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「……婚約を受け入れます」
しかし、待てと言われて待つなんてことをしていればさっきの二の舞。ならば私は私のためにもメインキャラたちに一切目を向けずにモブ様との婚約を受け入れる。気持ちは後からになるけど、きっとこの人なら大丈夫だと私自身が思えたから。
「ありがとうございます。必ず貴女を幸せにいたします」
そう言って微笑むモブ様は誰よりも輝いて見えた。こんなに気持ちがほんわかとするのはいつぶりだろう?
「まままま待ってほしい。わ、私は貴女をずっと……」
そう思いながらモブ様と見つめあっていれば先に口出ししてきたのはルーン様。ルルー様のふりをしながら私の側に居続けたヒロインの兄。モブ様を受け入れたなら逃げないで今だけでも向き合わなければと励む。そんな私にそっとモブ様が手を繋いでくれたため、沸き上がる勇気。
やっぱりこの人を選んで正解だ。そう思えた。
「……ご、ごめんなさい……ストーカーはちょっと怖いです……っ」
正直な気持ちを伝えれば真っ青になるルルー様に変装したルーン様。
「そ……んな……私はストーカーじゃ……」
「普通の人は……好きな人の髪やゴミを集めないと思います……」
自覚してない人ほど危ない。そこまでは言わずともルーン様は崩れ落ちた。婚約破棄の時、庇ってくれたこともあるので申し訳なさはあるもののストーカー行為を見過ごせそうにはない。
「ほ、本気で私と婚約破棄をする気か!?」
そして次に来たのはところどころ痣などができて痛々しい姿になったミニ殿下。そんなミニ殿下の言葉の意味が理解できなかったのは私だけではないだろう。
「そもそも殿下が私に婚約破棄だって……言いましたよね?」
話せば話すほど頭がおかしくなっている気がするミニ殿下はある意味で心配だ。
「そう……だったか?」
婚約破棄については覚えているのにこれである。きっと痛い目に合いすぎて記憶の混濁が激しいのだろう。けれど同情はできない。元はミニ殿下が始まりであり、私の歩み寄りを無視し続けたのも彼だから。
とはいえ、他の人たちみたいに拳をぶつけることはできそうにないけど。
「ミニ殿下、今更エリス嬢と婚約続行なんて言いませんよね?エリス嬢のためなら私は王家とだって闘いますよ」
「な……っよくある顔もどきが、生意気な!」
私を心配してかモブ様が私を庇うようにして口を出す。そんなモブ様が癪に障ったのかミニ殿下が顔を真っ赤にして怒った。でもそんなミニ殿下に私も怒る。
「よくある顔だからこそモブ様には安心感があります!顔と身分だけの殿下こそ生意気ですっ!」
今思えば人にこんなに怒鳴るなんてことは初めてだったかもしれない。でもそれほどにモブ様を悪く言われたようで許せなかった。
「き、貴様まで私を身分だけと……!」
「み、身分だけじゃないですか!わ、わわ私知ってるんですから!今も寝る時にぬいぐるみがないと寝られないこと!」
「なななな……っ」
「よ、夜の、おトイレもひとりで行けないことだって!」
「や、やめ……」
「あと……あと……先日のテスト0点だったことも知ってるんですからぁっ!」
「やめろぉおぉぉっ!」
ミニ殿下の秘密メモリアル。人見知りの私は人影に隠れて城の侍女の噂話などを聞いてきたものの誰にも打ち明けずにいた。そんな人の隠し事をばら蒔ける性格なら苦労しなかっただろう。つまりは良心が痛みそうで今の今まで心の中に閉まっていた。
でも今は必死だ。怒り任せに知ってることをぶちまけていた。必死すぎてミニ殿下が真っ青になっていることも、大声で叫んで止めようとしているのも聞こえない。だからこそ私は止まらなかった。
「昨日おもらししたお漏らし殿下がモブ様をバカにしないでくださぁいっ!」
「うああああああっ」
その場にミニ殿下の絶叫が鳴り響き、ようやく私ははっとしてミニ殿下の顔色の悪さに気づくこととなる。
しかし、待てと言われて待つなんてことをしていればさっきの二の舞。ならば私は私のためにもメインキャラたちに一切目を向けずにモブ様との婚約を受け入れる。気持ちは後からになるけど、きっとこの人なら大丈夫だと私自身が思えたから。
「ありがとうございます。必ず貴女を幸せにいたします」
そう言って微笑むモブ様は誰よりも輝いて見えた。こんなに気持ちがほんわかとするのはいつぶりだろう?
