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第二十一章「若獅子祭」(14)
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14
「私が来るって、よくわかったな」
「そりゃ、わかるさ」
馬を降り、こちらに向かって近づいてくるジルベール公爵に、僕は言った。
「てっきり、こっそり奇襲でも仕掛けてくると思ったんだけどね」
「フッ……、いつもの私ならそうしているだろうね」
ジルベール公爵が肩をすくめる。
いつもの彼とは、少し雰囲気が違う。
「あの指輪、壊れちゃったの?」
僕はジルベール公爵の中指を見て言った。
カフェテラスでティーカップを割って負傷した時のことを、僕は忘れていない。
あの時、中指にはめていた黄金の指輪が光り、彼の鮮血が噴き出た傷口はみるみるふさがっていった。
彼がガーディアンに潰されたぐらいで死ぬとは思えなかった。
必ず、ここにやってくるだろうと。
「相変わらず目ざといな。……壊れたよ。さっきのガーディアンの攻撃で死にかけた時にね」
「そっか」
「宝具の魔力を使い果たしたんだ。武具の耐久と違い、召喚体が消滅しても元には戻らない」
さほど惜しくもないように、ジルベール公爵は言った。
「私はこの若獅子祭で、多くのものを失った。指輪もその一つだが、不思議と、そんなことはすべてどうでもよくなってしまった」
彼はそう言うと、優美な両手剣を、まるで鉄くずでも捨てるように放り投げた。
「こんなものも、もうどうでもいい」
両手剣は王者の象徴。
ユキは以前、そんなことを言っていた。
それを投げ捨てたジルベール公爵の顔は、不思議と晴れやかだった。
ただ、まっすぐに僕に向けられた瞳は、闘志でめらめらと燃えている。
「ただ、君を倒したい。……それ以外のことは、もはやどうでもいい」
「いい顔になったね、ジルベール公爵」
僕はにっこりと彼に笑った。
本心からの笑みだ。
「私の名前はギルサナス。ギルサナス・フォン・ジルベールだ。まつおさん」
「ギルサナス。最初からそんな顔をしていれば、僕たちは友達になれたかもね」
僕がそう言うと、ギルサナスが笑う。
「フッ……。そんな人生も魅力的かもしれないが……。宿敵として君と戦うこの人生も、悪くはないのではないだろうか」
ギルサナスはそう言って、腰のサーベルを抜いた。
ジルベール公爵家のシンボルである鷹の意匠が施された、美しい魔法剣。
「君が魔法毒を飲んだ時、ざまぁみろと忍び笑いが止まらなかったものだが……。今となっては悔恨の極みだよ。全力の君と戦えないことを父上に恨みたい気持ちだ」
「ああ、それなら、心配いらないんじゃないかな」
僕も腰のサーベルを抜く。
黒い漆に金と紅の細工で、小鳥たちが枝になった実をついばんでいる様子が描かれた鞘。
小鳥が遊んでいる。ゆえに鷹はなく、小鳥遊。
「僕は元から最弱だ。だからこそ、常に勝つ」
「面白い。見せてもらおう」
ギルサナスの剣先が上段からこちらに向けられる。
僕は小鳥遊を下段に構えながら、ニヤリと笑った。
「それでは、殺し合うとしようか」
ギルサナスはそれには答えず、渾身の斬撃を放った。
袈裟斬りに斬り下ろす太刀筋を外側に回って回避すると、ギルサナスは返す刀を横薙ぎに払う。
「ッ――!」
僕は上体を反らしてその剣閃をとっさに回避するが、頬をわずかにギルサナスの剣先がかすめた。
ただそれだけで、頬を温かいものが濡らす。
(さすがに、やるなぁ……)
頬から滴る血を手の甲で拭いながら、僕は体勢を立て直す。
「どうした? 君の力はこんなものではあるまい?」
僕の力、僕の力か……。
リョーマとの戦いでわかったことがある。
無意識下の僕は、意外と強い。
こうしてあれこれ考えている時の僕とは比べ物にならないほど。
でも、無意識というのは何も考えない状態というわけではない。
朦朧とする意識の中で、必死に考え抜いた時は、身体が思考に追いつくのだ。
(あの状態を意識的に作り出せればいいのに……)
僕は浅く呼吸をして、目を軽く閉じ、半眼の状態にする。
目を見開いていると情報量が多すぎる。
今は、ギルサナスの太刀筋以外は見る必要がない。
そうしていると、不思議と心が落ち着いてきた。
「フンッ!!」
ギルサナスが身体を低くして、必殺の突きを放ってくる。
僕はそれを紙一重でかわし、左に身体を流す。
だが、これを避けて安心してはいけない。
さっきの切り返しのように、その後の展開を考えて攻撃をするのがギルサナスの剣技なのだろう。
「ハッ!」
案の定、ギルサナスは高速の突きが伸び切ったところで肘を曲げながら大きく踏み込み、手首を返して薙ぎ払ってきた。
肘を曲げるタイミングでバックステップをしたから、今度はどこにも当たらずにかわすことができた。
だが、ギルサナスがただ同じ技を放つはずがない。
……きっとまだ次がある。
「セイッ!!」
来たっ!!
