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【番外編】
悪癖
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――――――――◆◇◆――――――――――
本編終了後から二ヶ月半後くらいのお話です。
最終話になります。
未来の二人の様子も少しだけ……。
―――――――――――――――――――――
週に一回は開催が恒例となった三人だけのお茶会で、アイリスの怒りの声が響き渡る。
「もぉぉぉぉぉ~嫌っ!! 何なの!? あの男はぁぁぁぁぁー!!」
そう叫んだアイリスが、美しくデコレーションされたフルーツタルトにフォークを突き立てようとした。
しかしその瞬間……何故かそれが皿ごと消えてしまう……。横に視線を向ければ、涙目のクラリスがその皿を死守するように奪い、首をふるふるさせていた。
「アイリス様……。ケーキに罪はございません……」
「クラリス……」
「ほらぁ~。だから言ったでしょ? もうケーキに八つ当たりするのは、やめなって……。そもそも最近のアイリスのそれは、怒りをぶち撒けているというよりも惚気てるようにしか見えないよ?」
「の、惚気っ!?」
白い目を向けながらリデルシアがそう告げると、アイリスが心外だと言わんばかりの勢いで不機嫌そうな表情を向けてくる。
「アイリスの話だと……ここ最近、アレク様によるアイリスへの手や頬や首に口付けが止まらないって内容だよね? これ……惚気以外の何物でもないよね?」
「た、確かにそういう話ではあるけれど……。でも私が不快に感じているのは、それが私を揶揄う為だけに行われている事であり、尚且つ嫌がらせのレベルを超越する程、過剰過ぎるという部分を訴えたいのよ!!」
「ならば、もうはっきりと本人にそう伝えれば? 嫌だからやめて欲しいって」
「伝えているのにあの男は、面白がって止めてくれないのよぉぉぉ~!!」
キィーッとしながらアイリスが叫ぶと、リデルシアが更に呆れた。
そんな二人の様子をハラハラしながら、クラリスが固唾を呑んで見守る。
「アイリスは変なところで言い方が甘いんだよ……。本当に嫌なら、こう……ゴミでも見る様な目で『不快過ぎて吐き気がするから、それやめて貰える?』くらいの表情と声音で言わないと……」
そう言って実践したリデルシアの様子にアイリスとクラリスが凍り付く。
美しい貴公子の様なリデルシアの顔がその一瞬だけ、まるで汚物でも見る様な嫌悪感むき出しの表情に変化したからだ。
「リデル……。まさかとは思うのだけれど……。その対応、例のご婚約者様にやったりはしていないわよね?」
「嫌だなぁー。もちろん、しょっちゅうやってるよ?」
10人中8人の女性が確実に落ちそうな素敵な微笑みで、そう答えるリデルシアの様子から、アイリスとクラリスは心の底から、その婚約者に同情した……。
「そもそもアイリス自身、アレク様の事をどう思っているの?」
「ど、どうって……」
「だって大袈裟に嫌がってる様には見えるけれど、結局はアレク様の好き勝手にさせている訳でしょう? ならば、アイリス自身は嫌がっていないという事になるのでは?」
「な――――っ!!」
「大体、よくよく考えたらアレク様って、アイリスの初恋の人になるよね? ならば初恋が実ってよかったと私は思うのだけれど……」
リデルシアのその冷静過ぎる分析語りにアイリスが、ワナワナと震えだす。
そんな二人の様子をクラリスがハラハラしながら、緊迫した表情で見守る。
「やめてぇぇぇぇぇー!! それだけは思い出したくないのだからぁぁぁー!!」
