72 / 177
71.
しおりを挟む
エイト達は男達に気付かれる事無く尾行していると…
『あっ…』
男達が入っていった建物を見て顔を合わせる。
『ここって…』
『お姉さんが言ってた村長の家だよね?』
この村で一番大きな建物の前に入っていった。
『あんだけ村長の事を嗅ぎ回っていたからか…それとも何か知られたくないことがあるのか…』
ジャックが唸ると
『とりあえず、ラルク師匠の所に戻る?』
エイトが帰ろうかと言うと、ジャックがピンと尻尾を立てた!
『エイト!何かが来るぞ!急いでここを離れよう!』
建物からの気配にジャックがかけ出すと
『えっ!な、何?』
エイトが慌てて追いかける。
ジャックが角を曲がりエイトも続こうとしていると…
「待って…」
エイトは誰かに肩を掴まれる。
振り切ろうと思っていたが体がビクとも動かない…
『ジャック!ごめん…』
エイトの言葉がジャックに届く前にエイトは首元に痛みを感じた瞬間意識を手放した。
『エイト!?』
ふとエイトの気配が無くなりジャックが後ろを確認すると途中まで付いてきていたエイトの姿がない!
ジャックは慌てて戻ろうとすると…ある一定の距離で脚を止める…これより先に行けば捕まる…そんな感覚に動けずにいた。
物陰から村長の屋敷を確認すると男が袋を担いで中へと入っていく…
その後ろをゆっくりとついて行く男を見るとジャックの毛が逆だった…カズキと対峙した時の感じに似ている。
あれに逆らっては駄目だと本能が告げていた…
『エイト!エイト!』
きっとあの袋にエイトが詰められている、それがわかっているのに何も出来ない自分が歯痒くてしょうがなかった。
ジャックは男達の顔と匂いをしっかりと覚えると、ラルクの元に走った!
「ワオォォォーン!!」
ジャックは走りながらラルクの気配を探るが全然見つけられない…とりあえず拠点にした場所に向かい俺はここだと吠え続けていると…
「おい!ジャック、どうした?うるさいぞ!」
ラルクがいつの間にか後ろに立っていた…
「ラルク!大変なんだ、エイトが…エイトが!」
ジャックの慌てようにラルクは顔を引き締めると
「落ち着け、エイトがどうした」
ラルクに顔をグイッと掴まれ目を覗き込まれる…ジャックはフーと息を吐くと
「あの村で情報を集めてたら、村長ってのがきな臭くて…そしたら俺達尾行されたんだ。そいつらはまいて逆に後をつけたら村長の屋敷にそいつらが入って行った…そこまで見て俺達は帰ろうと思ったら屋敷からラルクやカズキみたいな化け物が出てきたんだ」
「化け物…?」
「あれには俺は敵わない…悔しいが対面しても死ぬ気しかなかった…だから俺はエイトを置いて来ちまった」
ジャックの耳と尻尾がしゅんと垂れ下がる…
「そうか、お前の判断は正しいぞ。そこでお前まで捕まったりやられたりしたら俺は一から動かないといけないからな」
ラルクが大丈夫だとジャックの頭をポンポンと叩くと
「どうもこの辺りはこの村を中心にここらでは現れない魔物が出現しているようだ…何かその村長ってのが知ってそうだな」
ラルクは立ち上がると
「じゃあそこに案内してくれ」
ジャックコクンと頷いた。
『あっ…』
男達が入っていった建物を見て顔を合わせる。
『ここって…』
『お姉さんが言ってた村長の家だよね?』
この村で一番大きな建物の前に入っていった。
『あんだけ村長の事を嗅ぎ回っていたからか…それとも何か知られたくないことがあるのか…』
ジャックが唸ると
『とりあえず、ラルク師匠の所に戻る?』
エイトが帰ろうかと言うと、ジャックがピンと尻尾を立てた!
