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第二十五章「水晶の龍」(6)
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6
僕たちはジェルディク市街の街道を北に向かった。
市街を抜けて人通りがなくなってから、馬の速度を上げてみると、ちょっとびっくりするような速度が出た。
にも関わらず、客室の揺れはほとんどない。
「座席、ふかふか」
エレインが座席を弾ませてにこにこ笑っている。
「いい買い物をしたなぁ……」
「買ってないでしょ……」
「あ、そうだ、タダだったんだ」
客席でくつろぐユキのツッコミに、僕はへらへらと笑った。
馬車馬の手綱は交代でやるようにしていて、そろそろ交代の時間なんだけど、ルッ君、キム、花京院が御者台でなにか楽しそうにしゃべっているのでそのままにしておいた。
馬車の周囲には、新しい愛馬に騎乗するメル、ゾフィア、ジルベールの三騎。
先頭のゾフィアが斥候、左右をメルとジルベールが固める鉄壁の布陣だ。
「メンバーの男子と女子の比率がほぼ1対1だから、馬車の中がぎゅうぎゅうじゃないのは本当にいいよね。気を使わずにくつろげるっていうか」
「キムとか花京院がいるとぎゅうぎゅうなんだけどね」
アリサが言った。
その横でぎゅうぎゅう気味のジョセフィーヌは気にならないらしく、ゴツい二の腕を枕にしてくつろいでいる。
「私はお兄様とぎゅうぎゅうな方がいいんですけど」
「馬車の中でまっちー君にいちゃいちゃするのは禁止よ。他の男子がかわいそうでしょ?」
「男子ならいいんですか?!」
「えっ?」
「ヴェンツェル様、さっきからお兄様といちゃいちゃしすぎだと思うんですけど!」
僕の地図を隣で覗き込んでいるヴェンツェルをテレサが指差した。
テレサ、ヴェンツェルは近眼だから、たまにものすごく顔が近いんだ。
「これは目の保養になるから、許可」
ミスティ裁きに、なぜかエレインがうんうんとうなずいた。
……それにしても、この客室に漂ういい匂いは、ちょっとヤバい。
アリサの柑橘系の匂いとか、ミスティ先輩の薔薇の匂いとか、テレサの椰子の実の匂いとか、エレインのフローラル系の匂いとか、あとヴェンツェルからも石鹸のいい匂いがするし、なんといってもジョセフィーヌからものすごくいい匂いがする。
(ジョセフィーヌって、なにげにセンスいいんだよな)
馬車馬に孔雀の羽根を付けようとかむちゃくちゃなことを言い出すけど、この香水の匂いも、東方王国セリカから伝わる白檀とか沈香が混じった、男性が付けても女性が付けてもすごくかっこいい匂いがする。
使っている小物もオシャレだったりして、士官学校の女子からもいろいろアドバイスを求められたりしているし、僕も何かで困った時はジョセフィーヌの意見を参考にしている。
「ジョセフィーヌ、馬車は気に入った?」
「んもう、当たり前じゃないの! 最高よぉ!」
ジョセフィーヌがイグニア市街のおばさんみたいに手を振った。
「ワタシ、移動中ずっとお尻が痛くなると思って、みんなの分のお座布団買ってたのよ!」
「え、そうだったの?」
「でも、この座席だったらいらなかったわね……」
「買い取るよ。ウチの領地に来る時にみんなで使ったらいいし」
「あーん、優しい~! でも、まつおちゃんにあ・げ・る」
最初の頃は誰もがジョセフィーヌのインパクトに圧倒されていたけど、最近ではみんな、こんな反応がむしろかわいらしく思えてきていた。
「さて、そろそろキムにエサをあげないとな」
「ぷっ……ひどい言い方ねー。 でも、本人に言っても素直に喜びそうなのよね……」
僕の言葉に、アリサがくすくすと笑った。
キムはいい奴だし、筋肉バカに見えて結構頭がいいし、頼りになる奴なんだけど、一時間に一回は「なんか腹減ったな」って言うのだけは勘弁してほしい。
