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第十三章 失われたものを取り戻すために
第二十話 魔力を帯びし水(下)
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地下室の冷たい水の中に、三橋友親は伴侶である二人の男と立っていた。三人は何やら言い合っている。友親とケイオスが笑い合った後、カルフィーが二人に怒りながら割り込み、それからまた何か言っている。そして友親の手を二人の男は握り、まるで友親を支えるように二人の男はそばに立っていた。
三人は仲がいいのか悪いのか、よく分からなかった。
でも友親が笑いかけているのなら、それほど悪い男達ではないのかも知れない。
……そう思いたかった。
ルーシェは、アルバート王子が彼のズボンを脱がせ、白いかぼちゃパンツ姿にした。
三歳児にかぼちゃパンツ。王道すぎる。
ルーシェは、アルバート王子がショタコンではないと固く信じていたが、時々、少しばかり疑いの気持ちが浮かぶ時があった。
(俺の王子はショタコンじゃないと信じているけど、でも、ちょっとショタコンっぽいんだよな……)
そして友親は、視線を白いかぼちゃパンツを履くルーシェに遣って、目を見開いていた。
驚いて、ルーシェのかぼちゃパンツを凝視した後、そばのアルバート王子に疑うような視線を向ける。
それを痛いほど感じて、ルーシェはいたたまれない気持ちになっていた。
そんな思いをルーシェが抱いているとは知らず、アルバート王子はルーシェの手を取り、石の床の縁にルーシェを座らせ、水場に足を浸からせた。
「大丈夫か、ルーシェ。冷たすぎやしないか」
冷たい水に、幼いルーシェが足を浸すのだ。
身体に良くないのではないかとアルバート王子が案じることも当然であった。
しかし、ルーシェはその正体が紫竜であり、竜は寒さには強靭であった。
実際、裸足で冷たい雪の中で立っていても、ルーシェはまったく平気であったのだ。この冷たい水に足を入れていても、気持ち良さすら感じていた。
「全然大丈夫だよ。俺、竜だから寒さには強いんだ」
ルーシェがニッコリと笑って答えると、王子はホッとしたような顔をしてこう言っていた。
「でも、辛くなったらすぐに言うんだぞ。私がすぐに水から引き上げてやって、温めてやるからな」
「うん」
アルバート王子のその過保護な台詞に、ルーシェは照れたように笑った。
カルフィーの言った通り、地下から湧き出るその冷たい水は、魔力を帯びていた。だからルーシェは、その水に触れることで、“魔力”を空気中の“魔素”と同じように集めていく。
大きな袋をイメージして、湧き出る“魔力”をどんどん集めていく。“魔素”は空気中から自分で集めなければならなかったが、この水場の“魔力”は、触れているだけでも流れ込んでくるのだ。この水の中に何週間にも渡って浸されていた友親が、並外れて強い吸血鬼になることも当然の帰結だと思われた。“魔力”を詰め込む大きな袋は次々にいっぱいになっていく。
たくさんたくさん集めていかないといけない。
ルーシェは冷たくて透明な水を見つめた。
ラウデシア王国の、“消失”してしまった場所にいた仲間達。
ウラノス騎兵団長やエイベル副騎兵団長、バンナム卿やレネ先生、その他にも、あそこにはたくさんの仲間達がいたのだ。それが、突然消えてしまった。あの場所は、この異世界でのルーシェの故郷のようなものだった。王子にとってもそうだろう。ずっとこれから先も暮らしていくはずだった場所。
それを、絶対に取り戻さないといけない。
それから夜も遅い時間まで、ルーシェと友親は水の中に足を触れさせて、水の中の“魔力”を大量にその身に貯めていったのだった。異世界からやって来た者は、“魔素”が使えるだけではなく、その“魔素”や“魔力”を際限なく貯めておくことが出来た。
水場から上がると、用意していたタオルで友親とルーシェは身体を拭いた。
出立は明日の朝になった。
三人は仲がいいのか悪いのか、よく分からなかった。
でも友親が笑いかけているのなら、それほど悪い男達ではないのかも知れない。
……そう思いたかった。
ルーシェは、アルバート王子が彼のズボンを脱がせ、白いかぼちゃパンツ姿にした。
三歳児にかぼちゃパンツ。王道すぎる。
ルーシェは、アルバート王子がショタコンではないと固く信じていたが、時々、少しばかり疑いの気持ちが浮かぶ時があった。
(俺の王子はショタコンじゃないと信じているけど、でも、ちょっとショタコンっぽいんだよな……)
そして友親は、視線を白いかぼちゃパンツを履くルーシェに遣って、目を見開いていた。
驚いて、ルーシェのかぼちゃパンツを凝視した後、そばのアルバート王子に疑うような視線を向ける。
それを痛いほど感じて、ルーシェはいたたまれない気持ちになっていた。
そんな思いをルーシェが抱いているとは知らず、アルバート王子はルーシェの手を取り、石の床の縁にルーシェを座らせ、水場に足を浸からせた。
「大丈夫か、ルーシェ。冷たすぎやしないか」
冷たい水に、幼いルーシェが足を浸すのだ。
身体に良くないのではないかとアルバート王子が案じることも当然であった。
しかし、ルーシェはその正体が紫竜であり、竜は寒さには強靭であった。
実際、裸足で冷たい雪の中で立っていても、ルーシェはまったく平気であったのだ。この冷たい水に足を入れていても、気持ち良さすら感じていた。
「全然大丈夫だよ。俺、竜だから寒さには強いんだ」
ルーシェがニッコリと笑って答えると、王子はホッとしたような顔をしてこう言っていた。
「でも、辛くなったらすぐに言うんだぞ。私がすぐに水から引き上げてやって、温めてやるからな」
「うん」
アルバート王子のその過保護な台詞に、ルーシェは照れたように笑った。
カルフィーの言った通り、地下から湧き出るその冷たい水は、魔力を帯びていた。だからルーシェは、その水に触れることで、“魔力”を空気中の“魔素”と同じように集めていく。
大きな袋をイメージして、湧き出る“魔力”をどんどん集めていく。“魔素”は空気中から自分で集めなければならなかったが、この水場の“魔力”は、触れているだけでも流れ込んでくるのだ。この水の中に何週間にも渡って浸されていた友親が、並外れて強い吸血鬼になることも当然の帰結だと思われた。“魔力”を詰め込む大きな袋は次々にいっぱいになっていく。
たくさんたくさん集めていかないといけない。
ルーシェは冷たくて透明な水を見つめた。
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ウラノス騎兵団長やエイベル副騎兵団長、バンナム卿やレネ先生、その他にも、あそこにはたくさんの仲間達がいたのだ。それが、突然消えてしまった。あの場所は、この異世界でのルーシェの故郷のようなものだった。王子にとってもそうだろう。ずっとこれから先も暮らしていくはずだった場所。
それを、絶対に取り戻さないといけない。
それから夜も遅い時間まで、ルーシェと友親は水の中に足を触れさせて、水の中の“魔力”を大量にその身に貯めていったのだった。異世界からやって来た者は、“魔素”が使えるだけではなく、その“魔素”や“魔力”を際限なく貯めておくことが出来た。
水場から上がると、用意していたタオルで友親とルーシェは身体を拭いた。
出立は明日の朝になった。
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