41 / 82
騎士の独占欲(ランス視点)
しおりを挟む
討伐祭の打ち合わせがあと数日後に迫り、俺はセシルを街へ誘ってみた。
セシルが聖女としてやってきてから、まだ一度も街を案内したことがないことに気づいたんだ。本来なら来てすぐにでも案内すべきだったけれど、なんだかんだ忙しくて結局できていなかった。
討伐祭の任務が始まったらきっと二人で出かけるなんてできなくなる。もしかすると任務後に誘拐犯から接触があるかもしれない。
そうなったら、誘拐犯を確保するためにさらに忙しくなるだろう。
出かけるなら今しかない。もっともっとセシルと二人の時間を、二人で色々なことを共有したいと思ったから。
街に出てからもずっとセシルの手を繋いでいたけれど、セシルはちょっと照れてるようだった。
でも嫌がっている様子はなかったし、何よりちょっと照れたセシルの様子が可愛くてたまらない、だからつい手を繋いだままにしてしまう。
行く先々で街の人達からセシルをほめてもらえて、俺はとっても嬉しかった。むしろもっともっと自慢したいくらいだけどそれはセシルが困るだろうし、セシルの良さは俺だけが知ってればいいという矛盾した気持ちもある。
ほめられて照れるセシルも、俺がちょっと自慢すると顔を赤らめてこちらを見てくるセシルも、どれもこれも可愛くてたまらない。どうしよう、こんなにもセシルのことを好きすぎていいんだろうか。
好きすぎて気持ち悪い態度をとったりしてないかな。セシルの前ではできるだけかっこいい俺でいたいのだけど。
アクセサリー屋で、セシルが気に入ったネックレスの石の色が俺の瞳の色と同じなのは偶然なのかもしれないけど、めちゃめちゃ嬉しかった。
店員に促されてネックレスを着けてあげたけれど、その時の距離が近すぎて正直ドキドキしたし、何よりセシルが可愛すぎてどうにかなりそうだった。
俺からプレゼントしたネックレスをセシルが着けてくれている。俺の瞳と同じ色の石が付いたネックレス。
輪っかになったアクセサリーをプレゼントするのは自分だけのもの・独占欲の証だと聞いたことがあるし、そんなことで独占欲を満たそうとするなんてバカらしいとさえ思っていたけれど。
まさか自分がまさにそんな気持ちになるとは思いもしなかった。どれだけセシルは俺の心を掴むのだろう。
そういえば店を出る直前、店員がセシルに何か話しかけてセシルが顔を真っ赤にしていたけれど一体何を言われたんだろうか。
「ランス様、似合いますか?」
店から出てくるり、と振り返ってそう言ってくるセシル。
「とっても似合ってるよ」
そう言うと、目を輝かせて嬉しそうに笑う。あぁ、なんて可愛らしいんだ!
