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切ない別れ4
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「よう、奈良。」
「悪いな。呼び出して。」
「いいよ、いいよ。バイトまで時間があるから。」
俺は卒業論文のテーマの別れについて、ゼミの仲間である尾羽洋が、どう考えているのかを聞いてみたくて、ファミレスで会って話を聞くことにした。
「もうすぐ大学も卒業すると思うと切ないな。」
「そうだな。これで学生とも、お別れだ。気楽に遊べなくなるな。」
「おまえは遊ぶことばっかりだな。そんなんだから就職先が決まらないんだ。」
「そうかもな。」
洋は、チャラいというか、物事を難しく考える性格ではなかった。その場凌ぎというか、勢いというか、今日が楽しければ、それで良い。そんな感じの人生を送っているように見られる。
「おまえにとって、別れってなんだ?」
「新しい出会いだ。俺にとって別れは新しい女と出会うチャンス。」
「聞いた俺が悪かったよ。」
洋は付き合う女をコロコロ変える。きっと小学校や中学校から、無責任な遊び人として、たくさんの女性が犠牲になったのだろう。そういえば、大学でも洋の被害にあい人生を踏み外した女は多い。
「でも、あれだ。もし就職することができたら、今の彼女と結婚しようと思っている。」
「え? ええー!? どうした!? 頭でも打ったのか!?」
「馬鹿。俺は正常だ。」
「おまえ結婚するのか!? 急にどうした!?」
「今まで遊んできたから、そろそろ疲れたんだ。もう女も一人でいいよ。」
意外だった。まだ22才の健全な遊び人の健全な男が、遊び人を卒業したいという。俺は洋の心境の変化が理解できなかったし、これまで、こんな軽薄な男に言い寄られ、自分を傷つけてしまった可哀そうな女達はどうなる? 洋だけが幸せになって許されるていいのだろうか?
「実は、俺と千和は大学に入学した頃に付き合っていたんだ。」
「え?」
「千和が結婚するって聞いて、俺なりに後悔したんだ。もし俺が大学の4年間、千和とだけ付き合っていれば、俺が千和と結婚できたのかな~ってな。」
「へ~え、そうなのか。」
「もうガキじゃないから、時間の流れが早く感じるな。女がたくさんいても、なんか結婚しとかないと、死ぬまで一人ぼっちかもしれないと怖くなったんだ。」
洋は、たくさんの女たちとの別れから精神的に歳をとった。考え方が調子に乗った考え方ではなく、保守的に守りに入った。
「別れからの結婚か。」
俺は平然を装いながらも、初めて知った洋と千和が付き合っていたという事実に衝撃を受けていた。俺は、そんなことも気づかずに4年間、二人と接していた自分を不甲斐ないと実感していた。
つづく。
「悪いな。呼び出して。」
「いいよ、いいよ。バイトまで時間があるから。」
俺は卒業論文のテーマの別れについて、ゼミの仲間である尾羽洋が、どう考えているのかを聞いてみたくて、ファミレスで会って話を聞くことにした。
「もうすぐ大学も卒業すると思うと切ないな。」
「そうだな。これで学生とも、お別れだ。気楽に遊べなくなるな。」
「おまえは遊ぶことばっかりだな。そんなんだから就職先が決まらないんだ。」
「そうかもな。」
洋は、チャラいというか、物事を難しく考える性格ではなかった。その場凌ぎというか、勢いというか、今日が楽しければ、それで良い。そんな感じの人生を送っているように見られる。
「おまえにとって、別れってなんだ?」
「新しい出会いだ。俺にとって別れは新しい女と出会うチャンス。」
「聞いた俺が悪かったよ。」
洋は付き合う女をコロコロ変える。きっと小学校や中学校から、無責任な遊び人として、たくさんの女性が犠牲になったのだろう。そういえば、大学でも洋の被害にあい人生を踏み外した女は多い。
「でも、あれだ。もし就職することができたら、今の彼女と結婚しようと思っている。」
「え? ええー!? どうした!? 頭でも打ったのか!?」
「馬鹿。俺は正常だ。」
「おまえ結婚するのか!? 急にどうした!?」
「今まで遊んできたから、そろそろ疲れたんだ。もう女も一人でいいよ。」
意外だった。まだ22才の健全な遊び人の健全な男が、遊び人を卒業したいという。俺は洋の心境の変化が理解できなかったし、これまで、こんな軽薄な男に言い寄られ、自分を傷つけてしまった可哀そうな女達はどうなる? 洋だけが幸せになって許されるていいのだろうか?
「実は、俺と千和は大学に入学した頃に付き合っていたんだ。」
「え?」
「千和が結婚するって聞いて、俺なりに後悔したんだ。もし俺が大学の4年間、千和とだけ付き合っていれば、俺が千和と結婚できたのかな~ってな。」
「へ~え、そうなのか。」
「もうガキじゃないから、時間の流れが早く感じるな。女がたくさんいても、なんか結婚しとかないと、死ぬまで一人ぼっちかもしれないと怖くなったんだ。」
洋は、たくさんの女たちとの別れから精神的に歳をとった。考え方が調子に乗った考え方ではなく、保守的に守りに入った。
「別れからの結婚か。」
俺は平然を装いながらも、初めて知った洋と千和が付き合っていたという事実に衝撃を受けていた。俺は、そんなことも気づかずに4年間、二人と接していた自分を不甲斐ないと実感していた。
つづく。
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