与えなくても特に実害はないんだけど、どんどん元気がなくなっていって、最終的には寝る。
なので、今回の冒険では僕とユキで食料品の中から、『キムに一時間おきに与えるエサ』を事前に用意しておいたら、本人は馬を貰った時のゾフィアみたいに大喜びしていた。
「ところで、ミヤザワくんはさっきから何をしているの?」
僕は客席の一番後ろで、何かごそごそしているミヤザワくんに声をかけた。
「……」
「ミヤザワくん?」
ミヤザワくんは、普段見たことがないような、ものすごく真剣な眼差しで荷物を眺めていて、僕の声がまったく耳に入らないみたいだった。
「たぶんね、荷物の配置が本当にこれでいいか考えているんだと思う……」
アリサが僕に小声で言った。
「整理整頓モードになると、ああなるみたい」
「そ、そうなんだ、意外な一面だね……」
いつものほほんとしたミヤザワくんのキリッとした顔に衝撃を受けつつ、僕はヴェンツェルと見ていた地図に改めて目を落とした。
「もうすぐ山岳地帯に入るのかな?」
「ええ、そうよ。今はこの辺りかな」
ミスティ先輩がそう言って、僕の座席に身を乗り出した。
「ちょっ」
黒いショートカットの髪が僕の頬をくすぐって、ユキが目を三角にして僕を見る。
「いちゃいちゃ禁止って自分で言ったのに……」
テレサがぼそっと言った。
「この辺からはジェルディク帝国の警備兵の監視も行き届かなくなるわ。そろそろ警戒が必要ね」
「なるほど。ゾフィアに偵察をお願いしよう」
僕は魔法伝達でゾフィアに連絡した。
『ゾフィア、お疲れさま。そろそろ山岳地帯に入るんだけど、周辺に異常がないか確認してもらえないかな』
僕がそう言うなり、馬の鋭い嘶きと、ゾフィアの「ハイヤ!」という掛け声と共に、疾走する馬蹄の音がみるみる遠ざかっていく。
「速いなぁ……」
「お兄様から馬をいただいて、お姉様、出掛けてからもずっと泣いてましたよ」
「そっか」
「妹の私が言うのもアレなんですけど、最後まで面倒をみてあげてくださいね」
「面倒って?」
僕が尋ねると、テレサがにっこり笑った。
「姉妹共々もらってくださいってことです。お兄様」
「さりげなく自分も入れるところがあざといわね……」
アリサが苦笑しながら言った。
そんなやり取りをしているうちに、馬蹄の音が前方から再び聞こえてきて、あっという間に馬車の隣までやってきた。
「殿、戻ったぞ」
「おかえり、ゾフィア。どうだった?」
馬車の窓を開けて、ゾフィアに尋ねる。
「殿の予想通り、賊が待ち構えていた。その数、五十人程度」
「五十、ちと多いね」
「山賊の五十人程度、我らで蹴散らすことは不可能ではないと思うが……どうする? 殿」
「うーん」
僕は少し考えた。
冒険者の敵は、何もモンスターだけじゃない。
町中で盗賊に襲われることもあるし、市街を出たら山賊もいる。海には海賊だ。
中には他の冒険者を狙う悪質な冒険者もいるらしいし、迷宮の奥底で見つけた財宝や宝具を巡って仲間同士で争うなんていうこともあるらしい。
だから、基本的に冒険者志望の僕たちは、必要な時に人命を奪うということにためらいはない。
その覚悟は、士官学校で最初に教わることだからだ。
「ジョセフィーヌ、ちょっとルッ君と御者代わってもらってもいい?」
「はぁーい」
ジョセフィーヌは客室を開けて、移動中の馬車からひょいと身を乗り出して、ルッ君を引っ掴んだ。
「うわわっ!!」
「ゴメンね、ルッ君、ちょっと交代よん」
そのまま、ルッ君を客室の中に放り込んで、自分が御者台に飛び移った。
「び、びっくりするだろ!!!」
「馬車止めてからで良かったんだけど……、相変わらず、ゴツいのにすごい身のこなしだな……」
「死ぬかと思った……」
心臓を押さえているルッ君へのせめてものお詫びにキムのエサを与えて、僕も御者台に飛び移った。
「お、おい、定員オーバー……」
