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第二部 第一章「高く付いた指輪」(4)
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※ご注意
今回、3、4、5、6話の四本立てで投稿しています。
ブックマークから見に来てくださった方は、前話を読み逃していないかご注意ください。
4
「まともに奪うことができないばかりか、逆にまんまと船を奪われた、ちんけな海賊団諸君!! 聞こえますかー?!」
僕がそう言った途端、向こう側の船の喧騒がぴたり、と止まり、次の瞬間大騒ぎになった。
「なっ!? ア、アイツ、い、いつの間に?!」
「残ってた連中はどうしたんだ!?」
樽から出てきた大量のリザーディアンたちに完全に気を取られていた海賊団たちが、交戦中なのも忘れてデッキから身を乗り出してこちらを見た。
「ああ、船にいた連中は邪魔だったんで、ひとり残らず海に落ちてもらったよ。泳ぎが得意で、辺りをウヨウヨしているリザーディアンたちに見つからないラッキーボーイなら生きてるんじゃないかな」
「テ、テメェ!!! お、おかしら、どうしやす?!」
海賊たちに言われて、海賊の頭領らしい男が姿を現した。
薄汚いおっさんが出てくるかと思ったけど、意外と若い長髪の男が出てきた。
……とは言っても、僕よりは年上だ。
二十代の半ばぐらいだろうか。
海賊というよりは、どこぞの商人のような雰囲気だ。
「キミがベルゲングリューン伯か。……やれやれ、噂以上に困ったお人のようだね……」
「あんたが海の男のくせに、まんまと学生風情に船を奪われたこっ恥ずかしい船長さん?」
「……!!」
僕の挑発に、余裕をかましていた船長の顔がみるみる赤くなった。
効いてる効いてる。
「海賊なんだから、さっさと襲って奪っちゃえばいいのに、ちんたら降伏勧告とかやってるからだよ。それとも、我がベルゲングリューン騎士団にビビっちゃったの? 海の男のくせに」
「我々は義賊なのだ!! 悪い貴族や商人たちからしか金品は奪わないし、無益な殺生はしない!!」
「へぇ……、そうなんだ」
僕は思わず苦笑した。
僕より年上にしては、ずいぶんと甘ったれた考えの持ち主のようだ。
もしかして、どこかの没落貴族の坊っちゃんだったりして。
「じゃ、聞くんだけど、その悪い貴族の『悪い』ってのは、どうやって判断しているの?」
「そんなのは決まっている!! 圧政を強いて私腹を肥やす貴族たちだ!!」
「あんたらがくだらん悪さして、海域の治安維持に税金をムダに使わなきゃ、その圧政も少しはマシになると思わない?」
「……どうやら、キミとはこれ以上話してもムダなようだ」
長髪の船長は、神経質な表情のまま、笑顔を作ってそう言った。
それについては、僕も同感だ。
「停戦をしないか? その船をそのまま返してくれれば、こちらの船も乗組員たちにも、一切の危害を加えない」
「ぷっ」
海賊団の船長がそう言ったので、僕は思わず笑ってしまった。
ユキとゾフィアも、それに釣られて笑い出す。
「……何がおかしいのかな?」
海賊団の船長の声が少し低くなって、尋ねてきた。
「船長、それに対する僕の返答は、こうだ」
僕は玉座から軽く右手を上げた。
次の瞬間。
ドンッ!!!
ドンドンッ!!!!
ドンドンドンドンドンッ!!!!
海賊団の僚船がいる側の船体側面にびっしり並んだ魔導カノン砲から、待機していたリザーディアンたちが一斉に砲撃を開始して、すさまじい轟音が海洋に響き渡った。
ボガァァァァァァァンッッ!!!!
ボンッ!! ボンッ!! ボガァァァァァァァンッッ!!!!
「うわああああっ!? オ、オレ達の船が……っ!!!」
僕が乗る旗艦船から放たれた大砲の音と共に、一緒に停泊していた二隻のガレオン船がみるみるうちに沈んでいく。
「な、な、なんということを……」
「停戦だって? 人の船に乗り込んできて、寝ぼけたこと言ってんじゃないよ」
あまりの光景に思わず尻もちをついた海賊団の船長に、僕は冷然と言い放った。
「僕たちは学生なんだけどさ、冒険者を志した時から僕らはとっくに死ぬ覚悟ができてるんだよね。あんたたちは海賊なんでしょ? だったら、同じような覚悟ができているんじゃないかな、と思ってたんだけどな」
「て、停戦……い、いや、わかった、降伏する! 降伏するから!!