「ありがとうございます、大切にしますね」
風が優しく吹いてセシルの髪の毛がなびく。太陽の光に照らされてセシル自身がキラキラと輝いて見える。なんて美しいんだろう。胸がギュッと締めつけられる。
飛びきりの笑顔でそんな風に言われたら、今すぐにでも抱き締めてしまいたくなるじゃないか。
「ねぇ、セシル、抱き締めてもいいかな?」
「え?え?ここで?突然なんでですか?!ダメです、皆に見られてしまいますよ!」
わたわたと慌てるセシルは可愛いけれど、皆に見られたくないと言われるのはなんだか不服だな。
「じゃあ屋敷に帰ったら抱き締めてもいいんだね」
耳元でそっと囁くとセシルは顔を真っ赤にして俺を見てきた。
ほら、そんな顔したら余計抱き締めたくなるだろう。
セシルが聖女としてやってきてから、まだ一度も街を案内したことがないことに気づいたんだ。本来なら来てすぐにでも案内すべきだったけれど、なんだかんだ忙しくて結局できていなかった。
討伐祭の任務が始まったらきっと二人で出かけるなんてできなくなる。もしかすると任務後に誘拐犯から接触があるかもしれない。
そうなったら、誘拐犯を確保するためにさらに忙しくなるだろう。
出かけるなら今しかない。もっともっとセシルと二人の時間を、二人で色々なことを共有したいと思ったから。
街に出てからもずっとセシルの手を繋いでいたけれど、セシルはちょっと照れてるようだった。
でも嫌がっている様子はなかったし、何よりちょっと照れたセシルの様子が可愛くてたまらない、だからつい手を繋いだままにしてしまう。
行く先々で街の人達からセシルをほめてもらえて、俺はとっても嬉しかった。むしろもっともっと自慢したいくらいだけどそれはセシルが困るだろうし、セシルの良さは俺だけが知ってればいいという矛盾した気持ちもある。
ほめられて照れるセシルも、俺がちょっと自慢すると顔を赤らめてこちらを見てくるセシルも、どれもこれも可愛くてたまらない。どうしよう、こんなにもセシルのことを好きすぎていいんだろうか。
好きすぎて気持ち悪い態度をとったりしてないかな。セシルの前ではできるだけかっこいい俺でいたいのだけど。
アクセサリー屋で、セシルが気に入ったネックレスの石の色が俺の瞳の色と同じなのは偶然なのかもしれないけど、めちゃめちゃ嬉しかった。
店員に促されてネックレスを着けてあげたけれど、その時の距離が近すぎて正直ドキドキしたし、何よりセシルが可愛すぎてどうにかなりそうだった。
俺からプレゼントしたネックレスをセシルが着けてくれている。俺の瞳と同じ色の石が付いたネックレス。
輪っかになったアクセサリーをプレゼントするのは自分だけのもの・独占欲の証だと聞いたことがあるし、そんなことで独占欲を満たそうとするなんてバカらしいとさえ思っていたけれど。
まさか自分がまさにそんな気持ちになるとは思いもしなかった。どれだけセシルは俺の心を掴むのだろう。
そういえば店を出る直前、店員がセシルに何か話しかけてセシルが顔を真っ赤にしていたけれど一体何を言われたんだろうか。
「ランス様、似合いますか?」
店から出てくるり、と振り返ってそう言ってくるセシル。
「とっても似合ってるよ」
そう言うと、目を輝かせて嬉しそうに笑う。あぁ、なんて可愛らしいんだ!
「ありがとうございます、大切にしますね」
風が優しく吹いてセシルの髪の毛がなびく。太陽の光に照らされてセシル自身がキラキラと輝いて見える。なんて美しいんだろう。胸がギュッと締めつけられる。
飛びきりの笑顔でそんな風に言われたら、今すぐにでも抱き締めてしまいたくなるじゃないか。
「ねぇ、セシル、抱き締めてもいいかな?」
「え?え?ここで?突然なんでですか?!ダメです、皆に見られてしまいますよ!」
わたわたと慌てるセシルは可愛いけれど、皆に見られたくないと言われるのはなんだか不服だな。
「じゃあ屋敷に帰ったら抱き締めてもいいんだね」
耳元でそっと囁くとセシルは顔を真っ赤にして俺を見てきた。
ほら、そんな顔したら余計抱き締めたくなるだろう。
16
あなたにおすすめの小説
処刑前夜に逃亡した悪役令嬢、五年後に氷の公爵様に捕まる〜冷徹旦那様が溺愛パパに豹変しましたが私の抱いている赤ちゃん実は人生2周目です〜
放浪人
恋愛
「処刑されるなんて真っ平ごめんです!」 無実の罪で投獄された悪役令嬢レティシア(中身は元社畜のアラサー日本人)は、処刑前夜、お腹の子供と共に脱獄し、辺境の田舎村へ逃亡した。 それから五年。薬師として穏やかに暮らしていた彼女のもとに、かつて自分を冷遇し、処刑を命じた夫――「氷の公爵」アレクセイが現れる。 殺される!と震えるレティシアだったが、再会した彼は地面に頭を擦り付け、まさかの溺愛キャラに豹変していて!?