中央の御者台で抗議するキムの口にエサを入れた。
「うまっ……、これうまいな。さっきのと違う味だぞ」
「それ、僕が作ったやつ」
僕はそう言いながら、ジョセフィーヌと花京院の隣に足を着けて、御者台の上に立った。
「お、おい……、後頭部にお前の股間が当たるんだが……」
「ちょっと我慢して。僕も当たって気持ち悪いんだから……、あまり動かさないでくれる?」
「キムちゃん、今すぐワタシと場所を代わって! ほら早く!!」
「まつおさん、オレの分のおやつはないのか?」
「はい、あげる」
キム、ジョセフィーヌ、花京院が騒いでいる中、僕は小鳥遊を引き抜いて、魔法詠唱を開始した。
「万物は流転し……、輪廻すれど、大宇宙の理を外れること能わず……」
「……なんの詠唱だ、それ……」
事情がわからない三人が顔を見合わせる。
逆に、大慌てで客席からヴェンツェルが身を乗り出した。
「べ、ベル!! きききき、君は何を考えているんだ!!!」
「ヴェンツェル、コイツは何をやろうとしてるんだ?」
キムの問いに、ヴェンツェルが叫んだ。
「その詠唱は隕石群召喚魔法だ!!」
「「「「「「はぁぁぁぁー!!??」」」」」」
客室と御者台からみんなの絶叫が聞こえる。
「と、殿……っ、一体何を……」
「い、今すぐ止めさせるんだ!!」
「い、今すぐって……、う、馬の操縦してるから……、どうすれば……」
ヴェンツェルに言われて、キムがおろおろと左右を見渡した。
「こ、こらっ、頭を動かすな! 股間をぐりぐりするな!!」
「キムちゃん!! 場所を代わって!!」
「ば、ばかっ、ジョセフィーヌ!! 今それどころじゃないだろ!! 花京院も手伝え!」
「い、いや……オレ、まつおさんからお菓子もらったし……」
「簡単に買収されてんじゃねぇ!!」
キムの後頭部の感触を忘れて、僕は詠唱に集中する。
「那由多の星々を束ねる遊び星……、そのあまねく煌きを|以て……」
僕が詠唱を続けていると、広大な蒼天がひろがっていた山岳地帯にみるみるうちに暗雲が立ち込め、雷鳴の轟きと共に無数の稲妻が走った。
そんな異変を察知したのか、馬車馬たちも興奮し、すさまじい勢いで馬車が駆けていく。
後続にいたメルとジルベールも、事態を飲み込めないまま全速力で馬に追いついた。
「見えたぞ!! 山賊たちだ」
山岳地帯へと続く道が急に細くなった辺りで野営をして、道を塞いでいる山賊たちがいた。
「止まらずに突っ込むんだ!! キム、花京院、ジョセフィーヌ、死ぬほど怖い顔をして連中を睨みつけろ!!」
「えぇー、ワタシそんな顔、できなーい!!」
「キムにお気に入りのブレスレットを壊された時のことを思い出すんだ!」
その瞬間、ジョセフィーヌの顔が羅刹のような形相になった。
「わ、悪かったって……」
『行くぞ!! 止まっちゃだめだからね!!』
僕は魔法伝達を全員に送った。
「げへへへへっ、待ちな!!! ここから先を通りたかったら……ぴげぇっ!!!」
馬車の前に立ち塞がった山賊の下っ端が、巨躯の黒馬の前脚に吹き飛ばされて数メートル先までもんどり打った。
「てめぇら、やりやがったな!! おい、者共……って……うわっ!!!!」
山賊団の頭領らしき男が、こちらを振り向いて目を見開いた。
その瞬間、太い稲光が近くを走り、馬車の全容が明らかになる。
フシュウウウウ、と鼻から大量の蒸気を噴き出しながら疾走する、あまりにも巨大な六頭の黒馬。
その御者台に乗った、おそろしく凶悪な顔をした筋骨隆々の男たちがこちらをすさまじい形相で睨んでいる。
その中央に立つ黒衣の男が不気味な詠唱を唱えていて、先程まで抜けるような青空だった周囲がみるみる闇に包まれていく。
想像するしかないけど、たぶんそんな風に見えていたと思う。
『冥府より出でし我らの軍団を妨げる愚か者共よ!! 全員生きて帰れぬものと思え!!!』