バックステップした僕に目掛けて振り下ろされる刃の側面に向けて、僕は小鳥遊の刃先を沿わせた。
「ッ!?」
ギルサナスの斬撃は小鳥遊の刀身に沿って軌道が変わり、そのまま踏み込んだ僕の一太刀がギルサナスの頬を引き裂いた。
「君と同じ時代に生まれたことを神に恨むべきなのか……、感謝すべきなのか……、実に悩ましいよ」
「今は感謝しているんじゃない?」
「そうだな……、そうかもしれない」
距離を開けながら、僕たちは言葉を交わす。
「僕は君が嫌いだよ。ギルサナス」
「ああ、私も嫌いだ。まつおさん」
「でも、君のことを認めてる。君のことを一番理解しているのは、この世で僕だけだ」
「私も君のことを認めているが、君のことはさっぱりわからない」
ギルサナスは笑いながら、激しい連撃を繰り出した。
連撃のバリエーションの多さでは、メルよりも上かもしれない。
僕はそれを回避しつつ反撃し、ギルサナスもまたそれを回避して反撃する。
「フッ、本当に毒薬を飲んだのか? 並の剣技で私とここまで渡り合えるはずがないのだが」
「言っても信じないだろうけど、僕の剣技は元からからっきしなんだ。成績もいつも最低。知ってるだろ?」
「自分の力をあえて隠してそうしているのだと思っていたよ。悪趣味な奴がいるものだと」
一つ一つの刃が、相手を殺すためだけのものであるはずなのに、僕たちはまるで舞踏会で踊っているように、互いの刃を交わしている。
「たぶんね、僕がこんなに上手く戦えているのは、君が相手の時だけなんだと思う。あとの戦いは全部まぐれさ」
「そんなに私に負けたくないからか?」
「その通りなんだけど、ちょっと違う。君は僕のことがさっぱりわからないって言っただろ?」
「ああ」
互いの頬や腕から斬撃による出血がぽたぽたと滴り落ちている。
それでも、僕たちは言葉を交わすことを止めなかった。
「誰でも自分のことはよくわからない。君は自分のことがわかっていなかったんだよ」
「……どういうことだ?」
ギルサナスの剣を受けながら、僕はにっこりと笑った。
「相変わらずニブい奴だな。君は僕なんだよ」
「似た者同士ということか?」
「ああ。同族嫌悪っていうだろ? だから僕は君が嫌いなんだ」
「いや、全然似てないだろ……」
ギルサナスが剣を止めて、僕の顔を見て真顔でツッコんだ。
「う、うるさいな、顔の話じゃないよ! 君みたいなイケメンじゃなくて悪かったな!」
「フフッ、いや、性格も全然違うと思うがな」
ギルサナスが苦笑して、斬撃を再開する。
「いや、そっくりだよ。目的のために手段を選ばないところも、性格が悪いところもそっくりだ」
「そうだな。たしかに君の性格は相当悪いようだ」
「君は大貴族の生まれだからそういう奴なんじゃない。クソ親父の息子だからクソなわけでもない。ただ、自分の手札にあるカードを選んで切っていたらそうなっただけだ」
「……」
「性根が腐っているから今の君があるわけではなく、そんな有り様こそが大貴族の嫡男として必要で、大公爵たる父に求められた姿だったから今の君がある。君は周りが望む姿を上手に演じていたにすぎない」
「……」
「ただ、演じる期間が長すぎて、また上手すぎたんだ。だから、自分自身でも本当の自分がわからなくなってしまって、ただのつまらないクソ貴族に成り下がってたんだよ」
