1 / 1
お礼を言うのはこちらですわ!~婚約者も財産も、すべてを奪われた悪役?令嬢の華麗なる反撃
しおりを挟む
不遇をものともせず、華麗に「ざまあ」する貴族令嬢の、マイペースなひとり語り。
ゆるーい気持ちでお付き合いください。
※続編『謝罪するのはこちらですわ!~すべてを奪ってしまった悪役?令嬢の優雅なる防衛』も、ありがたいことにご好評をいただいております。リンクはページ下部にあります!
-----------------------------------------------
みなさま初めまして。
わたくし、リースフェルト侯爵家の長女で、イザベラ・フォン・リースフェルトと申します。
突然ですけれど、ちょっと、わたくしのお話聞いてくださらない?
わたくしひとりの胸の内にしまっておくのが、とても苦しいんですの。
わたくしには一つ違いのリゼという妹がおりまして、と言っても異母姉妹なんですけれど。
これがまた、見た目はたいそう可愛らしい子ですの。
ええ、「見た目は」ね。
もうこれだけお伝えすれば、みなさまピーンと来ていらっしゃると思うのですけれど、もう少しお聞きになって?
この子、わたくしの実母が病で他界した際に、没落寸前の男爵家の令嬢だったお義母様と一緒に我が家に引き取られましたの。
でも、わたくし、身分で人を差別するような了見の狭い人間ではございませんし、初めはこのお二人をとても歓迎しておりましたのよ?
お父様は仕事人間で家を空けることが多くて、(まあ、今となってはお義母様の家に入り浸る口実だったのだろうと思っておりますけれど)一人っ子だったわたくしは、愛情をたっぷり注いでくださるお母様と、気心の知れた使用人たちに囲まれて、それなりに幸せに暮らしておりました。
でも半年ほど前、お母様が病に倒れてあっけなく他界。
悲嘆に暮れていたところに、新しい家族が現われたのです。
そんなもの受け入れる必要はないと、使用人や友人たちは怒ってくれましたわ。
でも、わたくしは受け入れたいと思いましたの。
いつの間にかお義母様と浮気して、別に家族を作っていたお父様には早々に天罰が下ってほしいとは思いましたけれど、男爵家の方が侯爵に逆らえるわけもないですし、ましてや娘のリゼには何の罪もないのですから。
それに、使用人も友人も大好きですけれど、家族ってやっぱり特別でしょう?
お母様を忘れることは生涯ないけれど、この新しい家族とも楽しく暮らせたらいいなと、心から思っていたのですわ。
でも、残念なことに、その願いはすぐに消えてなくなりました。
この母娘、呆れるくらいの曲者でしたの。
笑顔の下に棘を隠したような方たちで、まるで最近流行りの小説の──悪役令嬢もの?にありがちな、陰湿な継母とクズヒロイン……あら、言葉が乱れましたわね、失礼。
それはもう、困ったちゃんな母娘だったのです。
「家のことはすべてカトリナ(お義母様のお名前ですわ)に任せる」とお父様がおっしゃった瞬間から、古くからの使用人たちは次々と追い出され、わたくしの居場所は静かに削られていきました。
リゼもまた、わたくしの物を欲しがっては勝手に部屋へ入って、あれもこれも持って行ってしまうし。
お母様の形見の宝石だけは何とか死守しましたけれど──。
「お姉さまはお優しいから、私に譲ってくださるでしょう?」
と上目遣いで言うあの子の貼り付けたような笑顔を見るたび、氷より冷たいものを感じましたわ。
まあとにかく、こうして、わたくしが夢に見た仲睦まじい家族像は、いとも簡単に崩れてしまったのです。
……あ、みなさま、今「テンプレ」って思いましたわね?
ええ、わかっておりますわ。
でも事実なのですから仕方ないのです。
それに「テンプレどおり」ですから、ここからちゃんと、「ざまあ」が始まりますわよ?
こういうお話、お好きでしょう?
うふふ。
……一気に話して喉が渇きましたわね。
ちょっと失礼してお紅茶を──。
ふう、どこまでお話しましたかしら?
あ、そうそう。
わたくしに起こった悲劇的な出来事をお伝えしたところでしたわね。
で、ここからが本題なのですわ。
わたくし、ここまでされて泣き寝入りするような、大人しい性格ではございませんの。
けれど、表立って反撃することもしませんでしたわ。
だって、それこそ世間に「悪役令嬢」として映ってしまっては、あの方たちに大義名分を与えてしまうでしょう?
だから、わたくし決めましたの。
わたくしからすべてを奪うと言うなら、奪わせて差し上げようって。
反撃はせず、あくまでもか弱い令嬢を装って。
え、どこが「ざまあ」なのかって?