僕は魔法伝達を山賊たちに一斉に放った。
「じ、地獄の馬車……、ま、ま、ま、魔王軍……っ?!」
「ひ、ひぃぃぃぃ!! 魔王軍だー!!!! に、逃げろ!!!!!」
『ミヤザワくん、あそこのさ、壺がいっぱいおいてある辺りに火球魔法を撃てる?』
僕がそう伝えると、ミヤザワくんが客席から身を乗り出して火球魔法を放つ。
ミヤザワくんの火球が油壷に引火し、ボワァァァァァァッッ、とすさまじい音を立てて、山賊たちのキャンプに大きな火柱が上がる。
『フハハハハハハ!!! 我が業火に逃げ惑うがよい、愚かな人の子よ!!!!』
雷鳴と業火、六頭の巨大な黒馬の嘶きと怒濤のような馬蹄、大地に響く車輪の音に山賊たちは大混乱になり、逃げ合う者同士がぶつかり合っている。
「ひぇぇぇぇぇっ!!! お助けぇぇぇぇっ!!!」
『助けろ、だと? 我ら魔王軍を差し置いて、今までこの地で無法を働いておきながら、よくもぬけぬけと……』
「も、もうこの地には近づきません!! 二度と近づきませんからぁぁ!!』
『生ぬるい!! 皆殺しだ!!』
「ひ、ひぃぃぃ……」
『だが、私とて鬼ではない……』
「い、いや、そりゃ悪魔ですから……」
『く、口答えするな!!』
『ひぃっ!!』
『今すぐジェルディク法務庁に出頭するなら、命だけは助けてやろう』
『へ、出頭? 魔王軍なのに?』
『どうやら、命が惜しくないようだな!!!』
『へ、ヘイ!!します!!全員一人残らず出頭しますうぅぅぅぅぅ』
山賊たちは着の身着のままで、一目散に退散していった。
「ふぅ……」
馬車を止め、僕が小鳥遊を鞘にしまうと、暗雲が立ち込めていた空がみるみると元の青空に戻っていった。
「べ、ベル……。まさか天気を変えるだけのために、隕石群魔法の魔法詠唱を……?」
顔面蒼白になったヴェンツェルが、よろよろと馬車から降りて僕に言った。
「そうだよ。僕が自由意志で隕石群魔法撃てるわけないじゃん」
「撃てるわけないじゃんって……」
とりあえず、魔法学院で隕石群魔法を詠唱をすれば一瞬だけ天気が変わることだけはわかっていた。
稲光の中で浮かび上がる六頭の巨大な黒馬に牽かれた馬車と、御者台にいるジョセフィーヌたちの憤怒の形相を見れば、どんな山賊でも縮み上がるに違いないと思ったのだ。
「ほら、見てみて、死傷者ゼロのキレイな野営地が手に入ったよ! 天才!!」
僕がはしゃいでいるのを、客室から降りたみんながぽかーんとした顔で見ている。
「キム、よかったね、連中、丘バッファローを丸焼きにして、これから食べるところだったみたいだよ」
「そ、そうだな……」
キムが力なく笑った。
「ワタシの顔を見てあんなに怯えるなんて……失礼しちゃうわ!」
ぷんぷん怒っているジョセフィーヌ。
「冥府より出でし、我らの軍団……」
山賊たちに送った魔法伝達を間違えてみんなにも送っていたらしく、ミスティ先輩がドン引きしながら言った。
「地獄の馬車って言ってた。魔王軍って……」
馬から降りたメルが言った。
「君、だんだんアウローラに寄ってきているんじゃないのか」
ヴェンツェルが不安げな目で言った。
「くっくっく……!! 悪党どもを正義の鉄槌ではなく、さらなる悪党を演じて退散させるとは……」
ジルベールは馬から落ちそうなぐらいお腹を抱えて笑っている。
「街に向かったあいつら、絶対言いふらすでしょうね……」
アリサがぽつりと言った。
「ま、まぁ、とりあえず、上手くいったということで。ははは」
隣で肩を震わせているユキの肩にぽん、と手を置いて、僕は言った。
「街に帰る時どうすんのよー!!! このバカー!!!!!」
「ぐぇぇっ!!!」
ユキのドロップキックが炸裂した。
「魔王軍襲来の噂がさんざん街中に広まった後で、この馬車で帰ったらどうなると思ってんのよ!!」
「あ……」
そこまで考えてなかったということを思わず顔に出してしまうと、それを見たユキの顔がみるみる赤くなり、もう一発ドロップキックが炸裂した。
