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外伝 その王子と恋に落ちたら大変です 第一章 五番目の王子との学園時代
第二十七話 王子の願い
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彼は寝台の上で、よく眠っていた。
媚薬を盛られ、その後、おかしくなっていた彼を鎮めるために、シルヴェスターは何度も彼を抱いた。今までこれほど激しく愛し合ったことはないと思う程、彼を荒々しく抱いた。
その細身には、愛し合った痕跡が多く残っていたが、シルヴェスターは部屋の隣の浴室で、綺麗に彼の身体を洗い清め、寝台のシーツも綺麗に整え、そして衣服も整えた。
寝入っている彼は、今はどこか安心したような表情をしていた。
それはそうだろう。
存分に彼が求めるままに、シルヴェスターは彼を愛した。
何度も彼の耳元で愛を囁き、そして彼もまた、シルヴェスターを愛していると言った。
そう。
何度も、何度も。
シルヴェスターは、寝台そばの椅子に座り、ユーリスの黒髪を撫でた。
彼の父親は、シルヴェスターが最後にユーリスに会うことを許してくれた。
もう二度と会うことがないように、遠い国へシルヴェスターが旅立つのである。
別れの言葉を交わすことを許さないほど、狭量ではない。
むしろ、きちんと別れを告げ合った方が、二人の今後にとって良いだろうとジャクセンは考えていた。
だが、シルヴェスターは眠っているユーリスを起こすつもりはなかった。
もし彼から、「共に行く」と言われた時、その手を跳ねのける自信がなかった。そして実際、そう言われたとしても、彼を連れていくことは出来なかったのだ。
シルヴェスターは、ユーリスの細い手を掴み、その甲を自身の額に押し当て、声もなく、泣いた。
「ユーリス……ユーリス」
本当なら、彼を連れて行きたい。
一緒に遠く、この国から離れて生きていきたい。
だが、自分が一緒にいると、彼は
彼は何もかも、彼が持っていたもの、これから得るはずだったもの
全てを失ってしまう。
ユーリスが好きだった。
これから自分が行く場所は、多くの人々が死ぬ、戦いのある場所だった。
そんな危険な場所へ、ユーリスを連れていくことは出来ない。
そこで万が一、ユーリスが傷ついて死んでしまったらと考えたら、自分は、もう、生きていけない。
「お前が私の全てだったよ」
そう、初めて会った時から、彼は輝いていた。
なんて綺麗な子なのだろうと思った。
その優しさに惹かれた。誰も振り返って見てくれることのなかった自分を愛してくれた人。
どうして愛さずにいられようか。
彼の父親は、もう二度と会うなと言っていた。
けれど自分は再び彼に会いにくるつもりだった。
もう二度と、彼を失うことのないように、力を付けて。
そして取り戻すつもりだ。
だからどうか。
それまで自分の事を待っていて欲しい。
シルヴェスターは頬を流れ落ちた涙を拭い、それからユーリスの唇に、最後に口づけた。
未だ眠り続けるユーリスの顔をしばらくの間見つめ、それから彼は一人、部屋から出ていった。
媚薬を盛られ、その後、おかしくなっていた彼を鎮めるために、シルヴェスターは何度も彼を抱いた。今までこれほど激しく愛し合ったことはないと思う程、彼を荒々しく抱いた。
その細身には、愛し合った痕跡が多く残っていたが、シルヴェスターは部屋の隣の浴室で、綺麗に彼の身体を洗い清め、寝台のシーツも綺麗に整え、そして衣服も整えた。
寝入っている彼は、今はどこか安心したような表情をしていた。
それはそうだろう。
存分に彼が求めるままに、シルヴェスターは彼を愛した。
何度も彼の耳元で愛を囁き、そして彼もまた、シルヴェスターを愛していると言った。
そう。
何度も、何度も。
シルヴェスターは、寝台そばの椅子に座り、ユーリスの黒髪を撫でた。
彼の父親は、シルヴェスターが最後にユーリスに会うことを許してくれた。
もう二度と会うことがないように、遠い国へシルヴェスターが旅立つのである。
別れの言葉を交わすことを許さないほど、狭量ではない。
むしろ、きちんと別れを告げ合った方が、二人の今後にとって良いだろうとジャクセンは考えていた。
だが、シルヴェスターは眠っているユーリスを起こすつもりはなかった。
もし彼から、「共に行く」と言われた時、その手を跳ねのける自信がなかった。そして実際、そう言われたとしても、彼を連れていくことは出来なかったのだ。
シルヴェスターは、ユーリスの細い手を掴み、その甲を自身の額に押し当て、声もなく、泣いた。
「ユーリス……ユーリス」
本当なら、彼を連れて行きたい。
一緒に遠く、この国から離れて生きていきたい。
だが、自分が一緒にいると、彼は
彼は何もかも、彼が持っていたもの、これから得るはずだったもの
全てを失ってしまう。
ユーリスが好きだった。
これから自分が行く場所は、多くの人々が死ぬ、戦いのある場所だった。
そんな危険な場所へ、ユーリスを連れていくことは出来ない。
そこで万が一、ユーリスが傷ついて死んでしまったらと考えたら、自分は、もう、生きていけない。
「お前が私の全てだったよ」
そう、初めて会った時から、彼は輝いていた。
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けれど自分は再び彼に会いにくるつもりだった。
もう二度と、彼を失うことのないように、力を付けて。
そして取り戻すつもりだ。
だからどうか。
それまで自分の事を待っていて欲しい。
シルヴェスターは頬を流れ落ちた涙を拭い、それからユーリスの唇に、最後に口づけた。
未だ眠り続けるユーリスの顔をしばらくの間見つめ、それから彼は一人、部屋から出ていった。
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