精霊さんと一緒にスローライフ ~異世界でも現代知識とチートな精霊さんがいれば安心です~

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第068話 注文が入りました

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 暫く待っていると、扉の開く音が響き。

 にんまり笑顔のダリーヌさんの登場だ。

 うん、ちょっと怖い。

 というか、この短時間で領主の関係者と意思疎通が出来るのが怖い。

 どんなコネやねん。

 まぁ、庶民派代表みたいな立ち位置で政商みたいな事をやっていれば、大丈夫なのかな。

 そんな事を考えながら、報告を受ける事に。

「おめでとう。大絶賛さね」

 磨き抜かれた民芸コンロ用の枠、ケースは認められたようで。

 この世界、黒光りしたものといえば、黒曜石のようなものしかないらしく。

 非常に目を引くし、見目も麗しいという事で。

 金属器の下に敷いても、輝く黒が覗く感じが上品と評判になったらしい。

 取りあえず、文化的に受け入れてもらえて良かった。

 地味とまでは言われないにしても、黒があまり好きじゃない文化とかもあるので。

 そこはちょっと気にはしていた。

 で、民芸コンロそのものに関してだけど。

 ダリーヌさんから幾つか預かって、領主側でも試験を行っていたそうで。

 結論から言えば、十分に使用に足ると。

 いうか、今後の晩餐には欠かせないアイテムとなるだろう事を報告された。

 となると、量産を考えないといけないのだが。

 そこで一つ契約を結びたいと。

 出来れば、こういう秘策は広めたくない。

 なので、専属契約を結ばないかと。

 ちなみに、どばんっとセンセーショナルな部分を表に出して交渉してきているので囲い込みかと思いがちだけど。

 これ、利点もありまして。

 要は他のお偉いさんからの圧力を受けないように窓口業務を請け負うよというのもセットになっているのです。

 これ、結構影響が大きくて。

 実は、お偉いさんも民芸コンロの噂は聞いているので。

 虎視眈々と入手を狙っているそうなのです。

 でも、ダリーヌさんは手強いし、領主にかけあうのもどやねんと。

 で、現状は諦めているそうなのですが。

 数を納品しだすと、わらわらその辺りが湧いてきそうなのですよ。

 なので、それを牽制してくれると。

 個人的には渡りに船なので、その契約を飲む旨お伝えする事に。

 後は、ハンドクリームを納品しながらどこまで情報を持っているか、御用聞き兼スパイをすれば良いかなと。

 という訳で、無事民芸コンロさんは日の目を見る事となりました。

 問題は、漆の継続的な生産なのですよ。

 樹液はまだしも、鉄粉に関しては精霊さん任せなので。

 鉄粉を大量にストックすればという話なんですが、やつは酸化する時に熱を出しまして。

 鉄粉状態で保管すると、間違いなく事故が起きるんです。

 中々難しいなと思いながら、お偉いさん方の御用聞きを済ませ、本日のハイライト。

 鍛冶屋さんに赴く事にしました。

 いやぁ、やっとです。

 そこそこお金が貯まりましたので、十分維持出来るなと。

 フレッド君も頑張っていますし、ここでもう一つ産業の柱が生まれてくれると嬉しいなと。

 市場でいつもお世話になっている親方のお店に、レッツゴーです。

 てくてく。
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