「バカー!!!」
僕たちはジェルディク市街の街道を北に向かった。
市街を抜けて人通りがなくなってから、馬の速度を上げてみると、ちょっとびっくりするような速度が出た。
にも関わらず、客室の揺れはほとんどない。
「座席、ふかふか」
エレインが座席を弾ませてにこにこ笑っている。
「いい買い物をしたなぁ……」
「買ってないでしょ……」
「あ、そうだ、タダだったんだ」
客席でくつろぐユキのツッコミに、僕はへらへらと笑った。
馬車馬の手綱は交代でやるようにしていて、そろそろ交代の時間なんだけど、ルッ君、キム、花京院が御者台でなにか楽しそうにしゃべっているのでそのままにしておいた。
馬車の周囲には、新しい愛馬に騎乗するメル、ゾフィア、ジルベールの三騎。
先頭のゾフィアが斥候、左右をメルとジルベールが固める鉄壁の布陣だ。
「メンバーの男子と女子の比率がほぼ1対1だから、馬車の中がぎゅうぎゅうじゃないのは本当にいいよね。気を使わずにくつろげるっていうか」
「キムとか花京院がいるとぎゅうぎゅうなんだけどね」
アリサが言った。
その横でぎゅうぎゅう気味のジョセフィーヌは気にならないらしく、ゴツい二の腕を枕にしてくつろいでいる。
「私はお兄様とぎゅうぎゅうな方がいいんですけど」
「馬車の中でまっちー君にいちゃいちゃするのは禁止よ。他の男子がかわいそうでしょ?」
「男子ならいいんですか?!」
「えっ?」
「ヴェンツェル様、さっきからお兄様といちゃいちゃしすぎだと思うんですけど!」
僕の地図を隣で覗き込んでいるヴェンツェルをテレサが指差した。
テレサ、ヴェンツェルは近眼だから、たまにものすごく顔が近いんだ。
「これは目の保養になるから、許可」
ミスティ裁きに、なぜかエレインがうんうんとうなずいた。
……それにしても、この客室に漂ういい匂いは、ちょっとヤバい。
アリサの柑橘系の匂いとか、ミスティ先輩の薔薇の匂いとか、テレサの椰子の実の匂いとか、エレインのフローラル系の匂いとか、あとヴェンツェルからも石鹸のいい匂いがするし、なんといってもジョセフィーヌからものすごくいい匂いがする。
(ジョセフィーヌって、なにげにセンスいいんだよな)
馬車馬に孔雀の羽根を付けようとかむちゃくちゃなことを言い出すけど、この香水の匂いも、東方王国セリカから伝わる白檀とか沈香が混じった、男性が付けても女性が付けてもすごくかっこいい匂いがする。
使っている小物もオシャレだったりして、士官学校の女子からもいろいろアドバイスを求められたりしているし、僕も何かで困った時はジョセフィーヌの意見を参考にしている。
「ジョセフィーヌ、馬車は気に入った?」
「んもう、当たり前じゃないの! 最高よぉ!」
ジョセフィーヌがイグニア市街のおばさんみたいに手を振った。
「ワタシ、移動中ずっとお尻が痛くなると思って、みんなの分のお座布団買ってたのよ!」
「え、そうだったの?」
「でも、この座席だったらいらなかったわね……」
「買い取るよ。ウチの領地に来る時にみんなで使ったらいいし」
「あーん、優しい~! でも、まつおちゃんにあ・げ・る」
最初の頃は誰もがジョセフィーヌのインパクトに圧倒されていたけど、最近ではみんな、こんな反応がむしろかわいらしく思えてきていた。
「さて、そろそろキムにエサをあげないとな」
「ぷっ……ひどい言い方ねー。 でも、本人に言っても素直に喜びそうなのよね……」
僕の言葉に、アリサがくすくすと笑った。
キムはいい奴だし、筋肉バカに見えて結構頭がいいし、頼りになる奴なんだけど、一時間に一回は「なんか腹減ったな」って言うのだけは勘弁してほしい。
与えなくても特に実害はないんだけど、どんどん元気がなくなっていって、最終的には寝る。
なので、今回の冒険では僕とユキで食料品の中から、『キムに一時間おきに与えるエサ』を事前に用意しておいたら、本人は馬を貰った時のゾフィアみたいに大喜びしていた。
「ところで、ミヤザワくんはさっきから何をしているの?」
僕は客席の一番後ろで、何かごそごそしているミヤザワくんに声をかけた。
「……」
「ミヤザワくん?」
ミヤザワくんは、普段見たことがないような、ものすごく真剣な眼差しで荷物を眺めていて、僕の声がまったく耳に入らないみたいだった。
「たぶんね、荷物の配置が本当にこれでいいか考えているんだと思う……」
アリサが僕に小声で言った。
「整理整頓モードになると、ああなるみたい」
「そ、そうなんだ、意外な一面だね……」
いつものほほんとしたミヤザワくんのキリッとした顔に衝撃を受けつつ、僕はヴェンツェルと見ていた地図に改めて目を落とした。
「もうすぐ山岳地帯に入るのかな?」
「ええ、そうよ。今はこの辺りかな」
ミスティ先輩がそう言って、僕の座席に身を乗り出した。
「ちょっ」
黒いショートカットの髪が僕の頬をくすぐって、ユキが目を三角にして僕を見る。
「いちゃいちゃ禁止って自分で言ったのに……」
テレサがぼそっと言った。
「この辺からはジェルディク帝国の警備兵の監視も行き届かなくなるわ。そろそろ警戒が必要ね」
「なるほど。ゾフィアに偵察をお願いしよう」
僕は魔法伝達でゾフィアに連絡した。
『ゾフィア、お疲れさま。そろそろ山岳地帯に入るんだけど、周辺に異常がないか確認してもらえないかな』
僕がそう言うなり、馬の鋭い嘶きと、ゾフィアの「ハイヤ!」という掛け声と共に、疾走する馬蹄の音がみるみる遠ざかっていく。
「速いなぁ……」
「お兄様から馬をいただいて、お姉様、出掛けてからもずっと泣いてましたよ」
「そっか」
「妹の私が言うのもアレなんですけど、最後まで面倒をみてあげてくださいね」
「面倒って?」
僕が尋ねると、テレサがにっこり笑った。
「姉妹共々もらってくださいってことです。お兄様」
「さりげなく自分も入れるところがあざといわね……」
アリサが苦笑しながら言った。
そんなやり取りをしているうちに、馬蹄の音が前方から再び聞こえてきて、あっという間に馬車の隣までやってきた。
「殿、戻ったぞ」
「おかえり、ゾフィア。どうだった?」
馬車の窓を開けて、ゾフィアに尋ねる。
「殿の予想通り、賊が待ち構えていた。その数、五十人程度」
「五十、ちと多いね」
「山賊の五十人程度、我らで蹴散らすことは不可能ではないと思うが……どうする? 殿」
「うーん」
僕は少し考えた。
冒険者の敵は、何もモンスターだけじゃない。
町中で盗賊に襲われることもあるし、市街を出たら山賊もいる。海には海賊だ。
中には他の冒険者を狙う悪質な冒険者もいるらしいし、迷宮の奥底で見つけた財宝や宝具を巡って仲間同士で争うなんていうこともあるらしい。
だから、基本的に冒険者志望の僕たちは、必要な時に人命を奪うということにためらいはない。
その覚悟は、士官学校で最初に教わることだからだ。
「ジョセフィーヌ、ちょっとルッ君と御者代わってもらってもいい?」
「はぁーい」
ジョセフィーヌは客室を開けて、移動中の馬車からひょいと身を乗り出して、ルッ君を引っ掴んだ。
「うわわっ!!」
「ゴメンね、ルッ君、ちょっと交代よん」
そのまま、ルッ君を客室の中に放り込んで、自分が御者台に飛び移った。
「び、びっくりするだろ!!!」
「馬車止めてからで良かったんだけど……、相変わらず、ゴツいのにすごい身のこなしだな……」
「死ぬかと思った……」
心臓を押さえているルッ君へのせめてものお詫びにキムのエサを与えて、僕も御者台に飛び移った。
「お、おい、定員オーバー……」
中央の御者台で抗議するキムの口にエサを入れた。
「うまっ……、これうまいな。さっきのと違う味だぞ」
「それ、僕が作ったやつ」