「愛しているレティシア! 二度と離さない!」 「(顔が怖いです公爵様……!)」
不器用すぎて顔が怖い旦那様の暴走する溺愛。 そして、二人の息子であるシオン(1歳)は、実は前世で魔王を倒した「英雄」の生まれ変わりだった! 「パパとママは僕が守る(物理)」 最強の赤ちゃんが裏で暗躍し、聖女(自称)の陰謀も、帝国の侵略も、古代兵器も、ガラガラ一振りで粉砕していく。
転生してモブだったから安心してたら最恐王太子に溺愛されました。
琥珀
恋愛
ある日突然小説の世界に転生した事に気づいた主人公、スレイ。
ただのモブだと安心しきって人生を満喫しようとしたら…最恐の王太子が離してくれません!!
スレイの兄は重度のシスコンで、スレイに執着するルルドは兄の友人でもあり、王太子でもある。
ヒロインを取り合う筈の物語が何故かモブの私がヒロインポジに!?
氷の様に無表情で周囲に怖がられている王太子ルルドと親しくなってきた時、小説の物語の中である事件が起こる事を思い出す。ルルドの為に必死にフラグを折りに行く主人公スレイ。
このお話は目立ちたくないモブがヒロインになるまでの物語ーーーー。
虚弱体質?の脇役令嬢に転生したので、食事療法を始めました
たくわん
恋愛
「跡継ぎを産めない貴女とは結婚できない」婚約者である公爵嫡男アレクシスから、冷酷に告げられた婚約破棄。その場で新しい婚約者まで紹介される屈辱。病弱な侯爵令嬢セラフィーナは、社交界の哀れみと嘲笑の的となった。
【完結】死の4番隊隊長の花嫁候補に選ばれました~鈍感女は溺愛になかなか気付かない~
白井ライス
恋愛
時は血で血を洗う戦乱の世の中。
国の戦闘部隊“黒炎の龍”に入隊が叶わなかった主人公アイリーン・シュバイツァー。
幼馴染みで喧嘩仲間でもあったショーン・マクレイリーがかの有名な特効部隊でもある4番隊隊長に就任したことを知る。
いよいよ、隣国との戦争が間近に迫ったある日、アイリーンはショーンから決闘を申し込まれる。
これは脳筋女と恋に不器用な魔術師が結ばれるお話。
【完結】目覚めたら男爵家令息の騎士に食べられていた件
三谷朱花
恋愛
レイーアが目覚めたら横にクーン男爵家の令息でもある騎士のマットが寝ていた。曰く、クーン男爵家では「初めて契った相手と結婚しなくてはいけない」らしい。
※アルファポリスのみの公開です。
混血の私が純血主義の竜人王子の番なわけない
三国つかさ
恋愛
竜人たちが通う学園で、竜人の王子であるレクスをひと目見た瞬間から恋に落ちてしまった混血の少女エステル。好き過ぎて狂ってしまいそうだけど、分不相応なので必死に隠すことにした。一方のレクスは涼しい顔をしているが、純血なので実は番に対する感情は混血のエステルより何倍も深いのだった。
【完結】 異世界に転生したと思ったら公爵令息の4番目の婚約者にされてしまいました。……はあ?
はくら(仮名)
恋愛
ある日、リーゼロッテは前世の記憶と女神によって転生させられたことを思い出す。当初は困惑していた彼女だったが、とにかく普段通りの生活と学園への登校のために外に出ると、その通学路の途中で貴族のヴォクス家の令息に見初められてしまい婚約させられてしまう。そしてヴォクス家に連れられていってしまった彼女が聞かされたのは、自分が4番目の婚約者であるという事実だった。
※本作は別ペンネームで『小説家になろう』にも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる