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第二十八章「新学期」(2)
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2
「えー、めんどくさそう」
「……詳しい話を聞く前から身も蓋もないことを言うな」
ヒルデガルド先輩が呆れたように眉を寄せながら言った。
キリッとした表情はともかく、こういう癖は祖父であるアルフォンス宰相閣下によく似ている。
似てるけど、細めの眉がきゅって動く度に、なんでこんなに色っぺぇんだろうか。
「その詳しい話を聞くのがめんどくさそう」
「私が上級生で、宰相の孫娘で、我が校の生徒会長と知っても貴様の態度が一切変わらぬところ、好ましくは思うが、新入生にしてはいささかふてぶてしすぎるぞ」
毒島先輩のようなことを言われた。
僕はルッ君とは違うのだ。
いくらヒルデガルド先輩が並外れた美人で色っぺぇ感じでなんでも言うことを聞きたくなる感じでも、僕はめんどくさそうなことだけは全力で回避するのである。
「……そうだな、貴様好みの言い方に変えよう。生徒会に入れば、他のサークルの連中はこぞって貴様の勧誘をあきらめるだろう」
「ほう……」
「そして、これは断言してもいいが、私が貴様に生徒会でやらせたい業務は、他のどのサークル活動よりも貴様にとってメリットがあるものだ」
さすが『外交の天才』、アルフォンス宰相閣下の孫娘といったところだろうか。
交渉の勘所ってものを押さえるのがうまい。
『そなた、こういうタイプの娘は好みであろう?』
(……そうだね、わりと)
『ふふ、そうであろうな。私とちょっと系統が似ているからな』
アウローラ、それが言いたくてわざわざ話しかけてきたのか……。
(美人のお姉さんから『貴様』とか言われるのは、ちょっといいよね)
『私も呼んでやろうか?』
(ややこしくなるから、やめて)
「わかりました。詳しい話をお聞きしましょう」
僕がそう言うと、ヒルデガルド先輩が優雅にティーカップをお皿に置いた。
そういえば、いつのまにか僕の分も紅茶がテーブルに置かれていた。
そんな如才ないところも、お祖父様譲りだなぁ。
「我々上級生が新学期に戻ってきて貴様の功績に驚かされたことはたくさんある」
「それはどうも。ほとんどまぐれですが」
本当にまぐれなんだけど、ヒルデガルド先輩は謙遜と受け取ったのか話を続けた。
「だが、そんな貴様の華々しい活躍の一方で、私の興味を一番引いたのは、『士官学校クエスト』だ」
「おお、そこに着目されましたか」
ちょっと嬉しい。
他の出来事はだいたい何かに巻き込まれて仕方なくやったことだけど、士官学校クエストは、冒険者ギルドで働いて僕が感じたことと士官学校生活で感じたことから、僕が自発的にギルド側と学校側に持ちかけた提案だからだ。
「冒険者たちにとっては報酬が物足りず、だが困っている市民も無い袖は振れず、冒険者ギルドで埃をかぶっていたクエストだが、士官候補生が引き受ければ、それは彼らにとって十分な報酬で、程よい実地訓練ともなり、また社会貢献、地域貢献にもなる。しかも、冒険者たちとのつながりもできる。双方にとってウィン・ウィン。……実にすばらしい施策と言える」
「生徒会長のことが、少し好きになりました」
僕は素直に、ヒルデガルド先輩に言った。
本当に、嬉しかったからだ。
「それは光栄だが、どうしてだ?」
「僕がしでかしたことを褒めてくれる人、ドン引きする人、たくさんいますけど、僕が一番評価して欲しいと思っていたことを正しく理解し、評価してくださったのはあなただけだったからです」
僕がそう言うと、ヒルデガルド先輩が目を大きくしてこちらを見た。
先輩はここまでずっとクールな表情だったが、初めて僕に驚きを見せたのだ。
「……貴様のその返答で、私も貴様への好感度を上げたぞ」
ヒルデガルド先輩はそう言って、ティーカップに口をつけた。
先輩はミルクティ派らしい。
雰囲気からして、濃厚なブラックコーヒーを飲みそうな感じだけど。
