを浮かべる。
きっと自分でも嫌になるような悪い笑みを浮かべているだろう。
「……先ずは、一発」
正面から駆けてくる騎馬隊に対して、最初の一撃を撃ち放つ。
撃ち放たれた渦は私から離れると同時に巨大な黒い渦へと変化し向かってきていた騎馬隊、数百騎を一瞬で吸い込むように砕きながら、歩兵部隊の一部を同時に消滅させる。
その瞬間、ケストア軍側の雰囲気は勝利から恐怖に変化したのが表情から理解できる程、分かりやすく変化した。
「さぁ、あと……二発」
私は小さく呟くと、バスコ・オルディに視線を合わせてから微笑んでみせた。
「グッ……こんなもの」
必死に起き上がろうとするイオルに対して、ホーネットが背中に勢いよくジャンプすると背骨に全身の体重をのせるように降下する。
「ぐあっ!」と言う、イオルの声に対して、冷めた瞳を向ける。
「調子にのんなよ? ご主人様が優しく手加減するように言ってるから、ボク達はお前等にも手を抜いてあげてるんだよ? 無い頭で理解しろよ~」
イオルが踏みつけられる姿に苦しんでいたメンバーの一人、レンジャーのガドが自身の首に身につけていた水晶のついたネックレスをちぎり取る。
それは一瞬だったわ、本当にびっくりするくらい、素早い行動だったわ。
ガドは、ちぎった水晶部分を地面に突き立てたの。
まぁ地面と言うより、レイコのお腹ね。
その瞬間、最強状態で痛覚がない筈のレイコに異変が起きたの。
「痛い、痛い、うわぁぁぁ! パンドラ様……」
レイコが突然、意識を失うように倒れたの。
それと同時に、イオルの背中に飛び乗っていたホーネットも、まるで弾かれるようにイオルの背中から私達の方に飛ばされてきたわ。
私はその光景に苛立ちを隠さず、イオル達を睨みつけた。
「なにしたの……私の家族に……何をしたッ!」
今までに無い程の殺気と威圧を私は全身から放つ。
その姿に、イオルの仲間である黒魔道士のシアと白魔道士のリアが恐怖で顔を歪めた。
そんな中、冷静だったのは、シーフのラムロだったわ。
「ガドッ! 煙幕! シア、リア、緊急の2番だ!」
そう叫ぶとラムロは、無数のナイフを室内に投げ放つ、普通では有り得ない威力のナイフが壁に次々と打ち込まれていく。
ナイフにはワイヤーが結ばれていて、身動きを封じる為の物だと直ぐに理解出来た。
そのイオル達、【狼の牙】の行動に対して、クイーン、ラクネが私の側へと即座に移動する。
クイーンが私を守るべく魔法防御のシールドである魔力防壁を発動し、ラクネが物理防壁を発動させる。
2人とは別に、ホーネットが周囲の索敵と敵の居場所を調べる。
私は怒りを露にしながらも、冷静に次の行動に移る。
幸い、レイコは気絶しているが魔力等に乱れはなく、一時的に意識を失うなにかが起こった事実しか、私は理解出来ていない。
私が冷静な理由、それは私達がまだレイコの体内にいる事実にある。
レイコの許可無く、外に出られないと言う誓約があるのだから、イオル達もまた、この空間から逃げる事は出来ないのだ。
「私の大切な者、大切な家族、大切な仲間、私の大切な私の物を傷つけたんだから……絶対に赦さないんだから……自分達がした愚かさを後悔させてやるわ」
「主様、直ぐに追いますか?」
クイーンの質問に対して、私は首を横に振る。
「もっといい事を思いついたわ。イオルは忠義や信頼なんかに熱い男なのよ。その忠義や信頼をぶち壊すわ」
二つの防壁を解除させ、イオル達を追おうと考えたが、それ以上の事を考えついたわ。
私は意識を失ったままのレイコにリンクを繋ぎ、私の聴いた物、視界に入る物を総てレイコ内部に反映するようにすると私自身がレイコの体外に移動する。
クイーン達は許可されていないが、私は自由に出入りできるよう、レイコから永久許可を得ている。
向かった先は当然、防壁の外、イオル達を斥候として使ったケストア軍の本隊に対してだ。
当たり前の様に、水路から姿を現し、ケストア軍を見つめる。
突然の事にざわめく声が飛び交うが、私からすれば、耳障りな事この上ない。
一人の男が私に対して、怒号のような声で問い掛ける。
「我が名はケストア軍、大将バロ・ネトラの副官にして、この大部隊の指揮官であるバスコ・オルディであるッ!」
私は軽く聞き流すと、要件だけを口にする事にする。
「今すぐに、敗北を認めるチャンスをあげるわ、捨て駒として向かわせた者達、あとこの場に居る全ての命を捧げるなら貴方だけは見逃してあげるわ」
私は一人を助ける代わりに、全てのモノを犠牲にするように提案する。
その為、軽くその場に居る複数に対して少し残念な選択をする事になる。
「とりあえず、三発、先ずは勝手に攻撃してきた分、私の家族を傷つけた分、謝らなかった分の三発かしら? いくわ、よく見なさい!」
両手に魔力を集中させてから二つを重ねるように両手を重ねる。
私の手の中に創り出された魔力の塊が回転しながら、禍々しい黒い渦のようになる。
その渦を収縮し、三つに分かれさせる。
小さな三つの渦が私の周りを回転する。
その姿にバスコ・オルディが声をあげる。
「あの小娘を殺せ! 殺した者には金貨100枚を約束してやる! かかれぇぇッ!」
勢い良く、ケストア軍が一斉に動き出すと私目掛けて、無数の弓矢が撃ち放たれた。
私は身体の一部を影と一体化する事で矢を全て回避する。
命中せずに通り抜けていく様に、正面から苛立ちを露にした騎馬隊が槍を握り締めて駆け出してくる。
「うぉぉぉッ! 行くぞ──ッ!」
その瞬間、私は相手側の声を聞いてニヤリと笑みを浮かべる。
きっと自分でも嫌になるような悪い笑みを浮かべているだろう。
「……先ずは、一発」
正面から駆けてくる騎馬隊に対して、最初の一撃を撃ち放つ。
撃ち放たれた渦は私から離れると同時に巨大な黒い渦へと変化し向かってきていた騎馬隊、数百騎を一瞬で吸い込むように砕きながら、歩兵部隊の一部を同時に消滅させる。
その瞬間、ケストア軍側の雰囲気は勝利から恐怖に変化したのが表情から理解できる程、分かりやすく変化した。
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