ギルサナスは僕の話を聞きながら、強烈な三連撃を叩き込む。
僕もそれをかわして、同じ技を彼に放つ。
「私には兄がいたんだ。兄は不器用で、父が望む姿を演じるのがとても下手くそでね」
「死んだのか」
「ああ。9歳だった。兄に同情はしないが……、大好きな兄だった」
ギルサナスは一旦距離を取ってサーベルの血を払うと、一瞬だけ黙祷を捧げるように目を閉じた。
「なるほど。君と僕は似ているのかもしれない。それで僕は君を無視できなかったのか」
「僕は何も演じていないから、先に気付いたのさ。ああ、君はもう一人の僕なんだって」
「フッ、なるほど」
「だから嫌いだし、でも共感できるし、君の考えることがよくわかる。だから、君が次にどう攻めてくるかも手にとるようにわかる」
「その割には、手傷が増えているようだが……?」
「だから言っただろ。僕の剣技は元から最低なんだ」
僕とギルサナスはほぼ互角の勝負を繰り広げていたが、長期戦になるうちに剣技の差に開きが出始めていた。
僕の手傷がどんどん増えていき、ギルサナスの傷は血が乾いてきている。
「でも、僕が勝つ。なぜだかわかるかい?」
「フッ、聞かせてもらおう」
僕はギルサナスを目を見ながら、ハッキリと言った。
「……僕は君と違って、人間が大好きなんだ」
「……」
ギルサナスの剣が、ピタリと止んだ。
「フッ、フフフ……フハハハハ!!! なるほど……なるほどな……」
ギルサナスは剣を振るのを止めて、笑い始めた。
決して和やかな雰囲気の笑い方ではない。
むしろどす黒い……、凶々しい剣気を感じる。
「私が君を憎む理由が、今、よくわかった……」
ギルサナスの声質が変わる。
「私はもう一人の君、そう言ったな」
「ああ」
「ならば見せてやろう。人間を嫌い、友を憎み、父を恨み抜いて来た、もう一人の君の力を……!」
ギルサナスはそう言うと、自らの剣を自身に向け……。
「っ?! よせ!!」
ギルサナスはその剣先で、自らの右目を貫いた。
「グゥゥウウウッッ!!!」
悶絶しそうな痛みをこらえるかのように歯を食いしばり、ギルサナスは呻き声を押し殺す。
そのまま、ギルサナスは右目を貫いた剣を天高く突き出した。
ああ、もう……。
そんなギルサナスの様子を見て、僕はなんとなく悟ってしまった。
これはきっと、召喚体だけの負傷ということではないのだろう。
おそらく、彼の右目は完全に失われてしまった。
そして、彼の心もおそらく……。
「我が右目を血盟の証として、ここに宣言せん。我こそは魔の眷属72柱に連なりし公爵なり。今この刻より我は魂を喰らい、魂を捧げる暗黒騎士の末席とならん!」
「暗黒騎士……だって?!」
ギルサナスがそう叫んだ途端、あれだけ晴天だった空を重苦しい雲が覆い尽くし、周囲は闇夜のように真っ暗になり、幾筋もの稲光が起こった。
「お、おい! 大丈夫か!?」
「こ、これは……一体……」
事態の急変を察して駆けつけたC組のみんなは、ギルサナスの豹変ぶりに息を呑む。
「ベル、だめ! そいつから離れて!!」
メルが僕に叫んで駆け寄ろうとした瞬間、凄まじい轟音と共に、ギルサナスが掲げた剣に極太の雷が直撃した。
「ギ……、ギルサナス!!」
まばゆい閃光の中で、ギルサナスが手にしていたサーベルは漆黒の長剣に変わり、左手には山羊のような角を持った骸骨の意匠が施された盾が出現した。
