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届かないもの(エルネスト視点)
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アリシアと初めて出会ったのはいつだったか。
まだ見習いとも言えない俺の事を騎士様と呼びながら、満面の笑みを浮かべていた幼いアリシアを思い出す。
キラキラとした瞳とサラサラと靡く髪。その煌めきに、確かに見惚れたのが始まりだ。
父の背中を見て、騎士を目指すのは当然の流れだった。そういうものだと思っていた。
自然と刀を持ち、訓練に参加して、目指すべき目標だって最初から存在していた。
けれど確かに、俺が俺として騎士を志すようになったのはアリシアに出会ったからだと断言出来る。
周りが言うような嫉妬だなんだと言う感情を感じたことはなかった。
視線を向ければいつだってアリシアはそこに居て、俺を見ていたから。俺がアリシアを見た時には必ず目が合って、はにかむように微笑みを返してくれた。
アリシアは常に笑っていて、明るくて、楽しそうで、それでいて完璧でもあったんだ。
出会った頃は本当に元気な子供だったように思う。
いつの日か騎士たちの訓練に混りたいと言い出して、本当に訓練に参加していた。小さな体はもちろん耐えきれず吹っ飛んでいたこともある。
俺は正直その様子を見て落ち着かなかったが、周りの大人たちの視線はどこまでも優しく、模擬刀が手からすっぽ抜けてどこかに飛んで行った姿には笑いが巻き起こっていた。
「やっぱり騎士様ってすごいのね」
汚れた姿でそんなことを言うものだから、その後の訓練にもより力が入るというものだ。
アリシアに、支え続けられていた、という自覚はある。
気づけば淑女として礼儀もマナーも教養も、王族の近くにいる俺でさえ見惚れる仕草を身につけていて、周りの評価も上がっていた。
それでも俺だけを見続けるアリシアを、俺は確かに特別だと思っていたんだ。
言い訳にしかならないのだろうが、俺はアリシアの気を引く必要すらなかった。だから、何をしたら喜ぶのか、何を贈ればこちらを見てくれるのか、なんて悩んだこともない。
俺の成功を自分の事のように喜んでくれて、だからこそ俺は自分の目指した道を真っ直ぐと目指して、最優先にすることができた。
アリシアの肯定の言葉を疑うことなく、アリシアが憧れる騎士でいられた。そう、思っていたのに。
気づけば俺の傍から姿を消していたアリシアに気づくことすらなかった俺は、一体何をできるのだろう。
アリシアのいる、王都から離れた隣国と近くの街まで、異様に長く感じる時間を過ごした。
アリシアの元へ行く、それ以外に選択肢などなかった俺は、漸くアリシアの姿を見つけることが出来た。
その瞬間感じた己の内の感情を、なんと表せばいいのかわからない。
だがその暖かな、熱いとすら思える感情を感じられたのは一瞬のことで、見知らぬ男に微笑む横顔を見て、感じたことの無い激情が湧き上がってきた。
駆け出したくなるのに、動けない。
そんな感情は知らなかった。
敬愛する王族が襲われる瞬間ですら、この頭は冷静に働くのに。
気を引くためにはプレゼントを贈れ、と誰かに言われた。
馬車の中には使用人たちからアリシアへの贈り物で溢れている。その中には渡せなかった誕生日プレゼントも混ざっているのだと誰かの言葉を思い出した。
誕生日プレゼント、そうだ、俺が1度も贈っていないそれ。遅くなっても渡していい物なのだろうか。
それらなば俺も、と店を覗いたところで、何を選べばいいのか分からないことに気づいた。
何一つ贈り物なんてしてこなかった、わけではない。
しかし、王宮という場所は流行の最先端が集まる場所であるし、マリーアンジュ様ご本人で選ぶ物も素晴らしいものばかり。
そういうものを真似て選んできた。
周りの護衛騎士たちだって、そうしているように見えた。間違った選択ではなかったと思う。
アリシアはどんな土産でも、使用人からの菓子でも、平民の子供が詰んできた野花でも、喜んで笑っていた。
しかしこうしてみれば、アリシアが何を求めているのか全く分からなかった。
なんでもいいのかもしれない。けれどやはり、笑って欲しいと考えて、何も決められないまま立ちすくんだ。
女性にはやはり宝石かアクセサリーか。
あぁ、きっとそれがいい。
考えた末にそう思い立ってすぐ目の前に見えた宝飾店に足を踏み入れれば、店内の照明を受けて煌めいている商品が並べられていた。
庶民的、でもないのだろうが、王都の高位貴族御用達と掲げる店よりは随分と値段が安い。
一際輝いている商品が並べられているあたりで、紫色の大輪の花の形をした髪飾りが目に付いた。
綺麗だ。特殊な加工をされているのか、他のものよりも輝きが強い。
アリシアの瞳の輝きを思い出して、無意識にショーケースに近づいた。
「これを頼む。プレゼントにしたい」
「かしこまりました。少々お待ちくださいませ」
にこやかに近づいてきた店員の前で、その髪飾りを指させば、すぐに髪飾りを目の前に差し出された。
ガラス板を通さない分、輝きはさらに増している。
「こちらでよろしいでしょうか。ご確認をお願いいたします」
目の前でゆっくりと回転され、傷などの確認をする。
花の形は細部まで作り込められているようで、これならば、と俺は頷いた。
アリシアは花が好きだ。それくらいは知っている。きっと喜んでくれるだろう。
***
包んでもらった髪飾りを抱えてアリシアの屋敷を尋ねれば、出迎えたのは侍女だった。アリシアによく懐いている、確かハンナという名だ。
「えっ、旦那様!?……なんの御用でしょうか」
俺の顔を見て驚いてから、あからさまな敵意を向けてきた。取り繕う気もないらしい、殺気にも似た気配。随分とわかりやすいな。
「アリシアに、会いに来たんだ」
そう告げれば、ハンナはちらりと屋敷の中に視線を向けた。どうやらこの屋敷内にいるらしい。出かけていてすれ違わなくて良かった、と知らぬうちに安堵の息を吐き出していた。
「アリシア様に、ですか?」
「ああ」
「なんのために、お会いするのですか」
「何のために? 俺が会いたかったから、ではダメか」
ただ、それだけの理由だ。
「アリシア様はまだ療養中ですので」
お帰りください、と言外に告げられる。
偶然見かけたアリシアは元気そうに、いつもと同じ笑顔で笑っていたように見えた。
俺の傍でないところで、俺ではない人間の手の触れる場所で。思い出しただけで心臓を鷲掴みにされているような、そんな気持ちになってくる。
「そんなに、具合が悪いのか?」
やはり長旅が傷に響いたのか。
思わず屋敷の中に身体を向けてしまっ他俺の道を塞ぐように、ハンナが僅かに足を動かした。
「悪くはありません。ですが、まだ治りきっていないのです。完治しない状態ではアリシア様はお会いにはならないと思います」
押し入ることは難しくない。命令することも、一応雇い主である俺には難しくはないだろう。
だが、この侍女はアリシアのために動いている。アリシアの意思がそこにはある。
嫌われてしまうのだろうか、見捨てられてしまうのだろうか、とここに来るまでに散々言われた言葉たちが浮かんできて、結局そんなことは出来なかった。
「それならこれを渡してもらえるか?」
手に持っていたそれを差し出せば、訝しげな視線が向けられた。
「……これは?」
「誕生日、プレゼントだ。アリシアの。遅れてしまったが、渡したくて。アリシアに似合うと思ったんだ」
「誕生日……プレゼント……?」
冷たい声に思わず視線を逸らしてしまう。
「使用人たちからの預かり物もある。後日渡しに来るからそれも受け取って欲しい。すまないが、よろしく頼む」
頭を下げたのはその空気から逃れるためでもあった。
渡してもらえるだろうか、と今までならば考えなかった不安を感じる。
アリシアが手にしたなら、笑って喜んでくれるだろうか。
また来よう、何度でも。
どこにいるか分からないアリシアを探すように、外に出た俺は門から屋敷を仰ぎ見た。
どこかの窓に姿が見えないかと、そんな女々しいことを思いながら。
こんなに焦がれる想いは始めてだ。
まだ見習いとも言えない俺の事を騎士様と呼びながら、満面の笑みを浮かべていた幼いアリシアを思い出す。
キラキラとした瞳とサラサラと靡く髪。その煌めきに、確かに見惚れたのが始まりだ。
父の背中を見て、騎士を目指すのは当然の流れだった。そういうものだと思っていた。
自然と刀を持ち、訓練に参加して、目指すべき目標だって最初から存在していた。
けれど確かに、俺が俺として騎士を志すようになったのはアリシアに出会ったからだと断言出来る。
周りが言うような嫉妬だなんだと言う感情を感じたことはなかった。
視線を向ければいつだってアリシアはそこに居て、俺を見ていたから。俺がアリシアを見た時には必ず目が合って、はにかむように微笑みを返してくれた。
アリシアは常に笑っていて、明るくて、楽しそうで、それでいて完璧でもあったんだ。
出会った頃は本当に元気な子供だったように思う。
いつの日か騎士たちの訓練に混りたいと言い出して、本当に訓練に参加していた。小さな体はもちろん耐えきれず吹っ飛んでいたこともある。
俺は正直その様子を見て落ち着かなかったが、周りの大人たちの視線はどこまでも優しく、模擬刀が手からすっぽ抜けてどこかに飛んで行った姿には笑いが巻き起こっていた。
「やっぱり騎士様ってすごいのね」
汚れた姿でそんなことを言うものだから、その後の訓練にもより力が入るというものだ。
アリシアに、支え続けられていた、という自覚はある。
気づけば淑女として礼儀もマナーも教養も、王族の近くにいる俺でさえ見惚れる仕草を身につけていて、周りの評価も上がっていた。
それでも俺だけを見続けるアリシアを、俺は確かに特別だと思っていたんだ。
言い訳にしかならないのだろうが、俺はアリシアの気を引く必要すらなかった。だから、何をしたら喜ぶのか、何を贈ればこちらを見てくれるのか、なんて悩んだこともない。
俺の成功を自分の事のように喜んでくれて、だからこそ俺は自分の目指した道を真っ直ぐと目指して、最優先にすることができた。
アリシアの肯定の言葉を疑うことなく、アリシアが憧れる騎士でいられた。そう、思っていたのに。
気づけば俺の傍から姿を消していたアリシアに気づくことすらなかった俺は、一体何をできるのだろう。
アリシアのいる、王都から離れた隣国と近くの街まで、異様に長く感じる時間を過ごした。
アリシアの元へ行く、それ以外に選択肢などなかった俺は、漸くアリシアの姿を見つけることが出来た。
その瞬間感じた己の内の感情を、なんと表せばいいのかわからない。
だがその暖かな、熱いとすら思える感情を感じられたのは一瞬のことで、見知らぬ男に微笑む横顔を見て、感じたことの無い激情が湧き上がってきた。
駆け出したくなるのに、動けない。
そんな感情は知らなかった。
敬愛する王族が襲われる瞬間ですら、この頭は冷静に働くのに。
気を引くためにはプレゼントを贈れ、と誰かに言われた。
馬車の中には使用人たちからアリシアへの贈り物で溢れている。その中には渡せなかった誕生日プレゼントも混ざっているのだと誰かの言葉を思い出した。
誕生日プレゼント、そうだ、俺が1度も贈っていないそれ。遅くなっても渡していい物なのだろうか。
それらなば俺も、と店を覗いたところで、何を選べばいいのか分からないことに気づいた。
何一つ贈り物なんてしてこなかった、わけではない。
しかし、王宮という場所は流行の最先端が集まる場所であるし、マリーアンジュ様ご本人で選ぶ物も素晴らしいものばかり。
そういうものを真似て選んできた。
周りの護衛騎士たちだって、そうしているように見えた。間違った選択ではなかったと思う。
アリシアはどんな土産でも、使用人からの菓子でも、平民の子供が詰んできた野花でも、喜んで笑っていた。
しかしこうしてみれば、アリシアが何を求めているのか全く分からなかった。
なんでもいいのかもしれない。けれどやはり、笑って欲しいと考えて、何も決められないまま立ちすくんだ。
女性にはやはり宝石かアクセサリーか。
あぁ、きっとそれがいい。
考えた末にそう思い立ってすぐ目の前に見えた宝飾店に足を踏み入れれば、店内の照明を受けて煌めいている商品が並べられていた。
庶民的、でもないのだろうが、王都の高位貴族御用達と掲げる店よりは随分と値段が安い。
一際輝いている商品が並べられているあたりで、紫色の大輪の花の形をした髪飾りが目に付いた。
綺麗だ。特殊な加工をされているのか、他のものよりも輝きが強い。
アリシアの瞳の輝きを思い出して、無意識にショーケースに近づいた。
「これを頼む。プレゼントにしたい」
「かしこまりました。少々お待ちくださいませ」
にこやかに近づいてきた店員の前で、その髪飾りを指させば、すぐに髪飾りを目の前に差し出された。
ガラス板を通さない分、輝きはさらに増している。
「こちらでよろしいでしょうか。ご確認をお願いいたします」
目の前でゆっくりと回転され、傷などの確認をする。
花の形は細部まで作り込められているようで、これならば、と俺は頷いた。
アリシアは花が好きだ。それくらいは知っている。きっと喜んでくれるだろう。
***
包んでもらった髪飾りを抱えてアリシアの屋敷を尋ねれば、出迎えたのは侍女だった。アリシアによく懐いている、確かハンナという名だ。
「えっ、旦那様!?……なんの御用でしょうか」
俺の顔を見て驚いてから、あからさまな敵意を向けてきた。取り繕う気もないらしい、殺気にも似た気配。随分とわかりやすいな。
「アリシアに、会いに来たんだ」
そう告げれば、ハンナはちらりと屋敷の中に視線を向けた。どうやらこの屋敷内にいるらしい。出かけていてすれ違わなくて良かった、と知らぬうちに安堵の息を吐き出していた。
「アリシア様に、ですか?」
「ああ」
「なんのために、お会いするのですか」
「何のために? 俺が会いたかったから、ではダメか」
ただ、それだけの理由だ。
「アリシア様はまだ療養中ですので」
お帰りください、と言外に告げられる。
偶然見かけたアリシアは元気そうに、いつもと同じ笑顔で笑っていたように見えた。
俺の傍でないところで、俺ではない人間の手の触れる場所で。思い出しただけで心臓を鷲掴みにされているような、そんな気持ちになってくる。
「そんなに、具合が悪いのか?」
やはり長旅が傷に響いたのか。
思わず屋敷の中に身体を向けてしまっ他俺の道を塞ぐように、ハンナが僅かに足を動かした。
「悪くはありません。ですが、まだ治りきっていないのです。完治しない状態ではアリシア様はお会いにはならないと思います」
押し入ることは難しくない。命令することも、一応雇い主である俺には難しくはないだろう。
だが、この侍女はアリシアのために動いている。アリシアの意思がそこにはある。
嫌われてしまうのだろうか、見捨てられてしまうのだろうか、とここに来るまでに散々言われた言葉たちが浮かんできて、結局そんなことは出来なかった。
「それならこれを渡してもらえるか?」
手に持っていたそれを差し出せば、訝しげな視線が向けられた。
「……これは?」
「誕生日、プレゼントだ。アリシアの。遅れてしまったが、渡したくて。アリシアに似合うと思ったんだ」
「誕生日……プレゼント……?」
冷たい声に思わず視線を逸らしてしまう。
「使用人たちからの預かり物もある。後日渡しに来るからそれも受け取って欲しい。すまないが、よろしく頼む」
頭を下げたのはその空気から逃れるためでもあった。
渡してもらえるだろうか、と今までならば考えなかった不安を感じる。
アリシアが手にしたなら、笑って喜んでくれるだろうか。
また来よう、何度でも。
どこにいるか分からないアリシアを探すように、外に出た俺は門から屋敷を仰ぎ見た。
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