「まままま待ってほしい。わ、私は貴女をずっと……」
そう思いながらモブ様と見つめあっていれば先に口出ししてきたのはルーン様。ルルー様のふりをしながら私の側に居続けたヒロインの兄。モブ様を受け入れたなら逃げないで今だけでも向き合わなければと励む。そんな私にそっとモブ様が手を繋いでくれたため、沸き上がる勇気。
やっぱりこの人を選んで正解だ。そう思えた。
「……ご、ごめんなさい……ストーカーはちょっと怖いです……っ」
正直な気持ちを伝えれば真っ青になるルルー様に変装したルーン様。
「そ……んな……私はストーカーじゃ……」
「普通の人は……好きな人の髪やゴミを集めないと思います……」
自覚してない人ほど危ない。そこまでは言わずともルーン様は崩れ落ちた。婚約破棄の時、庇ってくれたこともあるので申し訳なさはあるもののストーカー行為を見過ごせそうにはない。
「ほ、本気で私と婚約破棄をする気か!?」
そして次に来たのはところどころ痣などができて痛々しい姿になったミニ殿下。そんなミニ殿下の言葉の意味が理解できなかったのは私だけではないだろう。
「そもそも殿下が私に婚約破棄だって……言いましたよね?」
話せば話すほど頭がおかしくなっている気がするミニ殿下はある意味で心配だ。
「そう……だったか?」
婚約破棄については覚えているのにこれである。きっと痛い目に合いすぎて記憶の混濁が激しいのだろう。けれど同情はできない。元はミニ殿下が始まりであり、私の歩み寄りを無視し続けたのも彼だから。
とはいえ、他の人たちみたいに拳をぶつけることはできそうにないけど。
「ミニ殿下、今更エリス嬢と婚約続行なんて言いませんよね?エリス嬢のためなら私は王家とだって闘いますよ」
「な……っよくある顔もどきが、生意気な!」
私を心配してかモブ様が私を庇うようにして口を出す。そんなモブ様が癪に障ったのかミニ殿下が顔を真っ赤にして怒った。でもそんなミニ殿下に私も怒る。
「よくある顔だからこそモブ様には安心感があります!顔と身分だけの殿下こそ生意気ですっ!」
今思えば人にこんなに怒鳴るなんてことは初めてだったかもしれない。でもそれほどにモブ様を悪く言われたようで許せなかった。
「き、貴様まで私を身分だけと……!」
「み、身分だけじゃないですか!わ、わわ私知ってるんですから!今も寝る時にぬいぐるみがないと寝られないこと!」
「なななな……っ」
「よ、夜の、おトイレもひとりで行けないことだって!」
「や、やめ……」
「あと……あと……先日のテスト0点だったことも知ってるんですからぁっ!」
「やめろぉおぉぉっ!」
ミニ殿下の秘密メモリアル。人見知りの私は人影に隠れて城の侍女の噂話などを聞いてきたものの誰にも打ち明けずにいた。そんな人の隠し事をばら蒔ける性格なら苦労しなかっただろう。つまりは良心が痛みそうで今の今まで心の中に閉まっていた。
でも今は必死だ。怒り任せに知ってることをぶちまけていた。必死すぎてミニ殿下が真っ青になっていることも、大声で叫んで止めようとしているのも聞こえない。だからこそ私は止まらなかった。
「昨日おもらししたお漏らし殿下がモブ様をバカにしないでくださぁいっ!」
「うああああああっ」
その場にミニ殿下の絶叫が鳴り響き、ようやく私ははっとしてミニ殿下の顔色の悪さに気づくこととなる。
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