レツダンセンセイ・グレーテストヒッツ

れつだん先生

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遺書

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 実際の所、これを書いている今は心も平穏そのもので、一時の迷いだったのかもしれないという思いが無いわけではない。
 ラーメンを食べてから、田舎に大きく立っているショッピングモールのフードコートに座り、携帯でこの文章を書いている。さっきまでの希死念慮はどこへやら、満腹中枢が満たされた途端これだ。我ながら情けなく思う。死にたいのならば死ねばいいのに、生存本能なのだろうか、それをかき消そうとしてくる。
 これを書きつつ太宰のヴィヨンの妻を読んでいる。面白い。
 
 医者に通い薬を飲めど、幻覚や幻聴、被害妄想の類いは決して消えることはなく、僕を苦しめようと常に身にまとわりついている。これはもう昔からなので、半ば諦めの境地ではあるが、どうにかならないものだろうか。医者は性格だの気持ちの持ちようだのと言うが、自分の力だけでどうこうできるなら、もう既にどうにかしているはずだ。
 横道に逸れたか。
 僕の中にある「死にたい」という気持ちと「死にたくない」という二つの相反する気持ちが頭の中で闘い合い、何度か負けそうになったものの――八月に一度負けたが――こうしてこの年齢まで生きてこれたのは、僕の周りで僕を支えてくれた――しかしそれが逆に僕を苦しめていたということもあるのだが――沢山の方々のお陰だ。感謝。
 引き金となった出来事は特には無い。まあ、あるとすれば、今日仕事を休んでしまったということぐらいだ。起きた時にはもう出社していなければならない時間だったので、僕はすぐさま携帯を開き上司に謝罪と遅刻の連絡をした。普段ならそのまま仕事へ行くのだが、なぜか今日は行かなかった。迷惑をかけているということに申し訳なく思ったのだ。今月は欠勤三日、遅刻二日。十二時間拘束の時は一切欠勤も遅刻もしなかったのに、八時間半拘束になった途端これだ。幻聴さんは――敢えて親しみを込めてみた――僕を馬鹿にし「死して償う他無し」なんてことを宣うし、幻覚さんは僕がどこからか 飛び降りる風景を何度も見せつけてくる。今日仕事へ行っていれば、と考えるのは無駄だろう。
 僕が死に対して救いを求めるようになったのは、別に今に始まったことではない。中学のころに一度失敗をしているし――というか怖じ気付いて必死で紐をほどいたという未遂とも呼べない情けないものだが――去年は所謂オーバードーズなどという無駄なことをして多大な迷惑を掛け多大な入院費を背負わされた。だから「あれ」が原因なわけではない、とだけ言っておく。あれが何なのかは敢えて言わない。
 しかしまあ、全く無関係ではないだろう。あと他にあるとすれば、母の「中途半端なことをするぐらいなら確実に死ね」という言葉も、全く無関係とは言えない。それから僕は確実に死ねる方法を常に模索しだしたから。
 小学校の頃に仲の良かった同級生が自殺したのも全く無関係とは言えない。その話を聞いてすぐに僕は「羨ましい」と思った。
 でも何か理由を探してそれのせいにするのはやめよう。結局の所、自分自身が自分自身に負けただけなのだから。

 つい二日前のことだ。僕は現実だけでなくインターネット上でも家族に監視されているという幻覚に苛まれ、掲示板やツイッターで暴れた。「睡眠薬を飲んですぐに寝るべきだ」という助言が無ければ、僕は現実でも暴れただろう。パソコンを壊しモニタを壊しXbox360を壊しギターを壊し。その間、自分が自分でないような、現実と夢がごちゃ混ぜになったような錯覚に陥った。それを解離だの何だの言うらしいがどうでもいい。これを書いている今だって、本当にショッピングモールで書いているのかすらわからない。

 なんて事を書いて、そろそろ仕事が終わる時間になったため家に帰ろうとショッピングモールをうろついていたら、たまたま買い物に来ていた母親とばったり遭遇した。これには驚いた。

 死……しかし実に残念だ! やりたいことは沢山あった。金を貯めて上京し同じ夢を持つ方々ともう一度酒を酌み交わしたかった。古い付き合いの友人たちとも会ってカラオケにでも行きたかった。「あの出来事」を小説にしてから死ぬつもりが、未完になってしまった。同人誌製作をしたかった。実に残念だ!

 でも今、実に清清しく感じている。ようやく終わるのだ、この地獄が。生きているだけで苦しい思いをするということがようやく終わるのだ。
 
 さて、そろそろこれも終わりにしようか。

 死……その先には何もない。空虚だ。虚しい。生きているのが虚しい。幻聴や幻覚に殺される。周りの人が僕に対して悪口を言っているような気がする。生きているということだけで罪だ。

「あなたはもう無理です、今すぐにでも死になさい」と頭が命令をしている。それに対して何かを言い返したいが、何の言葉も出て来やしない。最初に行った心療内科では「気合で頑張りなさい」と言われ、話にならないと入院した市民病院に変えたものの、やはり似たようなことを言われ、気合で乗りきれるならこんなところに来てねえよ! と叫びたかった。いや、叫べば良かったのだろうか。自分を少しでもよく見せようと気取っていただけなのかもしれない。今更後悔しても遅いのだが……。
 
 長々と書いてしまった。みなさんに感謝を、そして永遠のお別れを。ごめんなさいね。葬式はいりません。適当に燃やして適当に庭にでもばらまいて下さい。
 では、お先に失礼します。今までありがとうございました。
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