【完結・BL】今をときめく大型新人の専属マネージャーになることになったわけだが!【タレント×マネージャー】

彩華

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9】何で俺の方を見たんだよ……!

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9】何で俺の方を見たんだよ……!

 あまり早く俺一人スタジオ入りしても、他の人が気を遣ってしまうだろうと、吹雪の控え室で打ち合わせと、談笑をしていると時間は案外と早く過ぎた。先に衣装に着替えて、どうですか? と聞かれた時には「似合っている」以外の言葉が無かった。俺に似合っていると言われ、また嬉しそう顔をしたからドキッとしてしまった。(しっかりしろ、俺)

そうこうしているうちに、ちょうど良い頃合い。スタッフの方が来る前に、スタジオへ向かっても良いだろうと、二人で控え室を後にした。

「皆さん、今日は宜しくお願い致します」

「おはようございます、宜しくお願いします」

「吹雪さん、入ります」

扉を開いて、いつものように挨拶をして入る。吹雪も同じく、挨拶をしながらスタジオへ。物腰は柔らかく、意外とちゃんと挨拶をしていて俺の中で吹雪の好感度が上がった。(別に低かったわけじゃないけど!)

早速カメラさんが、吹雪の方へ。俺も何度も顔合わせをしたことがある、カメラマンさんだった。

「え! もしかして、高橋君が吹雪君の専属マネージャーになったのかい!?」

「はい。吹雪もですが、うちの子と現場で顔を合わせることがありましたら、また宜しくお願い致します」

「あはは、しっかりしてるなぁ。でもなぁ……やっぱり高橋君も、また出来ると俺は思うんだよ」

うんうん、と吹雪を置いて話し出した言葉に、思わず「それは、内緒で……!」としーっとジェスチャーした。

「……」

「どうした? 吹雪」

「何でもありません」

「さぁ、今日の主役は吹雪なので、宜しくお願いしますね!」

俺は話を切り替えるように、カメラマンさんに吹雪をアピールし、そっと端へと避けようとしたのだが……。

「夏希さん」

「?」

「俺のこと、見てて下さいね」

「ふ~! 吹雪君、やる気十分だねぇ」

「では、撮影を始めたいと思います」

また何てことを言うんだと思ったが、カメラマンさんの声に色々かき消されて助かった。

「では、デートの設定での撮影になります。吹雪さん、視線をお願いします」

カシャッ!

照明とセットの前に立った吹雪。俺も高い方だか、同じく高い身長にスラリと伸びた手足は、洋服を何でも着こなしてしまう。季節が幾分早い撮影のためか薄着だったが、スタジオは暖かく過ごしやすかった。

カシャッ、カシャッ、カシャッ。

「良いね、吹雪くん」

カメラマンさんからの高評価に、思わず俺も嬉しくなる。

「恋人が此方にいると思って、今度は微笑んで貰えるかな?」

「分かりました」

(え?)

カメラを下ろしたカメラマンさんと、ポーズを変えた吹雪。カメラを構える前に一度俺の方を見て、ふっ……と笑った。

(え、何だ。今の)


(何で俺の方を見たんだよ……!)

全くもって、この新人・吹雪は分からないことが多い。変にドキドキする俺の気なんか知らないんだろう。

「吹雪君、その表情! 凄く良いよ!」

カシャ、カシャ、カシャ。

カメラマンさんだけは、一層盛り上がりカメラのシャッターを切る音が途絶えなかった。

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