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第十五章「王女殿下のクエスト」(3)
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3
「少しは落ち着いたか?」
「は、はい……。お騒がせいたしました」
どこからともなくやってきた王女殿下の侍女が淹れてくれた紅茶を飲みながら、僕は答えた。
侍女は王女殿下と僕に一礼すると、馬車を出ていった。
「今までの話は、本題ではないのだ。雑談にすぎぬ」
「ええええ」
あぶない、王女殿下の前でメルみたいに紅茶を噴き出すところだった。
王女殿下、もう僕はおなかいっぱいです。
これ以上ヘビーな話はもう無理です……。
ユリーシャ王女殿下に言われるまま腰のベルトに佩剣した漆黒の美しい軍刀をちらりと見ながら、僕は思った。
「そなたと同学であるジルベール公爵を知っているな?」
「あ、はい」
「どう思う?」
「すげぇ嫌いです」
「ぷっ、はは!! あっはっはっはっは!!!」
今まで見たことがないレベルでユリーシャ王女殿下が爆笑した。
王宮の人がこんなユリーシャ王女殿下を見たらきっとびっくりするに違いない。
「はぁぁぁ、笑った……、ここ数年で一番笑ったわ……」
笑いすぎて出た涙を絹のハンカチで拭きながら、ユリーシャ王女殿下が言った。
「そなたの形式上の返答を聞いた上で、『よいから、本音で話せ』と言う予定であったのだが、まさかいきなり本音を申すとは……ふふっ、あはははっ!!」
「申し訳ありません。つい反射的に」
「かまわぬ。私も好かん」
ユリーシャ王女殿下がきっぱりと言い放った。
「王宮であの男は鷹の貴公子などと呼ばれておるが、私はそうは思わぬ。奴からは野犬のはらわたのようなニオイがする。とても耐えられるものではない」
「そ、そんな体臭が……」
「ばかもの。物のたとえだ」
ユリーシャ王女殿下が僕の頭をぽこっと叩いてツッコんだ。けっこう痛い。
人をここまで悪し様に言っていても、その美しさがまったく損なわれないのだからすごいと思う。
「父親が偉大だから、屈折してしまうのかもしれませんね」
僕はユキが夢中になって話していた内容を思い出した。
世界でただ1つの唯一職業、君主の資格を持つ大公、ジルベール大公。
その息子であるという重圧と責任の重さは、ちょっと僕には想像できない。
「私はそうではないと思う」
ユリーシャ王女は眉を寄せながら言った。
「親も親なら、子も子である、というのが私の認識だ」
「そうなんですか。級友の話だとたいそう立派な人物であると聞いていたのですが」
「いずれ会うこともあるだろうから、その時にそなた自身の目で確認するがよい」
「はい」
ユリーシャ王女殿下は、そこで少しためらうようにしてから、言った。
「私とジルベール公爵は、婚姻を結ぶことになっている」
「ええ」
「……なんだ、少しはガッカリしないのか」
「いえ、彼から聞きましたので」
「まったく……、面白くもない話をぺらぺらと……」
眉根を不機嫌にぴくぴくさせながら、ユリーシャ王女殿下が悪態を吐いた。
「そなたは、私が奴と結婚することを、どう思う?」
「そうですね。彼はとりあえず良い王になるのではないかとは思います」
「ほう」
ユリーシャ王女殿下は興味深そうに僕の顔を見る。
「詳しく申してみよ」
「はい。彼は権力というものを理解し、自分がそれを行使することにためらいがありません。それは横で見ていて決して気持ちの良いものではないですが、王の資質として必要なものなのかもしれないとは思います」
「だが、あの男には思いやりというものがない。すべて自分のためだ。民草の声を大事にするとはとても思えぬ」
「必要でしょうか?」
「何?」
ユリーシャ王女殿下が、きょとん、とした顔をして、紅玉の瞳をこちらに向けた。
「彼が大事にしているのは、王女殿下が仰るとおり自身の名声だけだと思います。愚王として歴史に名を残すのは彼自身の矜持が許さないでしょうから、彼のプライドとその知能があれば、心から民草の声に耳を傾けなくてもそこそこ善政を敷こうとするでしょうし、またそうなるでしょう」
「ふふ、そなたは面白い。『すげぇ嫌い』と言い放った相手をそこまで評価するか」
閉じていた扇子を開いて、王女殿下がけらけらと笑う。
「だから嫌いなんです。僕なんかにこだわらずに、王の道に進むことだけを考えていればいいのに」
「それでは、そなたはジルベール公爵が王になることを望むのか?」
「いえ、まったく望みません」
「彼が王になれば善政を敷くのにか?」
「ひとつには、あいつとユリーシャ王女殿下が腕を組んで王宮のバルコニーから出てきたらと思うと胸糞が悪くなるので、多少愚王だとしても別が良いです」
「な……、そ、それで、他には?」
「私は『とりあえず良き王になる』と申し上げました。いずれ愚王になります」
「それは……なぜじゃ?」
「彼には見た目ほどのカリスマ性がありません。ご本人を前にして申し上げるのもアレですが、ユリーシャ王女殿下のカリスマ性はものすごい」
「ふふ、よくわかっておるではないか」
王女殿下が僕の頭をごしごしとなでた。
「彼のプライドの高さはやがてそのカリスマの差を許さなくなるでしょう。学校で僕のような小者にいちいちちょっかいをかけてくるような彼のままならば必ず、そうなると思います」
「自身の格を引き上げる存在だったのが、やがて私をうとましく感じ、最終的には敵と見なすか……」
「その前にユリーシャ王女殿下を深く愛するようになれば、その未来は変わると思いますが」
「そうなると思うか?」
「それは僕にはわかりませんが、あまり想像したくはないです」
そう答えると、王女殿下は何も言わずに扇で口元を隠した。
「私は美しい」
「はい」
「私は美しすぎて、まるで女神の化身であるかのように崇拝される。裏を返せば、女としての魅力に欠けるということだ」
「魅力……」
つまり、俗っぽく言えば、美人すぎて性の対象として見れないということだろうか。
(そうかな)
僕は心の中でつぶやいた。
(僕はわりと、王女殿下を見ていてムラムラするけどな)
「……それはな、まつおさん。そなたが王族や貴族など屁とも思っておらんからだ」
「へ?」
頬をほんのり紅くしながら、ユリーシャ王女殿下が言った。
「お、王女殿下、ま、まさか心の中を……」
「……少しだけなら読める」
オーマイガー!!!!
僕は額からだらだらと汗を流した。
それはつまり、ヴァイリスの王女様に向かって「見ていてすっげぇムラムラします」って言ってしまったということと同然……。
打首。
打首だ。
「こ、こほん、……そなたに命ずる」
「は、ははっ!」
ユリーシャ王女殿下が咳払いをして、扇を前に突き出した。
な、何を言われるんだろう。
(切腹いたせ! とかだったらどうしよう)
「切腹……」
「ひえっ!!」
「ぷっ……違うわ、お前の心を読んだだけだ」
「び、びっくりしたぁ」
「今年もまもなく、若獅子祭があるのは知っているな?」
「あ、はい。詳しくは知りませんが、毎年Aクラスが優勝しているとか」
「その通りだ。若獅子祭で優勝したクラスの最優秀生徒には、若獅子の称号が与えられる」
「はい」
「そして、歴代のヴァイリス王はほぼ例外なく、若獅子の称号を持っておる。いずれ百獣王たる獅子、すなわち王になるということを広く民に示すためだ」
なるほど。
若獅子という言葉にはそんな意味があったのか……
「ジルベール公爵は若獅子となり、内外ともに次期国王候補たることを示したのち、私との婚姻を進めるつもりだ。そうなってしまってからでは、私でも止めようがない」
「若獅子になるというのは、ヴァイリス王国にとってそれほど重いものなのですか?」
「ジルベール大公は王たる権威と実力を持ちながら、若獅子になれなかったが故に王になれなかった……といえば、そなたにもわかるのではないか?」
「あ……」
わかってしまった。
入学以来、真ジルベールから向けられた敵意と警戒心も。
ヴァイリス士官学校創立34年の間でたった一度だけAクラスが優勝できなかった。
その時のAクラス生徒がジルベール大公だったのだとしたら、この親子にとって、次回の若獅子祭での優勝は宿願だ。
どんな手を使ってでも優勝しようとするだろう。
「改めて、そなたに命じる」
「ま、まさか……」
「若獅子祭で優勝し、若獅子の称号を取れ」
「!!!!!」
ユリーシャ王女殿下が紅玉の瞳で僕のことを真っ直ぐに見て、言った。
「私を奪ってみせよ。まつおさん」
「少しは落ち着いたか?」
「は、はい……。お騒がせいたしました」
どこからともなくやってきた王女殿下の侍女が淹れてくれた紅茶を飲みながら、僕は答えた。
侍女は王女殿下と僕に一礼すると、馬車を出ていった。
「今までの話は、本題ではないのだ。雑談にすぎぬ」
「ええええ」
あぶない、王女殿下の前でメルみたいに紅茶を噴き出すところだった。
王女殿下、もう僕はおなかいっぱいです。
これ以上ヘビーな話はもう無理です……。
ユリーシャ王女殿下に言われるまま腰のベルトに佩剣した漆黒の美しい軍刀をちらりと見ながら、僕は思った。
「そなたと同学であるジルベール公爵を知っているな?」
「あ、はい」
「どう思う?」
「すげぇ嫌いです」
「ぷっ、はは!! あっはっはっはっは!!!」
今まで見たことがないレベルでユリーシャ王女殿下が爆笑した。
王宮の人がこんなユリーシャ王女殿下を見たらきっとびっくりするに違いない。
「はぁぁぁ、笑った……、ここ数年で一番笑ったわ……」
笑いすぎて出た涙を絹のハンカチで拭きながら、ユリーシャ王女殿下が言った。
「そなたの形式上の返答を聞いた上で、『よいから、本音で話せ』と言う予定であったのだが、まさかいきなり本音を申すとは……ふふっ、あはははっ!!」
「申し訳ありません。つい反射的に」
「かまわぬ。私も好かん」
ユリーシャ王女殿下がきっぱりと言い放った。
「王宮であの男は鷹の貴公子などと呼ばれておるが、私はそうは思わぬ。奴からは野犬のはらわたのようなニオイがする。とても耐えられるものではない」
「そ、そんな体臭が……」
「ばかもの。物のたとえだ」
ユリーシャ王女殿下が僕の頭をぽこっと叩いてツッコんだ。けっこう痛い。
人をここまで悪し様に言っていても、その美しさがまったく損なわれないのだからすごいと思う。
「父親が偉大だから、屈折してしまうのかもしれませんね」
僕はユキが夢中になって話していた内容を思い出した。
世界でただ1つの唯一職業、君主の資格を持つ大公、ジルベール大公。
その息子であるという重圧と責任の重さは、ちょっと僕には想像できない。
「私はそうではないと思う」
ユリーシャ王女は眉を寄せながら言った。
「親も親なら、子も子である、というのが私の認識だ」
「そうなんですか。級友の話だとたいそう立派な人物であると聞いていたのですが」
「いずれ会うこともあるだろうから、その時にそなた自身の目で確認するがよい」
「はい」
ユリーシャ王女殿下は、そこで少しためらうようにしてから、言った。
「私とジルベール公爵は、婚姻を結ぶことになっている」
「ええ」
「……なんだ、少しはガッカリしないのか」
「いえ、彼から聞きましたので」
「まったく……、面白くもない話をぺらぺらと……」
眉根を不機嫌にぴくぴくさせながら、ユリーシャ王女殿下が悪態を吐いた。
「そなたは、私が奴と結婚することを、どう思う?」
「そうですね。彼はとりあえず良い王になるのではないかとは思います」
「ほう」
ユリーシャ王女殿下は興味深そうに僕の顔を見る。
「詳しく申してみよ」
「はい。彼は権力というものを理解し、自分がそれを行使することにためらいがありません。それは横で見ていて決して気持ちの良いものではないですが、王の資質として必要なものなのかもしれないとは思います」
「だが、あの男には思いやりというものがない。すべて自分のためだ。民草の声を大事にするとはとても思えぬ」
「必要でしょうか?」
「何?」
ユリーシャ王女殿下が、きょとん、とした顔をして、紅玉の瞳をこちらに向けた。
「彼が大事にしているのは、王女殿下が仰るとおり自身の名声だけだと思います。愚王として歴史に名を残すのは彼自身の矜持が許さないでしょうから、彼のプライドとその知能があれば、心から民草の声に耳を傾けなくてもそこそこ善政を敷こうとするでしょうし、またそうなるでしょう」
「ふふ、そなたは面白い。『すげぇ嫌い』と言い放った相手をそこまで評価するか」
閉じていた扇子を開いて、王女殿下がけらけらと笑う。
「だから嫌いなんです。僕なんかにこだわらずに、王の道に進むことだけを考えていればいいのに」
「それでは、そなたはジルベール公爵が王になることを望むのか?」
「いえ、まったく望みません」
「彼が王になれば善政を敷くのにか?」
「ひとつには、あいつとユリーシャ王女殿下が腕を組んで王宮のバルコニーから出てきたらと思うと胸糞が悪くなるので、多少愚王だとしても別が良いです」
「な……、そ、それで、他には?」
「私は『とりあえず良き王になる』と申し上げました。いずれ愚王になります」
「それは……なぜじゃ?」
「彼には見た目ほどのカリスマ性がありません。ご本人を前にして申し上げるのもアレですが、ユリーシャ王女殿下のカリスマ性はものすごい」
「ふふ、よくわかっておるではないか」
王女殿下が僕の頭をごしごしとなでた。
「彼のプライドの高さはやがてそのカリスマの差を許さなくなるでしょう。学校で僕のような小者にいちいちちょっかいをかけてくるような彼のままならば必ず、そうなると思います」
「自身の格を引き上げる存在だったのが、やがて私をうとましく感じ、最終的には敵と見なすか……」
「その前にユリーシャ王女殿下を深く愛するようになれば、その未来は変わると思いますが」
「そうなると思うか?」
「それは僕にはわかりませんが、あまり想像したくはないです」
そう答えると、王女殿下は何も言わずに扇で口元を隠した。
「私は美しい」
「はい」
「私は美しすぎて、まるで女神の化身であるかのように崇拝される。裏を返せば、女としての魅力に欠けるということだ」
「魅力……」
つまり、俗っぽく言えば、美人すぎて性の対象として見れないということだろうか。
(そうかな)
僕は心の中でつぶやいた。
(僕はわりと、王女殿下を見ていてムラムラするけどな)
「……それはな、まつおさん。そなたが王族や貴族など屁とも思っておらんからだ」
「へ?」
頬をほんのり紅くしながら、ユリーシャ王女殿下が言った。
「お、王女殿下、ま、まさか心の中を……」
「……少しだけなら読める」
オーマイガー!!!!
僕は額からだらだらと汗を流した。
それはつまり、ヴァイリスの王女様に向かって「見ていてすっげぇムラムラします」って言ってしまったということと同然……。
打首。
打首だ。
「こ、こほん、……そなたに命ずる」
「は、ははっ!」
ユリーシャ王女殿下が咳払いをして、扇を前に突き出した。
な、何を言われるんだろう。
(切腹いたせ! とかだったらどうしよう)
「切腹……」
「ひえっ!!」
「ぷっ……違うわ、お前の心を読んだだけだ」
「び、びっくりしたぁ」
「今年もまもなく、若獅子祭があるのは知っているな?」
「あ、はい。詳しくは知りませんが、毎年Aクラスが優勝しているとか」
「その通りだ。若獅子祭で優勝したクラスの最優秀生徒には、若獅子の称号が与えられる」
「はい」
「そして、歴代のヴァイリス王はほぼ例外なく、若獅子の称号を持っておる。いずれ百獣王たる獅子、すなわち王になるということを広く民に示すためだ」
なるほど。
若獅子という言葉にはそんな意味があったのか……
「ジルベール公爵は若獅子となり、内外ともに次期国王候補たることを示したのち、私との婚姻を進めるつもりだ。そうなってしまってからでは、私でも止めようがない」
「若獅子になるというのは、ヴァイリス王国にとってそれほど重いものなのですか?」
「ジルベール大公は王たる権威と実力を持ちながら、若獅子になれなかったが故に王になれなかった……といえば、そなたにもわかるのではないか?」
「あ……」
わかってしまった。
入学以来、真ジルベールから向けられた敵意と警戒心も。
ヴァイリス士官学校創立34年の間でたった一度だけAクラスが優勝できなかった。
その時のAクラス生徒がジルベール大公だったのだとしたら、この親子にとって、次回の若獅子祭での優勝は宿願だ。
どんな手を使ってでも優勝しようとするだろう。
「改めて、そなたに命じる」
「ま、まさか……」
「若獅子祭で優勝し、若獅子の称号を取れ」
「!!!!!」
ユリーシャ王女殿下が紅玉の瞳で僕のことを真っ直ぐに見て、言った。
「私を奪ってみせよ。まつおさん」
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