「思い出したくないって事は……それ、初恋がアレク様って認めているよね?」
「嫌ぁぁぁぁぁー!! やめてぇぇぇぇぇー!!」
リデルシアの核心を突く一言にアイリスは、隣に座っているクラリスに縋りつく。
「リ、リデル様っ! もうこれ以上はアイリス様が……っ!」
「クラリスは優しいなぁー。アイリスはクラリスが愛してやまないケーキに対して、あんなにも理不尽な八つ当たりをしていたのに……。そもそも無自覚で惚気まくる人間程、迷惑な存在はいないのだから、この辺でビシッとアイリスには自覚させた方がいいと思うよ?」
アワアワするクラリスとは違い、リデルシアがアイリスに止めを刺す。
「リデル! 前から思っていたのだけれど、あなたのその率直に物を言い過ぎる所は、絶対に直した方がいいと思うわ!」
「ならアイリスは、もう少し素直になる事を覚えようね?」
「やめてよ! そんな素敵な笑顔でアレクみたいな事、言わないで!」
わぁっと自分に縋りつくアイリスをクラリスが宥めるように背中を撫でる。
するとニヤニヤしながらリデルシアが更にとんでもない事を言い出した。
「大体、アレク様のその過剰な愛情表現を止めさせるのは無理だと思うよ? だってアレク様って、幼少期の頃はキス魔だったんだから……」
するとアイリスの動きがピタリと止まり、クラリスは再び顔を青くした。
「今……なんて……?」
茫然とした表情で聞き返してきたアイリスにリデルシアが、魅惑的な程の意地の悪い笑みを浮かべる。
「アレク様って昔、小さくて可愛い庇護欲をそそられる対象によくキスしまくっていたんだよ。例えば……セラフィナ様が飼われている猫とか、中庭で保護したヒナ鳥とか……。あと人間だと2~3歳頃のフィーネリア様とか、アズリルと……その双子の姉のユリアエール様だっけ? その三人に結構な頻度で『かわいい~!』って言いながら。頬や頭にキスしていたよ?」
リデルシアのその話にアイリスが、口をあんぐりとさせる。
「あの男……ロリコンの気質もあったのっ!?」
「ち、違います! その頃はアレクシス様もまだ8歳前後のお子様でした!」
アイリスのとんでもない勘違いに間髪入れずにクラリスが弁護する。
そのやり取りを見てリデルシアが声を上げて笑い出した。
「アレク様は基本的に今でも小さい子供は、父性的な意味合いで好きみたいだからねー。現在の年少組巫女達も凄く可愛がられてるよ? アイリスだって妹のマーガレット様がアレク様にもの凄く懐いてるから、その事は知っているはずだよね?」
「うちの妹の場合だと、私の情報を収集する為に餌付けされていた気がしてならないわ……」
「「確かに……」」
偶然リデルシアとクラシスの声が同時に重なり、三人とも吹き出してしまう。
するとリデルシアが何かを思い出した様にある事を語り出す。
「そういえば……アレク様のその悪癖、急にピタリと治まったんだよね……」
「確か……先程申し上げた8歳くらいの頃ではありませんせしたか?」
「クラリス、よく覚えているね? 流石、同い年!」
「いえ、そういう訳では無くて……。丁度その頃に思い当たるある出来事があったので……」
「ああ! そういえばそのくらいだよね? あの悪癖が治まったのって」
二人はアレクシスの悪癖が治まったその切っ掛けの出来事が分かる様なのだが……。
残念な事にアイリスにだけ、それが何の事なのかサッパリ見当が付かない。
「何よ……。私だけ仲間外れ? 私にも教えてよ!」
アイリスのその抗議に何故か二人が、にっこりした表情を浮かべる。
「ちょうど、その頃なんだよ」
「アイリス様が雨巫女としてお披露目式をなされたのは」
すると、アイリスが大きな琥珀色の瞳をパチクリとさせた。