まあまあ、今からそれをお話しますわ。
もう少しお付き合いくださいまし。
わたくし、幼い頃にお父様に決められた婚約者がおりまして。
ヴィンセント・グラハムという公爵家の次男坊なのですけれど。
見た目はそれなりに麗しい殿方。
身分だって我が家より上。
でも、性格はいわゆるモラハラ気質で、こんな方に嫁ぐのはちょっと、いえ、かなり嫌だなと思っておりましたの。
そ・こ・で。
わたくし、この方を心から愛している風を装いましたの。
ヴィンセントは急に熱い視線を送るようになったわたくしに「やっと俺の良さが分かったか」なんて寝言をおっしゃっておりましたけれど。
こうして、わたくしの方からヴィンセントを追いかけるようにして過ごすうちに、リゼがヴィンセントにアプローチしてくるようになったのです。
そしてついに、ヴィンセントから「図々しく鬱陶しいお前との婚約は破棄する! 俺は、この優しく可愛らしいリゼと婚約する!」と宣言していただいたのですわ!
本当に、浅はかで助かりますわね。
リゼはというと、「そんなつもりはなかったの。ごめんなさい、お姉さま──」とか涙を浮かべてしおらしい演技をしておりました。
白々し過ぎて笑いそうになってしまいましたわよ。
お父様もお義母様も「姉なんだから妹に譲るのが当然だろう」とか「殿方を魅了してしまうのは、私譲りかしら? ごめんなさいね、イザベラさん」とか、好き放題おっしゃってましたわね。
わたくしは、少し悲しそうな演技をしながら「可愛い妹のためですもの」と言って身を引きましたわ。
もちろん内心は、「ええ、それはもう熨斗を付けて差し上げます。返品不可です。」でしたけれども。
他にも、家にあるもので価値のない絵画やら宝飾品やら、そんなものもすべて、さも価値があるように扱って、片っ端から奪っていただきましたわ。
うちのお父様、審美眼はからっきしで、悪徳商人の口車に乗せられてガラクタを買ってしまう悪癖がありますの。
お義母様とリゼったら、そのガラクタ全部、所有権をご自分たちに変更してしまわれましたわ。
お父様のことも、いずれは捨てるおつもりかしら?
まあ、わたくしにとってはどうでもいいことですけれど。
最後には、リゼを虐めただの、横領しただの、根も葉もない罪をでっち上げられて、家を追い出されましたわ。
でも、構いませんの。
逆に、本当に価値のあるものはまんまと手中に収めましたもの。
本物の美術品や宝飾類は、奪われる前にこっそり屋敷の外へ持ち出しておいたのですわ。
友人や元使用人たちが協力してくださいましたの。
持つべきものは気心の知れた友と使用人ですわね。
ありがたいことですわ。
あ、それから先日、素敵な殿方にも出会えましたの!
家を追い出されたわたくしを心配して、お屋敷に居候させてくれた友人の家のパーティーに来ていた隣国の辺境伯家のご令息で、テオドール・ド・ブランシェールという方ですの。
辺境伯家ですから、武人としての実力も確からしいのですけれど、決して無骨ではなく、見目麗しく、穏やかで賢くて、とても優しい方ですのよ?
そんな方がなんと、わたくしに一目惚れしてくださったのですって!
わたくしの境遇に同情して、プロポーズまでしてくださいましたの。
うふふ。
一緒に隣国へ帰ろうと言ってくださったので、お言葉に甘えて付いていくことにしましたわ。
もう実家のことはきれいさっぱり忘れて、この方と幸せに生きていきましょう。
……と思っていたら、そこへひょっこり、母方の伯父様が現われたのです。
伯父様は隣国の侯爵で、今は外務大臣をなさっている方ですの。
元々外交官として海外を飛び回っていらした伯父様は、ここ二年ほど遠方の国に滞在していたそうで、つい先日ようやく隣国へ戻られたのだとか。
そしてその時に、お母様の死を知ったのですって。
(ちなみに、その功績が認められて今回、外務大臣に抜擢されたそうですわ。さすが伯父様!)
伯父様はかなりのシスコンで、お母様をそれはもう猫可愛がりしていたそうで……
わたくしも小さい頃に何度かお会いして、とても可愛がっていただいた記憶がありますの。
そんな伯父様が慌てて我が家を訪ねてみたら、わたくしが追い出されていたものですから、烈火のごとくお怒りになったのだとか。
伯父様はまず、わたくしを養子に迎えてくださって、テオドール様との婚約を正式に取り付けてくださいましたの。
国王陛下からの信も厚い外務大臣の養女との婚約に、テオドール様のお父上、ブランシェール辺境伯様もたいそうお喜びになったとか。
一方で、わたくしを冷遇したあの方たちに鉄槌を下されたのですわ。
実は実家の屋敷と土地は、お母様のものだったのですって。
男爵家出身のお父様は、婿養子だったのです。
しかも、お母様は生前、伯父様に遺言書を残していて、そこには屋敷と土地はわたくしに相続させると書いてあったのですわ。
法律に疎いお父様は、その辺りのことが分かっていなかったようで。
貴族なのに情けないですわね。
でも、わたくしはもう伯父様の養女になりましたし、隣国でテオドール様に嫁ぐつもりでおりますから、屋敷も土地も必要ありません。
お母様との思い出はしっかり胸にしまってありますから。
それでも、あの方たちにくれてやるのは惜しいと言ったら、伯父様が彼らを追い出して、別荘として残せば良いと言ってくださったのです。
しかも、解雇された古参の使用人たちを呼び戻し、屋敷と庭の管理を任せてくれたのです!
