士官学校の爆笑王 ~ヴァイリス英雄譚~

まつおさん

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第三部 第三章「ベルゲングリューンの光と闇」(5)

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「ちょっと、まつおちゃん、あんまりなんじゃないの……」

 しばらくして。
 めずらしくげんなりした顔で、暗視ゴーグルを装着したジョセフィーヌがやってきた。

「トンネルの奥に二人っきりだっていうからドキドキして来ちゃったのに……、毒ガスがあるからワタシを呼んだなんて……んもう!」

 そう。
 「猛毒耐性◎」を獲得したジョセフィーヌなら、きっと火山ガスでも平気なはずだ。

「ごめん。ちょっとこの先の光景がどうなっているか確認したかったんだけど、僕一人では心細いからさ、一緒に来てほしくて」
「んもう、そんな風に言われたら断れないじゃない~」

 双眼鏡のようなゴーグル姿の巨漢が、ぷりぷりと身体を揺らしながら言った。

「これからノーム王国に入るけど、入ってからどうするかはまだ決めてないんだ。まずはこっそり様子見をして、それから対応を決める。オーケー?」
「もちろんオッケーよん!」

 ジョセフィーヌはうなずいた。
 こういう時には、彼……じゃなかった、彼女は本当に心強い。

 花京院と一緒にいるせいで、アホコンビと思われがちだけど、ジョセフィーヌはウチのメンバーの中でも、戦場にいて、その判断を委ねられる数少ない一人だ。 

 しばらく歩くと、狭かったトンネルの内部から一転して巨大な鍾乳洞しょうにゅうどうのような空間が広がっていた。

「うわぁ……。見てみてまつおちゃん、すっごくキレイよ!!」
「すごいなぁこれ……、何かの宝石なのかな」

 僕とジョセフィーヌは、暗視ゴーグルを外して天井を見上げた。

 ドワーフ職人のガラス細工のように透き通った石のつららが、ものすごく高い天井から無数に伸びていて、ぼうっと、光を放って周囲を照らしている。

 この蒸し暑さと、火山性ガスだか何だかが出ていなければ、ここでずっと眺めていられたかもしれない。

「あ、そうだ。もう小さくなくてもいいんだった。……えっと、なんだっけ、マキシマム!」

 僕がそう口にした途端、一気に身体が大きくなって、元の身体に戻った。

 途端に、魔力だとか活力だとか、よくわからないけど全身からエネルギーがみなぎってくるような気持ちになる。
 火山ガスか何かの影響で息苦しかったのも、それほど気にならなくなった。

 ジョセフィーヌも僕に倣って、本来の身体を取り戻す。
 毛をむしりとられたニワトリじゃなくなった。

「あ、服とかはそのまま大きくなるのに、ゴーグルは小さいままなんだね」
「元々小さいサイズで作ったものはそのままなのかしらねぇ」

 僕たちは、サイズが小さくて使えなくなったゴーグルをその場に置いた。
 暗視できなくなることより、身体が大きくなったことの方が利点が多いと判断した。

「でも、この姿だとワタシ達の姿、ゴブリンたちにまるわかりなんじゃないのぉ?」
「小さい姿でたった二人のところを見つかるよりはいいでしょ。……それに、たぶんね、連中はそれどころじゃないと思うんだ」

 僕はジョセフィーヌにそう言いながら歩を進め、ノーム王国の巨大な門扉にたどり着いた。

「はぁ……、ノーム達って本当にすごいんだなぁ」

 本来の姿になった僕の身長の3つ分ほどもある、巨大な門扉を眺めて、僕はつぶやいた。

 ぼんやりとした光を放つその扉が何らかの魔法金属製であることは明らかで、そこに花や木々、鳥たちが飛び交う繊細な彫刻が施されている。

「おもしろいと思わない?」
「なぁに?」
「土の中で暮らすノームたちがさ、自分たちの王国の扉に、地上の様子をこうやって彫刻しているのがさ」
「あー、ホントね! まつおちゃんが言うまで気付かなかったぁ!!」
「もしかしたら、ノームたちって、大昔は地上に住んでいたのかもしれないね」
「あーん、まつおちゃんったら、ロマンティック!!」

 その後もロマンティック!!ロマンティック!!と後ろで叫ぶジョセフィーヌを放置して、僕はゆっくりと門扉を空けて、内部に侵入した。

「……入っても大丈夫。やっぱり誰もいない」

 合図を待っていたジョセフィーヌに、僕は合図ではなく、言葉で伝えた。
 普通の音量で会話しても問題ないぐらい、ノーム王国内は静まり返っていた。

「はぁー、すごいな!!」
「ノームちゃんたちって、ああ見えてものすごい働き者なのねぇ」

 僕たちはノーム王国の様子を見て絶句した。

 暗視ゴーグルを付けたままだったら、目がやられていたかもしれないほど、煌々と照らされた魔導灯によって照らされた王国は、居住区や商店群、工房と、まるでヴァイリスの首都アイトスをミニチュアにしたように区画整備されていた。 

「王国っていうのに、王宮はないのかしら」
「大昔にいた王様が怠け者だったんで、クビになって鍛冶見習いにされたらしいよ。その子孫がヤッサンで、ユキイ爺さんがノームたちの代表なんだって」
「王様がクビになっちゃうの……、すごい種族ね」

 話を聞かされた僕が同じことをボンゴルさんに言ったら、「ノームは先進民族やからな!」って得意げに言っていた。

「まつおちゃん、見て、あそこ!」
「ああ、いたいた」

 ノーム王国の中央を抜けたところにある大きな広場にものすごい大群のゴブリンたちがいた。
 一番高い石段に立っている、エメラルドグリーンのきらびやかなローブに身を包んだ、真っ白い肌のゴブリンが、ギャーギャーと言って何かの指示を出して、他のゴブリンたちが慌ただしく動いている。

 その指示を受けて、数多くのゴブリンたちが向かっている先が……。

「ああ、あれだ」

 僕はノーム王国の城壁の、ものすごく大きな亀裂が入っている場所を指差した。
 その巨大な亀裂からすさまじい熱風が噴出していて、ゴブリンたちが必死にその穴を塞ごうとしているが、ガスにやられて何体もバタバタと倒れている。

 そんなゴブリンたちを、救護担当のゴブリンたちが運搬して、他のゴブリンたちが次々と代わりに穴を塞ぎにかかっている。

「あれ、なぁに?」
「わかんないけど……、たぶん、ゴブリンたちはあそこの穴からやってきたんだ」
「どういうこと?」

 ジョセフィーヌの問いに、僕は自分が推測した考えを聞かせた。

「たぶん、このゴブリンたちはノーム王国を襲撃したんじゃなくてね、逃げてきたんだよ」
「あ、そっかぁ!! 棲み家が火山活動が激しくなって、落ち延びてきたのね!」
「……たぶんね。それで、ゴブリンが怖いノーム達は大慌てでトンネルを掘って逃げてきた」
「逃げてきたゴブリンを見てノームちゃんたちが逃げたのね」
「そう。ゴブリンたちも生き残るのに必死だから、なんとしても居場所を確保しなくちゃいけない。それであの死闘ってわけだね」

「グギャー!! ギッギッ!!」
「グゲッ、グゲゲッ!!!」
「グギャギャギャッ!!!」

 ……うーん、なんだろう。

 あれほど苦戦させられて、ひどい目にあったゴブリン軍団だけど。
 こうして、必死になって災害を食い止めようとしているのを見ると、なぜか胸を打たれるものがある。

「ちょ、ちょっと、まつおちゃん!? どこ行くのぉ?!」
「手伝ってくる」
「え? ええ? えっと、ドユコト?! ちょ、ちょっと!! あ、危ないわよ!!」

 僕は身を隠すのをやめて、ゴブリンたちが必死に塞いでいる穴の方に近づいた。
 
「グギャッ?! グギャアアアアッ!!」

 ゴブリンたちが僕に気づいて、牙をむき出しにして威嚇しはじめるけど、僕は小鳥遊たかなしを鞘に収めたまま、ゆったりとした動作で歩いて、亀裂に群がっているゴブリンたちの方へと向かう。

 途中、何体かのゴブリンが僕に槍を突き出そうとしたけど、僕はベルンハルト帝国元帥閣下直伝の眼光で一睨みして、その動きを止めさせる。

 本来の身体を取り戻した僕なら、油断さえしなければ、ゴブリンごときに遅れは取らない。

 士官学校入学の実地訓練の時に、こういうことができていたらなぁ。
 僕の成績も、ここまでひどくはなかったんじゃないだろうか。

 そう思えば、落ちこぼれの僕もずいぶん成長したもんだ。

「うわっ、こりゃすごいな……」

 僕は周囲のゴブリンたちにギャーギャー言われながら、ハンカチで口元を押さえて亀裂を見る。

 火山ガスの濃度が高いのか、鼻や喉の奥がヒリヒリする。
 アウローラの服による耐性がなければ、すぐに意識を失っていたかもしれない。
 
 ゴブリンたちは、板に釘を打って、この穴を塞ごうとしているようだ。
 でも、土に釘を打っても、板を固定させることは難しいし、密閉も難しいだろう。

「ちょ、ちょっとぉ、まつおちゃんったらぁー!」
「あ、ジョセフィーヌ、いいところに!」

 警戒して周囲を取り囲むゴブリンたちにおろおろしているジョセフィーヌに、僕は声をかけた。

「王国の工房にさ、ノームたちがトンネルの壁を作るのに使っていた材料があると思うんだ。ちょっと持ってきてくれない?」
「そ、そんなこと言われたって、どれがどれだかわかんないわよぉ!」