「何故……それとアレクのキス魔が治る事が関係しているの?」
するとリデルシアはガックリと肩を落とし、クラリスは苦笑した。
「アイリスって、自分の事となると途端に頭が回らなくなるよね……」
「な、何でよ!」
「要するに! その悪癖を実行する対象が一人に限定されたからだよ」
「対象が一人に限定って……それって私の事!?」
「どう考えてもアイリス以外にいないでしょう?」
「でも! あの時のアレクは、私の事を絶対に見下していたはずよ!?」
「確かにアイリスを怒らせてしまった時は、そうだったのかもしれないけれど……。その後、アレク様は3ヶ月も会ってもくれないアイリスのもとに通い、読まれもしない手紙を4年間も送り続け、何だかんだでアイリスと和解出来るまで10年も時間を掛けて、やっと誤解も解けて、今の状況に落ち付いたって感じだよね?」
するとアイリスが、貝の様に押し黙る。
「10年も掛けて必死で君の許しを得ようと奮闘していたのだから、どう考えてもアイリスはアレク様にとって一番の愛玩対象でしょう? そんな10年ぶりに解禁された悪癖は、そう簡単には治らないと思うよ~?」
「何で今更、解禁されるのよぉ……。一生封印されていれば良かったのに……」
すると、ずっと二人のやり取りを見守っていたクラリスが口を開く。
「それだけアイリス様がアレクシス様に愛されているという事だと思います」
まるで慈愛の女神の様な優しい微笑みを浮かべて、そう告げるクラリス。
そんな純粋過ぎる眩しさを放ったクラリスにアイリスが盛大に肩を落とす。
「クラリス……。あなたって普段は寡黙だけれど、いざ口を開くと相手の心にグッサリ刺さるような言葉を放つのは、無自覚での事なのかしら……?」
するとクラリスが再び顔を青くする。
「も、申し訳ございません! その……とても素敵なお話だと思ったので、つい口に出さずにはいられなくて……」
「分かったわ……。やはり無自覚なのね……」
そう言ってアイリスが更に肩を落とした。
その二人のやり取りを笑いを堪えながら見ていたリデルシアだが、再び面白い事を思い付いた様で、アイリスにある質問を投げかけた。
「ねぇ、アイリス。そんなにアレク様のキス魔の餌食になるのは嫌?」
「嫌に決まっているでしょ!! 所かまわずそういう事してくるのよ!? 鬱陶しいし、恥ずかしいし、何よりも私の反応を面白がっているという部分が、一番腹立たしいわ!!」
「そっかー。じゃあ、時間は少し掛かるけれど、高確率でそれを止めさせられる対策法があるよ? 聞く?」
するとアイリスがもの凄い勢いで食い付き始める。
「そんな方法あるのっ!?」
そんなアイリスの反応を堪能するようにリデルシアが、にんまりとした笑みを浮かべた。
「あるよー。しかもアイリスがこの先、絶対に担わなければならない事で」
「私が絶対に担うべき事?」
「それは凄く単純な方法なんだよねー。要するにアレク様の愛玩対象をアイリス以外に移行させればいいんだよ」
「もしかして……アレクに側室を薦めるとか?」
「それ……これから先、アイリスが絶対に担わなきゃいけない事なの?」
「ち、違うわよね……。ちょっと言ってみただけよ……」
あまりにも酷いアイリスの予測内容に思わず半目になるリデルシア。
しかし、リデルシアは改めて仕切り直す様に咳払いをした。
「ではその方法を教えてあげよう!」
「ええ! 是非!」
「愛玩対象を増やす……すなわち! アイリスがアレク様と挙式後、さっさとお世継ぎを儲ければいいんだよ!」
その自信満々のリデルシアの対策法を聞いたアイリスは、石像の様に固まった。