もう他の家に奉公している者もおりましたけれど、ほとんどの使用人が帰ってきてくれましたわ。
うちは元々使用人も住み込みで働いていましたから、古巣に帰って来られて、みんなそれは喜んでおりました。
逆に家を追い出される形になったお父様たちは、散々恨み言を言っていましたけれど。
お父様とお義母様との仲もこじれて破局したようですわ。
それでも、お父様に関しては、伯父様の口利きでなんとか自分の実家に戻れるようになったらしく。
父方の祖父母は既に他界し、お父様の弟である叔父様が跡を継いでいるのですけれど、後のことは叔父様が何とかしてくださるそうですわ。
お父様、まだプライドを捨てきれないのか、始めは「今更、弟の世話になどなるものか! 自分の身くらい自分でなんとかする!」と息巻いていらしたようですけれど、結局、頼った友人知人は誰一人助けてくださらなかったのですって。
隣国の外務大臣の圧力がかかっていることもあるのでしょうけれど、そもそもの人望の無さが原因な気がしますわね。
それに比べて、わたくしは本当に良い友人に恵まれましたわ!
ああ、そうそう。
リゼはヴィンセントとの仲を確実にするために、彼を誘惑して婚前交渉した挙句、妊娠したと嘘をついて早々に入籍したものの、ひどいモラハラに耐え兼ねて、出戻って来たとか。
社交界でちょっとした噂になっているそうですわ。
なんともまあ、想像通りですわね。
身代わりになっていただいて、ありがたい限りですわ。
でもあの方、結構しつこいですから、きっと連れ戻しに来るなり、嫌がらせに来るなりしますわよ?
今はまだ、噂のせいでご両親に大目玉を食らって謹慎中らしいですけれど。
お気をつけあそばせ?
で、そのリゼとお義母様はと言うと、家を出ていくように伝えた伯父様とわたくしに「無一文で寒空に放り出すなんて、あなたたちは悪魔なの!?」と、食って掛かっていらしたので、所有権のある芸術品や宝飾類は当然持って行って構わないと言って差し上げたら、一転して大喜びでしたわ。
何とも単純な方たちですこと。
伯父様も呆れていらっしゃいましたわね。
リゼが「ありがとう、お姉さま!あなた案外良い人だったのね!」と、何気に失礼なことを言っていましたけれど、お礼を言うのはこちらのほうですのよ?
だって、アレ──。
全部、有名芸術家の作品の贋作なんですもの。
わが国では、贋作を作るのも売るのも所有するのも犯罪なのです。
お父様が贋作を次々に買ってしまった時は、どうやって処理しようかと、お母様と頭を悩ませていたものですわ。
お父様にそれとなく「贋作では?」と伝えても、「そんなわけはない!」と聞く耳を持ってくださらず、勝手に処分もできなくて。
売りつけた悪徳商人は事実を知っておりますから、売買を証明するような書類は残しておらず、物さえ見られなければなんとかなる。
そう考えたお母様とわたくしは、知人に見せびらかそうとするお父様を「こんな素晴らしいお宝、噂が漏れて盗まれてはいけません。これはお父様おひとりで楽しむべきですわ!」と説得し、贋作一式を、とりあえず人目に付かないように、屋敷の一番奥の一室に集めておいたのです。
もちろん、使用人たちにも箝口令を敷いて。
それを、あの方たちが全部持って行ってくださったのですわ!
うふふ。
風の噂で聞いたのですけど、あれからお義母様とリゼは、犯罪者として捕まったらしいですわ。
例の贋作を売ろうとして、詐欺罪で投獄されたとか。
わたくしに罪をなすり着けようとしたみたいですけれど、お門違いでしてよ?
だって、所有者はお二人なんですもの。
「贋作なんて知らなかった。住んだ時には既に屋敷にあって、それを譲り受けただけだ」なんて言ったところで、それを証明するものは何もないのですから。
わたくしを冷遇した使用人たちには伯父様が制裁を与えてくださったから、証言はしないでしょうし、古参の使用人たちも、わたくしを裏切ることはない。
もちろん、お父様だって、あれらが贋作だと分かった今、わざわざ証言なんてしないでしょう。
捕まってしまいますもの。
だから、物的証拠も証言も、ありませんの。
それに、少なくとも、所有の罪と転売の罪は確定しているのですもの。
諦めるしかないですわよね。
審美眼を持たなかったことをお恨みになって?
モラハラ婚約者も贋作も、我が家の悩みの種を全部持ち去った上に自滅してくださるなんて。
本当に、「お礼を言うのはこちらですわ!」でしてよ?
さて、みなさま。
ここまでお話にお付き合いくださって感謝いたしますわ。
ね、ちゃんと「ざまあ」でしたでしょう?