「あれだけ派手で華やかな功績を上げながら、それらを誇るわけでも驕るわけでもなく、このような、言ってみれば地味な施策をこそ大事に考えていたとはな」
ずっとこの人と話していたいような感覚に陥って、僕はハッと気付いた。
口調も雰囲気も全然違うが、僕は同じような感覚に陥ることがよくある。
それは、アルフォンス宰相閣下から何か面倒な頼み事を持ち込まれる時だ。
(いかんいかん、この一族は油断してると、とんでもない無理難題をふっかけられるぞ)
僕は魅力的なヒルデガルド先輩に鼻の下を伸ばすのをやめて、ちょっと嫌な方向から攻めてみることにした。
「……もしかして、私に生徒会入りさせたがっているのは、宰相閣下ですか?」
「ふっ……ふふふっ……あははははっ!!!」
僕がそう言った途端、ヒルデガルド先輩が楽しそうに笑った。
どうやらツボに入ったらしい。
「素晴らしい奇襲だ、ベルゲングリューン伯。そして、痛い所を的確に突いてくる」
「当たりでしたか」
「ああ。祖父殿はどうやら、貴様を政治の世界に引き込みたいらしい。……もっと言えば、以前は嬉々として大貴族相手と話を進めていた私の縁談話を片っ端から断り始めている」
「へ?」
「貴様と婚姻させたいと、ハッキリ言われたぞ」
「えええええっ!!!」
ヒルデガルド先輩が目を細めて、いたずらっぽく笑う。
「あの祖父殿にそこまで見込まれるとはな。……貴様は相当の女たらしだと聞いていたが、どうやら人たらしのようだな」
「いや、あの人が勝手に釣りにくるだけなんですが……」
僕がそう言うと、ヒルデガルド先輩がくすりと笑う。
「ふふ、そうらしいな。父が驚いていた。毎週祖父殿が魚を持ってくるようになったと」
「ウチの領内の魚がいなくなったら、あの方のせいですからね」
「私が妻になれば、貴様の領内は海にも及ぶことになる。魚の心配はいらぬだろう」
冗談がえげつない。
そういう話は、せめてもう少し恥ずかしそうに言うものじゃないのかな。
こちらの奇襲は、それ以上の奇襲によって潰されてしまった。
「祖父殿は貴様を政治家にしたいようだが、私は必ずしも同意見ではない」
「……そうですね。絶対向いてませんし」
「それは同意しかねるな。年の割に腹芸や権謀術数にずいぶん長けておるように見える。貴様が後継者となれば、祖父殿も安心して庭いじりに没頭できよう。……だがまぁ、今はその話はよい。前置きが長くなった、本題に入る」
ヒルデガルド先輩はスッと目を細めて、言った。
結局、先輩が僕を何にしたいのかが気になったけど、有耶無耶にされてしまった。
「貴様が作った『士官学校クエスト』をより大規模なものにしたい。生徒会が管轄する『士官学校ギルド』を発足し、士官候補生は誰でも、学年も身分も問わず、広く冒険ができるようにする」
「おおおっ……」
なんだかむちゃくちゃスケールの大きい話になってきた。
「生徒会の予算で、冒険に同行し、指導をする冒険者を『教導冒険者』として正式に雇用契約を結び、各地の未開拓の場所を冒険するのだ。これは実地訓練になるわけだから、授業の単位として取得できる」
「そ、それって……」
驚いた僕の言葉に、ヒルデガルド先輩がにっこりと笑った。
「そうだ。士官候補生は、退屈な授業など受けず、好きな時に冒険に出ることができるようになるのだ」
「す、すごい……」
僕が興味を示したのが嬉しいのか、ヒルデガルド先輩が身を乗り出して、僕の手の上に自分の手を乗せ、まるで口づけをするかのように、ぐっと顔を近づけた。
オリエンタルなイランイランと、爽やかなジャスミンが混ざったような、エキゾチックな香りに、くらくらーっとしてしまいそうになる。
たしかイランイランの花って、昔は惚れ薬の材料として使われてたんだっけ。
……この距離で、濃厚な甘い香りに鼻孔をくすぐられていると、わかる気がする。
「サークル活動で学生生活を謳歌するのを悪いとは言わん。冒険者の多くは短命だ。学校生活も短い。限られた青春を好きなように過ごすがいい」
ダークグレーアッシュが艶めくウェービーロングの髪を揺らしながら、先輩は言葉を続ける。
