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第十八章「決起集会」(4)
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4
『まつおさん、今大丈夫?』
僕を裸絞で絞め落として、ぷりぷり怒ってお帰りになられたユリーシャ王女殿下の馬車を見送ると、魔法伝達が入った。
『あ、うん、大丈夫だよ』
ミヤザワくんだった。
勉強熱心なミヤザワくんはつい最近、僕が相手なら魔法伝達の双方向通信ができるようになったのだ。
『エタンの面会、終わったよ。今そっちに向かってるとこ』
『大丈夫だった? 看守さんたちからいじめられてなかった?』
『うん。エタンは子爵家で官僚の息子だし、重要犯罪者ってことになってるから、むしろ丁重に扱われてるって言ってた』
『大公に口封じで狙われる可能性はありそう?』
僕はミヤザワくんに尋ねた。
支配の王笏の力による強制力は催眠より強力だけど、相手の記憶までコントロールできるわけじゃない。
エタンを事故に見せかけて殺すことぐらい、ジルベール大公にとっては簡単なことだ。
そう思って、ユリーシャ王女殿下に頼んで密かに護衛をつけてもらってはいるけど……。
『その心配はないと思うって言ってた。ジルベール親子は自分がまつおさんのことを心の底から憎んでいると思ってるって。それから……大公が直々に面会に来たって』
『なるほど。支配の王笏を使ったのか』
ゲス野郎め。
『うん。王笏を取り出して、取調べで何も話すなって。ジルベール公爵とユリーシャ王女の婚姻が決まったら、望み通りまつおさんは必ず失脚させるから、その後のことは悪いようにはしないって』
用心深い男だと思っていたけど、油断したな。
『取調べで何も話すな』じゃなくて『誰にも話すな』って言っておけば、この話がミヤザワくんの耳に届くことはなかっただろうに。
『よかったよかった。僕が失脚していないうちはまだ利用価値があるってことか』
『そうみたい。まつおさんが王女殿下にエタンの無実を説明したって言ったらビックリしてたよ。王笏のことを知っていてその犯行を見抜いていたことも驚きだし、事情を信じてもらえるわけないと思ってたし、理由がどうであれ、決して許してもらえないことをしてしまったって』
『説明してくれたんだよね?』
『うん。魔法毒の効果を説明して、まつおさんに預かった成績表を見せて心配いらないよって言ったらビックリしてた』
僕の不本意な成績表は、不本意ながらけっこういろんな場面で役に立つ。
だからくしゃくしゃになっているのに、まだ捨てられないでいる。
『また恥が増えてしまった……』
『ううん、逆にすごく感心してたよ。何の技能の後ろ盾もないのに、ゾフィアとの試合をやったりジルベール公爵と渡り合ったりしてたんだって』
『い、いや……ズルしたり運がよかったり、あまりにも弱すぎて向こうが勝手に勘違いしてるだけなんだけど』
自分で言ってて悲しくなってきた。
『それよりミヤザワくん、遅くまでおつかれさま。ミヤザワくんの好きなヒメマス、釣りたてのやつを残してあるから、早く帰っておいで。たくさんのお刺身と塩焼き、どんぶりにたっぷりの絶品イクラが君を待っている』
『わー!!本当に?! やったー!!』
ヒメマスはとっても美味しい魚だけど、鮮度が落ちるのが早い。
お肉が苦手なミヤザワくんのために、ヒメマスや他のお魚をとっておいたのだ。
「さて、僕もそろそろ、宴会に戻らないと」
ユリーシャ王女殿下に落とされたままの姿勢でミヤザワくんとの通信を終えた僕が起き上がろうとすると、こちらに向かってくる足音が聞こえた。
「……見ちゃってたの、おっつぁん」
「さっきおったのは、王女様じゃろ?」
ソリマチ隊長がこちらに近づいてきた。
「前に王宮でちらっとお見かけしたことがあるけん見覚えがあったんじゃけど、あんなやんちゃごじゃとは知らんかったわ」
「はは、おかげで死ぬかと思ったよ」
「あんたタダモンじゃねぇとは思うちょったけどな、まさか王女様とあげん仲良うやっちょるとは」
僕が寝そべっている石畳に座り込むと、ソリマチ隊長は腰に差していた煙管を取り出した。
腰袋から刻みたばこを摘みとって器用に丸めてキセルに詰めると、手慣れたしぐさで着火して煙を吸った。
