53 / 82
歳の差(ロイ視点)
しおりを挟む
クロウはリラと俺の歳の差についてどう思うか聞いてきたが、どう思うかってどういうことだ?
「別に、これと言ってなんとも……いや、見た目がアレだから夫婦には見られないことが多いが、そもそもリラはあまり他人と関わり合わないし特に問題はないと思ってる」
腕を組んで一通り考えつつ返事をすると、クロウは渋い顔をしてこちらを見る。
「他人から見た様子ではなく、ロイがどう思うかを聞いているんですが」
俺がどう思うか、か。てか、クロウはなんでそんなことを気にするんだろう。
「よくわからないな。むしろクロウはどうなんだ?クロウとルルも確か歳の差はかなりある方だろ」
そう尋ねると、クロウはビクッと肩を震わせる。ははぁん、なるほどな。なんとなく察しがついてきたぞ。
「俺は……ルルと歳が離れていることがもどかしいです。俺の方が随分と年下だし、ルルを守りたいと思っていてもルルは俺を、なんて言うか、子供扱いまでは行かないけどやっぱり年下だからとそういう扱いをするんです。俺はそれがなんだか嫌で……。でもそんなこと言うのも余計子供っぽいなって。俺が年下のせいでルルは家の人からもあまりよく思われていないようで、それもなんだか悔しくて」
しかめ面で苦しそうに言うクロウは、よっぽどルルのことが好きでたまらないんだろう。
「なるほどね、クロウはルルとの歳の差に苦しんでいるわけか」
「……ロイはリラへまるで子供のように接していますが、やはりリラのことは妻としてではなく子供のように思っているんでしょうか」
クロウの問いに俺はふとリラのことを思い浮かべた。リラへは確かに子供と対峙するように接しているかもしれない。だが、だからと言って子供だと思っているわけでは決してない。保護欲か庇護欲かはまだわからないが、リラのことはとても大切に思っている。
まだハグ止まりだが、決してそう遠くない未来にキスや体の交わりも行うことになるだろう。それはつまり女性として考えていることに違いはない。何よりリラは俺の妻だ、それが始まりはたとえ契約結婚だったとしても、俺にとってはかけがえのない大切なパートナーだ。
「いや、リラのことはちゃんと妻だと思っているよ。確かに子供のように接しているが、それはリラの生い立ちにも関係してる。俺はどういう形であれリラのことは大切に思っているんだ。前に、ユーズ団長に言われたことがある」
『聖女も騎士も様々な人間がいるようにそのペアの進み方はそれぞれだ。どこにも正解なんてない。お前達はお前達のやり方、進み方で進んで行けばいい。何より、そこに愛があるのなら何も問題ないだろう』
「俺とリラの歳の差がどうであれ、そこに愛があるなら問題はないと思っている。クロウとルルの間にも愛があるのなら問題ないだろう。クロウとルルには二人なりのやり方、進み方があるんだろう」
ユーズ団長の受け売りだが、きっとクロウにはこの言葉が効くだろう。
「愛……」
胸元をぎゅっと掴んでクロウは静かにつぶやく。
「きっとルルだってクロウのことはちゃんと男だと思ってるだろうよ。二人はもう3年も一緒にいるんだろ?キスだってそれ以上のことだってやってるんだろ?それをルルに拒まれたことがあったか?」
そう尋ねるとクロウは何かを思い出したようでほんの少し顔を赤らめ、首を横に振る。
「クロウはもっと自信もっていいと思うぞ。クロウは十分に強いし何よりルルのことをこんなにも愛しているじゃないか。それ以上何が必要なんだよ。心配ならちゃんとルルと話し合え。俺はリラとちゃんと話し合って歩み寄ってるつもりだぞ」
片方だけじゃない、双方が歩み寄ることで誤解も減るし相手への理解も深まる。夫婦ってのはそうやって長く連れ添っていくもんなんだろうし、それが円満の秘訣なんだろう、きっと。
俺の話を聞いて、クロウは少し安堵したようだ。それに加えてさらに男前になったようにも思える。愛する人を思う男はこんなにも頼もしい顔になるんだな。俺もリラのためにそうなれているんだろうか。
「二人のところに戻ろうぜ。ルルがリラにお菓子を作ろうって言ってたからな、そろそろできたんじゃないか」
「別に、これと言ってなんとも……いや、見た目がアレだから夫婦には見られないことが多いが、そもそもリラはあまり他人と関わり合わないし特に問題はないと思ってる」
腕を組んで一通り考えつつ返事をすると、クロウは渋い顔をしてこちらを見る。
「他人から見た様子ではなく、ロイがどう思うかを聞いているんですが」
俺がどう思うか、か。てか、クロウはなんでそんなことを気にするんだろう。
「よくわからないな。むしろクロウはどうなんだ?クロウとルルも確か歳の差はかなりある方だろ」
そう尋ねると、クロウはビクッと肩を震わせる。ははぁん、なるほどな。なんとなく察しがついてきたぞ。
「俺は……ルルと歳が離れていることがもどかしいです。俺の方が随分と年下だし、ルルを守りたいと思っていてもルルは俺を、なんて言うか、子供扱いまでは行かないけどやっぱり年下だからとそういう扱いをするんです。俺はそれがなんだか嫌で……。でもそんなこと言うのも余計子供っぽいなって。俺が年下のせいでルルは家の人からもあまりよく思われていないようで、それもなんだか悔しくて」
しかめ面で苦しそうに言うクロウは、よっぽどルルのことが好きでたまらないんだろう。
「なるほどね、クロウはルルとの歳の差に苦しんでいるわけか」
「……ロイはリラへまるで子供のように接していますが、やはりリラのことは妻としてではなく子供のように思っているんでしょうか」
クロウの問いに俺はふとリラのことを思い浮かべた。リラへは確かに子供と対峙するように接しているかもしれない。だが、だからと言って子供だと思っているわけでは決してない。保護欲か庇護欲かはまだわからないが、リラのことはとても大切に思っている。
まだハグ止まりだが、決してそう遠くない未来にキスや体の交わりも行うことになるだろう。それはつまり女性として考えていることに違いはない。何よりリラは俺の妻だ、それが始まりはたとえ契約結婚だったとしても、俺にとってはかけがえのない大切なパートナーだ。
「いや、リラのことはちゃんと妻だと思っているよ。確かに子供のように接しているが、それはリラの生い立ちにも関係してる。俺はどういう形であれリラのことは大切に思っているんだ。前に、ユーズ団長に言われたことがある」
『聖女も騎士も様々な人間がいるようにそのペアの進み方はそれぞれだ。どこにも正解なんてない。お前達はお前達のやり方、進み方で進んで行けばいい。何より、そこに愛があるのなら何も問題ないだろう』
「俺とリラの歳の差がどうであれ、そこに愛があるなら問題はないと思っている。クロウとルルの間にも愛があるのなら問題ないだろう。クロウとルルには二人なりのやり方、進み方があるんだろう」
ユーズ団長の受け売りだが、きっとクロウにはこの言葉が効くだろう。
「愛……」
胸元をぎゅっと掴んでクロウは静かにつぶやく。
「きっとルルだってクロウのことはちゃんと男だと思ってるだろうよ。二人はもう3年も一緒にいるんだろ?キスだってそれ以上のことだってやってるんだろ?それをルルに拒まれたことがあったか?」
そう尋ねるとクロウは何かを思い出したようでほんの少し顔を赤らめ、首を横に振る。
「クロウはもっと自信もっていいと思うぞ。クロウは十分に強いし何よりルルのことをこんなにも愛しているじゃないか。それ以上何が必要なんだよ。心配ならちゃんとルルと話し合え。俺はリラとちゃんと話し合って歩み寄ってるつもりだぞ」
片方だけじゃない、双方が歩み寄ることで誤解も減るし相手への理解も深まる。夫婦ってのはそうやって長く連れ添っていくもんなんだろうし、それが円満の秘訣なんだろう、きっと。
俺の話を聞いて、クロウは少し安堵したようだ。それに加えてさらに男前になったようにも思える。愛する人を思う男はこんなにも頼もしい顔になるんだな。俺もリラのためにそうなれているんだろうか。
「二人のところに戻ろうぜ。ルルがリラにお菓子を作ろうって言ってたからな、そろそろできたんじゃないか」
14
あなたにおすすめの小説
処刑前夜に逃亡した悪役令嬢、五年後に氷の公爵様に捕まる〜冷徹旦那様が溺愛パパに豹変しましたが私の抱いている赤ちゃん実は人生2周目です〜
放浪人
恋愛
「処刑されるなんて真っ平ごめんです!」 無実の罪で投獄された悪役令嬢レティシア(中身は元社畜のアラサー日本人)は、処刑前夜、お腹の子供と共に脱獄し、辺境の田舎村へ逃亡した。 それから五年。薬師として穏やかに暮らしていた彼女のもとに、かつて自分を冷遇し、処刑を命じた夫――「氷の公爵」アレクセイが現れる。 殺される!と震えるレティシアだったが、再会した彼は地面に頭を擦り付け、まさかの溺愛キャラに豹変していて!?