『エイト!何かが来るぞ!急いでここを離れよう!』
建物からの気配にジャックがかけ出すと
『えっ!な、何?』
エイトが慌てて追いかける。
ジャックが角を曲がりエイトも続こうとしていると…
「待って…」
エイトは誰かに肩を掴まれる。
振り切ろうと思っていたが体がビクとも動かない…
『ジャック!ごめん…』
エイトの言葉がジャックに届く前にエイトは首元に痛みを感じた瞬間意識を手放した。
『エイト!?』
ふとエイトの気配が無くなりジャックが後ろを確認すると途中まで付いてきていたエイトの姿がない!
ジャックは慌てて戻ろうとすると…ある一定の距離で脚を止める…これより先に行けば捕まる…そんな感覚に動けずにいた。
物陰から村長の屋敷を確認すると男が袋を担いで中へと入っていく…
その後ろをゆっくりとついて行く男を見るとジャックの毛が逆だった…カズキと対峙した時の感じに似ている。
あれに逆らっては駄目だと本能が告げていた…
『エイト!エイト!』
きっとあの袋にエイトが詰められている、それがわかっているのに何も出来ない自分が歯痒くてしょうがなかった。
ジャックは男達の顔と匂いをしっかりと覚えると、ラルクの元に走った!
「ワオォォォーン!!」
ジャックは走りながらラルクの気配を探るが全然見つけられない…とりあえず拠点にした場所に向かい俺はここだと吠え続けていると…
「おい!ジャック、どうした?うるさいぞ!」
ラルクがいつの間にか後ろに立っていた…
「ラルク!大変なんだ、エイトが…エイトが!」
ジャックの慌てようにラルクは顔を引き締めると
「落ち着け、エイトがどうした」
ラルクに顔をグイッと掴まれ目を覗き込まれる…ジャックはフーと息を吐くと
「あの村で情報を集めてたら、村長ってのがきな臭くて…そしたら俺達尾行されたんだ。そいつらはまいて逆に後をつけたら村長の屋敷にそいつらが入って行った…そこまで見て俺達は帰ろうと思ったら屋敷からラルクやカズキみたいな化け物が出てきたんだ」
「化け物…?」
「あれには俺は敵わない…悔しいが対面しても死ぬ気しかなかった…だから俺はエイトを置いて来ちまった」
ジャックの耳と尻尾がしゅんと垂れ下がる…
「そうか、お前の判断は正しいぞ。そこでお前まで捕まったりやられたりしたら俺は一から動かないといけないからな」
ラルクが大丈夫だとジャックの頭をポンポンと叩くと
「どうもこの辺りはこの村を中心にここらでは現れない魔物が出現しているようだ…何かその村長ってのが知ってそうだな」
ラルクは立ち上がると
「じゃあそこに案内してくれ」
ジャックコクンと頷いた。
10
あなたにおすすめの小説
勇者に全部取られたけど幸せ確定の俺は「ざまぁ」なんてしない!
石のやっさん
ファンタジー
皆さまの応援のお陰でなんと【書籍化】しました。
応援本当に有難うございました。
イラストはサクミチ様で、アイシャにアリス他美少女キャラクターが絵になりましたのでそれを見るだけでも面白いかも知れません。
書籍化に伴い、旧タイトル「パーティーを追放された挙句、幼馴染も全部取られたけど「ざまぁ」なんてしない!だって俺の方が幸せ確定だからな!」
から新タイトル「勇者に全部取られたけど幸せ確定の俺は「ざまぁ」なんてしない!」にタイトルが変更になりました。
書籍化に伴いまして設定や内容が一部変わっています。
WEB版と異なった世界が楽しめるかも知れません。
この作品を愛して下さった方、長きにわたり、私を応援をし続けて下さった方...本当に感謝です。
本当にありがとうございました。
【以下あらすじ】
パーティーでお荷物扱いされていた魔法戦士のケインは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもないことを悟った彼は、一人さった...
ここから、彼は何をするのか? 何もしないで普通に生活するだけだ「ざまぁ」なんて必要ない、ただ生活するだけで幸せなんだ...俺にとって勇者パーティーも幼馴染も離れるだけで幸せになれるんだから...
第13回ファンタジー小説大賞奨励賞受賞作品。
何と!『現在3巻まで書籍化されています』
そして書籍も堂々完結...ケインとは何者か此処で正体が解ります。
応援、本当にありがとうございました!
