あなたの月 8月

渋谷かな

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暑中見舞い

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「退屈だ。」
 地球神アースは退屈していました。
「なんでも思い通りって暇だな。ここはゲームでもして遊ぼうか。」
 神様は下界にいる人間の生活を覗き見て暇つぶししていた。
「ひ弱な人間が藻掻き苦しむ姿を見て楽しむか。」
 この神様は悪趣味であった。

「うえーん!」
 舞台は普通に異世界ファンタジーの中世ヨーロッパ風な感じ。
「王子! アース王子! 泣かないでください!」
 この物語の主人公は、神様と同じ名前のアース王子。
「だって、転んで痛いんだもの!」
 これでもアース王子は16歳。
「はあ・・・・・・こんなんが王子じゃ、この国の将来が心配だ。」
 王子の情けなさに国の将来を心配する執事。

「ダメだ!?」
 ここで神様がキレる。
「異世界ファンタジーを始めようと思うと、異世界の名前、主人公の住んでいる国の名前、主人公の名前、その父、母の名前、今回は王子の執事の名前。現状だけでも、それだけのモノを設定しなければ、異世界ファンタジーの物語を書くことができない。」
 神様の怒りは、物語を書こうというやる気を萎えさせる。
「掛け合い漫才系の今時の同じことの繰り返し系の物語でない限り、新しいキャラクターは恐ろしく増える。全て管理はできない。」
 殺して減らすしかない。
「そうだ。実際の世界のフィクションにしよう。」
 そうすれば何も考えなくていい。
「舞台をイギリスにしよう。」
 日本と同じ島国だもの。何とかなる!
「そうか。それでイギリスの地図を見ていたのか。」
 一夜明けて。
「やはり舞台は日本だな。」
 結論。イギリスのことはよく分からない。都市の名前、世界遺産。まあ、それぐらい抑えればいいのだが、地図を見ても、どこに何があるのか分からない。ロンドンがここにあるっと初めて知ったくらいだ。ビックベンは知ってても、それだけじゃイギリスは分からない。今後の課題だな。
「現代の日本の地名で異世界ファンタジーすればいいのではないだろうか?」
 おもろい発想だ。ただ手抜きしたいだけなのかもしれないが。
「まとめろ! まとめろ!」
 あと400字で10万字達成だ。構想を練るだけで進まねえ。納得のできる作品なんてできねえ。なら、面白おかしく書いた方が勝ちなのか? ファミ通コンの中間突破策の数々、読んでも面白いと思わねえ。しかも大量にポイントが入るほど人数いないし。
「これ全てまとめろ!」
 自分の書きたいように書く! ただそれだけだ。
「ハリーポッターが異世界に行く理由。」
 新しい作品のタイトル。まあ、全てハリーポッターという検索ワードにおんぶにだっこの便乗だ。最低は最高であり、悪は善。パクリはリスペクトに転換され、世の中には似たような作品ばかり。今の変な作品を見て育つ子はどう成長するんだろう? いじめ、暴力、ノーモラル、今より10年後はもっと終わってるんだろうな、日本って。 

「縁側で飲むお茶はほっこりしますな。」
「コケッ。」
(やはりお茶は日本茶ですな。)
 そして綺麗にほっこりする。
「おや、なんだろう。あまりにもお茶が美味し過ぎて涙が出てくる。」
「コケッ。」
(じんわりしますな。)
 葉月&チキン。
 おしまい。
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