「……だが、私や君のような、根っからの冒険者気質の人間にとっては、退屈しのぎで仲良しこよしのサークル活動などただの苦痛でしかない。そうだろう?」
「そのとおりです」
ヒルデガルド先輩の胸の谷間……ではなくて、その側でキラリと光るものが見えた。
それは、僕が付けているのと同じ勲章。
……そうか、この人が第三十二代の若獅子だったんだ。
「そんな私達が、私達にしかできない冒険の日々を送る。その過程で感じた課題点や問題点を教師たちから学ぶ。……夢のような毎日だとは思わないか?」
「思います。思いますけど……」
どんどん顔が近付いてくるヒルデガルド先輩に、僕は言った。
「顔が、顔が……近いです。先輩」
「……なんだ、嫌なのか?」
ヒルデガルド先輩がからかうように、僕を上目遣いで見る。
いつの間にか授業が終わったのか、複数人の生徒が僕たちの方を見てギョッとしている。
「そりゃ嫌ではないですけど、僕は今日、朝から走り込んでるのでめちゃくちゃ汗臭いですよ」
「それは問題ない。私は戦う男の汗の匂いが好きなのだ。貴様からは良い匂いがしている」
(ただの変態やないか……)
すべてが完璧そうな先輩だったけど、この先輩は先輩でやっぱりちょっと変わっているらしい。
「でも、冒険者ギルドから回してもらっている依頼って、現状そこまで多くはないと思うんですが……」
「ああ。私が考えているのは、未開拓地の探検だ」
げっ、という声が聞こえて、横目でちらっと見て、僕も心の中で「げっ」と呟いた。
僕とヒルデガルド先輩の顔がめちゃくちゃ接近しているところを、ユキとミスティ先輩に見られた。
……もうこれで、みんなに広まるのは不可避だな。
「はぁ……。一番気に入られちゃいけない人に気に入られちゃったみたいね……」
「はい……、絶対気に入られるとは思ってました……」
「私も……」
外野の声がすごく気になるけど、ヒルデガルド先輩は構わず言葉を続ける。
「冒険者ギルドの依頼は、当然だが依頼主がいる。逆に言えば、本来、人が立ち入る必要のないような場所の依頼は、基本的にはない」
「そうですね」
僕はうなずいた。
冒険者ギルドで仕事をしていたから、そのことはよくわかっている。
ヴァイリス王国だけでも、未開の地がたくさんあった。
「300年の和平が続き、国が交易路とその周辺の開拓を重視するようになったという面もある。だが、その開拓事業も完了し、今日のヴァイリス王国は、未開の地域の開拓事業に注力しようとしている」
「あ、もしかして、ウチの……」
僕が言いかけると、ヒルデガルド先輩がうなずいた。
「そうだ。貴様のベルゲングリューン市、すなわち元アルミノ荒野が、その第一弾というわけだ」
「なるほど。つまり、今後の開拓に繋がる未開拓地域の魔物討伐や洞窟の制圧は、ヴァイリス王国からの支援や報酬が期待できると……」
「フフ、やはり貴様は相当頭が切れる男のようだ。理解が早くて助かる」
「……あんな風に顔を近づけて、何を話しているのかしら」
「ミスティ先輩、ヒルデガルド先輩の手を見てくださいよ。いっやらしい」
「いえ、あれはベルくんを誘惑しているというより、興奮して何かを話している感じね……」
「いつもクールで『氷の女帝』とか言われているヒルデガルド先輩が……?」
二人の無遠慮な視線が気になって、さりげなく顔を離そうとしたけど、先輩が僕の手の上にがっちり手を乗せていて、距離が離せない。
「ベルゲングリューン伯。貴様を、生徒会副会長に任命する」
「は?」
……今、声を発したのは僕じゃない。
ユキだ。
「ちょ、ちょっと……」
「私よりひどい、ウンコみたいな成績のまっちゃんが、生徒会副会長!?」
ユキの声が大きいので、いつの間にか周囲に人だかりができていた。
「一年生で生徒会長に推薦されてから、指名権があるのにずっと副会長を指名してなかったのよ、あの人……」
「ミスティ先輩、イグニア新聞の次の記事は決まりですね」
「『ベルゲングリューン伯、氷の女帝の氷を溶かす……』」
(外野、うるさいよ!)
