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本編
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さて最初の始まりは王妃様……所謂私の前の聖女様でもあるお方の言葉から始まった。それは殿下が不在の時で、私と陛下と私の侍女であるリアンと共にいた日。
「ああ、何てことでしょう」
「リサイア……どうした?」
「私が亡くなった後の聖女がエリザベスだと神様がお告げに」
「まあ、私がですか?」
「なんと……!既に王族と婚約を結んでいるものが……喜ぶべきことだ。すぐにオザナリに……」
さて、ここで初めて殿下と呼ばれていた名前が登場いたしましたわ。オザナリです。別に深い意味はありませんよ?
「いえ、だめです。これは殿下への試練。聖女を知らずして正しく愛せるか、もしくは未来の王の目として聖女たるものの資質を見極められるかの試練なのです」
「「無理かと」」
「お主らもそう思うか……」
正直この時点で誰もオザナリ殿下が試練に打ち勝つとは思っていませんでした。だって……ねぇ?
「私もそう思います」
もはや母親にすら信用されないオザナリ殿下は不憫にすら思えた瞬間だったわ。
「だからお願いします。ヒントを、あの子にヒントという慈悲を……」
「王妃様、まずは私たちがどのようにすればよろしいか教えてくださらなければわかりませんわ」
そう言うわけで語られたのはオザナリ殿下が一途に私を想えるか……とはいえ、人の心は向きたい人に向くはずもない。そういう救済措置としてもし違う人を好きになってもその人を聖女としてではない愛を持てるというならそれを祝福し、聖女の次の地位にはなるが約束されるというもの。
まあ要は愛を試す芝居をする必要があるわけで今知る人たちだけで秘密裏にと言われたため今回の愚かなバカらしい作戦が結構された。
題して『だめな王子には非常識聖女なりきり少女がお似合いよ作戦』。その非常識少女の役割がリアンだったわけ。
「え?私があの王子を誘惑しなきゃなんですか?バカを演じて?」
「で、私は貴女を注意する訳よ」
「でも私お嬢様の侍女ですからすぐバレるのでは?」
「あの人、使用人はみんな一緒の顔に見えるお猿以下の脳だから大丈夫よ」
「えー………」
「く……っ息子のことながら否定できん」
「陛下は殿下に甘そうなので途中からご辞退ください」
というわけで陛下のとってつけ外交が決まったわけ。後はご覧の通り。見事リアンの聖女なの攻撃で簡単に破れ、私が聖女とわかればリアンを責めて慰めもしない。そこに愛よりも権力に眩んでいるのは間違いなしで………。
これでもヒントは与えたのよ?悪が私に似合わないとか、王妃の部屋より檻を豪華にするようにとか、終わるのは貴方だとかね?大ヒントでしょ?
「そういうわけで救済措置の対象にもならなかったおバカさんは王位継承権剥奪ですわ、元王子様?」
「は?あ、ち、父上!」
「つまみ出せ」
「せめて髪を……っ!いえ、父上考え直しを!」
「日頃の行いがよければまだよかったものの……せめて最後は聖女を虐げた罪を潔く受け入れるのだ」
「い、いやだぁあぁぁっ!」
あら、意外とあっさり見捨てるのねと関心したのも束の間。オザナリ殿下の叫び声も遠ざかって行けば陛下にため息と共に目が向けられた。
「兵士に何故隣国の王子がいたんですか、聖女」
私相手……聖女になったとはいえ、陛下に畏まられるのは少しおかしな気分ね。まあでもバレてしまったなら仕方ないと彼を呼ぶ。
「ダーリン来なさいな」
「あはは、ハニーと言うべきか」
それは地下牢で話して仲良くなった兵士さん。一週間で砕けすぎにも程があるわ。
「ハナマール国の王子よ、何故兵士などに……」
「未来の花嫁を守るためですよ」
「やはりそうか……」
まあそういうわけである。実は元々私はあのおバカさんが私を檻に入れることを想定していた。だから心配した私の本当に愛する人が兵士にまざってまで傍にいようとしてくれたの……素敵でしょ?
「どこかのおバカさんみたいに私バレるような密会はいたしませんのよ?」
誰が不貞を働こうとする猿以下に尽くそうなどと思うのか。あれの婚約という呪縛から解き放たれたあの日、私は随分と解放感に溢れていたのを思い出すわ。
地下牢での一週間たくさん仲良くなれましたしね?
「せめて一週間に……いや、月に一回で構わないので祈りに来ていただけませんか?」
もはや陛下は既に結んである隣国の王子である彼との婚約及び結婚を取り消す気にならないのだろう。頭を下げてまでお願いしてきたわ。
それもこれもこの国は聖女なしには未来を歩めないから。月一は来ないと暴動すら簡単に起こるでしょう。
「よろしいかしら?一応故郷ですし」
「ああ、好きにしろ」
そういうわけでその後彼と結婚してアレコレして月に一回お祈りに帰国して……まあとにかく私は幸せってことよ。
「いや、強引に終わらせすぎじゃないか?」
「もう貴方黙ってなさいよ!」
おわり
あとがき
最後までふざけた聖女のざまあ?物語。最近急に増えましたよね。少し乗っかってみたつもりですが………私が書くとおふざけ要素が強すぎますね……あは、あははは……
「ああ、何てことでしょう」
「リサイア……どうした?」
「私が亡くなった後の聖女がエリザベスだと神様がお告げに」
「まあ、私がですか?」
「なんと……!既に王族と婚約を結んでいるものが……喜ぶべきことだ。すぐにオザナリに……」
さて、ここで初めて殿下と呼ばれていた名前が登場いたしましたわ。オザナリです。別に深い意味はありませんよ?
「いえ、だめです。これは殿下への試練。聖女を知らずして正しく愛せるか、もしくは未来の王の目として聖女たるものの資質を見極められるかの試練なのです」
「「無理かと」」
「お主らもそう思うか……」
正直この時点で誰もオザナリ殿下が試練に打ち勝つとは思っていませんでした。だって……ねぇ?
「私もそう思います」
もはや母親にすら信用されないオザナリ殿下は不憫にすら思えた瞬間だったわ。
「だからお願いします。ヒントを、あの子にヒントという慈悲を……」
「王妃様、まずは私たちがどのようにすればよろしいか教えてくださらなければわかりませんわ」
そう言うわけで語られたのはオザナリ殿下が一途に私を想えるか……とはいえ、人の心は向きたい人に向くはずもない。そういう救済措置としてもし違う人を好きになってもその人を聖女としてではない愛を持てるというならそれを祝福し、聖女の次の地位にはなるが約束されるというもの。
まあ要は愛を試す芝居をする必要があるわけで今知る人たちだけで秘密裏にと言われたため今回の愚かなバカらしい作戦が結構された。
題して『だめな王子には非常識聖女なりきり少女がお似合いよ作戦』。その非常識少女の役割がリアンだったわけ。
「え?私があの王子を誘惑しなきゃなんですか?バカを演じて?」
「で、私は貴女を注意する訳よ」
「でも私お嬢様の侍女ですからすぐバレるのでは?」
「あの人、使用人はみんな一緒の顔に見えるお猿以下の脳だから大丈夫よ」
「えー………」
「く……っ息子のことながら否定できん」
「陛下は殿下に甘そうなので途中からご辞退ください」
というわけで陛下のとってつけ外交が決まったわけ。後はご覧の通り。見事リアンの聖女なの攻撃で簡単に破れ、私が聖女とわかればリアンを責めて慰めもしない。そこに愛よりも権力に眩んでいるのは間違いなしで………。
これでもヒントは与えたのよ?悪が私に似合わないとか、王妃の部屋より檻を豪華にするようにとか、終わるのは貴方だとかね?大ヒントでしょ?
「そういうわけで救済措置の対象にもならなかったおバカさんは王位継承権剥奪ですわ、元王子様?」
「は?あ、ち、父上!」
「つまみ出せ」
「せめて髪を……っ!いえ、父上考え直しを!」
「日頃の行いがよければまだよかったものの……せめて最後は聖女を虐げた罪を潔く受け入れるのだ」
「い、いやだぁあぁぁっ!」
あら、意外とあっさり見捨てるのねと関心したのも束の間。オザナリ殿下の叫び声も遠ざかって行けば陛下にため息と共に目が向けられた。
「兵士に何故隣国の王子がいたんですか、聖女」
私相手……聖女になったとはいえ、陛下に畏まられるのは少しおかしな気分ね。まあでもバレてしまったなら仕方ないと彼を呼ぶ。
「ダーリン来なさいな」
「あはは、ハニーと言うべきか」
それは地下牢で話して仲良くなった兵士さん。一週間で砕けすぎにも程があるわ。
「ハナマール国の王子よ、何故兵士などに……」
「未来の花嫁を守るためですよ」
「やはりそうか……」
まあそういうわけである。実は元々私はあのおバカさんが私を檻に入れることを想定していた。だから心配した私の本当に愛する人が兵士にまざってまで傍にいようとしてくれたの……素敵でしょ?
「どこかのおバカさんみたいに私バレるような密会はいたしませんのよ?」
誰が不貞を働こうとする猿以下に尽くそうなどと思うのか。あれの婚約という呪縛から解き放たれたあの日、私は随分と解放感に溢れていたのを思い出すわ。
地下牢での一週間たくさん仲良くなれましたしね?
「せめて一週間に……いや、月に一回で構わないので祈りに来ていただけませんか?」
もはや陛下は既に結んである隣国の王子である彼との婚約及び結婚を取り消す気にならないのだろう。頭を下げてまでお願いしてきたわ。
それもこれもこの国は聖女なしには未来を歩めないから。月一は来ないと暴動すら簡単に起こるでしょう。
「よろしいかしら?一応故郷ですし」
「ああ、好きにしろ」
そういうわけでその後彼と結婚してアレコレして月に一回お祈りに帰国して……まあとにかく私は幸せってことよ。
「いや、強引に終わらせすぎじゃないか?」
「もう貴方黙ってなさいよ!」
おわり
あとがき
最後までふざけた聖女のざまあ?物語。最近急に増えましたよね。少し乗っかってみたつもりですが………私が書くとおふざけ要素が強すぎますね……あは、あははは……
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