そして、黄金の鎧は……、まったく異なる形の漆黒の鎧に変化し、その背中にはまるで吸血鬼のおとぎ話に出てくる伯爵を思わせる、血のような真紅の裏地の黒いマントがはためいている。
右目には、それが魔の眷属に捧げた証であるように、黒い仮面が付けられていた。
「それが、本当の君なのか……? ギルサナス」
「どうやらそうらしい。カフェテラスで君とやり合って怒りと屈辱に身を震わせていると、私を呼ぶ声が頭の中で聞こえてきて、力をやるから私の右目が欲しいと言う」
外見が豹変したにも関わらず、先程とまったく変わらない調子でギルサナスが言った。
「私には十分力がある。そう思って一笑に付していたのだが。どうしても君にこの力をぶつけてみたくなったのだ」
「買いかぶられたもんだ。……でも、嬉しいよ」
「嬉しい、だと……?」
仮面で覆われていない左目を大きくして、ギルサナスがこちらを見た。
「ああ。君はこれまでの人生で誰にも見せることがなかった闇の部分を、僕だけに見せてくれたんでしょ?」
「フッ、君は面白いやつだ」
「そのチンケな闇ごと僕が受け止めてやるよ、ギルサナス」
僕はそう言って、今にもこちらに飛び出そうとしているユキに向かって言った。
「そういうわけだから、悪いけど手出ししないでもらえる? コイツとは1対1でケリをつけなくちゃいけないんだ」
「ばか……。カッコつけてんじゃないわよ!」
「ベル……、コレを使って」
メルはそう言って、自分の持っている盾を手渡した。
白銀に紺の瀟洒な模様が入った、美しい盾。
最近になってメルが使うようになった盾だ。
「これはね、春香さんの遺品の盾なの」
メルが言った。
「あの後、ルシオさんに春香さんのことをお話したの。私たちも若獅子祭で勝って、春香さんの無念を晴らしてみせますって。お願いしますって、この盾を渡された」
「そうだったんだ。メルの剣も盾も、春香さんの想いが詰まってるんだね」
「うん」
メルは、自分の心の中にいる春香さんにそうするように、自分の肩をぎゅっ、と抱きしめた。
「頑張って……。あなたが本気を出せば、必ず勝てる。あなたは、必ずやり遂げる」
銀縁の眼鏡ごしにじっと僕を見るメルに、僕は微笑んだ。
「ああ。……僕は必ずやり遂げる」
「あ、ちょっと待って」
メルと目で挨拶を交わし、僕がギルサナスの方に向かおうとすると、今度はアリサが呼び止めた。
「聖属性付与!!」
アリサが無詠唱で魔法を発動させると、僕の武具がぼう、と明るく光った。
「暗黒騎士は闇属性を得意とする相手だから、これをやっておかないとまず勝てないわよ」
「相変わらず、気が利くね。ありがと」
「ねぇ」
「うん?」
「二人で馬車で帰った夜のこと、覚えてる?」
アリサはみんなに聞こえないように、小さい声で僕に言った。
「忘れるわけないだろ……、デュラハンに本気で殺されかけたんだから」
「あはは、そうね。……でも、ちょっと懐かしいかも」
「そうだね」
「若獅子祭が終わって落ち着いたら……、また二人でどこかに行ってみない?」
アリサが紫色がかった藍色のショートボブごしに、ちょっと上目遣いで僕を見る。
僕を誘惑しているようでいて、きっとこれが彼女なりの応援ということなんだろう。
「デュラハン抜きで?」
「デュラハン抜きで」
「じゃ、決まり」
「OK! でも、負けたらナシだからね」
ほらね?