「こんなこと言ってるよ。どう思う、ゾフィア」
「名のある海賊団と聞いていたからどんなものかと思っていたが、見下げ果てた男だな。所詮はコソ泥集団ということだろうか」
「くっ……」
ゾフィアの冷ややかな言葉に、海賊団の船長が悔しそうに顔をしかめた。
「おや、悔しそうだね。……船長、あんた、名前は?」
「……エメリコだ」
「それじゃ、イベリコ。僕がこの世で最も嫌いなものが二つある」
「エメリコだ!」
僕は組んだ足を入れ替えて、玉座に肘をつきながら、言った。
「一つは、夏の寝苦しい夜に耳元でぷ~んって言いながら飛び回る蚊だ」
「はぁ?」
今の「はぁ?」はエメリコではなく、ユキが言った。
「おとなしく血を吸ってくれれば、翌朝多少かゆくても我慢するのに、なんであいつらはいちいち『ぷ~ん』って挨拶してくるんだ」
「そんなの知らないわよ!」
ベルゲングリューン領は、水場が多いのに蚊がまったく入ってこないのは大変ありがたい。魚が多くて、水たまりじゃなくて、どこも常に水が流れているからかな。
「それと、もう一つが……、『義賊』だ。こいつは蚊よりもずっと性質が悪い」
「……なんだと」
僕が言い放つと、エメリコがギロリと鋭い目を向けた。
なるほど、この顔がコイツの本性か。
どうやら、自分が義賊であるということには、本当にプライドがあるらしい。
「悪いことやってんだから、堂々と悪いことやってりゃいいじゃない。海賊なんてクソみたいな仕事やってんだから、クソらしくしてればいいじゃない」
僕はエメリコを睨み返しながら言った。
「それをヘンに正当化して『義賊』とか名乗っちゃってるの、死ぬほどダサいと思わない? うんこにたかるハエにだって、もう少し分別ってもんがある」
「き、貴様……っ」
「誰を納得させたいの? 民衆? それとも自分たち? 何をどう言い繕おうと、君たちの悪行は変わらない、ただの薄汚い窃盗団だ。それを『義賊』とか言っちゃってるの、頭悪すぎて笑っちゃうぜ」
「くっ……」
気が狂わんばかりの屈辱に身体を震わせながらも、圧倒的不利を察してエメリコは何もしてこない。
「どうしたの? 悪い貴族をやっつけるのが義賊なんじゃないの? 僕は見ての通り、海賊団から船ごと巻き上げる悪い貴族だよ。命を賭けて戦わないの?」
「む、無益な殺生は好まない……」
「あっそ、じゃ、僕は君たちを皆殺しにするね」
「なっ!?」
僕の容赦ない言葉に、海賊たちに動揺が走った。
「だって、君たちを殺すことは、どう考えても無益な殺生じゃないでしょ? 海賊を殺せば、この海域が少しでも平和になるんだからさ」
僕はにっこりと笑った。
「あっはっは!! 実に痛快!! さすがは噂に名高いベルゲングリューン伯だ。ナイスだねぇ!!」
「な、なんじゃぁ?」
急に船室から現れた男に、僕は思わず声を上げた。
リザーディアンに連れられた、長身の優男。
赤みがかった茶色の長髪を後ろで束ねた上に、つばの長いテンガロンハットをかぶり、胸元の開いたシャツにキャメル色のコートを羽織った、女性と見紛うほどの美青年が、手首を鎖で繋がれた状態で僕に手を振った。
「船室ニ監禁サレチョッタンデ、連行イタシマシタ」
どこかソリマチ隊長の方言まじりに、リザーディアンが知らせてくれた。
「あらやだ、いい男」
ユキが僕の肩に置いた手を離して、ジョセフィーヌみたいなことを言いながら口元に手を当てた。
そんなユキに優男はウィンクして、にっこり笑いながら……
「ありがとうお嬢さん。しかし残念ながら、僕は年下の男性にしか興味がないんだ」
「えっ」
おそろしいことを言った。
「やぁ、ベルゲングリューン伯。僕は吟遊詩人のバルトロメウ・イグレシアス。不肖の弟がずいぶん迷惑をかけたようだね」
「弟?」
顔を上げた僕に、バルトロメウという優男が鎖で繋がれたままの腕を上げ、前方を差した。
「あの海賊団の頭領さ」
今回、3、4、5、6話の四本立てで投稿しています。
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「まともに奪うことができないばかりか、逆にまんまと船を奪われた、ちんけな海賊団諸君!! 聞こえますかー?!」
僕がそう言った途端、向こう側の船の喧騒がぴたり、と止まり、次の瞬間大騒ぎになった。
「なっ!? ア、アイツ、い、いつの間に?!」
「残ってた連中はどうしたんだ!?」
樽から出てきた大量のリザーディアンたちに完全に気を取られていた海賊団たちが、交戦中なのも忘れてデッキから身を乗り出してこちらを見た。
「ああ、船にいた連中は邪魔だったんで、ひとり残らず海に落ちてもらったよ。泳ぎが得意で、辺りをウヨウヨしているリザーディアンたちに見つからないラッキーボーイなら生きてるんじゃないかな」
「テ、テメェ!!! お、おかしら、どうしやす?!」
海賊たちに言われて、海賊の頭領らしい男が姿を現した。
薄汚いおっさんが出てくるかと思ったけど、意外と若い長髪の男が出てきた。
……とは言っても、僕よりは年上だ。
二十代の半ばぐらいだろうか。
海賊というよりは、どこぞの商人のような雰囲気だ。
「キミがベルゲングリューン伯か。……やれやれ、噂以上に困ったお人のようだね……」
「あんたが海の男のくせに、まんまと学生風情に船を奪われたこっ恥ずかしい船長さん?」
「……!!」
僕の挑発に、余裕をかましていた船長の顔がみるみる赤くなった。
効いてる効いてる。
「海賊なんだから、さっさと襲って奪っちゃえばいいのに、ちんたら降伏勧告とかやってるからだよ。それとも、我がベルゲングリューン騎士団にビビっちゃったの? 海の男のくせに」
「我々は義賊なのだ!! 悪い貴族や商人たちからしか金品は奪わないし、無益な殺生はしない!!」
「へぇ……、そうなんだ」
僕は思わず苦笑した。
僕より年上にしては、ずいぶんと甘ったれた考えの持ち主のようだ。
もしかして、どこかの没落貴族の坊っちゃんだったりして。
「じゃ、聞くんだけど、その悪い貴族の『悪い』ってのは、どうやって判断しているの?」
「そんなのは決まっている!! 圧政を強いて私腹を肥やす貴族たちだ!!」
「あんたらがくだらん悪さして、海域の治安維持に税金をムダに使わなきゃ、その圧政も少しはマシになると思わない?」
「……どうやら、キミとはこれ以上話してもムダなようだ」
長髪の船長は、神経質な表情のまま、笑顔を作ってそう言った。
それについては、僕も同感だ。
「停戦をしないか? その船をそのまま返してくれれば、こちらの船も乗組員たちにも、一切の危害を加えない」
「ぷっ」
海賊団の船長がそう言ったので、僕は思わず笑ってしまった。
ユキとゾフィアも、それに釣られて笑い出す。
「……何がおかしいのかな?」
海賊団の船長の声が少し低くなって、尋ねてきた。
「船長、それに対する僕の返答は、こうだ」
僕は玉座から軽く右手を上げた。
次の瞬間。
ドンッ!!!
ドンドンッ!!!!
ドンドンドンドンドンッ!!!!
海賊団の僚船がいる側の船体側面にびっしり並んだ魔導カノン砲から、待機していたリザーディアンたちが一斉に砲撃を開始して、すさまじい轟音が海洋に響き渡った。
ボガァァァァァァァンッッ!!!!
ボンッ!! ボンッ!! ボガァァァァァァァンッッ!!!!