「な、なにぃぃぃ!!!! あ、あのアホ貴族がベルゲングリューン伯だったんか!!!」
「だ、団長!! まだ右手を振り回したらアカン!! せっかく回復魔法重ねがけで元の方向にくっついたんやから!!」
ユキより10倍ぐらい大きい声で叫ぶ毒島 力道山先輩と、その取り巻きの声が聞こえる。
「ぬぬぅぅぅぅ!! やはりベルゲングリューン伯はすごいお人じゃ……!! ワシを試すために、あえてアホのフリをしとったんか……!!」
「団長、ほんまでっか?! ワシにはただのアホに見えましたけど……」
「バカモンが!! あの聡明そうなお顔をちゃんと見んか!!! ヒルデガルド生徒会長様がお認めになられた男の顔ではないか!! 眩しい!! ご尊顔が眩しすぎるっっ!!!」
「鉄拳制裁ありがとうございます!!! おかげでワシにも眩しゅう見えてきましたわ!」
「こうしてはおれん!! お前ら!! ベルゲングリューン伯の副会長就任を祝して、応援じゃ!! 全力で応援するんじゃー!!」
「フレー!! フレー!! べ・ル・ゲ・ン!!!!!」
「フレー!! フレー!! べ・ル・ゲ・ン!!!!!」
「フレー!! フレー!! べ・ル・ゲ・ン!!!!!」
……カフェテラスに、毒島応援団の大音響が響き渡った。
「おまえらさっさと卒業しろ!!」
僕の全力のツッコミは、毒島先輩の大声で完全にかき消された。
(も、もう、めちゃくちゃだ……。)
「ふっ、ずいぶん騒がしくなってきたから、このぐらいにしておくか」
僕から手を離して、ヒルデガルド先輩が席を立った。
あ、ちょっと名残惜しい……と思ったら、ミスティ先輩にジト目で見られた。
でも、次の瞬間、ヒルデガルド先輩は座ったままの僕に近付いて、耳元で囁きはじめたので、今度はユキにもジト目で見られた。
「安心しろ。生徒会の業務はすべて今の体制で遂行できる。貴様は『士官学校ギルド』の運営に集中しろ。副会長という役職は、そのための権限と、学校側と生徒会の全面的な支援を得るためのものだと考えてくれればいい」
「え、えっと……」
「『士官学校クエスト』を実現させた手腕と、冒険者ギルドの支部長代理としてのノウハウ、そして一流の冒険者としての貴様の才幹に期待する」
「あ、あの……」
「これが、卒業するまでの私の我儘だ。その後は祖父殿の願い通り貴様の妻になるのも悪くないだろう。貴様の願いも聞いてやる。では、また連絡する」
ヒルデガルド先輩はそう言って僕から顔を離すと、もう一度顔を近づけて言った。
「……これからは、私のことはヒルダと呼べ」
それだけ言って、ヒルダ先輩は毒島先輩の大騒ぎに眉一つ動かすことなく、颯爽とカフェテラスを後にした。
(ま、まだ、引き受けるって一言も言ってないのに、なんか、引き受けたみたいなことになってる……)
毒島先輩のせいじゃないか、これ……。
いや、違う。
ヒルダ先輩は、毒島先輩が作り出した空気を利用したんだ。
(氷の女帝、か……。女帝ね、なるほど)
ユキが言っていた言葉を思い出して、僕は思わず苦笑した。
ヒルデガルド・フォン・アイヒベルガーは、祖父よりも数段手強いかもしれない。
「えー、めんどくさそう」
「……詳しい話を聞く前から身も蓋もないことを言うな」
ヒルデガルド先輩が呆れたように眉を寄せながら言った。
キリッとした表情はともかく、こういう癖は祖父であるアルフォンス宰相閣下によく似ている。
似てるけど、細めの眉がきゅって動く度に、なんでこんなに色っぺぇんだろうか。
「その詳しい話を聞くのがめんどくさそう」
「私が上級生で、宰相の孫娘で、我が校の生徒会長と知っても貴様の態度が一切変わらぬところ、好ましくは思うが、新入生にしてはいささかふてぶてしすぎるぞ」
毒島先輩のようなことを言われた。