僕は苦笑しながら、暗黒騎士ギルサナスの前に立った。
「君の精神力はすごいんだね。それだけの負のオーラを帯びていたら、普通の人はとても正気を保っていられないと思うんだけど……」
僕が言うと、ギルサナスは笑った。
「そりゃそうさ。だって、私は君なんだろう? ふてぶてしさなら負けない」
「はは、それもそうか」
ギルサナスの回答に口元をほころばせながら、僕は小鳥遊を抜いた。
「それじゃ、改めて殺し合おうか。……もう一人の僕よ」
「私が来るって、よくわかったな」
「そりゃ、わかるさ」
馬を降り、こちらに向かって近づいてくるジルベール公爵に、僕は言った。
「てっきり、こっそり奇襲でも仕掛けてくると思ったんだけどね」
「フッ……、いつもの私ならそうしているだろうね」
ジルベール公爵が肩をすくめる。
いつもの彼とは、少し雰囲気が違う。
「あの指輪、壊れちゃったの?」
僕はジルベール公爵の中指を見て言った。
カフェテラスでティーカップを割って負傷した時のことを、僕は忘れていない。
あの時、中指にはめていた黄金の指輪が光り、彼の鮮血が噴き出た傷口はみるみるふさがっていった。
彼がガーディアンに潰されたぐらいで死ぬとは思えなかった。
必ず、ここにやってくるだろうと。
「相変わらず目ざといな。……壊れたよ。さっきのガーディアンの攻撃で死にかけた時にね」
「そっか」
「宝具の魔力を使い果たしたんだ。武具の耐久と違い、召喚体が消滅しても元には戻らない」
さほど惜しくもないように、ジルベール公爵は言った。
「私はこの若獅子祭で、多くのものを失った。指輪もその一つだが、不思議と、そんなことはすべてどうでもよくなってしまった」
彼はそう言うと、優美な両手剣を、まるで鉄くずでも捨てるように放り投げた。
「こんなものも、もうどうでもいい」
両手剣は王者の象徴。
ユキは以前、そんなことを言っていた。
それを投げ捨てたジルベール公爵の顔は、不思議と晴れやかだった。
ただ、まっすぐに僕に向けられた瞳は、闘志でめらめらと燃えている。
「ただ、君を倒したい。……それ以外のことは、もはやどうでもいい」
「いい顔になったね、ジルベール公爵」
僕はにっこりと彼に笑った。
本心からの笑みだ。
「私の名前はギルサナス。ギルサナス・フォン・ジルベールだ。まつおさん」
「ギルサナス。最初からそんな顔をしていれば、僕たちは友達になれたかもね」
僕がそう言うと、ギルサナスが笑う。
「フッ……。そんな人生も魅力的かもしれないが……。宿敵として君と戦うこの人生も、悪くはないのではないだろうか」
ギルサナスはそう言って、腰のサーベルを抜いた。
ジルベール公爵家のシンボルである鷹の意匠が施された、美しい魔法剣。
「君が魔法毒を飲んだ時、ざまぁみろと忍び笑いが止まらなかったものだが……。今となっては悔恨の極みだよ。全力の君と戦えないことを父上に恨みたい気持ちだ」
「ああ、それなら、心配いらないんじゃないかな」
僕も腰のサーベルを抜く。
黒い漆に金と紅の細工で、小鳥たちが枝になった実をついばんでいる様子が描かれた鞘。
小鳥が遊んでいる。ゆえに鷹はなく、小鳥遊。
「僕は元から最弱だ。だからこそ、常に勝つ」
「面白い。見せてもらおう」
ギルサナスの剣先が上段からこちらに向けられる。
僕は小鳥遊を下段に構えながら、ニヤリと笑った。
「それでは、殺し合うとしようか」
ギルサナスはそれには答えず、渾身の斬撃を放った。
袈裟斬りに斬り下ろす太刀筋を外側に回って回避すると、ギルサナスは返す刀を横薙ぎに払う。
「ッ――!」
僕は上体を反らしてその剣閃をとっさに回避するが、頬をわずかにギルサナスの剣先がかすめた。
ただそれだけで、頬を温かいものが濡らす。
(さすがに、やるなぁ……)
頬から滴る血を手の甲で拭いながら、僕は体勢を立て直す。
「どうした? 君の力はこんなものではあるまい?」
僕の力、僕の力か……。
リョーマとの戦いでわかったことがある。
無意識下の僕は、意外と強い。
こうしてあれこれ考えている時の僕とは比べ物にならないほど。
でも、無意識というのは何も考えない状態というわけではない。
朦朧とする意識の中で、必死に考え抜いた時は、身体が思考に追いつくのだ。
(あの状態を意識的に作り出せればいいのに……)
僕は浅く呼吸をして、目を軽く閉じ、半眼の状態にする。
目を見開いていると情報量が多すぎる。
今は、ギルサナスの太刀筋以外は見る必要がない。
そうしていると、不思議と心が落ち着いてきた。
「フンッ!!」
ギルサナスが身体を低くして、必殺の突きを放ってくる。
僕はそれを紙一重でかわし、左に身体を流す。
だが、これを避けて安心してはいけない。
さっきの切り返しのように、その後の展開を考えて攻撃をするのがギルサナスの剣技なのだろう。
「ハッ!」
案の定、ギルサナスは高速の突きが伸び切ったところで肘を曲げながら大きく踏み込み、手首を返して薙ぎ払ってきた。
肘を曲げるタイミングでバックステップをしたから、今度はどこにも当たらずにかわすことができた。
だが、ギルサナスがただ同じ技を放つはずがない。
……きっとまだ次がある。
「セイッ!!」
来たっ!!