異世界に召喚されたが「間違っちゃった」と身勝手な女神に追放されてしまったので、おまけで貰ったスキルで凡人の俺は頑張って生き残ります!
椿紅颯
ファンタジー
神乃勇人(こうのゆうと)はある日、女神ルミナによって異世界へと転移させられる。
しかしまさかのまさか、それは誤転移ということだった。
身勝手な女神により、たった一人だけ仲間外れにされた挙句の果てに粗雑に扱われ、ほぼ投げ捨てられるようなかたちで異世界の地へと下ろされてしまう。
そんな踏んだり蹴ったりな、凡人主人公がおりなす異世界ファンタジー!
俺が死んでから始まる物語
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていたポーター(荷物運び)のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもないことは自分でも解っていた。
だが、それでもセレスはパーティに残りたかったので土下座までしてリヒトに情けなくもしがみついた。
余りにしつこいセレスに頭に来たリヒトはつい剣の柄でセレスを殴った…そして、セレスは亡くなった。
そこからこの話は始まる。
セレスには誰にも言った事が無い『秘密』があり、その秘密のせいで、死ぬことは怖く無かった…死から始まるファンタジー此処に開幕
最難関ダンジョンをクリアした成功報酬は勇者パーティーの裏切りでした
新緑あらた
ファンタジー
最難関であるS級ダンジョン最深部の隠し部屋。金銀財宝を前に告げられた言葉は労いでも喜びでもなく、解雇通告だった。
「もうオマエはいらん」
勇者アレクサンダー、癒し手エリーゼ、赤魔道士フェルノに、自身の黒髪黒目を忌避しないことから期待していた俺は大きなショックを受ける。
ヤツらは俺の外見を受け入れていたわけじゃない。ただ仲間と思っていなかっただけ、眼中になかっただけなのだ。
転生者は曾祖父だけどチートは隔世遺伝した「俺」にも受け継がれています。
勇者達は大富豪スタートで貧民窟の住人がゴールです(笑)
収納魔法を極めた魔術師ですが、勇者パーティを追放されました。ところで俺の追放理由って “どれ” ですか?
木塚麻弥
ファンタジー
収納魔法を活かして勇者パーティーの荷物持ちをしていたケイトはある日、パーティーを追放されてしまった。
追放される理由はよく分からなかった。
彼はパーティーを追放されても文句の言えない理由を無数に抱えていたからだ。
結局どれが本当の追放理由なのかはよく分からなかったが、勇者から追放すると強く言われたのでケイトはそれに従う。
しかし彼は、追放されてもなお仲間たちのことが好きだった。
たった四人で強大な魔王軍に立ち向かおうとするかつての仲間たち。
ケイトは彼らを失いたくなかった。
勇者たちとまた一緒に食事がしたかった。
しばらくひとりで悩んでいたケイトは気づいてしまう。
「追放されたってことは、俺の行動を制限する奴もいないってことだよな?」
これは収納魔法しか使えない魔術師が、仲間のために陰で奮闘する物語。
転生者は力を隠して荷役をしていたが、勇者パーティーに裏切られて生贄にされる。
克全
ファンタジー
第6回カクヨムWeb小説コンテスト中間選考通過作
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。
2020年11月4日「カクヨム」異世界ファンタジー部門日間ランキング51位
2020年11月4日「カクヨム」異世界ファンタジー部門週間ランキング52位
劣悪だと言われたハズレ加護の『空間魔法』を、便利だと思っているのは僕だけなのだろうか?
はらくろ
ファンタジー
海と交易で栄えた国を支える貴族家のひとつに、
強くて聡明な父と、優しくて活動的な母の間に生まれ育った少年がいた。
母親似に育った賢く可愛らしい少年は優秀で、将来が楽しみだと言われていたが、
その少年に、突然の困難が立ちはだかる。
理由は、貴族の跡取りとしては公言できないほどの、劣悪な加護を洗礼で授かってしまったから。
一生外へ出られないかもしれない幽閉のような生活を続けるよりも、少年は屋敷を出て行く選択をする。
それでも持ち前の強く非常識なほどの魔力の多さと、負けず嫌いな性格でその困難を乗り越えていく。
そんな少年の物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる