【完結】おじいちゃんは元勇者

三園 七詩

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ダレンはドブの様な見た目のお茶を渡されると…

「わ、私は大丈夫だから…あなたにこれをあげるわ」

ラルクへとドリンクを差し出すと

「みんなの分あるから大丈夫だよ。ダレンさんも沢山魔法使って疲れたでしょ?これ飲めばすぐに回復するよ」

「こ、これが…」

その前に天に召されたりしないかしら…

人の飲み物とは思えない色に躊躇していると

「あれ…もしかしてみんな嫌だった…」

エイトはしゅんと肩を落とすと

「おまえ!エイトがせっかく作ってくれたんだ飲めよ!」

ジャックがグルグル唸りながらダレンを睨んでいると

「ジャックの分もあるよ…」

チラッとジャックのお皿を見せる。

「そ、そうか…よし!俺は飲むぞ、エイトが作ったもんで不味いものは無かったもんな」

ジャックは覚悟を決めてペロッと舌で舐めてみる。

「ん?思ったよりサラッと飲めるな…」

ジャックがペロペロと飲み出すと、それを見ていたダレン達も覚悟を決めて一気に飲み干してみる。

少し青臭さはあるが見た目程の不味さはない、しかも飲んだ途端に体の疲れが取れた気がする。

「これ…凄いな」

ラルクが驚いてエナジードリンクを見ると

「入ってるのは薬草だけじゃないけどね、じいちゃんが考えたみたいだよ。あんまり知らない人の前で作らないように言われてたけど…師匠とダレンさんなら大丈夫だよね」

「確かに…これは薬草より売れそうだ。あまり作るところを見られない方がいいな」

ラルクも頷くと

「お前も黙ってろよ」

ダレンを見つめる。

「わかってるわよ!でもエイトちゃんももっと気をつけなさい、私みたいな人の前で作ったら本当に駄目よ」

めっ!とエイトを怒ると

「えー?ダレンさんなら大丈夫でしょ?そうやって注意してくれるって事は…僕信じてるよ」

エイトの曇りない眼に見つめられ…ダレンは苦笑するしかなかった。

エイトのエナジードリンクのおかげで体力が回復すると…倒した大量の魔物達を処分する。

「もったいなけど収納できないもんね」

「そのままにしておけばまた瘴気でも発生しそうだからな、こういうものは焼くに限る」

一箇所に山済みにして火を放つと

「おお、よく燃える!」

「なんか…美味そうな匂いもするな…」

ジャックが燃える魔物を見ながらヨダレを垂らすと

「帰ったらナナミともっと美味しく料理するからね。ここのは諦めてよ」

ジャックに笑いかける。

「蛇の魔物を少し村に置いてったらカズキ達のところに帰ろう」

ラルクの言葉にエイトは嬉しそうしていた。
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