「他のモンには言わんけぇ安心してごせや。王女様がお出ましとあっちゃ、あんたが言うちょった通り、かしこまって萎縮しよるけんな」
「そんなとこから話聞いてたの……」
す~、と紫の煙を吐き出してから、ソリマチ隊長がぼんやりとした顔で言った。
「あんたは最初から勝つつもりがないんじゃろう思うちょった。だけん、ウチらみてぇなんを呼んで、訓練もせんとだらみてぇにはしゃいじょるんやなって」
肉と魚の焼ける匂いに混じって、刻みたばこの煙が漂ってくる。
僕の鼻孔に残っていたユリーシャ王女殿下の香りを返してほしい。
「だども、あんたの周りの若ぇ連中を見ちょって思った。あいつらの目はだれんだい濁っちょらん。あんたのことを信じきっちょる目じゃった」
ソリマチ隊長は僕の顔をじっと見つめた。
「……あんた、勝つつもりなんじゃろ」
「うん」
僕は即答する。
「『西部辺境警備隊』っちゅう、がいな名前をもろちょるけど、300年戦争もないけん、警備するもんなぞなんもありゃせん。見知った顔しかおらんけ泥棒も入らん。家に鍵かけとるモンなんぞ金貸しぐらいしかおらんけんな」
「のどかなんだねー。いいなぁ」
「のどかってなモンじゃねぇよ、田舎、ど田舎よ。挨拶もせんと勝手に他所ん家上がって、収穫した野菜の余りやら魚やらを置いていく、戦時中はどうじゃったかわからんけど、そんな暮らしをひいじいさん、ひいばあさんぐらいの頃から続けちょる」
「勝手に持っていくんじゃなくて、勝手に置いていくんだ。すごいな」
「じゃから、兵士いうても名ばかりじゃ。わしも隊長なんて言われちょるけど、槍握っちょる時間より鍬握っちょる時間の方がよっぽど長いけんな。そんなもんよ」
そこまで言って、ソリマチ隊長はす~、と煙を吐いた。
「だけん、何をどう間違うてワシらを使おうと思うたんかは正直、さっぱりわからん」
「……」
「けども、ワシらじゃなきゃ勝てん、そう思うた言うことじゃろ?」
「そうだよ。だから僕はおっつぁん達を選んで、宴会を開いたんだ」
「それよ、それもわからん。それでなくても勝てんのに、なして訓練せんとね」
「あのさ、おっつぁん」
僕は空を見上げたまま、言った。
広大なコバルトブルーの空に浮かぶ、雄大な白い雲。
伯爵領から見上げる空はとても美しい。
「A組ってのはさ、上級貴族たちのクラスなわけ。おぼっちゃんって言っても、士官学校に入るような連中は子供の頃から剣技や魔法の英才教育を受けてたりすんの。A組ほどじゃないけどB組だってそうさ」
「ふむ」
「言ってみれば、僕らは平民のおちこぼれ集団なわけ。色々あって僕は伯爵なんて爵位をもらってるけど、領民もいないし、土地はここだけだし、なんの力も持ってない。貴族連中から睨まれるぐらいかな」
「たしかに、あんたを見ちょると貴族っちゅうより、田舎の庄屋のバカ息子っちゅう感じがするわな」
……おっつぁん、どういう評価だよ、それ。
「で、そんなエリート連中だけでも強いのに、そいつらが王国のエリート兵士達を集めて今回の若獅子祭に参戦してくるわけ。いまさら僕らとおっつぁん達で付け焼き刃の訓練なんかして、なんか意味あると思う?」
「ねぇな」
ソリマチ隊長が即答した。
「だったら、今日みたいに宴会したほうがよっぽど、お互いのことがよくわかるでしょ。今みたいにさ」
「……あんた、そぎゃんことだけでこげな大宴会を開いたんか?」
目を丸くするソリマチ隊長に、僕は笑って答える。
「おっつぁんたちはさ、自分たちで畑を耕したり魚釣ったりしてるから、わかってくれるでしょ? 今日僕らが出した食材のほとんどが、市場で買ってきたものじゃなくて、自分たちで取って集めてきたものだって」
「そげそげ。皆で大したもんだって感心しちょったけんね」
「王国からお給料もらってるだけの兵士と違って、おっつぁん達はそれを食べて、きっとこう思ってくれるはずだよ。『こんだけのモン食わされたら、ワシらも手ぇ抜くわけにはいかん』って」
「わっはっはっは……ごはっ! ごはっ!! げほっ!! おえーっ!!」
ソリマチ隊長は豪快に笑おうとして煙管の煙を気管に入れて咳き込んだ。
「おえーって……」
せっかくカッコいい感じに決まりそうだったのに。
「水貰ってくるから、そこでゆっくりしてて」
「伯爵様よ」
「ん?」
背中を向けた僕に、ソリマチ隊長が言った。
「ワシらが何の役に立つんかさっぱりわからんが、あんたらの気持ちはよーわかったけん」