バックステップした僕に目掛けて振り下ろされる刃の側面に向けて、僕は小鳥遊の刃先を沿わせた。
「ッ!?」
ギルサナスの斬撃は小鳥遊の刀身に沿って軌道が変わり、そのまま踏み込んだ僕の一太刀がギルサナスの頬を引き裂いた。
「君と同じ時代に生まれたことを神に恨むべきなのか……、感謝すべきなのか……、実に悩ましいよ」
「今は感謝しているんじゃない?」
「そうだな……、そうかもしれない」
距離を開けながら、僕たちは言葉を交わす。
「僕は君が嫌いだよ。ギルサナス」
「ああ、私も嫌いだ。まつおさん」
「でも、君のことを認めてる。君のことを一番理解しているのは、この世で僕だけだ」
「私も君のことを認めているが、君のことはさっぱりわからない」
ギルサナスは笑いながら、激しい連撃を繰り出した。
連撃のバリエーションの多さでは、メルよりも上かもしれない。
僕はそれを回避しつつ反撃し、ギルサナスもまたそれを回避して反撃する。
「フッ、本当に毒薬を飲んだのか? 並の剣技で私とここまで渡り合えるはずがないのだが」
「言っても信じないだろうけど、僕の剣技は元からからっきしなんだ。成績もいつも最低。知ってるだろ?」
「自分の力をあえて隠してそうしているのだと思っていたよ。悪趣味な奴がいるものだと」
一つ一つの刃が、相手を殺すためだけのものであるはずなのに、僕たちはまるで舞踏会で踊っているように、互いの刃を交わしている。
「たぶんね、僕がこんなに上手く戦えているのは、君が相手の時だけなんだと思う。あとの戦いは全部まぐれさ」
「そんなに私に負けたくないからか?」
「その通りなんだけど、ちょっと違う。君は僕のことがさっぱりわからないって言っただろ?」
「ああ」
互いの頬や腕から斬撃による出血がぽたぽたと滴り落ちている。
それでも、僕たちは言葉を交わすことを止めなかった。
「誰でも自分のことはよくわからない。君は自分のことがわかっていなかったんだよ」
「……どういうことだ?」
ギルサナスの剣を受けながら、僕はにっこりと笑った。
「相変わらずニブい奴だな。君は僕なんだよ」
「似た者同士ということか?」
「ああ。同族嫌悪っていうだろ? だから僕は君が嫌いなんだ」
「いや、全然似てないだろ……」
ギルサナスが剣を止めて、僕の顔を見て真顔でツッコんだ。
「う、うるさいな、顔の話じゃないよ! 君みたいなイケメンじゃなくて悪かったな!」
「フフッ、いや、性格も全然違うと思うがな」
ギルサナスが苦笑して、斬撃を再開する。
「いや、そっくりだよ。目的のために手段を選ばないところも、性格が悪いところもそっくりだ」
「そうだな。たしかに君の性格は相当悪いようだ」
「君は大貴族の生まれだからそういう奴なんじゃない。クソ親父の息子だからクソなわけでもない。ただ、自分の手札にあるカードを選んで切っていたらそうなっただけだ」
「……」
「性根が腐っているから今の君があるわけではなく、そんな有り様こそが大貴族の嫡男として必要で、大公爵たる父に求められた姿だったから今の君がある。君は周りが望む姿を上手に演じていたにすぎない」
「……」
「ただ、演じる期間が長すぎて、また上手すぎたんだ。だから、自分自身でも本当の自分がわからなくなってしまって、ただのつまらないクソ貴族に成り下がってたんだよ」
ギルサナスは僕の話を聞きながら、強烈な三連撃を叩き込む。
僕もそれをかわして、同じ技を彼に放つ。
「私には兄がいたんだ。兄は不器用で、父が望む姿を演じるのがとても下手くそでね」
