159 / 174
内弟子物語 第Ⅶ話 解決15
しおりを挟む
藤堂の前に堀田、高山、龍田が並んで立った。試合前の注意のためだ。3人とも神妙な顔だ。
「さっきの黒田の口上がみんなにどう聞こえたか分からないが、私が見るところ、張りぼてみたいなもんだ。本当に強い奴というのは口には出さないし、相手が身構えるような威嚇行為をしない。だから勝敗の結果は分かっているが、なるべく怪我をさせたくない。早いうちに勝負をつけるように。防具を否定しているから、一応相手の言い分に乗った形でやるが、真の武道は条件を問わない。私が言おうとしていることは分かると思うが、しっかりやってくれ」
藤堂は静かに言った。内弟子たちの分があることは分かっているが、喧嘩ではないにしろ敵意を持った相手との戦いだ。そういう場合の意識と共に、熱くなりすぎないようにし、必要以上に相手にダメージを与えないよう、きちんと注意したのだ。
「何、ぐちゃぐちゃ喋っているんだよ。恐くなったなら、今『ゴメンナサイ』って言えば、許してやるよ」
黒田から嘲笑の台詞が出た。藤堂が3人に話している内容を勘違いしている。龍田は黒田の言葉にキッと睨み返したが、藤堂からたしなめられた。
「龍田君。落ち着きなさい。勝つ気でいるらしいが、始まったらだんだん言葉も少なくなるはずだ。今、挑発に乗るんじゃない」
「はい。分かりました」
龍田は頭を下げながら答えた。
「では、まずこちらは堀田君が出る。そちらは?」
藤堂が黒田たちに視線を向けて言った。
「じゃあ、こっちは大塚さんがいく。道場は板張りだから、投げられたら怪我だけじゃ済まないぞ。びびっても勘弁してやらねえぞ」
黒田が言った。横柄な態度はますますアップしていた。
「たしか、柔道だったな。では堀田君は防具は着けない。ただし、大塚君のために、手の防具だけは着けることにする」
「そんなのどうでもいい。さっさと始めようぜ」
威勢だけは一人前の黒田は、せっかくの藤堂の思いやりが理解できていない。もっとも、きちんと分かっていれば二度と現れることはなかっただろうから、やはりここはしっかり分からせることが大切と、藤堂は改めて思った。
「では、始める。勝敗はKOかギブアップということでいいな。審判は私がやる。文句はないな」
藤堂は確認するように言った。
「いいから早く始めろよ。依怙贔屓するなよ。俺たちもちゃんと見ているからな」
黒田は藤堂に対しても無礼な態度を取った。
内弟子たちの顔色が変わった。すぐにでもバトルロイヤル的な戦いが始まりそうな緊張感が漂った。
藤堂としては、もちろんそれは本意ではない。内弟子たちのほうを見て、右手を差し出し、内弟子たちが暴走しないよう止めた。
「さっきの黒田の口上がみんなにどう聞こえたか分からないが、私が見るところ、張りぼてみたいなもんだ。本当に強い奴というのは口には出さないし、相手が身構えるような威嚇行為をしない。だから勝敗の結果は分かっているが、なるべく怪我をさせたくない。早いうちに勝負をつけるように。防具を否定しているから、一応相手の言い分に乗った形でやるが、真の武道は条件を問わない。私が言おうとしていることは分かると思うが、しっかりやってくれ」
藤堂は静かに言った。内弟子たちの分があることは分かっているが、喧嘩ではないにしろ敵意を持った相手との戦いだ。そういう場合の意識と共に、熱くなりすぎないようにし、必要以上に相手にダメージを与えないよう、きちんと注意したのだ。
「何、ぐちゃぐちゃ喋っているんだよ。恐くなったなら、今『ゴメンナサイ』って言えば、許してやるよ」
黒田から嘲笑の台詞が出た。藤堂が3人に話している内容を勘違いしている。龍田は黒田の言葉にキッと睨み返したが、藤堂からたしなめられた。
「龍田君。落ち着きなさい。勝つ気でいるらしいが、始まったらだんだん言葉も少なくなるはずだ。今、挑発に乗るんじゃない」
「はい。分かりました」
龍田は頭を下げながら答えた。
「では、まずこちらは堀田君が出る。そちらは?」
藤堂が黒田たちに視線を向けて言った。
「じゃあ、こっちは大塚さんがいく。道場は板張りだから、投げられたら怪我だけじゃ済まないぞ。びびっても勘弁してやらねえぞ」