「愛しているレティシア! 二度と離さない!」 「(顔が怖いです公爵様……!)」
不器用すぎて顔が怖い旦那様の暴走する溺愛。 そして、二人の息子であるシオン(1歳)は、実は前世で魔王を倒した「英雄」の生まれ変わりだった! 「パパとママは僕が守る(物理)」 最強の赤ちゃんが裏で暗躍し、聖女(自称)の陰謀も、帝国の侵略も、古代兵器も、ガラガラ一振りで粉砕していく。
転生してモブだったから安心してたら最恐王太子に溺愛されました。
琥珀
恋愛
ある日突然小説の世界に転生した事に気づいた主人公、スレイ。
ただのモブだと安心しきって人生を満喫しようとしたら…最恐の王太子が離してくれません!!
スレイの兄は重度のシスコンで、スレイに執着するルルドは兄の友人でもあり、王太子でもある。
ヒロインを取り合う筈の物語が何故かモブの私がヒロインポジに!?
氷の様に無表情で周囲に怖がられている王太子ルルドと親しくなってきた時、小説の物語の中である事件が起こる事を思い出す。ルルドの為に必死にフラグを折りに行く主人公スレイ。
このお話は目立ちたくないモブがヒロインになるまでの物語ーーーー。
虚弱体質?の脇役令嬢に転生したので、食事療法を始めました
たくわん
恋愛
「跡継ぎを産めない貴女とは結婚できない」婚約者である公爵嫡男アレクシスから、冷酷に告げられた婚約破棄。その場で新しい婚約者まで紹介される屈辱。病弱な侯爵令嬢セラフィーナは、社交界の哀れみと嘲笑の的となった。
【完結】死の4番隊隊長の花嫁候補に選ばれました~鈍感女は溺愛になかなか気付かない~
白井ライス
恋愛
時は血で血を洗う戦乱の世の中。
国の戦闘部隊“黒炎の龍”に入隊が叶わなかった主人公アイリーン・シュバイツァー。
幼馴染みで喧嘩仲間でもあったショーン・マクレイリーがかの有名な特効部隊でもある4番隊隊長に就任したことを知る。
いよいよ、隣国との戦争が間近に迫ったある日、アイリーンはショーンから決闘を申し込まれる。
これは脳筋女と恋に不器用な魔術師が結ばれるお話。
【完結】目覚めたら男爵家令息の騎士に食べられていた件
三谷朱花
恋愛
レイーアが目覚めたら横にクーン男爵家の令息でもある騎士のマットが寝ていた。曰く、クーン男爵家では「初めて契った相手と結婚しなくてはいけない」らしい。
※アルファポリスのみの公開です。
混血の私が純血主義の竜人王子の番なわけない
三国つかさ
恋愛
竜人たちが通う学園で、竜人の王子であるレクスをひと目見た瞬間から恋に落ちてしまった混血の少女エステル。好き過ぎて狂ってしまいそうだけど、分不相応なので必死に隠すことにした。一方のレクスは涼しい顔をしているが、純血なので実は番に対する感情は混血のエステルより何倍も深いのだった。
【完結】 異世界に転生したと思ったら公爵令息の4番目の婚約者にされてしまいました。……はあ?
はくら(仮名)
恋愛
ある日、リーゼロッテは前世の記憶と女神によって転生させられたことを思い出す。当初は困惑していた彼女だったが、とにかく普段通りの生活と学園への登校のために外に出ると、その通学路の途中で貴族のヴォクス家の令息に見初められてしまい婚約させられてしまう。そしてヴォクス家に連れられていってしまった彼女が聞かされたのは、自分が4番目の婚約者であるという事実だった。
※本作は別ペンネームで『小説家になろう』にも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる