『「稀世&三朗」のデートを尾行せよ!」謎の追跡者の極秘ミッション~偽りのチャンピオン・アナザーストーリー』

M‐赤井翼

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「ホテルランコッド大阪宿泊編」

「中之島 ホテルランコッド大阪② ワインとかどま酒」

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「中之島 ホテルランコッド大阪② ワインとかどま酒」

 レストランに入るとソムリエが「スイートのお客様へのシャンパンのサービスです。」とロゼのシャンパンを食前酒とは別にサーブし、メニューの選択の説明に入った。メイン料理は、5種の中から稀世は鶏肉料理、三朗は白身魚料理を選択し「分け分けしよな!」と稀世が微笑んだ。前菜からサラダ、スープ、肉・魚のサブメニュー、デザートから最後の飲み物までビュッフェではあるがギャルソンがサーブすることと、「おかわり」についての説明が済むと、飲み物の選択となった。
 ソムリエがお勧めを紹介する前に、三朗はポケットからメモを取り出し、
「赤は、「ル・マルキ・ド・シャトー・カロン・セギュール」、白はシャンパンで「アンリード・ヴォージャンシー キュヴェ・サムルー ブラン・ド・プラン」でお願いします。あっ、先に国産瓶ビール1本お願いしますね。」
とたどたどしい読み方で注文を告げた。

 「わかりました。素敵なお時間になりますように…。」
ソムリエは丁寧にお辞儀をすると、3分後に向日葵寿司でも馴染みの国産ビールとハート柄の「エチケットラベル」の三朗が頼んだ2本のワインボトルをワイントレーに載せて戻ってきた。「先にビールを注がせていただきます。」
と縦長のワイングラスに丁寧にビールと泡が7対3になるように一発で注いだ。その後、赤ワインを三朗のグラスに軽く注ぎテイスティングを勧めると、三朗が「お願します。」と頷いたのを確認して、赤、白の順で注いだ。
「カロン・セギュールはメドック格付け3級ですが1級シャトーに匹敵するワインで、ハートのエチケットデザインと併せて人気のワインになります。キュヴェ・ザムルーは「愛し合う2人の為の「キュヴェ」というロマンチックな名前のシャンパンになります。
 もし他のワインもご所望でしたらハウスワインでしたらグラスサーブもございますのでお気軽にお声をおかけ下さい。」
と丁寧に説明を加えてくれた。

 稀世は「このボトルって記念にもらう事は出来るんですか?」とソムリエに尋ねると
「もちろんです。お客様と同じようにお持ち帰りになられる方は多いですよ。」
と微笑んだ。
 ソムリエと入れ替わりでギャルソンが前菜とサラダを持ってきた。三朗が気を利かせて「箸」を頼んでくれた。
「じゃあ、稀世さん、遅ればせながらUCWW優勝おめでとうございます。乾杯!」
「サブちゃん、ありがとう。サブちゃんとの初デートに乾杯!」
 最初にビールのグラスで乾杯し、「いただきます」をすると料理に箸をつけた。

 次々とサーブされる料理で気に入ったものを稀世は遠慮なしにおかわりを頼み、ワインもドンドンと進んでいった。ソムリエが別テーブルについていたので三朗が稀世にワインを注ぐ際、ふと稀世が三朗に尋ねた。 
「サブちゃん、ワインはあらかじめ決めてたみたいやけど、そんなにワインに詳しかったっけ?」
 三朗は稀世のグラスにワインを注ぎ終わるとボトルをテーブルに置き、照れくさそうに説明した。
「赤のカロン・セギュールはドラマ化された人気ワインマンガの受け売りです。後付けの理由になりますけど、インディーズの稀世さんが全日本クラスのメジャー選手やWWE選手と互角以上に闘う姿から、さっきソムリエさんが言っていたように「3級格付けだけど1級並み、いや、稀世さんなら「特級・・」ってなもんですけどね。そんなレスラーの稀世さんのイメージで選びました。
 白は「レスラー」ってことを外して、「人」として「好きな人・・・・と飲むワイン」って検索して見つけたワインです。「特別な」という意味があります。面と向かって言うのは凄く恥ずかしいですけど、稀世さんみたいな素敵な人と僕なんかがこうして一緒にいさせてもらう以上、最低限、稀世さんに見合ったものを探しての結果です。
まあ、どちらも決め手は「ハート」柄のラベルってとこが正直なところです。中学生レベルの発想です…。かっこいいこと言えずにすみません。」

 稀世は黙って三朗の言葉を一言一句聞き逃さないように耳を傾けた。三朗の言葉が止まり、グラス半分残っていたシャンパンを一気に飲み干すのを見てシャンバンのボトルを手に取った。
「私こそ、優しくて、真面目で、商店街のみんなに信頼されてるサブちゃんには見合わへんガサツな女やのに、こうして誘ってもらえるなんて思ってもなかったんやで。
 私はレスラーとしての部分を除けば平均点以下の人間やし…。そんな私に優しくしてくれるサブちゃんのこと好きやで。って、いきなりこんなこと言われても困るやんなぁ…。」

 稀世は三朗に「シャンパンでいい?」と尋ね、注いだ後、二人の間の会話は滞りがちになり、短いセンテンスの会話が飛び飛びにされるだけで最後の紅茶を飲んで豪華なディナーはお開きとなった。
 互いに(あぁ、勢いに乗って「あんなこと・・・・・」言うんやなかった…。)と自分の言動に後悔し、二人は部屋に戻った。

 部屋に戻ってもぎくしゃくとした空気は続き、時間だけが過ぎていった。部屋に戻って30分程した時、部屋のドアがノックされた。間を持て余していた稀世が我先にドアに走った。
 1分後、稀世が白い不織布に包まれた緑の一升瓶をもってリビングに戻ってきた。三朗がボトルに視線を向けると目を丸くして叫んだ。
「稀世さん、それ「かどま酒」やないですか!門真で作った山田錦だけを使った交野の山野酒造さんが作った純米大吟醸ですよ。「門真の未来を明るく元気に!」を合言葉に手作りした地酒です。毎年、販売と同時に売り切れる幻の酒ですよ。いったいどうしたんですか?」

 「えっ、そんな貴重な門真のお酒なん?ホテルの人の話によると、さっきのレストランで私らの事を見かけた人からのプレゼントってことやったけど…。カードもつけてくれてたで。」
と「仲良く飲んでください。N&S」とだけ書かれたメッセージカードを三朗に渡した。
 カードを手に取り、三朗は頭をひねった。
「もしかして、直さんからの差し入れかと思いましたけど、直さんやったら「かんの・なお」やから「N・K」ですもんね。「S」がイニシャルの人っていうとまわりでは「坂井刑事」と「セオドア・ルメイ」さんくらいじゃないですか?ただ坂井刑事の名前は「三朗」ですしルメイさんの「L」も違いますし、ましてや今は拘置所でしょうから、稀世さんにお酒を送るのは不可能ですね。まさか「なっちゃん」の「夏子・坂川」は絶対にあり得ませんよね。借金でピーピーでアルバイトに明け暮れてるわけですから…。」

 「じゃあ、ホテルの人が言うように、私かサブちゃんの事を知ってる人が差し入れてくれたってことなんかな?せっかくやから飲ませてもらおうや。サブちゃん、このお酒は「冷」がええの?「燗」がええの?」
と2人で持たなかった間を「酒」で埋めようと稀世は積極的に「飲むこと」を推した。
 三朗もレストランから喉奥に引っかかった骨のように会話が詰まる要因を酒で流せればと思い、「かどま酒」に合うさっぱりとした「スモークサーモンのカルパッチョ」と「鴨スモーク」と「プロシュート」のルームサービスを頼んだ。

 「じゃあ、サブちゃん、改めて乾杯!」、「はい、稀世さん、乾杯です!」
稀世と三朗は(これでまた楽しい会話の時間が過ごせますように…。)と願いながら高級なバカラのウイスキーグラスに注いだ「かどま酒」を味わい感嘆の声を上げた。
「ぎょへー、さすがは大吟醸やな。ふくよかな口当たりで飲むとグッとくるわ!」
「そうですね、アルコール度数は16度、日本酒度は「+11」ありますから「酒通さけつう」の為の日本酒ですね。確かにこれは美味しいです!」



「おまけ」








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