黒田が言った。横柄な態度はますますアップしていた。
「たしか、柔道だったな。では堀田君は防具は着けない。ただし、大塚君のために、手の防具だけは着けることにする」
「そんなのどうでもいい。さっさと始めようぜ」
威勢だけは一人前の黒田は、せっかくの藤堂の思いやりが理解できていない。もっとも、きちんと分かっていれば二度と現れることはなかっただろうから、やはりここはしっかり分からせることが大切と、藤堂は改めて思った。
「では、始める。勝敗はKOかギブアップということでいいな。審判は私がやる。文句はないな」
藤堂は確認するように言った。
「いいから早く始めろよ。依怙贔屓するなよ。俺たちもちゃんと見ているからな」
黒田は藤堂に対しても無礼な態度を取った。
内弟子たちの顔色が変わった。すぐにでもバトルロイヤル的な戦いが始まりそうな緊張感が漂った。
藤堂としては、もちろんそれは本意ではない。内弟子たちのほうを見て、右手を差し出し、内弟子たちが暴走しないよう止めた。
10
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
中1でEカップって巨乳だから熱く甘く生きたいと思う真理(マリー)と小説家を目指す男子、光(みつ)のラブな日常物語
jun( ̄▽ ̄)ノ
大衆娯楽
中1でバスト92cmのブラはEカップというマリーと小説家を目指す男子、光の日常ラブ
★作品はマリーの語り、一人称で進行します。
プール終わり、自分のバッグにクラスメイトのパンツが入っていたらどうする?
九拾七
青春
プールの授業が午前中のときは水着を着こんでいく。
で、パンツを持っていくのを忘れる。
というのはよくある笑い話。
美人生徒会長は、俺の料理の虜です!~二人きりで過ごす美味しい時間~
root-M
青春
高校一年生の三ツ瀬豪は、入学早々ぼっちになってしまい、昼休みは空き教室で一人寂しく弁当を食べる日々を過ごしていた。
そんなある日、豪の前に目を見張るほどの美人生徒が現れる。彼女は、生徒会長の巴あきら。豪のぼっちを察したあきらは、「一緒に昼食を食べよう」と豪を生徒会室へ誘う。
すると、あきらは豪の手作り弁当に強い興味を示し、卵焼きを食べたことで豪の料理にハマってしまう。一方の豪も、自分の料理を絶賛してもらえたことが嬉しくて仕方ない。
それから二人は、毎日生徒会室でお昼ご飯を食べながら、互いのことを語り合い、ゆっくり親交を深めていく。家庭の味に飢えているあきらは、豪の作るおかずを実に幸せそうに食べてくれるのだった。
やがて、あきらの要求はどんどん過激(?)になっていく。「わたしにもお弁当を作って欲しい」「お弁当以外の料理も食べてみたい」「ゴウくんのおうちに行ってもいい?」
美人生徒会長の頼み、断れるわけがない!
でも、この生徒会、なにかちょっとおかしいような……。
※時代設定は2018年頃。お米も卵も今よりずっと安価です。
※他のサイトにも投稿しています。
イラスト:siroma様
ツルギの剣
Narrative Works
青春
室戸岬沖に建設された海上研究都市、深水島。
舞台はそこに立つ女子校、深水女子高等学校から始まる。
ある日、深水女子高等学校の野球部に超野球少女が入部した。
『阿倍野真希』と呼ばれる少女は、ささいなことから本を抱えた少女と野球勝負をすることになった。
勝負は真希が勝つものと思われていたが、勝利したのは本の少女。
名前を『深水剣』と言った。
そして深水剣もまた、超野球少女だった。
少女が血と汗を流して戦う、超能力野球バトル百合小説、開幕。
※この作品は複数のサイトにて投稿しています。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
17歳男子高生と32歳主婦の境界線
MisakiNonagase
恋愛
32歳主婦のカレンはインスタグラムで20歳大学生の晴人と知り合う。親密な関係となった3度目のデートのときに、晴人が実は17歳の高校2年生だと知る。
カレンと晴人はその後、どうなる?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる