『「稀世&三朗」のデートを尾行せよ!」謎の追跡者の極秘ミッション~偽りのチャンピオン・アナザーストーリー』

M‐赤井翼

文字の大きさ
16 / 41
「ホテルランコッド大阪宿泊編」

「中之島 ホテルランコッド大阪⑤ 謎」

しおりを挟む
「中之島 ホテルランコッド大阪⑤ 謎」

 午前3時、三朗は尿意をもよおし自然と目が覚めた。キングサイズのベッドの中央に海パン1枚で一人で寝ていることに気が付いた。
「稀世さーん?おトイレですか?」
ベッドの上から声をかけるも返事はなく、スイートルーム全体が夜間照明モードで足元の間接照明しかついていないため目が慣れるのに少し時間がかかった。寝室の隣のリビングまでゆっくりと目を凝らしながら進んだ。
 
 ドアを開けるとソファー前のテーブルに稀世と飲んだ「かどま酒」の空き瓶と空きグラスが2つ、あとで冷蔵庫から出した缶ビールが2缶にオードブルの空皿が3皿以外に飲んだ覚えのないミネラルウォーターのペットボトルと稀世が直にお土産に持って帰ろうと言っていたウエルカムドリンクの大吟醸の小瓶と空いたキャップがテーブルの上に並んでいた。そのテーブルに男物のハンカチが1枚残っていた。
 (あれ、確か僕は稀世さんとお風呂に入ってて、その後デジカメで撮影会をして…、そうだ、稀世さんの大事なところが写ってる写真を見てそこから記憶がない…。そういえば、デジカメはどこにいったんやろ?バスルームに落としてしもてるんやろか?)とバスルームに向かうもデジカメは見つからず、稀世の姿も見えない。
 スイート全体の照明コントロールパネルに行き、全部屋の照明をつけた。再び、リビングに戻ると明らかに複数の人が来た形跡が残っていた。

 テーブルの上の飲み物の空き瓶はもちろん、稀世と2人で使った覚えのないソファーのスツール3脚が移動していた。本来は室内に靴で入る造りになっているわけだが、稀世と「こんなにきれいなカーペットが敷いてあると気を遣うよね。」とスリッパに履き替えたエントランスに行くと、三朗の靴だけで、明らかに使用後の3足のスリッパが並んでいた。稀世のローヒールは見当たらない。
 (えっ、もしかして稀世さん帰ってしもたんやろか?デジカメが見つかれへんところをみると、僕が稀世さんの「裸」を撮ったと思われて稀世さんに瞬殺されて、怒って帰ってしもたんか…?い、いや、怒ってたんやったら、ベッドに寝かされてるはずはないやろうし…。それに少なくとも2名以上の人がこの部屋に来て小瓶酒やミネラルウォーターを飲んでる…。もしかして、僕は眠らされてしもて、稀世さんはさらわれた…。そういえば朝からサングラスに追いかけられてるって稀世さんが言ってたような…。もしかして、UCWWの闇賭博を邪魔されたシカゴアウトフィットのマフィアが稀世さんを逆恨みして…。こうしちゃいられへん。すぐに助けに行かなきゃ!)

 三朗は大急ぎで着替えると、念のため稀世のスマホにコールしてみた。三朗からかかってきた時用の「おーさかふぁんくらぶ」の着メロが玄関のドアの向こうから聞こえて来た。
「稀世さん!いるんですか?」
と玄関のドアを引くと、疲れ切った顔の稀世がフラフラとしながら立っていた。
「稀世さん、どうしたんですか?いったいどこに行ってたんですか?何をしてたんですか?」
と尋ねる三朗に
「ごめん…、今、しゃべる元気あれへんからもう今日は寝よ…。」
とだけ言うと、ドレッサールームに消え、2分後にバスローブに着替えて寝室にやってきた。
「サブちゃん、明日は朝8時にチェックアウトやから朝ごはんは6時半な…。私はメイクがあるから起きてけえへんかったら6時には起こしてな。
 サブちゃんには「いろいろ」としてあげたかったけど、今の私には無理・・やわ…。せめて手を繋いで一緒に寝よな…。あっ、これ返しとくわ…。」
と稀世は三朗にデジカメを渡した。

 稀世はそれ以上何も言わずキングサイズのベッドに潜ると「サブちゃん来て。」とだけ言った。三朗は何も聞けず稀世の布団の横に寝そべると、手を差し伸べた。「サブちゃん…、好き…。」とだけ言い残すと稀世は三朗の手を握り可愛い寝息を立て始めたのでそれ以上何も聞けなかった。
 (いったい、この数時間のうちに何があったんや…。稀世さんの疲れ方も尋常やあれへん。マフィアに酷いことをされ、一人で闘い、数十人のマフィアを壊滅させて帰ってきた…?いや、それにしては衣服の乱れはあれへんかった…。稀世さんも僕と一緒に薬物か何かで眠らされて、もしかして乱暴を…。「いろいろ」してあげたかったけど無理っていうのは、もしかして何者かによって汚されて…。いや、稀世さんに限ってそんなことは…。でも、この部屋に最低2名の外部の人間、それも残されたハンカチからすると確実に一人は「男」…。うーん、考えが纏まらへん…。)
 悩みながらかわいい顔で眠る稀世の横で手だけをしっかりと握り、その後、一睡もできずに三朗は朝6時を迎えた。

 三朗は約束の時間になっても起きる気配のない稀世に優しく声をかけた。
「稀世さん、朝6時ですよ。昨晩、朝8時にチェックアウトって言うてはりましたよね。6時半から朝ごはん食べに行くならもう起きてくださいよ。」
「う、ううーん、今の声はサブちゃん?ん、何でサブちゃんが私の家に居んの?」
 寝ぼけた稀世が目をこすりながら起き上がった。バスローブの前が乱れ、大きな胸とそれを隠すナイトブラが三朗の視界に飛び込んできて一瞬で真っ赤になった。そん反応を見て稀世はいつものスエットでなく、ホテルのバスローブであることに気が付き、「きゃっ!」と叫んでバスローブの前を合わせた。

 「稀世さん、昨晩はどこに行ってはったんですか?朝8時にチェックアウトって言うてはりましたけど、何か急用でも入ったんですか?あと、昨日、誰か来はったんですか?僕をベッドに運んでくれたのは稀世さんですか?それから…、」
矢継ぎ早に質問を繰り返す三朗に
「ごめん、今は話されへん。サブちゃんも急いで朝ごはんに行って、この部屋出る準備してや。」
とだけ言うと、稀世はベッドから這い出て、トイレに駆け込んでいった。

 午前6時半、稀世は三朗の質問に何一つ答えず食事をしながらスマホのメッセージアプリを数分おきに確認を取っていた。
「電波の受信器はホテル内。半径25メートル以内の見込み高し」というメッセージが見るともなく三朗の目に飛び込んできた。(ん?電波の受信器?いったいなんのことやろか?)三朗の昨晩からの疑問に新たな疑問が一つ加わった。
「ごちそうさまでした。」
 稀世は手を合わせると、さっさと部屋に戻っていったので三朗もそれに従った。

 リビングの内線電話でひときわ大きな声で「キング・エグゼクティブ・スイートの長井です。もう、チェックアウトしますのでポーターさんお願いします。」と電話をかけた。3分後、午前7時54分、やたらとガタイの良い年配のポーターが部屋に迎えに来た。稀世と怪しい目配せをしたのを三朗は見逃さなかった。(稀世さんは、この男と昨晩何かあったのか…?)三朗は男の言動や動きに注目したがその後、怪しい動きは無かった。
 ポーターがイレギュラーな行動に出たのは、キング・エグゼクティブ・スイートを出てからだった。正面にあるエレベーターに向かわず、左に曲がり、隣の「エグゼクティブコーナースイート」に稀世と共に入っていったのだった。予想外の行動に驚き何も言えずに三朗もドアをくぐるといきなりポーターの大きな手で口をふさがれ「しばらく声を出さないでください。」と低い声で言われ、リビングに連れていかれた。



「おまけ」

今日はイラストにすべき「ネタ」が無い…(´・ω・`)ショボーン
仕方ないので「夜景バック」でかわいく描けた「稀世ちゃん」!




と、こんな撮影は「していない!」の「サービスカットの稀世ちゃん」(笑)




そして、ビルの37階の夜景風呂じゃないけど、何となく気に入ったので「温泉」カット!





ちなみに、2枚目はどんなにプロンプト入れ直しても2度と出てこない「スポーツ刈り」のサブちゃん!
私の中のサブちゃんの髪型はこんな「お寿司屋さん刈り」です!(あと、ねじり鉢巻きね(笑)!)

しおりを挟む
感想 41

あなたにおすすめの小説

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

BL 男達の性事情

蔵屋
BL
漁師の仕事は、海や川で魚介類を獲ることである。 漁獲だけでなく、養殖業に携わる漁師もいる。 漁師の仕事は多岐にわたる。 例えば漁船の操縦や漁具の準備や漁獲物の処理等。 陸上での魚の選別や船や漁具の手入れなど、 多彩だ。 漁師の日常は毎日漁に出て魚介類を獲るのが主な業務だ。 漁獲とは海や川で魚介類を獲ること。 養殖の場合は魚介類を育ててから出荷する養殖業もある。 陸上作業の場合は獲った魚の選別、船や漁具の手入れを行うことだ。 漁業の種類と言われる仕事がある。 漁師の仕事だ。 仕事の内容は漁を行う場所や方法によって多様である。 沿岸漁業と言われる比較的に浜から近い漁場で行われ、日帰りが基本。 日本の漁師の多くがこの形態なのだ。 沖合(近海)漁業という仕事もある。 沿岸漁業よりも遠い漁場で行われる。 遠洋漁業は数ヶ月以上漁船で生活することになる。 内水面漁業というのは川や湖で行われる漁業のことだ。 漁師の働き方は、さまざま。 漁業の種類や狙う魚によって異なるのだ。 出漁時間は早朝や深夜に出漁し、市場が開くまでに港に戻り魚の選別を終えるという仕事が日常である。 休日でも釣りをしたり、漁具の手入れをしたりと、海を愛する男達が多い。 個人事業主になれば漁船や漁具を自分で用意し、漁業権などの資格も必要になってくる。 漁師には、豊富な知識と経験が必要だ。 専門知識は魚類の生態や漁場に関する知識、漁法の技術と言えるだろう。 資格は小型船舶操縦士免許、海上特殊無線技士免許、潜水士免許などの資格があれば役に立つ。 漁師の仕事は、自然を相手にする厳しさもあるが大きなやりがいがある。 食の提供は人々の毎日の食卓に新鮮な海の幸を届ける重要な役割を担っているのだ。 地域との連携も必要である。 沿岸漁業では地域社会との結びつきが強く、地元のイベントにも関わってくる。 この物語の主人公は極楽翔太。18歳。 翔太は来年4月から地元で漁師となり働くことが決まっている。 もう一人の主人公は木下英二。28歳。 地元で料理旅館を経営するオーナー。 翔太がアルバイトしている地元のガソリンスタンドで英二と偶然あったのだ。 この物語の始まりである。 この物語はフィクションです。 この物語に出てくる団体名や個人名など同じであってもまったく関係ありません。

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

中1でEカップって巨乳だから熱く甘く生きたいと思う真理(マリー)と小説家を目指す男子、光(みつ)のラブな日常物語

jun( ̄▽ ̄)ノ
大衆娯楽
 中1でバスト92cmのブラはEカップというマリーと小説家を目指す男子、光の日常ラブ  ★作品はマリーの語り、一人称で進行します。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

処理中です...