僕はそう言いながら、ジョセフィーヌと花京院の隣に足を着けて、御者台の上に立った。
「お、おい……、後頭部にお前の股間が当たるんだが……」
「ちょっと我慢して。僕も当たって気持ち悪いんだから……、あまり動かさないでくれる?」
「キムちゃん、今すぐワタシと場所を代わって! ほら早く!!」
「まつおさん、オレの分のおやつはないのか?」
「はい、あげる」
キム、ジョセフィーヌ、花京院が騒いでいる中、僕は小鳥遊を引き抜いて、魔法詠唱を開始した。
「万物は流転し……、輪廻すれど、大宇宙の理を外れること能わず……」
「……なんの詠唱だ、それ……」
事情がわからない三人が顔を見合わせる。
逆に、大慌てで客席からヴェンツェルが身を乗り出した。
「べ、ベル!! きききき、君は何を考えているんだ!!!」
「ヴェンツェル、コイツは何をやろうとしてるんだ?」
キムの問いに、ヴェンツェルが叫んだ。
「その詠唱は隕石群召喚魔法だ!!」
「「「「「「はぁぁぁぁー!!??」」」」」」
客室と御者台からみんなの絶叫が聞こえる。
「と、殿……っ、一体何を……」
「い、今すぐ止めさせるんだ!!」
「い、今すぐって……、う、馬の操縦してるから……、どうすれば……」
ヴェンツェルに言われて、キムがおろおろと左右を見渡した。
「こ、こらっ、頭を動かすな! 股間をぐりぐりするな!!」
「キムちゃん!! 場所を代わって!!」
「ば、ばかっ、ジョセフィーヌ!! 今それどころじゃないだろ!! 花京院も手伝え!」
「い、いや……オレ、まつおさんからお菓子もらったし……」
「簡単に買収されてんじゃねぇ!!」
キムの後頭部の感触を忘れて、僕は詠唱に集中する。
「那由多の星々を束ねる遊び星……、そのあまねく煌きを|以て……」
僕が詠唱を続けていると、広大な蒼天がひろがっていた山岳地帯にみるみるうちに暗雲が立ち込め、雷鳴の轟きと共に無数の稲妻が走った。
そんな異変を察知したのか、馬車馬たちも興奮し、すさまじい勢いで馬車が駆けていく。
後続にいたメルとジルベールも、事態を飲み込めないまま全速力で馬に追いついた。
「見えたぞ!! 山賊たちだ」
山岳地帯へと続く道が急に細くなった辺りで野営をして、道を塞いでいる山賊たちがいた。
「止まらずに突っ込むんだ!! キム、花京院、ジョセフィーヌ、死ぬほど怖い顔をして連中を睨みつけろ!!」
「えぇー、ワタシそんな顔、できなーい!!」
「キムにお気に入りのブレスレットを壊された時のことを思い出すんだ!」
その瞬間、ジョセフィーヌの顔が羅刹のような形相になった。
「わ、悪かったって……」
『行くぞ!! 止まっちゃだめだからね!!』
僕は魔法伝達を全員に送った。
「げへへへへっ、待ちな!!! ここから先を通りたかったら……ぴげぇっ!!!」
馬車の前に立ち塞がった山賊の下っ端が、巨躯の黒馬の前脚に吹き飛ばされて数メートル先までもんどり打った。
「てめぇら、やりやがったな!! おい、者共……って……うわっ!!!!」
山賊団の頭領らしき男が、こちらを振り向いて目を見開いた。
その瞬間、太い稲光が近くを走り、馬車の全容が明らかになる。
フシュウウウウ、と鼻から大量の蒸気を噴き出しながら疾走する、あまりにも巨大な六頭の黒馬。
その御者台に乗った、おそろしく凶悪な顔をした筋骨隆々の男たちがこちらをすさまじい形相で睨んでいる。
その中央に立つ黒衣の男が不気味な詠唱を唱えていて、先程まで抜けるような青空だった周囲がみるみる闇に包まれていく。
想像するしかないけど、たぶんそんな風に見えていたと思う。
『冥府より出でし我らの軍団を妨げる愚か者共よ!! 全員生きて帰れぬものと思え!!!』
僕は魔法伝達を山賊たちに一斉に放った。
「じ、地獄の馬車……、ま、ま、ま、魔王軍……っ?!」
「ひ、ひぃぃぃぃ!! 魔王軍だー!!!! に、逃げろ!!!!!」
『ミヤザワくん、あそこのさ、壺がいっぱいおいてある辺りに火球魔法を撃てる?』
僕がそう伝えると、ミヤザワくんが客席から身を乗り出して火球魔法を放つ。
ミヤザワくんの火球が油壷に引火し、ボワァァァァァァッッ、とすさまじい音を立てて、山賊たちのキャンプに大きな火柱が上がる。
『フハハハハハハ!!! 我が業火に逃げ惑うがよい、愚かな人の子よ!!!!』
雷鳴と業火、六頭の巨大な黒馬の嘶きと怒濤のような馬蹄、大地に響く車輪の音に山賊たちは大混乱になり、逃げ合う者同士がぶつかり合っている。
「ひぇぇぇぇぇっ!!! お助けぇぇぇぇっ!!!」
『助けろ、だと? 我ら魔王軍を差し置いて、今までこの地で無法を働いておきながら、よくもぬけぬけと……』
「も、もうこの地には近づきません!! 二度と近づきませんからぁぁ!!』
『生ぬるい!! 皆殺しだ!!』
「ひ、ひぃぃぃ……」
『だが、私とて鬼ではない……』
「い、いや、そりゃ悪魔ですから……」
『く、口答えするな!!』
『ひぃっ!!』
『今すぐジェルディク法務庁に出頭するなら、命だけは助けてやろう』
『へ、出頭? 魔王軍なのに?』
『どうやら、命が惜しくないようだな!!!』
『へ、ヘイ!!します!!全員一人残らず出頭しますうぅぅぅぅぅ』
山賊たちは着の身着のままで、一目散に退散していった。
「ふぅ……」
馬車を止め、僕が小鳥遊を鞘にしまうと、暗雲が立ち込めていた空がみるみると元の青空に戻っていった。
「べ、ベル……。まさか天気を変えるだけのために、隕石群魔法の魔法詠唱を……?」
顔面蒼白になったヴェンツェルが、よろよろと馬車から降りて僕に言った。
「そうだよ。僕が自由意志で隕石群魔法撃てるわけないじゃん」
「撃てるわけないじゃんって……」
とりあえず、魔法学院で隕石群魔法を詠唱をすれば一瞬だけ天気が変わることだけはわかっていた。
稲光の中で浮かび上がる六頭の巨大な黒馬に牽かれた馬車と、御者台にいるジョセフィーヌたちの憤怒の形相を見れば、どんな山賊でも縮み上がるに違いないと思ったのだ。
「ほら、見てみて、死傷者ゼロのキレイな野営地が手に入ったよ! 天才!!」
僕がはしゃいでいるのを、客室から降りたみんながぽかーんとした顔で見ている。
「キム、よかったね、連中、丘バッファローを丸焼きにして、これから食べるところだったみたいだよ」
「そ、そうだな……」
キムが力なく笑った。
「ワタシの顔を見てあんなに怯えるなんて……失礼しちゃうわ!」
ぷんぷん怒っているジョセフィーヌ。
「冥府より出でし、我らの軍団……」
山賊たちに送った魔法伝達を間違えてみんなにも送っていたらしく、ミスティ先輩がドン引きしながら言った。
「地獄の馬車って言ってた。魔王軍って……」
馬から降りたメルが言った。
「君、だんだんアウローラに寄ってきているんじゃないのか」
ヴェンツェルが不安げな目で言った。
「くっくっく……!! 悪党どもを正義の鉄槌ではなく、さらなる悪党を演じて退散させるとは……」
ジルベールは馬から落ちそうなぐらいお腹を抱えて笑っている。
「街に向かったあいつら、絶対言いふらすでしょうね……」
アリサがぽつりと言った。
「ま、まぁ、とりあえず、上手くいったということで。ははは」
隣で肩を震わせているユキの肩にぽん、と手を置いて、僕は言った。
「街に帰る時どうすんのよー!!! このバカー!!!!!」
「ぐぇぇっ!!!」
ユキのドロップキックが炸裂した。
「魔王軍襲来の噂がさんざん街中に広まった後で、この馬車で帰ったらどうなると思ってんのよ!!」
「あ……」
そこまで考えてなかったということを思わず顔に出してしまうと、それを見たユキの顔がみるみる赤くなり、もう一発ドロップキックが炸裂した。
「バカー!!!」
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