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第六章 黒竜、王都へ行く
第二十一話 貴方に贈る宝石
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王子に買ってもらった小さなガーネットの嵌められた指輪を、ルーシェは人化するといつも指にはめて、そして時々その手をかざして嬉しそうに眺めていた。
少し暗めのガーネットの石は、一見すると地味な色合いであるが、アルバート王子の瞳と同じ色合いの石である。
それを王子から買ってもらったことが、嬉しい。
テレテレした様子で何度も自分の指につけたガーネットの指輪を眺めているルーシェが、なんとも可愛らしくて、王子は彼を後ろから抱きしめるとそのつむじに口づけを落とした。
「ルーが喜んでくれて、私も嬉しい」
「俺もすごく嬉しい。ありがとう、王子」
上を見上げたその唇に、王子は口づける。
二人は静かに口づけを交わした後、ルーシェが言った。
「今度は、俺の色の石を贈るね。俺の目の色は黒だから、黒水晶かな。若しくは黒真珠? でも肌の色が紫の竜だから、紫色の石がいいのかな」
そう言って楽しそうにしている。王子に贈るものを色々と考えるだけでも楽しいらしい。
「お前が贈ってくれるものなら、何でもいい」
王子はそう言って、チュッチュッと甘く口づけが落とされる。
「だめだよ。ちゃんと考えて選ばないと」
二人は若い恋人同士特有のイチャイチャとした甘い空気の中、話し合っていた。
後に、青竜エルハルトが、紫竜が恋人に贈る石を何色にするか悩んでいると聞いて、答えた一言がこれだった。
「紫水晶一択だろう。黒はやめておけ」
「どうしてでしょうか」
そう尋ねたキール少年に、青竜エルハルトはキッパリと言った。
「黒はシェーラの色だぞ。あいつは、アルバート王子の妻に一度間違えられたことがあるのに。それなのに王子がシェーラの色のものを付けていたら、まずいだろう」
そう言えば、過去そんなことがあったなとその場にいたリヨンネも、キールも思い出していた。
チエリ宝飾店前で、無礼な三番目の王子に黒竜シェーラはアルバート王子の妻だと間違えられ、彼女は激怒して呪いを放ったのだ。
脳裏には、煉瓦畳の道に、頭を打ち付けて昏倒した王子とその供の者達の姿が蘇る。
「いいか、紫竜に言っておけ。紫水晶一択だとな」
「ハイ、分カリマシタ」
リヨンネは頷いていた。
呪いが十八番の黒竜シェーラの地雷は、可能な限り避けていきたいリヨンネであったから、彼は竜騎兵団の拠点へ戻るなり、ルーシェに「キラキラと綺麗な紫水晶が絶対にいいですよ!!」と懸命に売り込んでいたのだった。
そしてその甲斐あって、ルーシェは王子へ贈る宝石は紫水晶に決めたのだった。
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「ルーが喜んでくれて、私も嬉しい」
「俺もすごく嬉しい。ありがとう、王子」
上を見上げたその唇に、王子は口づける。
二人は静かに口づけを交わした後、ルーシェが言った。
「今度は、俺の色の石を贈るね。俺の目の色は黒だから、黒水晶かな。若しくは黒真珠? でも肌の色が紫の竜だから、紫色の石がいいのかな」
そう言って楽しそうにしている。王子に贈るものを色々と考えるだけでも楽しいらしい。
「お前が贈ってくれるものなら、何でもいい」
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「だめだよ。ちゃんと考えて選ばないと」
二人は若い恋人同士特有のイチャイチャとした甘い空気の中、話し合っていた。
後に、青竜エルハルトが、紫竜が恋人に贈る石を何色にするか悩んでいると聞いて、答えた一言がこれだった。
「紫水晶一択だろう。黒はやめておけ」
「どうしてでしょうか」
そう尋ねたキール少年に、青竜エルハルトはキッパリと言った。
「黒はシェーラの色だぞ。あいつは、アルバート王子の妻に一度間違えられたことがあるのに。それなのに王子がシェーラの色のものを付けていたら、まずいだろう」
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