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2 頭、大丈夫?
しおりを挟むどうして私が代わりの悪役令嬢なのかと言うと、
学年が変わって直ぐの頃、
「私、この人にいやがらせをされてるの」
レーナさんは私を指差して言った。
嫌がらせ?初めて会った人なのに?
「なぜレーナに嫌がらせをした!」
エドワード王子は私が嫌がらせをしたと決めつけている。
そうでしょ?もし決めつけていないなら「嫌がらせをしたのか?」って聞くもの。でもエドワード王子は「嫌がらせした!」と言い切ったわ。
決めつけている人に反論をして通る訳がないもの。反論するだけ無駄なの。
私は「やってもいない事」を「やった」と嘘を言いたくない。だから黙っていたわ。
「何も言い返さないと言う事は認めるんだな!」
沈黙は最大の防御だと思っていたけど、あら、黙認してるって事になるのね。
でもここで「私は知りません」と言っても「嘘をつくな」って言われるのよ。
「何とか言ったらどうだ!」
「私は知りません」
「嘘をつくな!」
ほらね。私は嘘をついていないのに嘘をついていると思ってる。だから決めつけている人に何を言っても無駄なの。
「私は知りません」
「嘘をつくな!」
「知らない事をどうしろと」
「素直に認めればいいだけだ」
「私ではないのに認めたくありません」
「お前だ!」
「私ではありません」
「お前しかいない!」
「私はしていません」
同じ事を繰り返しても答えは同じ。
私は嫌がらせをしていないし、エドワード王子は認めさせたい。平行線のまま私とエドワード王子の言い合いする声だけが響く。
「もういい!話していると気分が悪くなる。行くぞ!」
待って!
やってもいない事をやったと決めつけられて、私は本当の事しか言っていないのにそれさえも信じない。
気分が悪いのは私の方よ?
エドワード王子は側近達とレーナさんを連れて私の目の前から立ち去った。
後日私はレーナさんに校舎裏へ呼ばれた。
「どうして嘘をつくの?貴女が私を快く思っていないのは知ってるわ。エドワードの愛を私が受け取っているからでしょ?」
「私は嘘をついていません。私がどうしてエドワード王子の愛を受け取っているレーナさんに嫌がらせをするんですか?」
「それは貴女がエドワード王子の婚約者のスカーレット公爵令嬢だからよ」
「違いますが。私はエドワード王子の婚約者のシャーロット公爵令嬢です。スカーレット様は婚約者ではありませんよ?」
「え?悪役令嬢のスカーレットじゃないの?」
「違います」
「そんな訳ないわ!エドワード王子の婚約者は悪役令嬢のスカーレットのはずよ。それで私はエドワード王子から愛されるヒロインのレーナなの」
「レーナさんの言っている事が私にはよく分かりませんが私がエドワード王子の婚約者です」
「スカーレットじゃない?」
「はい、シャーロットです」
「シャーロットって婚約者選びの時だけにちょこっと出てきただけじゃない。それも目立ちもしなくて一瞬だけ出てきただけよ?シャーロットって名前が可愛くて私は覚えていたけど普通の人なら名前はおろか存在も覚えていないわ。そんな人がどうしてエドワード王子の婚約者なの?」
「偶然が重なったからですかね?婚約者選びの時スカーレット様は体調を崩し出席出来ず、もう一人いた公爵令嬢はエドワード王子より8歳年上で、あと一人は婚約者がいました。その日来た公爵令嬢の中で残ったのが私だけでした。だから婚約者に選ばれただけです」
「ならエドワード王子を愛していないの?」
「はい。いずれ国王になるお方ならと敬う気持ちはありますがそれも臣下としてです」
「えーーー!じゃあいやがらせなんてしていないって言ったのは本当?」
「はい。別にエドワード王子が誰を愛そうが私には関係ありません。まあ、婚約者という立場なので関係ないとは言えませんが、ここだけの話にしてくれるのなら、関係ありません」
「そんな……、嘘をついた私は断罪ルートで処刑されちゃう。それだけは嫌よ」
「それよりも貴女、さっきから訳の分からない事を言っていますが、一度医師の診察を受けた方がいいですよ?もしあれでしたら紹介しましょうか?」
「失礼ね!人を頭のおかしい人みたいに言わないで!」
「実際そう思えるのですが」
「いいわ!貴女にだけ教えてあげる!」
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