【完結】おじいちゃんは元勇者

三園 七詩

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じゅうなな

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「今日はエイトが狩るもの決めていいぞ」

カズキはエイトに場所を譲ると

「ぼ、僕が?どうしよう…ナナミが作る料理なら…唐揚げかな!今日は鳥がいい!」

エイトが嬉しそうにカズキに振り返ると

「それはいいな!ナナミが作る唐揚げは最高だからな」

カズキも笑顔で頷く。

「じゃあ鳥がいそうな山の岩場に行くか」

「はい!」

(そこなら綺麗な花も咲いてそうだしな!)

エイトはナナミへのお土産もしっかりと覚えていた。

カズキの後を追いかけて岩場に来ると…カズキが木の影に隠れる。

「いいか、こいつらは群れて攻撃してくるからなるべく広い場所には出るなよ、狭い場所を利用して戦うんだ」

「わかった!」

「じゃあ俺は反対側から行くからな、無理はするなよ」

「はい!」

エイトは元気に返事を返すとカズキは満足そうに笑って岩場の横を通って反対側へと向かった…

カズキの合図を待って身を潜めていると岩場の上の方が騒がしくなる!

(おじいちゃんの合図かな?)

エイトは岩場の上の気配を探ると…大きな鳥達が騒いで何かを襲っているようだった。

エイトは高い木の上に急いで登った様子を伺うと…岩場の上の開けた場所で鳥達が群れになって一匹の獣を襲っていた…

(あっ!危ない!)

獣は上手く鳥達を避けながら隠れる場所を探しているが鳥の数が多くて行く手を塞がれている。

そのうちに鳥達は岩を脚で掴むと上から落とし始めた…

エイトは自分の頭を思わず触る…そこには昔石を投げられた傷があった…。

獣は岩を避けているが数が多くなると思わず当たりそうな場面が何度かあった…エイトはハラハラしながら見つめている。

(おじいちゃんからの合図は無いし…あんな開けた場所で戦ったら駄目だし…)

エイトはグッと手を握りしめ我慢していると、一つ大きな岩が獣のすぐ側に落ちる…

落ちた拍子に砕けた岩が獣の顔に直撃した!

「キャン!」

獣の叫び声と共に動いていた脚が止まる、当時に鳥達が一斉に獣に襲いかかった!

と…同時にエイトも飛び出していた…

エイトは一羽の鳥に襲いかかると首を落とす、すかさず隣の鳥に飛び移って羽を切り落とした!

「ギャー!」

鳥達はいきなり現れたエイトに驚き四方八方に飛び立った!

その隙にエイトは獣を抱き上げると岩場の影に連れて行く!

獣を隠して剣を構えると鳥達がエイトに狙いを付けた。

「クッ!」

次から次へとエイトに目掛けて鳥達が攻撃を仕掛ける!

エイトの体は嘴や鍵爪で服は破れて血が滲んでいた…少しでも動きやすい場所に行こうとすると後ろにいる獣が狙われる。

剣で応戦するが先程の奇襲とは違って何度も交わされる…

「うっ…」

エイトは膝を着いた…。
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