内弟子物語 ー捨てきれない夢、武術の究極「活殺自在」を求める5名の青春群像ー

藤堂慎人

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内弟子物語 第Ⅵ話 誘い11

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 道場から10分ほどのところに、黒田を含め7~8人集まっている。北島たちの報告を待っていたのだ。黒田としては、龍田に対して具体的にアクションを起こしたい気持ちだが、今、内弟子として武術を稽古中ということも知っている。だからこそすぐ乗り込むのではなく、昨日今日と、探りを入れていたのだ。昨日の話の段階では、集まっているメンバーだけでも大丈夫と踏んでいた。北島たちが来るまで、喧嘩自慢などをしながら時間をつぶしていた。
 そこに道場を覗いていた北島たちが合流した。黒田としてはこれから乗り込むことも含め考えていたが、北島たちの顔色が良くない。今一つ、これからやるぞ、といったものが見えないのだ。
「どうだった? 昨日様子を見てたやつらの話を聞くと、十分やれそうだけど…」
 黒田が北島たちの様子を見た上で言った。龍田たちの様子を見に行く前と比べて、明らかに戦意喪失していたからだ。
「今日、龍田たちの稽古を見ることができましたが、あれはちょっとやばいですよ。俺も龍田の喧嘩の強さは知っているけど、もうその時のレベルじゃない。今やったら、とてもかなわないですよ。それから龍田の仲間も目茶苦茶強そうで、先生みたいのを除くと4人しかいないけど、俺たちが全員で喧嘩してもたぶん負けると…」
 伏し目がちに、自信なさげに言った。
 その言葉が終わるか終わらないうちに、黒田が北島の顔面を殴った。その形相は怒りの塊で、北島のだらしなさが頭に来ていたのだ。また、現リーダーとして、他のメンバーを引き連れてN県から来ているため、おめおめと尻尾を巻いて帰るわけにはいかない、という事情もある。ワルにはワルなりのメンツがあるのだ。
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