「死んだのか」
「ああ。9歳だった。兄に同情はしないが……、大好きな兄だった」
ギルサナスは一旦距離を取ってサーベルの血を払うと、一瞬だけ黙祷を捧げるように目を閉じた。
「なるほど。君と僕は似ているのかもしれない。それで僕は君を無視できなかったのか」
「僕は何も演じていないから、先に気付いたのさ。ああ、君はもう一人の僕なんだって」
「フッ、なるほど」
「だから嫌いだし、でも共感できるし、君の考えることがよくわかる。だから、君が次にどう攻めてくるかも手にとるようにわかる」
「その割には、手傷が増えているようだが……?」
「だから言っただろ。僕の剣技は元から最低なんだ」
僕とギルサナスはほぼ互角の勝負を繰り広げていたが、長期戦になるうちに剣技の差に開きが出始めていた。
僕の手傷がどんどん増えていき、ギルサナスの傷は血が乾いてきている。
「でも、僕が勝つ。なぜだかわかるかい?」
「フッ、聞かせてもらおう」
僕はギルサナスを目を見ながら、ハッキリと言った。
「……僕は君と違って、人間が大好きなんだ」
「……」
ギルサナスの剣が、ピタリと止んだ。
「フッ、フフフ……フハハハハ!!! なるほど……なるほどな……」
ギルサナスは剣を振るのを止めて、笑い始めた。
決して和やかな雰囲気の笑い方ではない。
むしろどす黒い……、凶々しい剣気を感じる。
「私が君を憎む理由が、今、よくわかった……」
ギルサナスの声質が変わる。
「私はもう一人の君、そう言ったな」
「ああ」
「ならば見せてやろう。人間を嫌い、友を憎み、父を恨み抜いて来た、もう一人の君の力を……!」
ギルサナスはそう言うと、自らの剣を自身に向け……。
「っ?! よせ!!」
ギルサナスはその剣先で、自らの右目を貫いた。
「グゥゥウウウッッ!!!」
悶絶しそうな痛みをこらえるかのように歯を食いしばり、ギルサナスは呻き声を押し殺す。
そのまま、ギルサナスは右目を貫いた剣を天高く突き出した。
ああ、もう……。
そんなギルサナスの様子を見て、僕はなんとなく悟ってしまった。
これはきっと、召喚体だけの負傷ということではないのだろう。
おそらく、彼の右目は完全に失われてしまった。
そして、彼の心もおそらく……。
「我が右目を血盟の証として、ここに宣言せん。我こそは魔の眷属72柱に連なりし公爵なり。今この刻より我は魂を喰らい、魂を捧げる暗黒騎士の末席とならん!」
「暗黒騎士……だって?!」
ギルサナスがそう叫んだ途端、あれだけ晴天だった空を重苦しい雲が覆い尽くし、周囲は闇夜のように真っ暗になり、幾筋もの稲光が起こった。
「お、おい! 大丈夫か!?」
「こ、これは……一体……」
事態の急変を察して駆けつけたC組のみんなは、ギルサナスの豹変ぶりに息を呑む。
「ベル、だめ! そいつから離れて!!」
メルが僕に叫んで駆け寄ろうとした瞬間、凄まじい轟音と共に、ギルサナスが掲げた剣に極太の雷が直撃した。
「ギ……、ギルサナス!!」
まばゆい閃光の中で、ギルサナスが手にしていたサーベルは漆黒の長剣に変わり、左手には山羊のような角を持った骸骨の意匠が施された盾が出現した。
そして、黄金の鎧は……、まったく異なる形の漆黒の鎧に変化し、その背中にはまるで吸血鬼のおとぎ話に出てくる伯爵を思わせる、血のような真紅の裏地の黒いマントがはためいている。
右目には、それが魔の眷属に捧げた証であるように、黒い仮面が付けられていた。
「それが、本当の君なのか……? ギルサナス」