楽しんでいただけたかしら?
どなたかと共有したくてムズムズしておりましたの。
口の堅い友人数名には話したのですけれど、社交界の噂話になっては困りますから、貴族のみなさまには話せなくて。
お陰様で、わたくしは今、愛する夫に大切にされながら、とても幸せに暮らしておりますわ。
みなさまも、どうぞ幸多き人生をお過ごしになられますよう。
あ、念のため、審美眼は磨いておかれるとよろしくてよ?
イザベラ・フォン・リースフェルト
改め
イザベラ・ド・ブランシェール
ゆるーい気持ちでお付き合いください。
※続編『謝罪するのはこちらですわ!~すべてを奪ってしまった悪役?令嬢の優雅なる防衛』も、ありがたいことにご好評をいただいております。リンクはページ下部にあります!
-----------------------------------------------
みなさま初めまして。
わたくし、リースフェルト侯爵家の長女で、イザベラ・フォン・リースフェルトと申します。
突然ですけれど、ちょっと、わたくしのお話聞いてくださらない?
わたくしひとりの胸の内にしまっておくのが、とても苦しいんですの。
わたくしには一つ違いのリゼという妹がおりまして、と言っても異母姉妹なんですけれど。
これがまた、見た目はたいそう可愛らしい子ですの。
ええ、「見た目は」ね。
もうこれだけお伝えすれば、みなさまピーンと来ていらっしゃると思うのですけれど、もう少しお聞きになって?
この子、わたくしの実母が病で他界した際に、没落寸前の男爵家の令嬢だったお義母様と一緒に我が家に引き取られましたの。
でも、わたくし、身分で人を差別するような了見の狭い人間ではございませんし、初めはこのお二人をとても歓迎しておりましたのよ?
お父様は仕事人間で家を空けることが多くて、(まあ、今となってはお義母様の家に入り浸る口実だったのだろうと思っておりますけれど)一人っ子だったわたくしは、愛情をたっぷり注いでくださるお母様と、気心の知れた使用人たちに囲まれて、それなりに幸せに暮らしておりました。
でも半年ほど前、お母様が病に倒れてあっけなく他界。
悲嘆に暮れていたところに、新しい家族が現われたのです。
そんなもの受け入れる必要はないと、使用人や友人たちは怒ってくれましたわ。
でも、わたくしは受け入れたいと思いましたの。
いつの間にかお義母様と浮気して、別に家族を作っていたお父様には早々に天罰が下ってほしいとは思いましたけれど、男爵家の方が侯爵に逆らえるわけもないですし、ましてや娘のリゼには何の罪もないのですから。
それに、使用人も友人も大好きですけれど、家族ってやっぱり特別でしょう?
お母様を忘れることは生涯ないけれど、この新しい家族とも楽しく暮らせたらいいなと、心から思っていたのですわ。
でも、残念なことに、その願いはすぐに消えてなくなりました。
この母娘、呆れるくらいの曲者でしたの。
笑顔の下に棘を隠したような方たちで、まるで最近流行りの小説の──悪役令嬢もの?にありがちな、陰湿な継母とクズヒロイン……あら、言葉が乱れましたわね、失礼。
それはもう、困ったちゃんな母娘だったのです。
「家のことはすべてカトリナ(お義母様のお名前ですわ)に任せる」とお父様がおっしゃった瞬間から、古くからの使用人たちは次々と追い出され、わたくしの居場所は静かに削られていきました。
リゼもまた、わたくしの物を欲しがっては勝手に部屋へ入って、あれもこれも持って行ってしまうし。
お母様の形見の宝石だけは何とか死守しましたけれど──。
「お姉さまはお優しいから、私に譲ってくださるでしょう?」
と上目遣いで言うあの子の貼り付けたような笑顔を見るたび、氷より冷たいものを感じましたわ。
まあとにかく、こうして、わたくしが夢に見た仲睦まじい家族像は、いとも簡単に崩れてしまったのです。
……あ、みなさま、今「テンプレ」って思いましたわね?
ええ、わかっておりますわ。
でも事実なのですから仕方ないのです。
それに「テンプレどおり」ですから、ここからちゃんと、「ざまあ」が始まりますわよ?
こういうお話、お好きでしょう?
うふふ。
……一気に話して喉が渇きましたわね。
ちょっと失礼してお紅茶を──。
ふう、どこまでお話しましたかしら?
あ、そうそう。
わたくしに起こった悲劇的な出来事をお伝えしたところでしたわね。
で、ここからが本題なのですわ。
わたくし、ここまでされて泣き寝入りするような、大人しい性格ではございませんの。
けれど、表立って反撃することもしませんでしたわ。
だって、それこそ世間に「悪役令嬢」として映ってしまっては、あの方たちに大義名分を与えてしまうでしょう?
だから、わたくし決めましたの。
わたくしからすべてを奪うと言うなら、奪わせて差し上げようって。
反撃はせず、あくまでもか弱い令嬢を装って。
え、どこが「ざまあ」なのかって?
まあまあ、今からそれをお話しますわ。
もう少しお付き合いくださいまし。
わたくし、幼い頃にお父様に決められた婚約者がおりまして。
ヴィンセント・グラハムという公爵家の次男坊なのですけれど。
見た目はそれなりに麗しい殿方。
身分だって我が家より上。
でも、性格はいわゆるモラハラ気質で、こんな方に嫁ぐのはちょっと、いえ、かなり嫌だなと思っておりましたの。
そ・こ・で。
わたくし、この方を心から愛している風を装いましたの。
ヴィンセントは急に熱い視線を送るようになったわたくしに「やっと俺の良さが分かったか」なんて寝言をおっしゃっておりましたけれど。
こうして、わたくしの方からヴィンセントを追いかけるようにして過ごすうちに、リゼがヴィンセントにアプローチしてくるようになったのです。
そしてついに、ヴィンセントから「図々しく鬱陶しいお前との婚約は破棄する! 俺は、この優しく可愛らしいリゼと婚約する!」と宣言していただいたのですわ!
本当に、浅はかで助かりますわね。
リゼはというと、「そんなつもりはなかったの。ごめんなさい、お姉さま──」とか涙を浮かべてしおらしい演技をしておりました。
白々し過ぎて笑いそうになってしまいましたわよ。
お父様もお義母様も「姉なんだから妹に譲るのが当然だろう」とか「殿方を魅了してしまうのは、私譲りかしら? ごめんなさいね、イザベラさん」とか、好き放題おっしゃってましたわね。
わたくしは、少し悲しそうな演技をしながら「可愛い妹のためですもの」と言って身を引きましたわ。
もちろん内心は、「ええ、それはもう熨斗を付けて差し上げます。返品不可です。」でしたけれども。
他にも、家にあるもので価値のない絵画やら宝飾品やら、そんなものもすべて、さも価値があるように扱って、片っ端から奪っていただきましたわ。
うちのお父様、審美眼はからっきしで、悪徳商人の口車に乗せられてガラクタを買ってしまう悪癖がありますの。
お義母様とリゼったら、そのガラクタ全部、所有権をご自分たちに変更してしまわれましたわ。
お父様のことも、いずれは捨てるおつもりかしら?
まあ、わたくしにとってはどうでもいいことですけれど。
最後には、リゼを虐めただの、横領しただの、根も葉もない罪をでっち上げられて、家を追い出されましたわ。
でも、構いませんの。
逆に、本当に価値のあるものはまんまと手中に収めましたもの。
本物の美術品や宝飾類は、奪われる前にこっそり屋敷の外へ持ち出しておいたのですわ。
友人や元使用人たちが協力してくださいましたの。
持つべきものは気心の知れた友と使用人ですわね。
ありがたいことですわ。
あ、それから先日、素敵な殿方にも出会えましたの!
家を追い出されたわたくしを心配して、お屋敷に居候させてくれた友人の家のパーティーに来ていた隣国の辺境伯家のご令息で、テオドール・ド・ブランシェールという方ですの。
辺境伯家ですから、武人としての実力も確からしいのですけれど、決して無骨ではなく、見目麗しく、穏やかで賢くて、とても優しい方ですのよ?
そんな方がなんと、わたくしに一目惚れしてくださったのですって!
わたくしの境遇に同情して、プロポーズまでしてくださいましたの。
うふふ。
一緒に隣国へ帰ろうと言ってくださったので、お言葉に甘えて付いていくことにしましたわ。
もう実家のことはきれいさっぱり忘れて、この方と幸せに生きていきましょう。
……と思っていたら、そこへひょっこり、母方の伯父様が現われたのです。
伯父様は隣国の侯爵で、今は外務大臣をなさっている方ですの。
元々外交官として海外を飛び回っていらした伯父様は、ここ二年ほど遠方の国に滞在していたそうで、つい先日ようやく隣国へ戻られたのだとか。
そしてその時に、お母様の死を知ったのですって。
(ちなみに、その功績が認められて今回、外務大臣に抜擢されたそうですわ。さすが伯父様!)
伯父様はかなりのシスコンで、お母様をそれはもう猫可愛がりしていたそうで……
わたくしも小さい頃に何度かお会いして、とても可愛がっていただいた記憶がありますの。
そんな伯父様が慌てて我が家を訪ねてみたら、わたくしが追い出されていたものですから、烈火のごとくお怒りになったのだとか。
伯父様はまず、わたくしを養子に迎えてくださって、テオドール様との婚約を正式に取り付けてくださいましたの。
国王陛下からの信も厚い外務大臣の養女との婚約に、テオドール様のお父上、ブランシェール辺境伯様もたいそうお喜びになったとか。
一方で、わたくしを冷遇したあの方たちに鉄槌を下されたのですわ。
実は実家の屋敷と土地は、お母様のものだったのですって。
男爵家出身のお父様は、婿養子だったのです。
しかも、お母様は生前、伯父様に遺言書を残していて、そこには屋敷と土地はわたくしに相続させると書いてあったのですわ。
法律に疎いお父様は、その辺りのことが分かっていなかったようで。
貴族なのに情けないですわね。
でも、わたくしはもう伯父様の養女になりましたし、隣国でテオドール様に嫁ぐつもりでおりますから、屋敷も土地も必要ありません。
お母様との思い出はしっかり胸にしまってありますから。
それでも、あの方たちにくれてやるのは惜しいと言ったら、伯父様が彼らを追い出して、別荘として残せば良いと言ってくださったのです。
しかも、解雇された古参の使用人たちを呼び戻し、屋敷と庭の管理を任せてくれたのです!