僕はルッ君とは違うのだ。
いくらヒルデガルド先輩が並外れた美人で色っぺぇ感じでなんでも言うことを聞きたくなる感じでも、僕はめんどくさそうなことだけは全力で回避するのである。
「……そうだな、貴様好みの言い方に変えよう。生徒会に入れば、他のサークルの連中はこぞって貴様の勧誘をあきらめるだろう」
「ほう……」
「そして、これは断言してもいいが、私が貴様に生徒会でやらせたい業務は、他のどのサークル活動よりも貴様にとってメリットがあるものだ」
さすが『外交の天才』、アルフォンス宰相閣下の孫娘といったところだろうか。
交渉の勘所ってものを押さえるのがうまい。
『そなた、こういうタイプの娘は好みであろう?』
(……そうだね、わりと)
『ふふ、そうであろうな。私とちょっと系統が似ているからな』
アウローラ、それが言いたくてわざわざ話しかけてきたのか……。
(美人のお姉さんから『貴様』とか言われるのは、ちょっといいよね)
『私も呼んでやろうか?』
(ややこしくなるから、やめて)
「わかりました。詳しい話をお聞きしましょう」
僕がそう言うと、ヒルデガルド先輩が優雅にティーカップをお皿に置いた。
そういえば、いつのまにか僕の分も紅茶がテーブルに置かれていた。
そんな如才ないところも、お祖父様譲りだなぁ。
「我々上級生が新学期に戻ってきて貴様の功績に驚かされたことはたくさんある」
「それはどうも。ほとんどまぐれですが」
本当にまぐれなんだけど、ヒルデガルド先輩は謙遜と受け取ったのか話を続けた。
「だが、そんな貴様の華々しい活躍の一方で、私の興味を一番引いたのは、『士官学校クエスト』だ」
「おお、そこに着目されましたか」
ちょっと嬉しい。
他の出来事はだいたい何かに巻き込まれて仕方なくやったことだけど、士官学校クエストは、冒険者ギルドで働いて僕が感じたことと士官学校生活で感じたことから、僕が自発的にギルド側と学校側に持ちかけた提案だからだ。
「冒険者たちにとっては報酬が物足りず、だが困っている市民も無い袖は振れず、冒険者ギルドで埃をかぶっていたクエストだが、士官候補生が引き受ければ、それは彼らにとって十分な報酬で、程よい実地訓練ともなり、また社会貢献、地域貢献にもなる。しかも、冒険者たちとのつながりもできる。双方にとってウィン・ウィン。……実にすばらしい施策と言える」
「生徒会長のことが、少し好きになりました」
僕は素直に、ヒルデガルド先輩に言った。
本当に、嬉しかったからだ。
「それは光栄だが、どうしてだ?」
「僕がしでかしたことを褒めてくれる人、ドン引きする人、たくさんいますけど、僕が一番評価して欲しいと思っていたことを正しく理解し、評価してくださったのはあなただけだったからです」
僕がそう言うと、ヒルデガルド先輩が目を大きくしてこちらを見た。
先輩はここまでずっとクールな表情だったが、初めて僕に驚きを見せたのだ。
「……貴様のその返答で、私も貴様への好感度を上げたぞ」
ヒルデガルド先輩はそう言って、ティーカップに口をつけた。
先輩はミルクティ派らしい。
雰囲気からして、濃厚なブラックコーヒーを飲みそうな感じだけど。
「あれだけ派手で華やかな功績を上げながら、それらを誇るわけでも驕るわけでもなく、このような、言ってみれば地味な施策をこそ大事に考えていたとはな」
ずっとこの人と話していたいような感覚に陥って、僕はハッと気付いた。
口調も雰囲気も全然違うが、僕は同じような感覚に陥ることがよくある。
それは、アルフォンス宰相閣下から何か面倒な頼み事を持ち込まれる時だ。
(いかんいかん、この一族は油断してると、とんでもない無理難題をふっかけられるぞ)
僕は魅力的なヒルデガルド先輩に鼻の下を伸ばすのをやめて、ちょっと嫌な方向から攻めてみることにした。
「……もしかして、私に生徒会入りさせたがっているのは、宰相閣下ですか?」
「ふっ……ふふふっ……あははははっ!!!」
僕がそう言った途端、ヒルデガルド先輩が楽しそうに笑った。
どうやらツボに入ったらしい。
「素晴らしい奇襲だ、ベルゲングリューン伯。そして、痛い所を的確に突いてくる」
「当たりでしたか」
「ああ。祖父殿はどうやら、貴様を政治の世界に引き込みたいらしい。……もっと言えば、以前は嬉々として大貴族相手と話を進めていた私の縁談話を片っ端から断り始めている」
「へ?」
「貴様と婚姻させたいと、ハッキリ言われたぞ」
「えええええっ!!!」
ヒルデガルド先輩が目を細めて、いたずらっぽく笑う。
「あの祖父殿にそこまで見込まれるとはな。……貴様は相当の女たらしだと聞いていたが、どうやら人たらしのようだな」
「いや、あの人が勝手に釣りにくるだけなんですが……」
僕がそう言うと、ヒルデガルド先輩がくすりと笑う。
「ふふ、そうらしいな。父が驚いていた。毎週祖父殿が魚を持ってくるようになったと」
「ウチの領内の魚がいなくなったら、あの方のせいですからね」
「私が妻になれば、貴様の領内は海にも及ぶことになる。魚の心配はいらぬだろう」
冗談がえげつない。
そういう話は、せめてもう少し恥ずかしそうに言うものじゃないのかな。
こちらの奇襲は、それ以上の奇襲によって潰されてしまった。
「祖父殿は貴様を政治家にしたいようだが、私は必ずしも同意見ではない」
「……そうですね。絶対向いてませんし」
「それは同意しかねるな。年の割に腹芸や権謀術数にずいぶん長けておるように見える。貴様が後継者となれば、祖父殿も安心して庭いじりに没頭できよう。……だがまぁ、今はその話はよい。前置きが長くなった、本題に入る」
ヒルデガルド先輩はスッと目を細めて、言った。
結局、先輩が僕を何にしたいのかが気になったけど、有耶無耶にされてしまった。
「貴様が作った『士官学校クエスト』をより大規模なものにしたい。生徒会が管轄する『士官学校ギルド』を発足し、士官候補生は誰でも、学年も身分も問わず、広く冒険ができるようにする」
「おおおっ……」
なんだかむちゃくちゃスケールの大きい話になってきた。
「生徒会の予算で、冒険に同行し、指導をする冒険者を『教導冒険者』として正式に雇用契約を結び、各地の未開拓の場所を冒険するのだ。これは実地訓練になるわけだから、授業の単位として取得できる」
「そ、それって……」
驚いた僕の言葉に、ヒルデガルド先輩がにっこりと笑った。
「そうだ。士官候補生は、退屈な授業など受けず、好きな時に冒険に出ることができるようになるのだ」
「す、すごい……」
僕が興味を示したのが嬉しいのか、ヒルデガルド先輩が身を乗り出して、僕の手の上に自分の手を乗せ、まるで口づけをするかのように、ぐっと顔を近づけた。
オリエンタルなイランイランと、爽やかなジャスミンが混ざったような、エキゾチックな香りに、くらくらーっとしてしまいそうになる。
たしかイランイランの花って、昔は惚れ薬の材料として使われてたんだっけ。
……この距離で、濃厚な甘い香りに鼻孔をくすぐられていると、わかる気がする。
「サークル活動で学生生活を謳歌するのを悪いとは言わん。冒険者の多くは短命だ。学校生活も短い。限られた青春を好きなように過ごすがいい」
ダークグレーアッシュが艶めくウェービーロングの髪を揺らしながら、先輩は言葉を続ける。
「……だが、私や君のような、根っからの冒険者気質の人間にとっては、退屈しのぎで仲良しこよしのサークル活動などただの苦痛でしかない。そうだろう?」
「そのとおりです」
ヒルデガルド先輩の胸の谷間……ではなくて、その側でキラリと光るものが見えた。