 僕は若獅子祭の時にソリマチさんたちに教えてもらった工法で城を作った時のことを思い出した。

「たぶんね、砂利とか砂とか、あと石灰っていう白い粉とかがあると思うんだ。それと水!」
「わ、わかったわ! んもう!! アナタたち、そこをおどきなさい!!!」

 ジョセフィーヌが一喝すると、ゴブリンたちがざざっと後ずさる。
 怒ったジョセフィーヌは本当に怖い。

 ジェルディク帝国の北部で山賊団に遭った時、山賊たちが一瞬で降伏したのは、ジョセフィーヌの形相が怖すぎたからなんじゃないかと、正直今でも思っている。

「これでいいのぉー? オラァ!! 邪魔すんじゃないワよ!!」

 槍で突こうとしたゴブリンを一喝して尻もちをつかせながら、ジョセフィーヌが荷車を引いてやってきた。

「ええっとね……、そうそう。全然関係ないのも入ってるけど」
「あーん、よかったぁ……」
「ありがとね」

 いくつかの工具も入っていたのはありがたい。
 ジョセフィーヌは気が利くなぁ。
 左官用のコテがあるのはありがたい。

 僕は広場でゴブリンたちがキャンプをしていた場所を勝手に占拠して、大きな鍋に入っていたクソまずそうなスープをひっくり返した。

「グギャー!!!!」
「グギャッ、グギャギャギャー!!!」
「ごめんごめんって! あとでもっとちゃんとしたスープ食わせてあげるから」

 激怒するゴブリンたちをなだめながら、僕は鍋の中に、ジョセフィーヌから受け取った石灰や砂利、砂を入れ、ジョセフィーヌに一喝されて取り落したゴブリンの槍の持ち手を使って、水を加えながらかき混ぜていく。
 
 やがてドロドロになったのを確認して、僕はその鍋を持って亀裂に向かって、ゴブリンたちがふさごうとしていた板と板の間に、左官用のコテを使って塗り込んでいく。

「……」
「……」

 僕がやろうとしていることを理解しはじめたのか、僕たちを威嚇したり、引っ掻こうとしたりしていたゴブリンたちが静かになった。

 僕が塗っているのを見て、小さく、オオオオオ……、といって唸っている、口元にスカーフを巻いたゴブリンに、僕は左官用のコテを手渡した。

「ちょっと、これを塗るの、やっててくれる? 僕はこれ、もうちょっと作ってくるから」

 僕がドロドロの土を指してそう言うと、意味を理解したのかしていないのか、コテを手渡したゴブリンは、しばらく僕の顔をぽかん、と眺めてから、

「ぐげ」

 と返事をした。

「さってと……、これをどんどん作らなくちゃ。ジョセフィーヌ、梯子はしごとか、脚立きゃたつみたいなのってなかった?」
「うーん、どうかしら~、奥の方までは見てないんダケド……」
「ちょっと確認してみてくれない? 後で亀裂の上の方を塗るのに必要になると思うから」
「わかったわん。……それにしても、相変わらず無茶苦茶よね、まつおちゃんって」
「いや、だってさ、あれをそのままにしてたら、そのうち領内まで被害が広がりそうじゃん。ちびっ子たちが安心して遊べなくなっちゃうよ」

 僕がそう言うと、ジョセフィーヌがくすくすと笑った。

「それはそうだけど、さっきまで殺し合ってた奴らと穴を塞いでいるなんて、まつおちゃんらしいワ」

 呆れたような、それでいてすごく楽しそうな顔でそう言うと、ジョセフィーヌはスキップして工房に向かった。

「さて、と」

 僕はキャンプにあった、もう一つの鍋に入っていたクソまずそうなスープもひっくり返して、材料を作り始める。

 今度は、遠巻きに僕を見ているゴブリンたちから抗議の声はなかった。

 カチャッ……。

 その時。

 僕は首筋に当たるひんやりとした金属の感触に、手を止めた。
 それは、槍の穂先だった。

 ゴブリンたちが持っている、簡素な作りの槍ではなく、明らかに魔法金属とわかる、にぶい光を放つ槍……。

「さっきゴブリンたちに指示をしていた、ローブ姿のゴブリンさんかな」
「……ご名答だ、命知らずの人の子よ」

 僕が振り向かずに答えると、驚くことに、流暢なヴァイリス語で返ってきた。
 最近はリザーディアンたちもすっかり言葉が上手になったけど、彼らよりもはるかに達者というか……、完全にネイティブなヴァイリス語だった。

「……何をしているか、聞いてもよいか?」
「えっと、あの穴を塞ぐための材料をこしらえてるんだけど……」
「ふふ、そうではない」

 振り向いていないけど、おそらくさっきのエメラルドグリーンの豪華なローブ姿であろうゴブリンが、笑いながら言った。

「あれだけの我が同胞を虐殺しておきながら、貴様は今更なぜ、我らの手助けをしているのかと問うているのだ」
「君の話し方はとても冷静で穏やかだけど、『虐殺』という表現は少し感情的と言わざるを得ないね」
「何……?」
「虐殺というのは、むごい殺し方をすることだ。そもそも殺すという行為自体むごいことだから、僕がしたことは君たちにとってむごい行いであることには違いない。でも、僕はむごいことをするために殺し方を選んだわけではない。この違いがわからなければ、僕たちは決して分かり合うことはできないだろう」

 僕がそう言うと、ローブのゴブリンはしばらく沈黙した。

「分かり合う気があると、いうのか?」

 ローブのゴブリンの言葉に、僕は少し考えてから、答えた。

「ゴブリンは魔物だ。人間や亜人にとって、魔物は殺すのが当たり前で、魔物は人間や亜人を殺すのが当たり前」
「その通りだ」
「だから、申し訳ないけど、僕は君の同胞をたくさん殺したことについて、罪の意識はまったくない。冒険者を志す者がいちいちそんな感情を抱いていたら、命がいくつあっても足りないからね」
「……」
「でも、それと同様に、魔物たちが今までに、人間や亜人たちをたくさん殺してきたという憎しみを、君やその同胞たちに向けているつもりはないし、向けるつもりもない。さっきも言ったように、魔物は殺すのが当たり前で、魔物に殺されるのもまた、当たり前だからだ」
「それは、自身の家族や恋人を、魔物に殺されたことがない者の考え方なのではないか」
「君は魔物なのに面白いことを言うね。魔物にもそういう感情があるの?」
「ない」

 ローブのゴブリンがきっぱりと答えた。

「特に我らゴブリンには一切ない。我らは生まれ変わりをする魔物だからな」
「輪廻転生を信じているってことかな?」
「そうではない。ゴブリンは本当に』のだ」

 ローブのゴブリンが言った。

「ゴブリンは生殖行為によって個体数が増えることはない。だが、減りもしない。生前の記憶や経験をそのままに、別のゴブリンとして生まれ変わるのだ」

(まるで自分はゴブリンじゃないような口ぶりだな……)

「ああ、それで手強いゴブリンって戦い方がすごく上手いのか」
「まぁ、知能のたかが知れておるゆえ、下等魔物モンスターの域を超えることはないがな」

 ローブのゴブリンが言った。

「……貴様の顔を、見せてくれないか」
「え、なんで?」

 急に変なことを言いだしたので、僕は尋ねた。

「今回の戦の代表は貴様なのだろう? ……我が軍略をことごとくねじ伏せた知略と武勇、制圧するどころか魔物の助力をしようとする思考の柔軟性。単身で本陣に乗り込み、こうして槍先を首に突きつけられながらも動じない胆力」
「いや、褒めすぎだから……」
「そして、分かり合うつもりかという私の問いに、貴様は綺麗事も理想論も語らず、ただ我らのようを有り様のままに答えた。そして貴様は見たところ、とても若い。そのような考え方をする人の子の顔を、見てみたいのだ」
「ええー、やだなぁ」

 経験上、だいたい、こういう時に相手から返される反応は決まっている。

「……思ったより普通の顔だな」

 とか

「アホみたいな顔をしているな」

 のどちらかだ。

 だから、あんまり振り向きたくなかったんだけど、仕方ない。
 僕は少しげんなりしながら、ローブ姿のゴブリンの方を振り向いた。

「……なっ!?」
「いや、いいよ。どうせ普通すぎてびっくりしたとか言うんでしょ」

 僕は苦笑するけど、ローブ姿のゴブリンは大きく目を見開いて、身体を震わせた。
 エメラルドグリーンのきらびやかなローブを身にまとった、白い素肌のゴブリン。
 アルビノと呼ばれる、色素を持たない種が人間や亜人を含む動物にもたまにいるけれど、魔物にもそういうのがあるんだろうか。

 わからないけど、素肌とは関係なしに、なんとなく他のゴブリンとはかけ離れた、高貴な雰囲気が全身から漂っている。
 
「あ、あなたは……ッ、い、いや、あなた様は……っ!!」

 そんなローブ姿のゴブリンが、呆然とした表情で、手に持っていた槍をカタン、と地面に取り落した。

 驚愕の表情で僕を見ている。
 いや、見ているのは僕の顔ではなく、身にまとった衣装だろうか。 

 そのまま、ローブ姿のゴブリンは両手を揃え、地面に膝を付け、僕に向かって平服して、言った。

「……お久しゅうございます。アウローラ様」
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