「うわああああっ!? オ、オレ達の船が……っ!!!」
僕が乗る旗艦船から放たれた大砲の音と共に、一緒に停泊していた二隻のガレオン船がみるみるうちに沈んでいく。
「な、な、なんということを……」
「停戦だって? 人の船に乗り込んできて、寝ぼけたこと言ってんじゃないよ」
あまりの光景に思わず尻もちをついた海賊団の船長に、僕は冷然と言い放った。
「僕たちは学生なんだけどさ、冒険者を志した時から僕らはとっくに死ぬ覚悟ができてるんだよね。あんたたちは海賊なんでしょ? だったら、同じような覚悟ができているんじゃないかな、と思ってたんだけどな」
「て、停戦……い、いや、わかった、降伏する! 降伏するから!!
「こんなこと言ってるよ。どう思う、ゾフィア」
「名のある海賊団と聞いていたからどんなものかと思っていたが、見下げ果てた男だな。所詮はコソ泥集団ということだろうか」
「くっ……」
ゾフィアの冷ややかな言葉に、海賊団の船長が悔しそうに顔をしかめた。
「おや、悔しそうだね。……船長、あんた、名前は?」
「……エメリコだ」
「それじゃ、イベリコ。僕がこの世で最も嫌いなものが二つある」
「エメリコだ!」
僕は組んだ足を入れ替えて、玉座に肘をつきながら、言った。
「一つは、夏の寝苦しい夜に耳元でぷ~んって言いながら飛び回る蚊だ」
「はぁ?」
今の「はぁ?」はエメリコではなく、ユキが言った。
「おとなしく血を吸ってくれれば、翌朝多少かゆくても我慢するのに、なんであいつらはいちいち『ぷ~ん』って挨拶してくるんだ」
「そんなの知らないわよ!」
ベルゲングリューン領は、水場が多いのに蚊がまったく入ってこないのは大変ありがたい。魚が多くて、水たまりじゃなくて、どこも常に水が流れているからかな。
「それと、もう一つが……、『義賊』だ。こいつは蚊よりもずっと性質が悪い」
「……なんだと」
僕が言い放つと、エメリコがギロリと鋭い目を向けた。
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どうやら、自分が義賊であるということには、本当にプライドがあるらしい。
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「き、貴様……っ」
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「くっ……」
気が狂わんばかりの屈辱に身体を震わせながらも、圧倒的不利を察してエメリコは何もしてこない。
「どうしたの? 悪い貴族をやっつけるのが義賊なんじゃないの? 僕は見ての通り、海賊団から船ごと巻き上げる悪い貴族だよ。命を賭けて戦わないの?」
「む、無益な殺生は好まない……」
「あっそ、じゃ、僕は君たちを皆殺しにするね」
「なっ!?」
僕の容赦ない言葉に、海賊たちに動揺が走った。
「だって、君たちを殺すことは、どう考えても無益な殺生じゃないでしょ? 海賊を殺せば、この海域が少しでも平和になるんだからさ」
僕はにっこりと笑った。
「あっはっは!! 実に痛快!! さすがは噂に名高いベルゲングリューン伯だ。ナイスだねぇ!!」
「な、なんじゃぁ?」
急に船室から現れた男に、僕は思わず声を上げた。
リザーディアンに連れられた、長身の優男。
赤みがかった茶色の長髪を後ろで束ねた上に、つばの長いテンガロンハットをかぶり、胸元の開いたシャツにキャメル色のコートを羽織った、女性と見紛うほどの美青年が、手首を鎖で繋がれた状態で僕に手を振った。
「船室ニ監禁サレチョッタンデ、連行イタシマシタ」
どこかソリマチ隊長の方言まじりに、リザーディアンが知らせてくれた。
「あらやだ、いい男」
ユキが僕の肩に置いた手を離して、ジョセフィーヌみたいなことを言いながら口元に手を当てた。
そんなユキに優男はウィンクして、にっこり笑いながら……
「ありがとうお嬢さん。しかし残念ながら、僕は年下の男性にしか興味がないんだ」
「えっ」
おそろしいことを言った。
「やぁ、ベルゲングリューン伯。僕は吟遊詩人のバルトロメウ・イグレシアス。不肖の弟がずいぶん迷惑をかけたようだね」
「弟?」
顔を上げた僕に、バルトロメウという優男が鎖で繋がれたままの腕を上げ、前方を差した。
「あの海賊団の頭領さ」
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