もう他の家に奉公している者もおりましたけれど、ほとんどの使用人が帰ってきてくれましたわ。
うちは元々使用人も住み込みで働いていましたから、古巣に帰って来られて、みんなそれは喜んでおりました。
逆に家を追い出される形になったお父様たちは、散々恨み言を言っていましたけれど。
お父様とお義母様との仲もこじれて破局したようですわ。
それでも、お父様に関しては、伯父様の口利きでなんとか自分の実家に戻れるようになったらしく。
父方の祖父母は既に他界し、お父様の弟である叔父様が跡を継いでいるのですけれど、後のことは叔父様が何とかしてくださるそうですわ。
お父様、まだプライドを捨てきれないのか、始めは「今更、弟の世話になどなるものか! 自分の身くらい自分でなんとかする!」と息巻いていらしたようですけれど、結局、頼った友人知人は誰一人助けてくださらなかったのですって。
隣国の外務大臣の圧力がかかっていることもあるのでしょうけれど、そもそもの人望の無さが原因な気がしますわね。
それに比べて、わたくしは本当に良い友人に恵まれましたわ!
ああ、そうそう。
リゼはヴィンセントとの仲を確実にするために、彼を誘惑して婚前交渉した挙句、妊娠したと嘘をついて早々に入籍したものの、ひどいモラハラに耐え兼ねて、出戻って来たとか。
社交界でちょっとした噂になっているそうですわ。
なんともまあ、想像通りですわね。
身代わりになっていただいて、ありがたい限りですわ。
でもあの方、結構しつこいですから、きっと連れ戻しに来るなり、嫌がらせに来るなりしますわよ?
今はまだ、噂のせいでご両親に大目玉を食らって謹慎中らしいですけれど。
お気をつけあそばせ?
で、そのリゼとお義母様はと言うと、家を出ていくように伝えた伯父様とわたくしに「無一文で寒空に放り出すなんて、あなたたちは悪魔なの!?」と、食って掛かっていらしたので、所有権のある芸術品や宝飾類は当然持って行って構わないと言って差し上げたら、一転して大喜びでしたわ。
何とも単純な方たちですこと。
伯父様も呆れていらっしゃいましたわね。
リゼが「ありがとう、お姉さま!あなた案外良い人だったのね!」と、何気に失礼なことを言っていましたけれど、お礼を言うのはこちらのほうですのよ?
だって、アレ──。
全部、有名芸術家の作品の贋作なんですもの。
わが国では、贋作を作るのも売るのも所有するのも犯罪なのです。
お父様が贋作を次々に買ってしまった時は、どうやって処理しようかと、お母様と頭を悩ませていたものですわ。
お父様にそれとなく「贋作では?」と伝えても、「そんなわけはない!」と聞く耳を持ってくださらず、勝手に処分もできなくて。
売りつけた悪徳商人は事実を知っておりますから、売買を証明するような書類は残しておらず、物さえ見られなければなんとかなる。
そう考えたお母様とわたくしは、知人に見せびらかそうとするお父様を「こんな素晴らしいお宝、噂が漏れて盗まれてはいけません。これはお父様おひとりで楽しむべきですわ!」と説得し、贋作一式を、とりあえず人目に付かないように、屋敷の一番奥の一室に集めておいたのです。
もちろん、使用人たちにも箝口令を敷いて。
それを、あの方たちが全部持って行ってくださったのですわ!
うふふ。
風の噂で聞いたのですけど、あれからお義母様とリゼは、犯罪者として捕まったらしいですわ。
例の贋作を売ろうとして、詐欺罪で投獄されたとか。
わたくしに罪をなすり着けようとしたみたいですけれど、お門違いでしてよ?
だって、所有者はお二人なんですもの。
「贋作なんて知らなかった。住んだ時には既に屋敷にあって、それを譲り受けただけだ」なんて言ったところで、それを証明するものは何もないのですから。
わたくしを冷遇した使用人たちには伯父様が制裁を与えてくださったから、証言はしないでしょうし、古参の使用人たちも、わたくしを裏切ることはない。
もちろん、お父様だって、あれらが贋作だと分かった今、わざわざ証言なんてしないでしょう。
捕まってしまいますもの。
だから、物的証拠も証言も、ありませんの。
それに、少なくとも、所有の罪と転売の罪は確定しているのですもの。
諦めるしかないですわよね。
審美眼を持たなかったことをお恨みになって?
モラハラ婚約者も贋作も、我が家の悩みの種を全部持ち去った上に自滅してくださるなんて。
本当に、「お礼を言うのはこちらですわ!」でしてよ?
さて、みなさま。
ここまでお話にお付き合いくださって感謝いたしますわ。
ね、ちゃんと「ざまあ」でしたでしょう?
楽しんでいただけたかしら?
どなたかと共有したくてムズムズしておりましたの。
口の堅い友人数名には話したのですけれど、社交界の噂話になっては困りますから、貴族のみなさまには話せなくて。
お陰様で、わたくしは今、愛する夫に大切にされながら、とても幸せに暮らしておりますわ。
みなさまも、どうぞ幸多き人生をお過ごしになられますよう。
あ、念のため、審美眼は磨いておかれるとよろしくてよ?
イザベラ・フォン・リースフェルト
改め
イザベラ・ド・ブランシェール
226
この作品の感想を投稿する
みんなの感想(2件)
あなたにおすすめの小説
おさななじみの次期公爵に「あなたを愛するつもりはない」と言われるままにしたら挙動不審です
ワイちゃん
恋愛
伯爵令嬢セリアは、侯爵に嫁いだ姉にマウントをとられる日々。会えなくなった幼馴染とのあたたかい日々を心に過ごしていた。ある日、婚活のための夜会に参加し、得意のピアノを披露すると、幼馴染と再会し、次の日には公爵の幼馴染に求婚されることに。しかし、幼馴染には「あなたを愛するつもりはない」と言われ、相手の提示するルーティーンをただただこなす日々が始まり……?
学園では婚約者に冷遇されていますが、有能なので全く気になりません。〜学園でお山の大将されてても、王宮では私の方が有能ですから〜
織り子
恋愛
王都カラディナにある国立魔術学園では、満十六歳の生徒たちの社交界デビューを兼ねた盛大なパーティーが開かれていた。
侯爵令嬢タレイア・オルトランは、婚約者である第二王子アスラン・オグセリアの迎えを待つも、結局ひとりで会場へ向かうことになる。
学園では身分の差がないとはいえ、アスランが公然とタレイアを侮辱し続けてきたことで、彼女は生徒たちから冷笑と蔑視の的となっていた。しかしタレイアは、王城で政務を担ってきた聡明さと矜持を失わず、毅然と振る舞う。
【完結】私を捨てた皆様、どうぞその選択を後悔なさってください 〜婚約破棄された令嬢の、遅すぎる謝罪はお断りです〜
くろねこ
恋愛
王太子の婚約者として尽くしてきた公爵令嬢エリシアは、ある日突然、身に覚えのない罪で断罪され婚約破棄を言い渡される。
味方だと思っていた家族も友人も、誰一人として彼女を庇わなかった。
――けれど、彼らは知らなかった。
彼女こそが国を支えていた“本当の功労者”だったことを。
すべてを失ったはずの令嬢が選んだのは、
復讐ではなく「関わらない」という選択。
だがその選択こそが、彼らにとって最も残酷な“ざまぁ”の始まりだった。
婚約破棄された地味令嬢は、無能と呼ばれた伯爵令息と政略結婚する ~あなたが捨てたのは宝石でした~
新川 さとし
恋愛
「地味で可愛げがない」と婚約破棄された侯爵令嬢クリスティーヌ。
王子の政務を陰で支え続けた功績は、すべて無かったことにされた。
居場所を失った彼女に差し出されたのは、“無能”と噂される伯爵令息ノエルとの政略結婚。
しかし彼の正体は、顔と名前を覚えられない代わりに、圧倒的な知識と判断力を持つ天才だった。
「あなたの価値は、私が覚えています」
そう言って彼の“索引(インデックス)”となることを選んだクリスティーヌ。
二人が手を取り合ったとき、社交界も、王家も、やがて後悔することになる。
これは、不遇な二人が“最良の政略結婚”を選び取り、
静かに、確実に、幸せと評価を積み上げていく物語。
※本作は完結済み(全11話)です。
安心して最後までお楽しみください。
婚約破棄されたので、もうあなたを想うのはやめます
藤原遊
恋愛
王城の舞踏会で、公爵令息から一方的に婚約破棄を告げられた令嬢。
彼の仕事を支えるため領地運営を担ってきたが、婚約者でなくなった以上、その役目を続ける理由はない。
去った先で彼女の能力を正当に評価したのは、軍事を握る王弟辺境伯だった。
想うことをやめた先で、彼女は“対等に必要とされる場所”を手に入れる。
で、お前が彼女に嫌がらせをしている理由を聞かせてもらおうか?