「うん。よろしくね」
僕はソリマチ隊長に手を振って、広場に戻った。
『まつおさん、今大丈夫?』
僕を裸絞で絞め落として、ぷりぷり怒ってお帰りになられたユリーシャ王女殿下の馬車を見送ると、魔法伝達が入った。
『あ、うん、大丈夫だよ』
ミヤザワくんだった。
勉強熱心なミヤザワくんはつい最近、僕が相手なら魔法伝達の双方向通信ができるようになったのだ。
『エタンの面会、終わったよ。今そっちに向かってるとこ』
『大丈夫だった? 看守さんたちからいじめられてなかった?』
『うん。エタンは子爵家で官僚の息子だし、重要犯罪者ってことになってるから、むしろ丁重に扱われてるって言ってた』
『大公に口封じで狙われる可能性はありそう?』
僕はミヤザワくんに尋ねた。
支配の王笏の力による強制力は催眠より強力だけど、相手の記憶までコントロールできるわけじゃない。
エタンを事故に見せかけて殺すことぐらい、ジルベール大公にとっては簡単なことだ。
そう思って、ユリーシャ王女殿下に頼んで密かに護衛をつけてもらってはいるけど……。
『その心配はないと思うって言ってた。ジルベール親子は自分がまつおさんのことを心の底から憎んでいると思ってるって。それから……大公が直々に面会に来たって』
『なるほど。支配の王笏を使ったのか』
ゲス野郎め。
『うん。王笏を取り出して、取調べで何も話すなって。ジルベール公爵とユリーシャ王女の婚姻が決まったら、望み通りまつおさんは必ず失脚させるから、その後のことは悪いようにはしないって』
用心深い男だと思っていたけど、油断したな。
『取調べで何も話すな』じゃなくて『誰にも話すな』って言っておけば、この話がミヤザワくんの耳に届くことはなかっただろうに。
『よかったよかった。僕が失脚していないうちはまだ利用価値があるってことか』
『そうみたい。まつおさんが王女殿下にエタンの無実を説明したって言ったらビックリしてたよ。王笏のことを知っていてその犯行を見抜いていたことも驚きだし、事情を信じてもらえるわけないと思ってたし、理由がどうであれ、決して許してもらえないことをしてしまったって』
『説明してくれたんだよね?』
『うん。魔法毒の効果を説明して、まつおさんに預かった成績表を見せて心配いらないよって言ったらビックリしてた』
僕の不本意な成績表は、不本意ながらけっこういろんな場面で役に立つ。
だからくしゃくしゃになっているのに、まだ捨てられないでいる。
『また恥が増えてしまった……』
『ううん、逆にすごく感心してたよ。何の技能の後ろ盾もないのに、ゾフィアとの試合をやったりジルベール公爵と渡り合ったりしてたんだって』
『い、いや……ズルしたり運がよかったり、あまりにも弱すぎて向こうが勝手に勘違いしてるだけなんだけど』
自分で言ってて悲しくなってきた。
『それよりミヤザワくん、遅くまでおつかれさま。ミヤザワくんの好きなヒメマス、釣りたてのやつを残してあるから、早く帰っておいで。たくさんのお刺身と塩焼き、どんぶりにたっぷりの絶品イクラが君を待っている』
『わー!!本当に?! やったー!!』
ヒメマスはとっても美味しい魚だけど、鮮度が落ちるのが早い。
お肉が苦手なミヤザワくんのために、ヒメマスや他のお魚をとっておいたのだ。
「さて、僕もそろそろ、宴会に戻らないと」
ユリーシャ王女殿下に落とされたままの姿勢でミヤザワくんとの通信を終えた僕が起き上がろうとすると、こちらに向かってくる足音が聞こえた。
「……見ちゃってたの、おっつぁん」
「さっきおったのは、王女様じゃろ?」
ソリマチ隊長がこちらに近づいてきた。
「前に王宮でちらっとお見かけしたことがあるけん見覚えがあったんじゃけど、あんなやんちゃごじゃとは知らんかったわ」
「はは、おかげで死ぬかと思ったよ」
「あんたタダモンじゃねぇとは思うちょったけどな、まさか王女様とあげん仲良うやっちょるとは」
僕が寝そべっている石畳に座り込むと、ソリマチ隊長は腰に差していた煙管を取り出した。
腰袋から刻みたばこを摘みとって器用に丸めてキセルに詰めると、手慣れたしぐさで着火して煙を吸った。
「他のモンには言わんけぇ安心してごせや。王女様がお出ましとあっちゃ、あんたが言うちょった通り、かしこまって萎縮しよるけんな」
「そんなとこから話聞いてたの……」
す~、と紫の煙を吐き出してから、ソリマチ隊長がぼんやりとした顔で言った。
「あんたは最初から勝つつもりがないんじゃろう思うちょった。だけん、ウチらみてぇなんを呼んで、訓練もせんとだらみてぇにはしゃいじょるんやなって」
肉と魚の焼ける匂いに混じって、刻みたばこの煙が漂ってくる。
僕の鼻孔に残っていたユリーシャ王女殿下の香りを返してほしい。
「だども、あんたの周りの若ぇ連中を見ちょって思った。あいつらの目はだれんだい濁っちょらん。あんたのことを信じきっちょる目じゃった」
ソリマチ隊長は僕の顔をじっと見つめた。
「……あんた、勝つつもりなんじゃろ」
「うん」
僕は即答する。
「『西部辺境警備隊』っちゅう、がいな名前をもろちょるけど、300年戦争もないけん、警備するもんなぞなんもありゃせん。見知った顔しかおらんけ泥棒も入らん。家に鍵かけとるモンなんぞ金貸しぐらいしかおらんけんな」
「のどかなんだねー。いいなぁ」
「のどかってなモンじゃねぇよ、田舎、ど田舎よ。挨拶もせんと勝手に他所ん家上がって、収穫した野菜の余りやら魚やらを置いていく、戦時中はどうじゃったかわからんけど、そんな暮らしをひいじいさん、ひいばあさんぐらいの頃から続けちょる」
「勝手に持っていくんじゃなくて、勝手に置いていくんだ。すごいな」
「じゃから、兵士いうても名ばかりじゃ。わしも隊長なんて言われちょるけど、槍握っちょる時間より鍬握っちょる時間の方がよっぽど長いけんな。そんなもんよ」
そこまで言って、ソリマチ隊長はす~、と煙を吐いた。
「だけん、何をどう間違うてワシらを使おうと思うたんかは正直、さっぱりわからん」
「……」
「けども、ワシらじゃなきゃ勝てん、そう思うた言うことじゃろ?」
「そうだよ。だから僕はおっつぁん達を選んで、宴会を開いたんだ」
「それよ、それもわからん。それでなくても勝てんのに、なして訓練せんとね」
「あのさ、おっつぁん」
僕は空を見上げたまま、言った。
広大なコバルトブルーの空に浮かぶ、雄大な白い雲。
伯爵領から見上げる空はとても美しい。
「A組ってのはさ、上級貴族たちのクラスなわけ。おぼっちゃんって言っても、士官学校に入るような連中は子供の頃から剣技や魔法の英才教育を受けてたりすんの。A組ほどじゃないけどB組だってそうさ」
「ふむ」
「言ってみれば、僕らは平民のおちこぼれ集団なわけ。色々あって僕は伯爵なんて爵位をもらってるけど、領民もいないし、土地はここだけだし、なんの力も持ってない。貴族連中から睨まれるぐらいかな」
「たしかに、あんたを見ちょると貴族っちゅうより、田舎の庄屋のバカ息子っちゅう感じがするわな」
……おっつぁん、どういう評価だよ、それ。
「で、そんなエリート連中だけでも強いのに、そいつらが王国のエリート兵士達を集めて今回の若獅子祭に参戦してくるわけ。いまさら僕らとおっつぁん達で付け焼き刃の訓練なんかして、なんか意味あると思う?」
「ねぇな」
ソリマチ隊長が即答した。
「だったら、今日みたいに宴会したほうがよっぽど、お互いのことがよくわかるでしょ。今みたいにさ」
「……あんた、そぎゃんことだけでこげな大宴会を開いたんか?」
目を丸くするソリマチ隊長に、僕は笑って答える。
「おっつぁんたちはさ、自分たちで畑を耕したり魚釣ったりしてるから、わかってくれるでしょ? 今日僕らが出した食材のほとんどが、市場で買ってきたものじゃなくて、自分たちで取って集めてきたものだって」
「そげそげ。皆で大したもんだって感心しちょったけんね」
「王国からお給料もらってるだけの兵士と違って、おっつぁん達はそれを食べて、きっとこう思ってくれるはずだよ。『こんだけのモン食わされたら、ワシらも手ぇ抜くわけにはいかん』って」
「わっはっはっは……ごはっ! ごはっ!! げほっ!! おえーっ!!」
ソリマチ隊長は豪快に笑おうとして煙管の煙を気管に入れて咳き込んだ。
「おえーって……」
せっかくカッコいい感じに決まりそうだったのに。
「水貰ってくるから、そこでゆっくりしてて」
「伯爵様よ」
「ん?」
背中を向けた僕に、ソリマチ隊長が言った。
「ワシらが何の役に立つんかさっぱりわからんが、あんたらの気持ちはよーわかったけん」
「うん。よろしくね」
僕はソリマチ隊長に手を振って、広場に戻った。
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