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1 婚約破棄
しおりを挟む「あはははは、分かりました。婚約破棄お受けします。私は私なりにエドワード王子をお慕いしてましたがそれさえもエドワード王子には届いていなかったのは残念です…」
私は涙をホロリと流し、
「ですがエドワード王子が真実の愛だという隣の男爵令嬢と婚姻したいのなら、とても残念ですが私は身を引きたいと思います。
エドワード王子、今までありがとうございました。お優しいエドワード王子の婚約者として隣に立てたこと、とても幸せでした」
私はエドワード王子に最後の微笑みを見せ、エドワード王子の私室から立ち去った。
迎えの馬車に乗り込み、馬車が公爵家まで戻るまでの間、
「やったわ!ついによ!ついに!エドワード王子と婚約破棄できたわ!」
私は淑女とは思えない声をあげて喜んだ。
エドワード第一王子とは公爵令嬢というだけで選ばれた婚約者で二人の間に恋だの愛だのは無い。それでも婚約者になったその時から私はエドワード王子を側で支えようと心に誓った。
未来の国王を臣下が支えるのは当たり前。二人の間に例え愛が無くても国王を敬う気持ちがあればいいと思っていた。
私、シャーロットが10歳の時、婚約者に決まり、それから7年…、私の地獄の毎日が始まった。王子妃教育もその一つ。家族の態度もその一つ。
好きで婚約者になった訳ではないのにどうして私ばかりがこんな目に合うのか、7年間ずっと思っていた。
もしエドワード王子が私に恋心を抱き私もエドワード王子に恋心を抱いたなら違っていたのかもしれない。でも恋心は抱かなかったわ。
婚約者として最低限の扱いはされていた。誕生日には贈り物が届いたし、月に一度一緒にお茶もした。会話は続かなかったけど。
それでも政略結婚なんだから、お互い冷めた関係でも割り切っていると思っていた。実際私は割り切っていたもの。
それでもいつしか望んでしまった。
もしエドワード王子の婚約者になっていなかったら私はどうなっていただろうと。
人は欲深い。ないものねだりだとは分かっていても、学園で婚約者同士仲が良い姿を見ると私の婚約者が違う人なら私も恋をして愛したのかもしれないと。
その思いが膨らみ、婚約を解消したいと思うようになった。
それでもしたい事とできる事は違う。
思ってもどうにもならない事だと分かっていた。だから諦めていたのに。
エドワード王子から婚約破棄を言われ、私はこの地獄から抜け出せられるのなら悪役令嬢でも性悪女でも何とでも言ってくれて構わない。
私は代わりになった悪役令嬢。
私と同じ爵位で同じ年の公爵令嬢がエドワード王子を幼い頃から慕っていて、私が婚約者に選ばれたのを面白く思っていなかった。地味な嫌がらせの数々に怒りが湧いたのは仕方がない。
そんなに婚約者になりたいならいつでも代わってあげたのに。代わりたいとも言わず自分では何もしないで婚約者の私を目の敵にする。
婚約者選びの日、貴女が体調を崩さなければ貴女に決まっていたかもしれないのに。体調を崩した自分が悪いんでしょ?
あの厳しかった王子妃教育を貴女は耐えられるの?
優しい両親に育てられ、蝶よ花よと育てられた貴女に耐えられるとは思えないわね。
貴女の周りの印象。
優しい?意地悪いの間違いじゃない?
でも優しい貴女なら厳しい教育に耐えた後に突きつけられた「婚約破棄」を許したのかしら。
「真実の愛」に溺れたエドワード王子を許せたのかしら?
あ!でも男爵令嬢では妃は無理だから今度こそ貴女が婚約者になれるわね。形だけの婚約者、愛されない婚約者、それでも王子妃になる為に厳しい教育を受けないといけない。
頑張って?
優しい貴女ならきっと厳しい王子妃教育も耐えられ、愛されない王妃にも耐えられるわ。
前に言ってたじゃない。
「私ならエドワード王子も愛してくれるわ。エドワード王子も可哀想だわ、愛してもいない人を妃に迎えないといけないなんて。やっぱりエドワード王子の婚約者に選ばれないといけなかったのは私だったのよ」
私でも貴女でも無いのよ?
エドワード王子が愛したのは男爵令嬢のレーナさんなんだから。
あ!でも貴女は自分が愛されて当たり前って思っていたのよね。
せいぜい頑張れば?
頑張った所でエドワード王子の心は変わらないと思うけど!
「あはははは!ざまあみろ!」
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