「どうやらそうらしい。カフェテラスで君とやり合って怒りと屈辱に身を震わせていると、私を呼ぶ声が頭の中で聞こえてきて、力をやるから私の右目が欲しいと言う」
外見が豹変したにも関わらず、先程とまったく変わらない調子でギルサナスが言った。
「私には十分力がある。そう思って一笑に付していたのだが。どうしても君にこの力をぶつけてみたくなったのだ」
「買いかぶられたもんだ。……でも、嬉しいよ」
「嬉しい、だと……?」
仮面で覆われていない左目を大きくして、ギルサナスがこちらを見た。
「ああ。君はこれまでの人生で誰にも見せることがなかった闇の部分を、僕だけに見せてくれたんでしょ?」
「フッ、君は面白いやつだ」
「そのチンケな闇ごと僕が受け止めてやるよ、ギルサナス」
僕はそう言って、今にもこちらに飛び出そうとしているユキに向かって言った。
「そういうわけだから、悪いけど手出ししないでもらえる? コイツとは1対1でケリをつけなくちゃいけないんだ」
「ばか……。カッコつけてんじゃないわよ!」
「ベル……、コレを使って」
メルはそう言って、自分の持っている盾を手渡した。
白銀に紺の瀟洒な模様が入った、美しい盾。
最近になってメルが使うようになった盾だ。
「これはね、春香さんの遺品の盾なの」
メルが言った。
「あの後、ルシオさんに春香さんのことをお話したの。私たちも若獅子祭で勝って、春香さんの無念を晴らしてみせますって。お願いしますって、この盾を渡された」
「そうだったんだ。メルの剣も盾も、春香さんの想いが詰まってるんだね」
「うん」
メルは、自分の心の中にいる春香さんにそうするように、自分の肩をぎゅっ、と抱きしめた。
「頑張って……。あなたが本気を出せば、必ず勝てる。あなたは、必ずやり遂げる」
銀縁の眼鏡ごしにじっと僕を見るメルに、僕は微笑んだ。
「ああ。……僕は必ずやり遂げる」
「あ、ちょっと待って」
メルと目で挨拶を交わし、僕がギルサナスの方に向かおうとすると、今度はアリサが呼び止めた。
「聖属性付与!!」
アリサが無詠唱で魔法を発動させると、僕の武具がぼう、と明るく光った。
「暗黒騎士は闇属性を得意とする相手だから、これをやっておかないとまず勝てないわよ」
「相変わらず、気が利くね。ありがと」
「ねぇ」
「うん?」
「二人で馬車で帰った夜のこと、覚えてる?」
アリサはみんなに聞こえないように、小さい声で僕に言った。
「忘れるわけないだろ……、デュラハンに本気で殺されかけたんだから」
「あはは、そうね。……でも、ちょっと懐かしいかも」
「そうだね」
「若獅子祭が終わって落ち着いたら……、また二人でどこかに行ってみない?」
アリサが紫色がかった藍色のショートボブごしに、ちょっと上目遣いで僕を見る。
僕を誘惑しているようでいて、きっとこれが彼女なりの応援ということなんだろう。
「デュラハン抜きで?」
「デュラハン抜きで」
「じゃ、決まり」
「OK! でも、負けたらナシだからね」
ほらね?
僕は苦笑しながら、暗黒騎士ギルサナスの前に立った。
「君の精神力はすごいんだね。それだけの負のオーラを帯びていたら、普通の人はとても正気を保っていられないと思うんだけど……」
僕が言うと、ギルサナスは笑った。
「そりゃそうさ。だって、私は君なんだろう? ふてぶてしさなら負けない」
「はは、それもそうか」
ギルサナスの回答に口元をほころばせながら、僕は小鳥遊を抜いた。
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