それは、僕が付けているのと同じ勲章。
……そうか、この人が第三十二代の若獅子だったんだ。
「そんな私達が、私達にしかできない冒険の日々を送る。その過程で感じた課題点や問題点を教師たちから学ぶ。……夢のような毎日だとは思わないか?」
「思います。思いますけど……」
どんどん顔が近付いてくるヒルデガルド先輩に、僕は言った。
「顔が、顔が……近いです。先輩」
「……なんだ、嫌なのか?」
ヒルデガルド先輩がからかうように、僕を上目遣いで見る。
いつの間にか授業が終わったのか、複数人の生徒が僕たちの方を見てギョッとしている。
「そりゃ嫌ではないですけど、僕は今日、朝から走り込んでるのでめちゃくちゃ汗臭いですよ」
「それは問題ない。私は戦う男の汗の匂いが好きなのだ。貴様からは良い匂いがしている」
(ただの変態やないか……)
すべてが完璧そうな先輩だったけど、この先輩は先輩でやっぱりちょっと変わっているらしい。
「でも、冒険者ギルドから回してもらっている依頼って、現状そこまで多くはないと思うんですが……」
「ああ。私が考えているのは、未開拓地の探検だ」
げっ、という声が聞こえて、横目でちらっと見て、僕も心の中で「げっ」と呟いた。
僕とヒルデガルド先輩の顔がめちゃくちゃ接近しているところを、ユキとミスティ先輩に見られた。
……もうこれで、みんなに広まるのは不可避だな。
「はぁ……。一番気に入られちゃいけない人に気に入られちゃったみたいね……」
「はい……、絶対気に入られるとは思ってました……」
「私も……」
外野の声がすごく気になるけど、ヒルデガルド先輩は構わず言葉を続ける。
「冒険者ギルドの依頼は、当然だが依頼主がいる。逆に言えば、本来、人が立ち入る必要のないような場所の依頼は、基本的にはない」
「そうですね」
僕はうなずいた。
冒険者ギルドで仕事をしていたから、そのことはよくわかっている。
ヴァイリス王国だけでも、未開の地がたくさんあった。
「300年の和平が続き、国が交易路とその周辺の開拓を重視するようになったという面もある。だが、その開拓事業も完了し、今日のヴァイリス王国は、未開の地域の開拓事業に注力しようとしている」
「あ、もしかして、ウチの……」
僕が言いかけると、ヒルデガルド先輩がうなずいた。
「そうだ。貴様のベルゲングリューン市、すなわち元アルミノ荒野が、その第一弾というわけだ」
「なるほど。つまり、今後の開拓に繋がる未開拓地域の魔物討伐や洞窟の制圧は、ヴァイリス王国からの支援や報酬が期待できると……」
「フフ、やはり貴様は相当頭が切れる男のようだ。理解が早くて助かる」
「……あんな風に顔を近づけて、何を話しているのかしら」
「ミスティ先輩、ヒルデガルド先輩の手を見てくださいよ。いっやらしい」
「いえ、あれはベルくんを誘惑しているというより、興奮して何かを話している感じね……」
「いつもクールで『氷の女帝』とか言われているヒルデガルド先輩が……?」
二人の無遠慮な視線が気になって、さりげなく顔を離そうとしたけど、先輩が僕の手の上にがっちり手を乗せていて、距離が離せない。
「ベルゲングリューン伯。貴様を、生徒会副会長に任命する」
「は?」
……今、声を発したのは僕じゃない。
ユキだ。
「ちょ、ちょっと……」
「私よりひどい、ウンコみたいな成績のまっちゃんが、生徒会副会長!?」
ユキの声が大きいので、いつの間にか周囲に人だかりができていた。
「一年生で生徒会長に推薦されてから、指名権があるのにずっと副会長を指名してなかったのよ、あの人……」
「ミスティ先輩、イグニア新聞の次の記事は決まりですね」
「『ベルゲングリューン伯、氷の女帝の氷を溶かす……』」
(外野、うるさいよ!)
「な、なにぃぃぃ!!!! あ、あのアホ貴族がベルゲングリューン伯だったんか!!!」
「だ、団長!! まだ右手を振り回したらアカン!! せっかく回復魔法重ねがけで元の方向にくっついたんやから!!」
ユキより10倍ぐらい大きい声で叫ぶ毒島 力道山先輩と、その取り巻きの声が聞こえる。
「ぬぬぅぅぅぅ!! やはりベルゲングリューン伯はすごいお人じゃ……!! ワシを試すために、あえてアホのフリをしとったんか……!!」
「団長、ほんまでっか?! ワシにはただのアホに見えましたけど……」
「バカモンが!! あの聡明そうなお顔をちゃんと見んか!!! ヒルデガルド生徒会長様がお認めになられた男の顔ではないか!! 眩しい!! ご尊顔が眩しすぎるっっ!!!」
「鉄拳制裁ありがとうございます!!! おかげでワシにも眩しゅう見えてきましたわ!」
「こうしてはおれん!! お前ら!! ベルゲングリューン伯の副会長就任を祝して、応援じゃ!! 全力で応援するんじゃー!!」
「フレー!! フレー!! べ・ル・ゲ・ン!!!!!」
「フレー!! フレー!! べ・ル・ゲ・ン!!!!!」
「フレー!! フレー!! べ・ル・ゲ・ン!!!!!」
……カフェテラスに、毒島応援団の大音響が響き渡った。
「おまえらさっさと卒業しろ!!」
僕の全力のツッコミは、毒島先輩の大声で完全にかき消された。
(も、もう、めちゃくちゃだ……。)
「ふっ、ずいぶん騒がしくなってきたから、このぐらいにしておくか」
僕から手を離して、ヒルデガルド先輩が席を立った。
あ、ちょっと名残惜しい……と思ったら、ミスティ先輩にジト目で見られた。
でも、次の瞬間、ヒルデガルド先輩は座ったままの僕に近付いて、耳元で囁きはじめたので、今度はユキにもジト目で見られた。
「安心しろ。生徒会の業務はすべて今の体制で遂行できる。貴様は『士官学校ギルド』の運営に集中しろ。副会長という役職は、そのための権限と、学校側と生徒会の全面的な支援を得るためのものだと考えてくれればいい」
「え、えっと……」
「『士官学校クエスト』を実現させた手腕と、冒険者ギルドの支部長代理としてのノウハウ、そして一流の冒険者としての貴様の才幹に期待する」
「あ、あの……」
「これが、卒業するまでの私の我儘だ。その後は祖父殿の願い通り貴様の妻になるのも悪くないだろう。貴様の願いも聞いてやる。では、また連絡する」
ヒルデガルド先輩はそう言って僕から顔を離すと、もう一度顔を近づけて言った。
「……これからは、私のことはヒルダと呼べ」
それだけ言って、ヒルダ先輩は毒島先輩の大騒ぎに眉一つ動かすことなく、颯爽とカフェテラスを後にした。
(ま、まだ、引き受けるって一言も言ってないのに、なんか、引き受けたみたいなことになってる……)
毒島先輩のせいじゃないか、これ……。
いや、違う。
ヒルダ先輩は、毒島先輩が作り出した空気を利用したんだ。
(氷の女帝、か……。女帝ね、なるほど)
ユキが言っていた言葉を思い出して、僕は思わず苦笑した。
ヒルデガルド・フォン・アイヒベルガーは、祖父よりも数段手強いかもしれない。
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2024年12月追記
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