Debby
恋愛
ヴェルトが友人からの手紙を手に辺境伯令嬢であるレィディアンスの元を訪れたのは、その手紙に「詳細は彼女に聞け」と書いてあったからだ。
簡単にいうと、手紙の内容は「学園で問題を起こした平民──エボニーを妻として引き取ってくれ」というものだった。
一方その話を聞いてしまった伯爵令嬢のオリーブは動揺していた。
ヴェルトとは静かに愛を育んできた。そんな自分を差し置いて、言われるがまま平民を妻に迎えてしまうのだろうか。
そんなオリーブの気持ちを知るはずもないエボニーは、辺境伯邸で行儀見習いをすることになる。
オリーブは何とかしてヴェルトを取り戻そうと画策し、そのことを咎められてしまう。もう後は無い。
オリーブが最後の望みをかけてヴェルトに自分を選んで欲しいと懇願する中、レィディアンスが静かに口を開いた。
「で、そろそろお前が彼女に嫌がらせをしている理由を聞かせてもらおうか」
「はい?」
ヴェルトは自分が何を言われたのか全く理解が出来なかった。
*--*--*
覗いてくださりありがとうございます。(* ᴗ ᴗ)⁾⁾
★全31話7時19時更新で、全話予約投稿済みです。
★★「このお話だけ読んでいただいてもOKです!」という前提のもと↓↓↓
このお話は独立した一つのお話ですが、「で。」シリーズのサイドストーリーでもあり、第一弾「で、私がその方に嫌がらせをする理由をお聞かせいただいても?」の「エボニーその後」でもあります(あるいは「最終話」のその後)。
第一弾「で、私がその方に嫌がらせをする理由をお聞かせいただいても?」
第二弾「で、あなたが私に嫌がらせをする理由を伺っても?」
第三弾「で、あなたが彼に嫌がらせをする理由をお話しいただいても?」
どれも女性向けHOTランキングに入り、特に第二弾はHOT一位になることが出来ました!(*´▽`人)アリガトウ
もしよかったら宜しくお願いしますね!
公爵令嬢は結婚式当日に死んだ
白雲八鈴
恋愛
今日はとある公爵令嬢の結婚式だ。幸せいっぱいの公爵令嬢の前に婚約者のレイモンドが現れる。
「今日の結婚式は俺と番であるナタリーの結婚式に変更だ!そのドレスをナタリーに渡せ!」
突然のことに公爵令嬢は何を言われたのか理解できなかった。いや、したくなかった。
婚約者のレイモンドは番という運命に出逢ってしまったという。
そして、真っ白な花嫁衣装を脱がされ、そのドレスは番だという女性に着させられる。周りの者達はめでたいと大喜びだ。
その場所に居ることが出来ず公爵令嬢は外に飛び出し……
生まれ変わった令嬢は復讐を誓ったのだった。
婚約者とその番という女性に
『一発ぐらい思いっきり殴ってもいいですわね?』
そして、つがいという者に囚われた者の存在が現れる。
*タグ注意
*不快であれば閉じてください。
死に物狂いで支えた公爵家から捨てられたので、回帰後は全財産を盗んで消えてあげます 〜今さら「戻れ」と言われても、私は隣国の皇太子妃ですので〜
しょくぱん
恋愛
「お前のような無能、我が公爵家の恥だ!」
公爵家の長女エルゼは、放蕩者の父や無能な弟に代わり、寝る間も惜しんで領地経営と外交を支えてきた。しかし家族は彼女の功績を奪った挙句、政治犯の濡れ衣を着せて彼女を処刑した。
死の間際、エルゼは誓う。 「もし次があるのなら――二度と、あいつらのために働かない」
目覚めると、そこは処刑の二年前。 再び「仕事」を押し付けようとする厚顔無恥な家族に対し、エルゼは優雅に微笑んだ。
「ええ、承知いたしました。ただし、これからは**『代金』**をいただきますわ」
隠し金庫の鍵、領地の権利書、優秀な人材、そして莫大な隠し資産――。 エルゼは公爵家のすべてを自分名義に書き換え、着々と「もぬけの殻」にしていく。
そんな彼女の前に、隣国の冷徹な皇太子シオンが現れ、驚くべき提案を持ちかけてきて……?
「君のような恐ろしい女性を、独り占めしたくなった」
資産を奪い尽くして亡命した令嬢と、彼女を溺愛する皇太子。 一方、すべてを失った公爵家が泣きついてくるが、もう遅い。 あなたの家の金庫も、土地も、働く人間も――すべて私のものですから。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。
ズルいズルい星人もとい呪物の処分成功おめでとう(*´ω`*)
まあ!
お祝いのお言葉、嬉しいですわ。
ありがたく頂戴いたします。
それにしても"呪物"だなんて、あなた様も上手いことおっしゃいますわね。
うっかり所有者(お父様)ごと処分してしまいましたけれど笑
イザベラ
伯父様が「帰ってきた」ってありますけど……
隣国の侯爵で外務大臣なんですよね?
【他の国】から【隣国】に帰ってきた……でいいですか?
拙作をお読みいただき、ありがとうございます!
「仕事で外国に行っていて、つい先日戻って来てお母様の死を知ったのですって。~ちなみに伯父様は隣国の侯爵で、今は外務大臣なのだそうですわ。」の部分ですね。
はい、おっしゃる通りです。
説明不足で混乱させてしまい、申し訳ございません…。
ちょっと補足入れておきます。
コメントありがとうございました!