あなたの月 8月

渋谷かな

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こんにゃく斬りアップシステム

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「スライム斬りは在り来たりなので、こんにゃく斬り。」
 スライムの先祖はこんにゃくか!?
「この世界は、殺した人間の力を得ることができる。」
 この世界唯一の理。
「経験値を得る? 能力を得る? 魔法を使えるようになる? スキルを得る。」
 得るではなく、奪える? 奪取?

「おまえ・・・・・・殺したな!?」
「その力を得るために何人の人を殺したんだ!?」
 こういう場面になれば盛り上がるのだろう。

「全ての生き物には生まれてから今まで過ごしてきた時間がある。修行したり戦ったり、楽しいことも危ないことも経験してきただろう。スライムにも友達や家族がいる者もいるかもしれない。」
 命の一生を説き伏せるニワトリ師匠。
「師匠。」
 ニワトリ師匠の重い言葉が葉月の胸にしみこむ。
「よし! おまえの喜びも悲しみも全て、俺が受け止める!」
 葉月は相手の命を受け入れる覚悟を決めた。

「俺は一番強い侍になる!」
 これ葉月の夢。

「スライムを倒してみろ。」
「はい。」
 葉月とニワトリ師匠はスライムを倒しに来た。
「でやー!」
 葉月は神経を集中してスライムを斬る。
「ぷよぷよ。」
 しかし軟体なスライムを斬ることはできなかった。
「ダメだ!? こんなぷよぷよした奴、刀で切れるわけがないよ!?」
 葉月はスライムを来ることが出来なかった。
「いいか叩くんではない。斬るのだ。神経を集中すれば、ぷよぷよのスライムでも真っ二つに斬ることができる。」
 ニワトリ師匠は師匠らしく弟子を諭す。
「神経を集中すればか・・・・・・よし! やってやる!」
 葉月は神経を集中させて再チャレンジする。
「スライムを斬ると思うから斬れないんだ。何かスライムみたいなものをイメージすれば。」
 考え込む葉月。
「あった! こんにゃくだ! こんにゃくだと思えば斬れるはずだ!」
 スライムをこんにゃくと思うことを思いついた葉月。
「よし! いくぞ! 酉干支流奥義スライム斬り!」
 葉月はスライムを斬ることに成功した。
「やったー! 俺にもスライムが斬れたぞ!」
 喜び飛び跳ねる葉月。
「まあ、いい。だが、おまえのは我流こんにゃく斬りだ。」
 なんやかんやでニワトリ師匠は弟子の成長が嬉しかった。
「よし! スライムを斬りまくるぞ! キャッハッハー!」
 調子に乗った葉月はスライムが斬れたので、周辺に居そうなスライムを片っ端から斬りまくろうとする。
「やめい! スライムにも家族や子供がいるんだと言っておろうが! 下手に斬りまくると恨みを買うぞ!」
 ニワトリ師匠は葉月を制止する。
「父ちゃん! 必ず仇は取るよ!」
 時すでに遅し、斬ったスライムの子供の恨みを買った葉月。
「そうだな。確かに可哀そうだ。」
 葉月は優しいのでスライム狩りをやめる。
「葉月、おまえに褒美をやろう。」
「え!? なんかくれるの?」
 ニワトリ師匠が葉月にスライムを斬れた褒美をくれる。
「木刀!?」
 気の刀と書いて木刀だ。
「まだ子供のおまえには刀は危ない。よって普段は木刀を使うと良いじゃろう。木刀なら無駄な殺生をすることもない。」
 ニワトリ師匠の弟子を心配する親心であった。  
「ええー!? 木刀なんかいらな・・・・・・待てよ。こうすれば。」
 葉月は何かを思いついた。
「できた! 腰に刀2本差し! いざという時は二刀流! カッコイイ!」
 これからは木刀も使う、見た目重視の葉月であった。
 つづく。
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