そしてかなりの時間差で、顔を真っ赤にして激怒する。
「何でそうなるのよぉぉぉぉー!!」
「だって……アレク様って子供好きでしょ? それが自分の子供だったら尚更、溺愛しそうじゃない? そうすればキスは全部子供が担ってくれるから、アイリスは解放されるよ? あっ、それならお世継ぎよりも姫君の方がいいか!」
好き勝手にペラペラ語るリデルシアをアイリスが、物凄い勢いで睨みつける。
「そういう問題じゃないわよっ!! リデル、あなた……初めから私をからかうつもりだったわねっ!?」
そう言ってアイリスは、抗議するようにテーブルに両拳を叩きつけた。
「ごめん、ごめん! 最近、ちょっとアレク様の気持ちが分かるというか……。アイリスって、すぐいい反応してくれるから、つい……」
「『つい』じゃないわよっ!! クラリス! あなたからも何か言ってやってよ!!」
するとクラリスは目をキラキラさせて、こう呟く。
「ああ……お二人のお子様ならさぞ愛らしいお顔立ちでしょうね……」
「「クラリスっ!?」」
「アイリス様、その際は是非わたくしにもお子様を抱かせてくださいませ!」
そのクラリスの言葉についにアイリスがテーブルに突っ伏す。
対してリデルシアは、ケタケタと涙まで浮かべて笑い出していた。
「どうして……クラリスまで悪ノリするのよぉ……。信じてたのに……」
「わ、悪ノリだなんて! ち、違うのです! そういうつもりではなく……本当にお二人のお子様なら、さぞ可愛らしいと……」
「ぶっは! ク、クラリスっ! もう止めてあげて! このままだとアイリス、泣いちゃうからっ!」
「このくらいじゃ泣かないわよっ!!」
テーブルから顔を上げて、キッとリデルシアを睨みつけるアイリス。
そんなアイリスに困惑気味のクラリスは何度も謝罪した。
その光景が面白すぎて涙まで浮かべて大笑いしていたリデルシアだが……最後には、ちゃんとアイリスを労う言葉を掛けてあげようと思ったらしい。
「まぁ、さっきの対策法を使う前にアレク様の悪癖が先に治っちゃうかもしれないし、気長に様子を見ればいいんじゃないかな?」
しかしその後、アレクシスの悪癖は一切改善される事はなく……。
しかもリデルシアが今回提案した対策法は、全く意味の無い状況を招く事になる。
4年後、アイリスは天使の様に愛らしく美しい見事な女の子を出産した。
しかし、夫であるアレクシスの愛玩対象は移行するどころか追加される形となり、アイリスは引き続き娘共々、夫の悪癖の被害に遭い続ける事となる。
そんな夫は、やれ「まだ世継ぎがいない」やれ「補佐役に男の子がもう一人欲しい」等と色々と理由を付けては、子作りに熱心だったとか……。
そして最終的にアイリスは、二男一女の愛すべき子供達と共に夫アレクシスの悪癖の被害に生涯、遭い続ける事になったという。
――――◆◇◆お礼&ご案内◆◇◆――――
以上で『雨巫女と天候の国』のお話を完結させて頂きます。
全30話もある長いお話にお付き合い下さいまして、本当にありがとうございました!
本作品は『サンライズの巫女』というシリーズ作品の一つになります。
この後、以下二作品も執筆済みでネット公開してます。
・『風巫女と精霊の国』(本編25話+番外編5話)
※本作にチョロっと出てきた風巫女エリアテールと、その婚約者イクレイオスの話で、アルファポリスさんでも投稿完結済み。
・『妖精巫女と海の国』(全50話)
※番外編で出てきたアズリエールが主人公の話でヒーローは見守り系。
こちらは『小説家になろう』にて投稿してます。
よろしければ他の同シリーズ作品もお楽しみください。
最後までお付き合い頂き、本当にありがとうございました!
ハチ助
本編終了後から二ヶ月半後くらいのお話です。
最終話になります。
未来の二人の様子も少しだけ……。
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週に一回は開催が恒例となった三人だけのお茶会で、アイリスの怒りの声が響き渡る。
「もぉぉぉぉぉ~嫌っ!! 何なの!? あの男はぁぁぁぁぁー!!」
そう叫んだアイリスが、美しくデコレーションされたフルーツタルトにフォークを突き立てようとした。
しかしその瞬間……何故かそれが皿ごと消えてしまう……。横に視線を向ければ、涙目のクラリスがその皿を死守するように奪い、首をふるふるさせていた。
「アイリス様……。ケーキに罪はございません……」
「クラリス……」
「ほらぁ~。だから言ったでしょ? もうケーキに八つ当たりするのは、やめなって……。そもそも最近のアイリスのそれは、怒りをぶち撒けているというよりも惚気てるようにしか見えないよ?」
「の、惚気っ!?」
白い目を向けながらリデルシアがそう告げると、アイリスが心外だと言わんばかりの勢いで不機嫌そうな表情を向けてくる。
「アイリスの話だと……ここ最近、アレク様によるアイリスへの手や頬や首に口付けが止まらないって内容だよね? これ……惚気以外の何物でもないよね?」
「た、確かにそういう話ではあるけれど……。でも私が不快に感じているのは、それが私を揶揄う為だけに行われている事であり、尚且つ嫌がらせのレベルを超越する程、過剰過ぎるという部分を訴えたいのよ!!」
「ならば、もうはっきりと本人にそう伝えれば? 嫌だからやめて欲しいって」
「伝えているのにあの男は、面白がって止めてくれないのよぉぉぉ~!!」
キィーッとしながらアイリスが叫ぶと、リデルシアが更に呆れた。
そんな二人の様子をハラハラしながら、クラリスが固唾を呑んで見守る。
「アイリスは変なところで言い方が甘いんだよ……。本当に嫌なら、こう……ゴミでも見る様な目で『不快過ぎて吐き気がするから、それやめて貰える?』くらいの表情と声音で言わないと……」
そう言って実践したリデルシアの様子にアイリスとクラリスが凍り付く。
美しい貴公子の様なリデルシアの顔がその一瞬だけ、まるで汚物でも見る様な嫌悪感むき出しの表情に変化したからだ。
「リデル……。まさかとは思うのだけれど……。その対応、例のご婚約者様にやったりはしていないわよね?」
「嫌だなぁー。もちろん、しょっちゅうやってるよ?」
10人中8人の女性が確実に落ちそうな素敵な微笑みで、そう答えるリデルシアの様子から、アイリスとクラリスは心の底から、その婚約者に同情した……。
「そもそもアイリス自身、アレク様の事をどう思っているの?」
「ど、どうって……」
「だって大袈裟に嫌がってる様には見えるけれど、結局はアレク様の好き勝手にさせている訳でしょう? ならば、アイリス自身は嫌がっていないという事になるのでは?」
「な――――っ!!」
「大体、よくよく考えたらアレク様って、アイリスの初恋の人になるよね? ならば初恋が実ってよかったと私は思うのだけれど……」
リデルシアのその冷静過ぎる分析語りにアイリスが、ワナワナと震えだす。
そんな二人の様子をクラリスがハラハラしながら、緊迫した表情で見守る。
「やめてぇぇぇぇぇー!! それだけは思い出したくないのだからぁぁぁー!!」
「思い出したくないって事は……それ、初恋がアレク様って認めているよね?」
「嫌ぁぁぁぁぁー!! やめてぇぇぇぇぇー!!」
リデルシアの核心を突く一言にアイリスは、隣に座っているクラリスに縋りつく。
「リ、リデル様っ! もうこれ以上はアイリス様が……っ!」
「クラリスは優しいなぁー。アイリスはクラリスが愛してやまないケーキに対して、あんなにも理不尽な八つ当たりをしていたのに……。そもそも無自覚で惚気まくる人間程、迷惑な存在はいないのだから、この辺でビシッとアイリスには自覚させた方がいいと思うよ?」
アワアワするクラリスとは違い、リデルシアがアイリスに止めを刺す。
「リデル! 前から思っていたのだけれど、あなたのその率直に物を言い過ぎる所は、絶対に直した方がいいと思うわ!」
「ならアイリスは、もう少し素直になる事を覚えようね?」
「やめてよ! そんな素敵な笑顔でアレクみたいな事、言わないで!」
わぁっと自分に縋りつくアイリスをクラリスが宥めるように背中を撫でる。
するとニヤニヤしながらリデルシアが更にとんでもない事を言い出した。
「大体、アレク様のその過剰な愛情表現を止めさせるのは無理だと思うよ? だってアレク様って、幼少期の頃はキス魔だったんだから……」
するとアイリスの動きがピタリと止まり、クラリスは再び顔を青くした。
「今……なんて……?」
茫然とした表情で聞き返してきたアイリスにリデルシアが、魅惑的な程の意地の悪い笑みを浮かべる。
「アレク様って昔、小さくて可愛い庇護欲をそそられる対象によくキスしまくっていたんだよ。例えば……セラフィナ様が飼われている猫とか、中庭で保護したヒナ鳥とか……。あと人間だと2~3歳頃のフィーネリア様とか、アズリルと……その双子の姉のユリアエール様だっけ? その三人に結構な頻度で『かわいい~!』って言いながら。頬や頭にキスしていたよ?」
リデルシアのその話にアイリスが、口をあんぐりとさせる。
「あの男……ロリコンの気質もあったのっ!?」
「ち、違います! その頃はアレクシス様もまだ8歳前後のお子様でした!」
アイリスのとんでもない勘違いに間髪入れずにクラリスが弁護する。
そのやり取りを見てリデルシアが声を上げて笑い出した。
「アレク様は基本的に今でも小さい子供は、父性的な意味合いで好きみたいだからねー。現在の年少組巫女達も凄く可愛がられてるよ? アイリスだって妹のマーガレット様がアレク様にもの凄く懐いてるから、その事は知っているはずだよね?」
「うちの妹の場合だと、私の情報を収集する為に餌付けされていた気がしてならないわ……」
「「確かに……」」
偶然リデルシアとクラシスの声が同時に重なり、三人とも吹き出してしまう。
するとリデルシアが何かを思い出した様にある事を語り出す。
「そういえば……アレク様のその悪癖、急にピタリと治まったんだよね……」
「確か……先程申し上げた8歳くらいの頃ではありませんせしたか?」
「クラリス、よく覚えているね? 流石、同い年!」
「いえ、そういう訳では無くて……。丁度その頃に思い当たるある出来事があったので……」
「ああ! そういえばそのくらいだよね? あの悪癖が治まったのって」
二人はアレクシスの悪癖が治まったその切っ掛けの出来事が分かる様なのだが……。
残念な事にアイリスにだけ、それが何の事なのかサッパリ見当が付かない。
「何よ……。私だけ仲間外れ? 私にも教えてよ!」
アイリスのその抗議に何故か二人が、にっこりした表情を浮かべる。
「ちょうど、その頃なんだよ」
「アイリス様が雨巫女としてお披露目式をなされたのは」
すると、アイリスが大きな琥珀色の瞳をパチクリとさせた。
「何故……それとアレクのキス魔が治る事が関係しているの?」
するとリデルシアはガックリと肩を落とし、クラリスは苦笑した。
「アイリスって、自分の事となると途端に頭が回らなくなるよね……」
「な、何でよ!」
「要するに! その悪癖を実行する対象が一人に限定されたからだよ」
「対象が一人に限定って……それって私の事!?」
「どう考えてもアイリス以外にいないでしょう?」
「でも! あの時のアレクは、私の事を絶対に見下していたはずよ!?」
「確かにアイリスを怒らせてしまった時は、そうだったのかもしれないけれど……。その後、アレク様は3ヶ月も会ってもくれないアイリスのもとに通い、読まれもしない手紙を4年間も送り続け、何だかんだでアイリスと和解出来るまで10年も時間を掛けて、やっと誤解も解けて、今の状況に落ち付いたって感じだよね?」
するとアイリスが、貝の様に押し黙る。
「10年も掛けて必死で君の許しを得ようと奮闘していたのだから、どう考えてもアイリスはアレク様にとって一番の愛玩対象でしょう? そんな10年ぶりに解禁された悪癖は、そう簡単には治らないと思うよ~?」
「何で今更、解禁されるのよぉ……。一生封印されていれば良かったのに……」
すると、ずっと二人のやり取りを見守っていたクラリスが口を開く。
「それだけアイリス様がアレクシス様に愛されているという事だと思います」
まるで慈愛の女神の様な優しい微笑みを浮かべて、そう告げるクラリス。
そんな純粋過ぎる眩しさを放ったクラリスにアイリスが盛大に肩を落とす。
「クラリス……。あなたって普段は寡黙だけれど、いざ口を開くと相手の心にグッサリ刺さるような言葉を放つのは、無自覚での事なのかしら……?」
するとクラリスが再び顔を青くする。
「も、申し訳ございません! その……とても素敵なお話だと思ったので、つい口に出さずにはいられなくて……」
「分かったわ……。やはり無自覚なのね……」
そう言ってアイリスが更に肩を落とした。
その二人のやり取りを笑いを堪えながら見ていたリデルシアだが、再び面白い事を思い付いた様で、アイリスにある質問を投げかけた。
「ねぇ、アイリス。そんなにアレク様のキス魔の餌食になるのは嫌?」
「嫌に決まっているでしょ!! 所かまわずそういう事してくるのよ!? 鬱陶しいし、恥ずかしいし、何よりも私の反応を面白がっているという部分が、一番腹立たしいわ!!」
「そっかー。じゃあ、時間は少し掛かるけれど、高確率でそれを止めさせられる対策法があるよ? 聞く?」
するとアイリスがもの凄い勢いで食い付き始める。
「そんな方法あるのっ!?」
そんなアイリスの反応を堪能するようにリデルシアが、にんまりとした笑みを浮かべた。
「あるよー。しかもアイリスがこの先、絶対に担わなければならない事で」
「私が絶対に担うべき事?」
「それは凄く単純な方法なんだよねー。要するにアレク様の愛玩対象をアイリス以外に移行させればいいんだよ」
「もしかして……アレクに側室を薦めるとか?」
「それ……これから先、アイリスが絶対に担わなきゃいけない事なの?」
「ち、違うわよね……。ちょっと言ってみただけよ……」
あまりにも酷いアイリスの予測内容に思わず半目になるリデルシア。
しかし、リデルシアは改めて仕切り直す様に咳払いをした。
「ではその方法を教えてあげよう!」
「ええ! 是非!」
「愛玩対象を増やす……すなわち! アイリスがアレク様と挙式後、さっさとお世継ぎを儲ければいいんだよ!」
その自信満々のリデルシアの対策法を聞いたアイリスは、石像の様に固まった。
そしてかなりの時間差で、顔を真っ赤にして激怒する。
「何でそうなるのよぉぉぉぉー!!」
「だって……アレク様って子供好きでしょ? それが自分の子供だったら尚更、溺愛しそうじゃない? そうすればキスは全部子供が担ってくれるから、アイリスは解放されるよ? あっ、それならお世継ぎよりも姫君の方がいいか!」
好き勝手にペラペラ語るリデルシアをアイリスが、物凄い勢いで睨みつける。
「そういう問題じゃないわよっ!! リデル、あなた……初めから私をからかうつもりだったわねっ!?」
そう言ってアイリスは、抗議するようにテーブルに両拳を叩きつけた。
「ごめん、ごめん! 最近、ちょっとアレク様の気持ちが分かるというか……。アイリスって、すぐいい反応してくれるから、つい……」
「『つい』じゃないわよっ!! クラリス! あなたからも何か言ってやってよ!!」
するとクラリスは目をキラキラさせて、こう呟く。
「ああ……お二人のお子様ならさぞ愛らしいお顔立ちでしょうね……」
「「クラリスっ!?」」
「アイリス様、その際は是非わたくしにもお子様を抱かせてくださいませ!」
そのクラリスの言葉についにアイリスがテーブルに突っ伏す。
対してリデルシアは、ケタケタと涙まで浮かべて笑い出していた。
「どうして……クラリスまで悪ノリするのよぉ……。信じてたのに……」
「わ、悪ノリだなんて! ち、違うのです! そういうつもりではなく……本当にお二人のお子様なら、さぞ可愛らしいと……」
「ぶっは! ク、クラリスっ! もう止めてあげて! このままだとアイリス、泣いちゃうからっ!」
「このくらいじゃ泣かないわよっ!!」
テーブルから顔を上げて、キッとリデルシアを睨みつけるアイリス。
そんなアイリスに困惑気味のクラリスは何度も謝罪した。
その光景が面白すぎて涙まで浮かべて大笑いしていたリデルシアだが……最後には、ちゃんとアイリスを労う言葉を掛けてあげようと思ったらしい。
「まぁ、さっきの対策法を使う前にアレク様の悪癖が先に治っちゃうかもしれないし、気長に様子を見ればいいんじゃないかな?」
しかしその後、アレクシスの悪癖は一切改善される事はなく……。
しかもリデルシアが今回提案した対策法は、全く意味の無い状況を招く事になる。
4年後、アイリスは天使の様に愛らしく美しい見事な女の子を出産した。
しかし、夫であるアレクシスの愛玩対象は移行するどころか追加される形となり、アイリスは引き続き娘共々、夫の悪癖の被害に遭い続ける事となる。
そんな夫は、やれ「まだ世継ぎがいない」やれ「補佐役に男の子がもう一人欲しい」等と色々と理由を付けては、子作りに熱心だったとか……。
そして最終的にアイリスは、二男一女の愛すべき子供達と共に夫アレクシスの悪癖の被害に生涯、遭い続ける事になったという。
――――◆◇◆お礼&ご案内◆◇◆――――
以上で『雨巫女と天候の国』のお話を完結させて頂きます。
全30話もある長いお話にお付き合い下さいまして、本当にありがとうございました!
本作品は『サンライズの巫女』というシリーズ作品の一つになります。
この後、以下二作品も執筆済みでネット公開してます。
・『風巫女と精霊の国』(本編25話+番外編5話)
※本作にチョロっと出てきた風巫女エリアテールと、その婚約者イクレイオスの話で、アルファポリスさんでも投稿完結済み。
・『妖精巫女と海の国』(全50話)
※番外編で出てきたアズリエールが主人公の話でヒーローは見守り系。
こちらは『小説家になろう』にて投稿してます。
よろしければ他の同シリーズ作品もお楽しみください。
最後までお付き合い頂き、本当にありがとうございました!
ハチ助
10
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そこまで激しくはないですが、そういうのが苦手な方はご遠慮ください。
よろしくお願いいたします。
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ヒロポン様
ご感想頂き、ありがとうございます。
あー……。アレクは初恋拗らせヒーローとしてキャラ作りしたので、合わない人には本当に合わないみたいですね……。
でも刺さる人には物凄く刺さるヒーローらしいので、その辺はもうお好みかと思います。(苦笑)
(アレクのキャラが好きと言う読者様もいらっしゃるので)
ちなみに作者名をクリックして頂くと作者の【近況ボード】というページへのリンクがあるのですが、そちらはご覧頂いておりますか?
そこに【ハチ助作品のご案内】と言うのがあるので、もし地雷作品をお手に取りたくない場合は、是非ご活用頂ければと思います。
作者は一応、色々なタイプのヒーローの作品を書くようにしております。
恐らくヒロポン様は【俺様・腹黒ヒーローな作品】に該当する作品は合わないかと……。
逆に【恋愛要素高めの作品】に該当する作品は、溺愛とかスパダリと言われやすいヒーローの作品です。
特に『二人は常に手を繋ぐ』は溺愛スパダリと言われやすいのでおススメ。(笑)
もしよろしければ、そちらの案内をご活用頂き、出来るだけ地雷ヒーロー作品を回避なさってくださいね。
今回は合わない作品だったのにコメント頂き、ありがとうございました!
夢梨(ゆめり)様
アイリスは感情的になりやすい性格なので、揶揄われやすいタイプみたいです。(^^;)
今作でもアレクだけでなく、リデルやアズリルにも揶揄われているので……。
アレクに関しては、スキンシップに関してはすぐに箍が外れてしまいますが、一線を越えるような状況はアイリスの同意がないと絶対に暴走しないという裏設定があります。
一応、シリーズ内では信じられない事に二番目(笑)くらいに一線を越える事に関しては、鋼の理性を持っている感じです。
ちなみに一番目は……まだ執筆していないお話のヒーローですね。
夢梨(ゆめり)様
アレクとイクスは、このシリーズでは拗らせヒーロー属性になるので、もうどうしようもないですね……。
ですが、更にヤバい拗らせヒーローがまだ出ておりませんが、もう一人おります。(^^;)
ちなみにこのシリーズで一番誠実そうなのが妖精巫女のヒーローですかね……。
まぁ、姑はかなり問題有りな人ですけど。(苦笑)