3 / 17
3 代わりだと知った
しおりを挟むレーナさんは周りを確認してから、
「私は転生者なの。そしてこの世界は乙女ゲームの世界なの。乙女ゲームっていうのはね、ヒロインのレーナが対象者と恋愛するゲームで、対象者の一人がエドワード王子なの。王子ルートを選んだ場合、エドワード王子の婚約者のスカーレットが出てくるんだけど、スカーレットはエドワード王子と愛し合うヒロインが邪魔でいやがらせをするの。スカーレットは本当にエドワード王子が子供の頃から大好きだからまあ嫉妬ね。靴を隠されたり教科書を破かれたり、階段も落とされるのよ?
いやがらせの首謀者として悪役キャラにされるんだけど、悪役がいないとゲームは面白くないでしょ?それで付いた名前が悪役令嬢。
ヒロインはいやがらせを健気に耐え、その姿を見たエドワード王子はヒロインに恋をするの。最後は卒業パーティーでスカーレットは断罪されて婚約破棄を言われるの。婚約破棄を言われた悪役令嬢のスカーレットは今までヒロインにした行為が明るみになって、良くて修道院、悪くて処刑なの。
ヒロインとエドワード王子は真実の愛で結ばれ周りから祝福され結婚して仲睦まじく暮らすのよ。
そしてヒロインのレーナは私」
ちょっと待って!
レーナさんの言っている事が本当の話なら、ヒロインは靴を隠されたり教科書を破かれたり階段から落とされる?
私に対するスカーレット様からの地味な嫌がらせは?あれは何?
靴を隠されたり、教科書を破かれたり、教科書がゴミ箱に捨てられていた事もあった。階段から落とされた事はないけど、靴を履いていた時に後ろから押された事もあったわ。
それも一度や二度じゃないのよ?何度もよ?
もしかして私への地味な嫌がらせは本当ならヒロインと言っているレーナさんが受けるはずだったの?
私はヒロインの代わりって事?
「ちなみに確認なんですが、レーナさんはどんな嫌がらせを受けたんですか?」
「食堂で並んでいた時に抜かされたり、座ろうと思った席に座られたり、ご飯を持っているのにぶつかられたわ」
「それはスカーレット公爵令嬢だったんですか?」
「違うと思うけど、きっと取巻きよ!悪役令嬢には取巻きがいて、悪役令嬢の指示で取巻きがいやがらせをするの!」
「レーナさんに嫌がらせをしたのは女性だけでしたか?」
「女性の時もあるし男性の時もあったわ」
それってただ単に邪魔なだけだったか、貴女が鈍臭いだけなんじゃ……。
それに、令嬢の取巻きは令嬢しかいないわ。
ごく稀に令息を側に置いている令嬢もいるけど、そういう令嬢はあまり良い噂を聞かない人。公爵令嬢のスカーレット様に限ってそれはない。
「確認ですが、レーナさんは靴を隠されたり教科書を破かれたりはありましたか?」
「乙女ゲームでは隠されたり破かれたりするんだけど、私は一度もないの。転生者だからチート力があるのかしら」
完全に私がヒロインの代わりじゃない!
それにレーナさんは嫌がらせの内容をエドワード王子に言ったのかしら。
「レーナさん、エドワード王子には嫌がらせされている事を何と言ったんですか?具体的に言ったんですか?」
「何をされたかは言ってないわ。でも初めてエドワードと会った時に私はいやがらせをされた後だったの。足を引っ掛けられて制服は料理でベタベタ、髪の毛からはスープがぽたぽたと垂れていたの。その時手を差し伸べてくれたのがエドワードだったの。それからエドワードと会えば話すようになったわ。
たまにね、エドワードが聞いてくれるの。あれから大丈夫かって。だから私は、いやがらせは毎日されてるけど大丈夫、だって私が我慢すればいいだけだものって」
「足を引っ掛けられたのはそれからも何度もありましたか?」
「その時だけよ。あれはエドワードと出会う為のイベントなの。イベントで出会いそこから仲良くなるのよ。
でね、ある時エドワードから聞かれたの。私に対するいやがらせをしているのは自分の婚約者なのか?って。だから私はそうかもしれないって答えたわ。
でもエドワードの婚約者は悪役令嬢のスカーレットじゃなかったのよね?」
レーナさんが言うように、乙女ゲームだった?その世界ではエドワード王子の婚約者はスカーレット様で、スカーレット様は悪役令嬢。なら、私はスカーレット様の代わりって事?
レーナさんが嫌がらせと言っている事は単にレーナさんが鈍臭いだけ。私は何もしていないのに嫌がらせをした事になっていて、それもレーナさんが受けるはずだった嫌がらせは私が受けてる。
あれ?
私ってヒロインと悪役令嬢、両方の代わりになってるって事?よね?
なりたくてなった婚約者じゃないのに、それでも厳しい王子妃教育を受けさせられて、で、最後は婚約破棄だった?それも卒業パーティーで?陛下や卒業生の両親が集まる場で?
「あはははは!」
これは笑うしかないわ!
185
あなたにおすすめの小説
悪役令嬢は永眠しました
詩海猫(8/29書籍発売)
ファンタジー
「お前のような女との婚約は破棄だっ、ロザリンダ・ラクシエル!だがお前のような女でも使い道はある、ジルデ公との縁談を調えてやった!感謝して公との間に沢山の子を産むがいい!」
長年の婚約者であった王太子のこの言葉に気を失った公爵令嬢・ロザリンダ。
だが、次に目覚めた時のロザリンダの魂は別人だった。
ロザリンダとして目覚めた木の葉サツキは、ロザリンダの意識がショックのあまり永遠の眠りについてしまったことを知り、「なぜロザリンダはこんなに努力してるのに周りはクズばっかりなの?まかせてロザリンダ!きっちりお返ししてあげるからね!」
*思いつきでプロットなしで書き始めましたが結末は決めています。暗い展開の話を書いているとメンタルにもろに影響して生活に支障が出ることに気付きました。定期的に強気主人公を暴れさせないと(?)書き続けるのは不可能なようなのでメンタル状態に合わせて書けるものから書いていくことにします、ご了承下さいm(_ _)m
[完結]不実な婚約者に「あんたなんか大っ嫌いだわ」と叫んだら隣国の公爵令息に溺愛されました
masato
恋愛
アリーチェ・エストリアはエスト王国の筆頭伯爵家の嫡女である。
エストリア家は、建国に携わった五家の一つで、エストの名を冠する名家である。
エストの名を冠する五家は、公爵家、侯爵家、伯爵家、子爵家、男爵家に別れ、それぞれの爵位の家々を束ねる筆頭とされていた。
それ故に、エストの名を冠する五家は、爵位の壁を越える特別な家門とされていた。
エストリア家には姉妹しかおらず、長女であるアリーチェは幼い頃から跡取りとして厳しく教育を受けて来た。
妹のキャサリンは母似の器量良しで可愛がられていたにも関わらず。
そんな折、侯爵家の次男デヴィッドからの婿養子への打診が来る。
父はアリーチェではなくデヴィッドに爵位を継がせると言い出した。
釈然としないながらもデヴィッドに歩み寄ろうとするアリーチェだったが、デヴィッドの態度は最悪。
その内、デヴィッドとキャサリンの恋の噂が立ち始め、何故かアリーチェは2人の仲を邪魔する悪役にされていた。
学園内で嫌がらせを受ける日々の中、隣国からの留学生リディアムと出会った事で、
アリーチェは家と国を捨てて、隣国で新しい人生を送ることを決める。
婚約破棄?ああ、どうぞお構いなく。
パリパリかぷちーの
恋愛
公爵令嬢アミュレットは、その完璧な美貌とは裏腹に、何事にも感情を揺らさず「はぁ、左様ですか」で済ませてしまう『塩対応』の令嬢。
ある夜会で、婚約者であるエリアス王子から一方的に婚約破棄を突きつけられるも、彼女は全く動じず、むしろ「面倒な義務からの解放」と清々していた。
愛のない貴方からの婚約破棄は受け入れますが、その不貞の代償は大きいですよ?
日々埋没。
恋愛
公爵令嬢アズールサは隣国の男爵令嬢による嘘のイジメ被害告発のせいで、婚約者の王太子から婚約破棄を告げられる。
「どうぞご自由に。私なら傲慢な殿下にも王太子妃の地位にも未練はございませんので」
しかし愛のない政略結婚でこれまで冷遇されてきたアズールサは二つ返事で了承し、晴れて邪魔な婚約者を男爵令嬢に押し付けることに成功する。
「――ああそうそう、殿下が入れ込んでいるそちらの彼女って実は〇〇ですよ? まあ独り言ですが」
嘘つき男爵令嬢に騙された王太子は取り返しのつかない最期を迎えることになり……。
※この作品は過去に公開したことのある作品に修正を加えたものです。
またこの作品とは別に、他サイトでも本作を元にしたリメイク作を別のペンネー厶で公開していますがそのことをあらかじめご了承ください。
アルバートの屈辱
プラネットプラント
恋愛
妻の姉に恋をして妻を蔑ろにするアルバートとそんな夫を愛するのを諦めてしまった妻の話。
『詰んでる不憫系悪役令嬢はチャラ男騎士として生活しています』の10年ほど前の話ですが、ほぼ無関係なので単体で読めます。
私が嫌いなら婚約破棄したらどうなんですか?
きららののん
恋愛
優しきおっとりでマイペースな令嬢は、太陽のように熱い王太子の側にいることを幸せに思っていた。
しかし、悪役令嬢に刃のような言葉を浴びせられ、自信の無くした令嬢は……
【完結】婚約者?勘違いも程々にして下さいませ
リリス
恋愛
公爵令嬢ヤスミーンには侯爵家三男のエグモントと言う婚約者がいた。
先日不慮の事故によりヤスミーンの両親が他界し女公爵として相続を前にエグモントと結婚式を三ヶ月後に控え前倒しで共に住む事となる。
エグモントが公爵家へ引越しした当日何故か彼の隣で、彼の腕に絡みつく様に引っ付いている女が一匹?
「僕の幼馴染で従妹なんだ。身体も弱くて余り外にも出られないんだ。今度僕が公爵になるって言えばね、是が非とも住んでいる所を見てみたいって言うから連れてきたんだよ。いいよねヤスミーンは僕の妻で公爵夫人なのだもん。公爵夫人ともなれば心は海の様に広い人でなければいけないよ」
はて、そこでヤスミーンは思案する。
何時から私が公爵夫人でエグモンドが公爵なのだろうかと。
また病気がちと言う従妹はヤスミーンの許可も取らず堂々と公爵邸で好き勝手に暮らし始める。
最初の間ヤスミーンは静かにその様子を見守っていた。
するとある変化が……。
ゆるふわ設定ざまああり?です。
【完結済】次こそは愛されるかもしれないと、期待した私が愚かでした。
こゆき
恋愛
リーゼッヒ王国、王太子アレン。
彼の婚約者として、清く正しく生きてきたヴィオラ・ライラック。
皆に祝福されたその婚約は、とてもとても幸せなものだった。
だが、学園にとあるご令嬢が転入してきたことにより、彼女の生活は一変してしまう。
何もしていないのに、『ヴィオラがそのご令嬢をいじめている』とみんなが言うのだ。
どれだけ違うと訴えても、誰も信じてはくれなかった。
絶望と悲しみにくれるヴィオラは、そのまま隣国の王太子──ハイル帝国の王太子、レオへと『同盟の証』という名の厄介払いとして嫁がされてしまう。
聡明な王子としてリーゼッヒ王国でも有名だったレオならば、己の無罪を信じてくれるかと期待したヴィオラだったが──……
※在り来りなご都合主義設定です
※『悪役令嬢は自分磨きに忙しい!』の合間の息抜き小説です
※つまりは行き当たりばったり
※不定期掲載な上に雰囲気小説です。ご了承ください
4/1 HOT女性向け2位に入りました。ありがとうございます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる