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外伝 その王子と恋に落ちたら大変です 第六章 その王子と竜に愛されたら大変です(下)
第十五話 叔父への相談(下)
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ユーリスとシルヴェスターの二人が、ユーリスの親戚だという男に相談があると言って、結婚のお祝いの会の後、その場に残ったことを、黄金竜(雛)ウェイズリーはなんだろうと思っていた。
そして二人が相談し始めた話に、ウェイズリーはいささか驚いていた。
人間のユーリスの身に、どうして発情期が到来したのか分からず、学者だというリヨンネという男にそのことを尋ねたのだ。そしてリヨンネは「竜にはあるが、人間には発情期はない」というそもそもの事実を改めて示した。それで、ユーリスは困った様子で帰国した。
ユーリスとシルヴェスターの二人は、未だに、ユーリスの身に発情期が来たことについて疑問を抱いている。
黄金竜ウェイズリーとしては、自分の発した「ユーリスは人とはいえ、私の番だ。黄金竜である雄の私に釣られて“発情”したのだろう」という言葉をそのまますんなりとユーリス達に受け入れてもらい、その事実をうやむやにしたかった。実際は、黄金竜ウェイズリーは愛しい番のユーリスの身体を人のものからそうではない別のものに変えてしまっている。それも、ユーリスの許諾を得ないまま、彼の知らぬ間に、“金色の芽”で触れて変えてしまっている。
人よりも強靭な肉体に、竜の雄の卵を孕むことの出来る肉体、そして人よりも遥かに長い寿命。
ユーリスの外見は、これから先、ほとんど年を経ることがなくなるだろう。竜ほどの強靭さはないが、傷ついてもすぐにその身の怪我は癒されるはずだ。馬鹿力もその変化の一つだ。ユーリスは、引っ越しの際には棚などの家具をヒョイヒョイとその細腕で持ち上げられることに驚きつつも喜んでいたが、それも変化の一端に過ぎない。
黄金竜である自分と愛し合うことの出来る身体、卵を孕むことの出来る身体。
人の形をしていながらも、竜に近い身体に変えられた彼の身は、当然、春になれば“発情期”がやってくる。
黄金竜ウェイズリーは小さく囀った。
そしてこのまま愛し合い続ければ、きっと。
彼は卵を孕むはずだった。
叔父のリヨンネの回答を聞いた後、シルヴェスターは、「しばらく様子を見よう」と言っている。
あれ以来、夢中になって雄を求める発情はユーリスの身に起きていない。春の祭りの後の短い、五日間という濃密な期間に起きた出来事だった。
でもあれ以来、ユーリスは、黄金竜ウェイズリーが、ユーリスの身を求めることを許していた。彼が望めば、黄金竜の男の姿のウェイズリーもユーリスの細身にのしかかり、ユーリスを抱く。
その薄い胎をさすりながら、黄金竜の男は、ユーリスを愛するのだった。
そして二人が相談し始めた話に、ウェイズリーはいささか驚いていた。
人間のユーリスの身に、どうして発情期が到来したのか分からず、学者だというリヨンネという男にそのことを尋ねたのだ。そしてリヨンネは「竜にはあるが、人間には発情期はない」というそもそもの事実を改めて示した。それで、ユーリスは困った様子で帰国した。
ユーリスとシルヴェスターの二人は、未だに、ユーリスの身に発情期が来たことについて疑問を抱いている。
黄金竜ウェイズリーとしては、自分の発した「ユーリスは人とはいえ、私の番だ。黄金竜である雄の私に釣られて“発情”したのだろう」という言葉をそのまますんなりとユーリス達に受け入れてもらい、その事実をうやむやにしたかった。実際は、黄金竜ウェイズリーは愛しい番のユーリスの身体を人のものからそうではない別のものに変えてしまっている。それも、ユーリスの許諾を得ないまま、彼の知らぬ間に、“金色の芽”で触れて変えてしまっている。
人よりも強靭な肉体に、竜の雄の卵を孕むことの出来る肉体、そして人よりも遥かに長い寿命。
ユーリスの外見は、これから先、ほとんど年を経ることがなくなるだろう。竜ほどの強靭さはないが、傷ついてもすぐにその身の怪我は癒されるはずだ。馬鹿力もその変化の一つだ。ユーリスは、引っ越しの際には棚などの家具をヒョイヒョイとその細腕で持ち上げられることに驚きつつも喜んでいたが、それも変化の一端に過ぎない。
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黄金竜ウェイズリーは小さく囀った。
そしてこのまま愛し合い続ければ、きっと。
彼は卵を孕むはずだった。
叔父のリヨンネの回答を聞いた後、シルヴェスターは、「しばらく様子を見よう」と言っている。
あれ以来、夢中になって雄を求める発情はユーリスの身に起きていない。春の祭りの後の短い、五日間という濃密な期間に起きた出来事だった。
でもあれ以来、ユーリスは、黄金竜ウェイズリーが、ユーリスの身を求めることを許していた。彼が望めば、黄金竜の男の姿のウェイズリーもユーリスの細身にのしかかり、ユーリスを抱く。
その薄い胎をさすりながら、黄金竜の男は、ユーリスを愛するのだった。
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