婚約破棄ですか?勿論お受けします。

アズやっこ

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婚約解消か?受け入れただろ。

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今日は学園が休みでオスカー様とデート。

オスカー様と公園に行き、


「公園で良いのか?」

「公園がいいんです。今日は自然を見つめたくなりました」


ベンチの前には花壇があり、綺麗な花が咲いている。


「何かあったのか?」

「何か、ありすぎて何から話せば良いのか…」


私はマシュー様の事、知らない男性に絡まれている事を話した。


「どうして早く言わなかった!やっぱりアイラを送ってから行けば良かった!」

「先生に呼ばれたんですから」

「だが!」

「ただ、オスカー様の元婚約者さんもそうですがどうしてこうも人の話を聞いてくれないのでしょうね…はぁ…」

「本当だな…」


私とオスカー様は一緒に空を見つめた。

人って考えたくない時ってボーっとするものなのね。流れる雲を見ていると何も考えたくなくなるもの。


フッと公園の横を通る二人の男女が目に入り、


「あの人…」

「ん?あいつか」

「知り合いですか?」

「元婚約者の男だ。隣は妹じゃないか?」

「え?そうなんですか!」

「何度か教室に迎えに来ていたからな」

「あの男がどうした」

「例の人です」

「あいつ、アイラにまで手を出したのか!」

「正確には手は出されていません。どちらかと言えば私が手を叩いた方ですが」

「叩いたのか?」

「髪留めに触れようとしたから。オスカー様から頂いた大切で大事な物です。オスカー様以外の方に触れられたくありません」

「そうか。俺以外に触れられたくないのか」

「当たり前です!オスカー様だから手を繋ぎたいと思うしデートも楽しいんです。昨日だってオスカー様と会えるのが楽しみでなかなか眠れなかったんですよ?」


ここまで言って気づいたけど、結構大胆な事言ったわよね?それも本人に。


「アイラは本当に可愛いな」

「可愛くないです」

「今日の服も可愛い」


今日はちょっと可愛いワンピースを着てきた。私だって可愛く見せたいもの。昨日の夜に何着も着ては脱いでを繰り返して可愛いワンピースにしたの。


「似合わないですよね」

「似合ってる」

「本当ですか?」

「嘘ついてどうする」

「そうですが」


オスカー様の手が私の手を握り、


「その…、父上に言われた訳ではないが……、キスを、したい、ん、だ、が…」

「はい…」

「いいか?」

「はい」


オスカー様の手が私の頬を包み、オスカー様の唇と私の唇が重なり…、

二人して真っ赤になった顔を俯けた。


「嫌だったか?」

「嬉しいです」

「それなら、また、してもいいか?」

「はい」


私が返事をしたら直ぐに唇が重なった。

またって今だったの?でも、キスって幸せになれるのね。レミーが幸せそうな顔をしていたのが分かるわ。


オスカー様と繋がれた手、初めてのキス、好きな人とするとこんなに幸せな気持ちになって、ドキドキするし恥ずかしいけど、心が温まるというか、満たされるというか、オスカー様をどんどん好きになるのは分かる。

オスカー様も私をもっと好きになってくれたら良いな。


「アイラが誰かに取られないか心配だ」

「それは大丈夫です。婚約者だからオスカー様を好きなのではなくて、あの図書室で過ごしたオスカー様を私は好きになったので。好きな人しか私の目には映りません」

「俺もだ。図書室で会い話したアイラを好きになった。婚約者になり側にいる事もこうして手を繋ぐ事も、それにだ、キス、も、婚約者になれた事が嬉しい」

「私も婚約者がオスカー様で嬉しいです。髪留めもそうですが、楽しいデートも手を繋ぐ事も、キスも、オスカー様が初めての相手でとても大切なものになりました」

「そうか」


オスカー様は私を抱きしめ、耳元で、


「好きだ」


そして私の左頬にキスをし、そのまま私の唇にキスをした。


それから手を繋ぎ公園を散歩する。


「オスカー様はどんな服が好みですか?」

「好みを聞かれても答えられない。どんな服でも着る本人が着たいと思って着てる服に文句はない。ただ胸元の開いた服はあまり着てほしくない。ドレスもできれば胸元は隠してほしいくらいだ」

「それはどうしてですか?」

「俺以外に肌を見られるのが嫌だ。腕とかなら俺も気にならないが胸元だぞ?どうして他の男に見せないといけない」

「胸が大きい人ならまだしも、もし小さいなら誰も見ないと思いますが」

「大きさの問題じゃない。胸元は夫の特権だ、俺だけが見たい」

「はい……?」

「すまん、男はどうしても目がいくからな」

「オスカー様もですか?」

「俺は!……見ないと言いたいが、婚約した時にアイラがドレスを着てきただろ?その時目がいった。好意を持ってる子だったんだ、そりゃあどうしても見るだろ。俺も男だからな」

「私も女ですが胸の大きな子がドレスを着ると目がいくので同じですね」

「俺は好意を持っていない女性に興味はない。だが他の男は違うからな。アイラの肌を他の男に見られたくない、俺の我儘だ」

「ふふっ、ならこれからは胸元を隠すドレスを作りますね?」

「そうしてくれると助かる」


恥ずかしそうに照れた顔をしたオスカー様は私と目を合わせなかった。




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